カルティエの腕時計『サントスカレ』と『サントスガルべ』は何が違うのか?
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サントスカレとサントスガルべの違い
元々が1980年代初頭に誕生したサントスガルべなのですが、 最も知られていてサントス市場、最も美しいのがこちらのRef.2961です。
ケースサイズは29mmで、ラグからラグまでは41mmです。
デイトが3時位置にあり、ETA社製Cal.2671が搭載されています。
そんな基本スペックを持っているサントスなのですが、その造形をよくよく見ていったら少し違いがあります。
まず1980年代初頭に誕生した、サントスガルべですがこちらはサントスカレと言う名前が正式名称です。
【SANTOS CARREE/「Santos Carrée」】ですね。
「Carrée(カレ)」はフランス語で「四角い」または「正方形の」という意味です。
カルティエの「Santos Carrée」は、ケースの形状が四角形であることから名付けられています。
このデザインはサントスの特徴的なスタイルの一つで、クラシックな丸みのあるサントス・デュモンとは対照的に、よりモダンでエッジの効いた形状が特徴です。
といった感じで、最初から知ってました!
みたいな言い方をしていますが、これは視聴者様から教えて貰った内容ですね。
そんな感じで、サントス カレというモデルはガルべというモデルに隠れてしまってあまり知られてないと思うのですが、多分その違いがほとんど分からないから、ガルべに統一されちゃってるんだと思いますね。
ちなみに、カレは1978年の誕生で次期型のガルべは1987年の誕生になります。
そして、サントスガルベなのですがこちらは既にご存知の通り、ガルべという言葉には『湾曲』という意味が込められています。
では、そんなサントス カレとサントスガルべは何が違うのか?
というのを見て行きましょう。
こちら左がサントスカレで、右側がサントスガルべなのですがぱっと見では多分その違いは全然分からないと思います。
と言いますのも、サイズが違うわけでもなくデザインが違うわけでもないからですね。
しかし、細部の作りを見ていくと実は微妙な違いが見えてきます。
まずはベゼルですね。
この四角のフレームの部分なのですが、この厚さが違います。
カレの方はある程度の厚さがあって、ガルべの方はカレと比べるとほんの少しですが薄く仕上げられています。
では2つ目ですね。
これはコマです。
コマもしっかりと確認しないといけないのですが、カレの方はバキバキにエッジが立っており、いかにも工業的というか鋭利な刃物を繋ぎ合わせた印象を与えます。
その反面ガルべは、そのエッジの部分にカバーが取り付けられており、丸みが与えられています。
ではガルべの後期型も見て行きましょう。
後期型が誕生するのは、大体2000年くらいでありこの頃はクオーツショックも終わり、やっぱ機械式が良くね!?
って時代に戻ってたので、このガルべにはカレと同様にETA社製自動巻Cal.2671が載せてあります。
左がクオーツで、右が自動巻ですね。
クオーツと比較すると、自動巻を載せている分ちょっとだけ厚みがありますが見た感じ2mmくらいしか違いはないようなので、ほとんど差はありません。
このクオーツと自動巻との大きな違いはブレスなんですよね。
左がクオーツで右が自動巻ですね。
表面のデザインは変化はなく、ステンレスブレスの方が大きく変化しており、ラグスポブームが終わっているために、同じ幅のままバックルに繋がっているし、そのバックルの部分もバックルが見えないようなデザインになっています。
ケースの表面は、ケースとの一体型が進んでいたものが、後期型になるとバックルの部分までそこが隠れて、よりひと繋ぎになりました。
こうやって、初期のカレ、進化系のガルべのクオーツ、ガルべの後期型の自動巻搭載モデルを見てみると、ぱっと見は同じに見えてもカルティエが向かっている方向性が見えてきますね。
感覚的には、カレはデザインは違うものの、大きな方向性としてロイヤルオークに近いのかなぁといった印象ですね。
ガルべの方は、より近代的なデザインというかカルティエがここ最近のモデルで、よりそれを加速させている、ケースとベルトの一体化の原点を感じさせます。
こうやって見てみると、カレは作りに荒っぽさがある(これはエッジがバキバキに立ってる部分や、裏蓋側がボコッと出ているところを言ってるのですが、言い換えると無骨さとか、がっちりとした印象を与えてくれます。
ガルべの方はそれが少し落ち着いてるというか、デザインが洗練されて統一感を優先させているなぁと言った印象ですね。
と言った感じで、めっちゃ細かいところを色々話してきましたが、実際に腕に載せてみたら正直なところどっちもいいね!
って感じです、笑
では実際に腕に着用しているシーンで、これらの見え方の違いを見て行きましょう。
腕に載せてみてどんな違いがあるのか?
腕に乗せているシーンは、動画をご覧になった方が分かりやすいと思いますので、そちらからご確認くださいませ。
前述した通り、腕に載せてみればもうどれもかっこいいので、自分が気に入ってそれを選んで頂いたのであれば、100%満足して頂けるはずです。
というわけで、まずはサントスカレですね。
サントスカレは、ベゼルの厚さがあるのとエッジがバシッと立ってるので、ベゼルから文字盤にかけて奥行きがあります。
この立体的な造形が最強ですね!
名前の通り、要所要所でカクカクしてるので、メカトロ感を一層感じることが出来ます。
そして、そこにビスの装飾ですからね。
よくぞ飛行機のデザインをここまで腕時計に落とし込んでるなぁ・・・・と感心させられます。
かといって、ケース径が29mmしかありませんので、主張は激しくありません。
こういったことが、サントスカレの高騰の要因になっていんでしょうし、歴代モデルの中で完成系に達している理由だと思われますね。
次がサントスガルべのクオーツですね。
カレと比べれば、統一感が重視されていますが実際に遠目から見れば、その違いはほとんど分からないと思いますね。
クオーツの魅力は薄型であるというところでしょう。
手首への馴染みが3つの中で一番良いんだけど、サントスガルべを着用しているという満足感を感じることが出来ます。
機械式と比較されることが多いクオーツですが、私はクオーツの魅力はその薄さだと思うんですよね。
パンテールもLMが復活しましたが、これもクオーツが搭載されています。
パンテールの方向性は、サントス以上に腕馴染みがいいように作られていることなのですが、その腕馴染みの良さを実現させるのにはやはりクオーツが最強です。
もちろん手巻きもありますが、現代に手巻き乗せちゃったらもう高級モデルになっちゃうから、パンテールはクオーツが採用してあるんだと思うんですけどね。
それだけ腕馴染みの良さってのは、現代において再認識されてきていると感じます。
私はこんな感じで、ブログ書いたり動画を作ったりすることが多いので、腕時計の選択肢の中にクオーツウォッチがあるというのは、とても素晴らしいことだと思いますね。
次がサントスガルべの自動巻モデルですね。
ガルべの後期モデルは、自動巻が乗せてあって文字盤もギョーシェ装飾なのですが、まぁなんていうか夏も冬もこれ一本あれば全然乗り切れますね。
ホワイトのプリントの文字盤もめっちゃ好きだしかっこいいのですが、このギョーシェ装飾の文字盤の特徴って、ブルースチールの時針、分針、秒針をより際立たせてくれるところです。
これは写真や映像からでは伝わらない部分だと思うのですが、ギョーシェの文字盤が光に当たって反射するので、その反射光でブルスチールの針が光ります。
だから、自然光と反射の光の2つで光るので、より深いブルースチールの美しさが際立ちます。
腕時計をつけてるけども、アクセ感も結構あるのでオールシーズンこれ一本で全然乗り切れてしまう素晴らしいモデルですね。
はい、と言った感じでサントスカレとサントスガルべの前期と後期型を解説して参りましたが、やはりカルティエがデザインして作ってるので、もうただただかっこいいって感じですよね。
ポップアップストアを開いた時に、結構な割合でカレやガルべを着用してお越し頂く方が多いのですが、みなさま共通してかっこいいですよね。
ヴィンテージウォッチとは言っても、ガルべって光に当たった時に風防とベゼルが光るんですよね。
ベゼルが鏡面仕上げされてますからね。
そんな一瞬の出来事なのですが、そのちらっと光る部分が見えると男の私から見てもこの人かっこいいわ!
って思っちゃいますもんね。
今日出てきたカレとガルべ以外にも、他にもいろんなデザインが存在しますので、是非とも自分のお気に入りを見つけて頂ければ幸いです。