高級機械式腕時計ブランドおすすめ6選
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人が腕時計に興味を持つ理由は様々はありますが、30代になって急に腕時計が・・・40代になって急に腕時計が・・・のような感じでいきなり腕時計に興味を持ったのだが、ロレックスしか知らないし、この状況はまずい・・・・という方も多いことでしょう。
そんな方でも、この記事をご覧頂ければ腕時計全体の85%程度は掴んで頂けると思いますので、是非とも最後までお付き合いくださいませ。
1つ目 ロレックス
腕時計といえば、まずはロレックスですよね。
簡単に言ってしまうと、転売ヤーの餌食になっているブランドですね。
人気モデルだと正規店で買えたその瞬間にもう利益が出てしまうモデルもあるので、凄すぎるブランドとも言えるでしょう。
女性はエルメスパトロール、男性はロレックスマラソンというくらい、仕事とスポーツにもなっているジャンルです。
しかし、これらの活動家はパトロールとマラソンをしたとしてもしっかりと利益を残せるために、猛暑日であっても休むことなく活動を続けることから、甲子園で勝つか負けるかの真剣勝負の場で戦う高校生の体力と精神力を有するとの噂もあります。こういった意見が出てくることも理解しております。
お前はロレックスマラソン選手のロの字もわかってねぇ。
ロレックスはなぁ、一見さんには売らないんだよ。
あとなぁ、本当にマラソンしてるわけじゃないんだよ。もちろんそのことは理解しております。
このロレックスマラソンの仕組みについては、こちらの書籍
アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果5000万円の借金をつくった話の中で詳細に解説してあるので、こちらの本は薄いので大体1時間で読めると思いますので、こちらの本も一緒にご覧ください。というわけでロレックスの話に戻りますが、ロレックスが人気なのはその資産性にあります。
腕時計を買いたいなぁ。
と思った時にまずロレックスが出てくるのですが、腕時計でありながらもリセールが下がりにくいのが特徴です。
よって、ロレックスが人気なのはリセールバリューが最強だからなんですね。これまでの話だと、ロレックスのお店に行ったとしても人気すぎてお店に商品がないんじゃないか?
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと時計はあります。ロレックスがアホみたいに高くなっているのは、一部のモデルだけでありそれは大まかにくくると
・現行新品のエクスプローラー
・現行新品のデイトナ(一部のモデル)
・現行新品のサブマリーナ
などになります。ですので、基本的にはこれら以外のモデルであればお店に行っても展示してあるはずです。
おそらく上記の3本をいきなり買いたい!とはならないと思われますが、これらを手にしたいと強く望む方はマラソン選手になるしかないでしょう。実際にエクスプローラー、デイトナ、サブマリーナは時計の初心者が見ても物凄くかっこいいので、欲しくなるはずです。
でもそんな入手難易度が難しいのであれば諦めるか。
となりそうなんですが、ちょっと待ってください。
ちゃんと購入する方法はあります。新品じゃなければならない。
という方はできないのですが、それらのモデルのヴィンテージモデルであれば、比較的簡単に見つけ出すことが出来ます。
ヴィンテージってのは大体50〜20年前の腕時計ってことですね。そんな古っぽい時計嫌だよ。
って感じる方もいるかもしれませんが、どうですかねぇ。
30代以降になれば、そういった古いものにも愛着が湧いてくると思いますので、ヴィンテージであってもとても楽しめると思いますし、まず1本目は新品の半額くらいでも販売してある中古やヴィンテージで様子を見るってのでも良いと思われます。ヴィンテージウォッチについての私の考え方については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので気になる方はご覧ください。
なぜ敢えて中古の腕時計!?ヴィンテージウォッチに何の魅力があるの?
ロレックスは何が凄くて何が魅力なのかを解説すると、ざっくり言ってしまえば時計の素材にステンレスを使用したことです。
歴史を振り返ったときに、腕時計というのは貴族だけが持つことが出来る代物でした。
素材は18Kで作られ、1個の時計に大きな金額がかかっていたので、庶民では買えなかったんですね。
ロレックスがステンレスを採用する前からステンレスの腕時計はありましたが、ロレックスが凄いのはそのステンレスを使ってツールウォッチにしたことです。
腕時計とは、時間を計測するためのものであり、貴族にとっては18Kで作られた高級に見えるものが必要だったのですが、庶民が必要としてるのはそこではないんですよね。
堅牢さとか耐久性とか正確さとか、実戦で使う時にどれだけ使えるのか?
というとこに行き着きます。
そこで先ほどの3本の時計につながってくるのですが、エクスプローラーは登山者用に、デイトナはモータースポーツ(富士スピードウェイみたいなのですね)サブマリーナは深海まで潜るダイバーのため。
と言った感じで、その仕事を専門にする人々に向けてそこに特化させた時計を作ってきたから、ブランドの信頼があり求められる理由なのです。
こう言った歴史背景から、労働者の相性が良く、ロレックスの凄みというのはステンレス素材の耐久性を理解して、しっかりとアプローチしてきたブランドだと言えるでしょう。
ただし、ここからが問題なのですが誰もが腕時計といえばロレックスと連想できるように、着用している人が多いのも特徴です。
そのため、人と被る確率も高くもっと自分を出したいと考えている方にとってはありきたりのブランドになってしまうでしょう。
腕時計を手放したいと思った時には、モデルによっては3年着用してても値段が落ちるところか、上がってしまうモデルもありますので、そう言った時計を楽しみながらリセールも狙いたい方にとってはおすすめ出来るブランドです。
2つ目 オメガ
男性であれば多分ロレックスの次に出てくるのがオメガではないでしょうか。
私の感覚としては、オメガは最近失速気味だと感じているのですが、それでもネームバリューは最強です。
元々はロレックスが出てくる前は、1番はオメガでした。ロレックスって今となっては誰もが知るブランドなのですが、腕時計業界の中では創業は意外と後発なんですよね。
元々オメガも堅牢な時計、正確な時計を作ることが出来て、高級時計ではなく労働者階級に支持されてきたブランドです。
ですので、ほとんどの部分でロレックスとバッティングしますし、ロレックスと比較されてきたブランドなんですね。オメガの有名な逸話としては、腕時計の中に入ってる機械を『ムーブメント』っていうんですが、これのめっちゃ精度が良いバージョンのことをクロノメーターって言うんですね。
このクロノメーターの基準をいち早く取得したのもオメガですし、今となっては一部モデルにはそれをさらに進化させた、マスタークロノメーターの基準も新しく採用されています。
こんな感じで、オメガというブランドの特徴は精度を突き詰めてきた歴史を持つブランドと言えるでしょう。
ではオメガの代表モデルを見てみましょう。
・スピードマスター
・レイルマスター
・シーマスター
スピードマスターはクロノグラフ。
クロノグラフってのは、時計の中に2〜3個の丸が入っててストップウォッチ機能を搭載しているモデルのことですね。
男性の方であれば、この無駄機能に引かれてしまうと思いますね。
ただし、このクロノグラフというのは実際には使うことはまずありません。
そもそも私生活において、ストップウォッチを使うシーンなんてせいぜいカップラーメンを食べる時くらいなのですが、そこもスマホがアラームで教えてくれるために、出番はありません。
じゃあ何のために、このクロノグラフというジャンルが存在するのか?
それはただ単にかっこいいから。
だけの理由ですね。
このクロノグラフについて、覚えておいて欲しいことが通常の3針モデルの3倍のパーツで構成されていると言われています。
ストップウォッチ機能が入るので、納得ですよね。
ですが、それだけパーツが多いと3針モデルと比較すると故障もしやすいです。
まず使うシーンはほとんどないと思われますが、むやみやたらに使わない方が無難と言えるでしょう。
スピードマスターの詳細な話をしたら、17分は喋らないといけませんので詳細が気になる方はこちらの動画からご覧くださいませ↓
では次のレイルマスターとシーマスターですね。
レイルマスターはすでに廃盤になってしまったのですが、その名前の通り鉄道関係で働く方に向けての時計です。
鉄道関係で働く方は、電磁波を発する機械に触れることが多く、それが時計のズレにつながってしまいます。
機械式時計をパソコンなどの近くなどに長時間置いてはいけないと言われるのは、そう言った理由があるからなんですね。
そこでオメガはスピードマスターで培った技術を応用して、電磁波の影響を極限まで低減させるレイルマスターを作ったんですね。
そして、シーマスターなのですがこちらはロレックスでいうところのサブマリーナになります。
ダイバーズで比較した時に、まずはこの2つのモデルが最初に上がってくると思いますね。
このダイバーズウォッチってのは、海に潜る時の時計ですね。
潜水してから、今何分潜ってるのか?とか残りの酸素量を気にしながら潜水しないと命に関わる問題になります。
よってダイバーズウォッチの基本スタイルは、暗闇でも見えるようインデックスの部分(インデックスってのは数字の部分ですね)は夜光塗料が塗られているし、針がどの時刻を指しているか判読できるようにこちらも先端に夜光が塗られています。
ただし、その名前を付けてればで売れるってのがあるので、全部がそのスタイルではなく一般的なアラビア数字のバージョンもあるし、18Kゴールドモデルも存在します。
例えて言うなら、ジャニーズというグループを結成したら、意外にも大ヒットしたから、このグループをめっちゃ作ったら良いんじゃね!?みたいな感じですね。
というか、そもそもこの動画をご覧になってる方は、潜水なんてしないと思いますし、友人にもそれをやってる人はいないのではないでしょうか?
となると、ターゲットは限りなく少なくなるのですが、何でダイバーズウォッチが売れるのかというと、これは先ほど解説した無駄機能であるストップウォッチを搭載したスピードマスター同様に、ただかっこいいから。
だけの理由だけになります。
時計の精度を追求しているブランドですので、 しっかりとした時間を把握したいし、機能的な時計が欲しい!
そう考えてある方にとっておすすめ出来るブランドです。
3つ目 カルティエ
時計ブランドというよりは、女性のための宝飾品ブランド。
というイメージの方が強いかもしれませんが、それはもう昔の話で今となっては宝飾部門よりも腕時計部門の方が売り上げが大きいですし、時計の売り上げもオメガを抜いて2位となっています。
今回は紹介しないのですが、老舗時計ブランドの代表にはIWC、ロンジン、ブライトリング、ホイヤーなどがあるのですが、それらを差し置いて宝飾品ブランドが2位になってる訳ですからいかに凄いブランドなのかが分かりますよね。
そんな宝飾品ブランドのカルティエなのですが、実は世界初の男性用腕時計を生み出したのがカルティエなんですね。
元々の携帯用の時計というのは、懐中時計と言って胸ポケットに入れてる丸い時計だったのが始まりです。
ですが1903年に飛行士であるアルベルト・サントス・デュモンという人物から当時のカルティエの3代目の社長であるルイ・カルティエに向けて、操縦桿を握ったままでも時間を確認出来る時計を作って欲しい!と言われて完成したのが世界初の時計として登録されています。
そして、その時計が『サントス・デュモン』というモデルであり、現行でも新品で購入することができます。
では何でこの時計が世界初の時計ブランドになったかと言いますと、ラグ(ラグってのは12時位置と6時位置から出ているツノのことですね)がついてそこにベルトが取り付けられたからです。
我々はすでに生まれた時から、腕時計があったので腕時計とはこういう物。
という概念が出来ていますが、先ほども説明した通り携帯用の時計というのは懐中時計が始まりであり、このポケットから出すスタイルの時代の人々からすればラグを付けて、そこにベルトを付けるってのはおそらくアイフォンが誕生した時くらいのイノベーションだったと思われます。
では、なぜそれがカルティエなのかを解説します。
本来であれば、そう言ったものは老舗時計ブランドが得意とするところでしょうが、懐中時計というスタイルから外れることが出来なかったんですね。
懐中時計は四角ではなく丸いですよね。
丸い時計にラグを付けるのには、当時としては歪な形になりますしラグを付ける発想がなかったのでしょう。
しかし、カルティエのサントスを見てみるとケースは四角でありそこにラグがついています。
これは、老舗時計ブランドではなく宝飾品ブランドとしての知見を持っていたカルティエの独創的な発想があったからこそ、誕生したデザインだったんですね。
ではカルティエの時計の特徴を解説していきます。
先ほど紹介したロレックス、オメガの時計を一言で表すとすれば、がっしりと固く重い時計。
のイメージですがカルティエの時計は、その反対でサラリとした薄型の時計。
って感じですかね。
ブランドのイメージですので、カルティエにも巨大で重たいモデルは存在するのですが、総評としてはエレガントな時計を作るブランドです。
ロレックスやオメガと比較すると、実用性の部分(これは防水とか硬さ)は劣ります。
どちらかというと、ドレスウォッチに分類されるので手元を華やかに、そしてファッションを華やかにしたい人向けのブランドです。
ですが、オメガの販売本数を抜いたのは2022年でありまだ2年前なんですよね。
となると、オメガが自然と衰退してきているのか、カルティエのような時計が求められて来ているのか?
のどちらかになります。
これは私の予想なのですが、スマホの誕生によって腕時計の必要性というか、正確な時間を測る。という役割は腕時計に求められなくなってると思います。
では腕時計が何で絶滅しないかと言いますと、腕時計はファッションアイテムの1つになってるからです。
そこでファションアイテムとして見たときに、どのブランドが魅力的かを見ていくとそこにカルティエが出てきて、カルティエが求められているのではなかろうか・・・・と私は考えております。
それらは時計の作りを見た時にも、大体伝わってきますよね。
ロレックスやオメガはどちらかというと、視認性を第一優先に設計されていますが、カルティエの時計は視認性というよりも美しさが優先されています。
これはどっちが良い!
という白黒させる部分ではなく、ブランドの成り立ちから生まれる哲学でありその哲学に共感するかどうかなんですね。
もっと分かりやすくいうと、どういったスタイルが自分の好みなのか?
ということになります。
ただ、現在のところはどうやらカルティエの哲学が時代にマッチし始めているのではなかろうか?
と言った感じですよね。
カルティエの腕時計は、エレガントで美しいですが思ってる以上に落ち着いてます。
ほんと誰が身につけても、上手に馴染んでくれます。
ブランドイメージ以上に敷居が低いですね。
ですので、袖口にキラリとひかる高級アクセントが欲しいと考えている方におすすめのブランドです。
カルティエの詳細な歴史を知りたい方は、こちらの動画をご覧ください↓
4つ目 パテックフィリップ
パテックフィリップは世界3大時計ブランドの中でも、頭ひとつ抜けたブランドですね。
世界3大時計ブランドとは、腕時計ブランドの中でも頂上に君臨するブランドのことを言います。
ワンピースで言うとこの『4皇』の頂点ですね。
前半で紹介してきたロレックス、オメガはどちらかというと労働者階級から支持を受けてきたブランド。
カルティエは宝飾ジュエリーから、腕時計に参入してきたブランド。
そしてパテックフィリップのポジションを解説すると、富裕層(この富裕層とは国の王様レベル/日本で言うとこの総理大臣)などに時計製造を依頼されて来たブランドです。
ちなみにカルティエもイギリスの王様だったエドワード7世にジュエリー製造を依頼されて、納品した実績があります。
話を戻しまして、パテックはそんな感じで1839年の創業当初から、超高級腕時計を作ってきた歴史があります。
日本で言うところの江戸時代ですから、京都の老舗旅館くらいの威力があるでしょうね。
腕時計の作りは、カルティエに近しいドレッシーな要素がベースにあるのですが、カルティエは外装をしっかりと整えて、中の機械は他のブランドに作ってもらってたの対して、パテックは創業当初から精密機械を作ってケースも作って、といった感じで時計の全てのパーツを全集中で作り込んできた歴史があります。
ちなみにカルティエは今は自社でムーブメントを作れるようになっています。
そんなパテックを一言で表すのであれば、職人技を追求しすぎるブランドといったところでしょう。
3針時計はもちろんのこと、クロノグラフも作りますし複雑機構っていって、クロノグラフよりも、もっと部品点数の多いトゥールビヨンやムーンフェイズ、ミニッツリピーターなどなど、激ムズの時計を作ることを得意としています。
まぁこれらはおそらく手にすることはないので、覚えなくても良いですね。
まずこれが1つ目の特徴です。
2つ目の特徴が、磨きまくることです。
今となっては、裏蓋(時計の裏側ですね)がスケルトンになってて中の機械(ムーブメントですね)が見える時計が増えて来ましたが、パテックは初期の頃の時計から見えない部分であるムーブメントにもしっかりて仕上げをして来ました。
ムーブメントを構成するパーツのそれぞれをしっかりと面取り(面取りとは縁を滑らかにする作業ですね)を行い、それらのパーツに縦ラインのコートトジュネーブや連続した丸い装飾のペラルージュを施します。
これらの技法を施すことで、機械パーツが組み合わさって出来たものから、工芸品へと生まれ変わるのです。
例えて言うなら、ゲジ眉だった井上さくらが方向転換してなんかいきなり可愛くなったよね・・・・
くらいの違いですね。
では代表モデルを解説します。
1932年最初に発表されたモデルに「カラトラバ」ってのがあるのですが、カラトラバはバウハウスのデザインを取り入れています。
カラトラバもバウハウスも初めて聞きましたわ!
って感じだと思いますので、超絶簡単に説明すると
『一切の無駄を省いたシンプルなデザインと機能美を追求したフォルム』ってことですね。
若い頃は、この機能もあってあの機能もあって、ゴテゴテしてる時計がカッコ良かったけど、歳とってきたらこの洗練されたすっきりした時計がカッコよく見えてくるのさ・・・・って感じですね。
創業当初から貴族を相手にしてきたので、その人たちを満足させるためにはどんな時計を作ったら良いのか?
というのを追求していった結果、超シンプルなんだけど奥深い魅力のある腕時計を作る。という境地に到達したのでしょう。
とはいっても、パテックの時計を新品で買おうとしたら『あ〜こりゃ私の買える時計じゃないね』ってすぐに分かります。
超絶高いですからね。
購入するのであれば、ヴィンテージや中古であれば新品ロレックスくらいの価格で手にすることが出来るので、そこを狙うのがベストだと思われますね。
誰もが手にすることはできませんが、本当に素晴らしい高級時計が欲しい!
そのような考えのある方にこそ、おすすめ出来るブランドです。
パテックフィリップの詳細な歴史については、こちらの動画からご覧ください↓
5つ目 オーデマピゲ
世界3大時計ブランドの中の1つであるオーデマピゲです。
先ほど紹介したパテックと比較するとランクがちょっとだけ下になりますが、ほぼ誤差くらいの実力です。
ブランドの成り立ちがパテックとほとんど同じで、王侯貴族を相手にしてきた歴史があり、このブランドもシンプルでドレッシーな腕時計製作が得意です。
しかし、これは歴史の成り立ち上の話であって、現代のオーデマピゲはだいぶ雰囲気は違います。
オーデマピゲというブランドを簡単に解説します。
オーデマピゲの代表モデルにロイヤルオークがあるのですが、このロイヤルオークのイメージが強すぎて、オーデマピゲ=ロイヤルオークみたいになってるのが現状かなぁと私は感じています。
例えていうと、日清って会社の中には、チキンラーメンやら、どん兵衛やら、UFOがありますがやはり1番有名なのはカップヌードルですよね。
ただ日清=カップヌードルって感じではないですよね。
カップヌードルが代表して、もう単体で存在してるような感じです。
オーデマピゲのロイヤルオークも、同じような感じですがこっちはもっと強烈です。
日清みたいに、どん兵衛、チキンラーメン、UFOみたいなモデルが存在せず、ロイヤルオーク、これだけが単体で存在してる感じになっています。
もはやブランド名がロイヤルオークになって良いのではないか?レベルにロイヤルオークが尖りすぎています。
ですので、オーデマピゲというブランドを簡単に説明すると、『ロイヤルオーク』って覚えておけば大丈夫です。
カップヌードルの中にも、ベーシック、海鮮、味噌、カレーなどなどありますが、せいぜい両手で数えれる程度のバリエーションです。
ではロイヤルオークの格の違いを見てみましょう。
オーデマピゲの中にある、ロイヤルオークの種類はなんと183です!
ロレックス、オメガのダイバーズウォッチはネームバリューが強いから名前をそれにするだけで売れる!という話を前半にしましたが、ロイヤルオークはロレックス、オメガの派生が可愛く思えるほどに少なすぎます。
もはや腕時計業界では、ロイヤルオーク以上に派生系が出てくるモデルはこれより先にはないと言えるレベルです。
ではなぜここまでロイヤルオークが大量にあるのかを解説します。
その理由なのですが、すでにこの流れからある程度分かっていると思われますが、ただ単にかっこいいからです。
時計なんかでその人の評価が変わることはありませんが、ロイヤルオークを身につけていれば1つくらいはランクがアップするだろうなぁ。ってくらいかっこいいですね。
例えば、私のフェイス/全体像ランクはおそらく10段階中5ですが、ロイヤルオークをつけていれば6になれそうな気持ちにさせてくれます。
実際にランクが1上がらずとも、そんな気持ちにさせてくれるだけで身につける喜びというのはかなり大きいですし、ライフオブクオリティー(これは人生の質ですね)は圧倒的に向上するはずです。
このロイヤルオークなのですが、1980年代に誕生したモデルでありデザイナーであるジェラルド・ジェンタ氏によってデザインされました。
それまでは高級でシンプルな時計を作っていた、パテックフィリップなども1970年代から始まったラグスポブームってのがあるのですが、そのブームに乗っかってラグジュアリーだけどスポーティーさも兼ね備える時計を作るようになっていきました。
ラグスポの定義がまぁまぁ広いので、ここはサラリとそんな感じなんだねぇって感じで聞き流して頂きたいのですが、素材は基本的にはステンレスで薄型であること。
そのラグスポブームの中で誕生したのが、このロイヤルオークなんですね。
実際に誕生した当初というのは、全然売れていませんでした。
それはステンレス素材を使っているにも関わらず、びっくりするくらい高かったからです。
しかし、実際に手にしてみた人々からの評判が非常によく、モデルを刷新していくことに市場から受け入れられ、気がついたら183個にまでなっていた。といった流れですね。
ちなみにヴィンテージのオーデマピゲには、コブラやシンプルな2針のラウンドモデルなど素晴らしいモデルがたくさんありますので、ロイヤルオーク以外にも見てみたい!という方は、ヴィンテージモデルもご覧になるとより楽しんでいただけると思います。
大体いつもだったら、ヴィンテージの方が素敵なモデルがたくさんあります。って言いたくなるのですが、やはりロイヤルオークだけになったとしてもめっちゃかっこいいので、もうオーデマピゲはこれだけでも充分にいけてるブランドだと言えるでしょう。
6つ目 ヴァシュロン・コンスタンタン
最後にご紹介するのは、ヴァシュロンコンスタンです。
こちらも世界3大時計ブランドの一角になります。
こちらも先ほどのオーデマと同じ、パテックのちょい下になるのですが実力的にはオーデマと一緒と考えていただいて問題ありません。
オーデマはロイヤルオークに全振りしたブランドですが、オーデマよりは分散できてるかなぁ。といった印象です。
今もシンプルで高級な腕時計を中心に製造をしている印象です。
ちなみに、先ほどのロイヤルオークとの関係についてヴァシュロンのそれに匹敵するモデルを解説します。
ヴァシュロンにも、ロイヤルオークのライバルみたいなモデルがあって、それがオーヴァシーズになります。
こちらはラグスポ時代が終わった1996年に誕生したモデルです。
ドイツ人のデザイナーであるヨルグ・イゼック氏によってデザインされています。
オーデマピゲのロイヤルオークの誕生が1972年ですので、約25年遅れの発表となります。
ロイヤルオークの大ヒットを横目に見ていたヴァシュロン社ですが、もちろんそれをただ横目に見ていたわけではありません。
実はオーヴァーシーズの前に、その進化前のヒストリーク222というモデルを製造していました。
そのヒストリークの誕生が1977年と、ロイヤルオークの誕生から5年後だったんですね。
後発とはいえ、こちらもデザイナーにデザインして作ってあるので売れるだろうと予想してたのですが、実際には思ったように売れずロイヤルオーク、パテックフィリップからも出ていたラグスポのノーチラスにも完全敗北してしまいます。
そこでもう一回デザインをやり直して完成したのが、25年ぶりのオーヴァーシーズだったんですね。
時計をご覧頂ければ分かる通り、オーヴァーシーズにはヴァシュロンのブランドを連想させるマルタ十字のデザインが、ベゼルに取り入れてあります。
ヒストリーク222よりは、格段にカッコよくなっているのが分かりますよね。
ですが、ロイヤルオークが最強すぎてヒストリーク、オーヴァーシーズが影に隠れている印象は歪めません。
ただし、ヴァシュロンは先ほども話した通りこの他にもエースが存在します。
パトリモニーというモデルですが、こちらは世界3大時計ブランドらしいシンプルなデザインで、パテックフィリップのカラトラバに引けをとりません。
このパトリモニーがあることで、伝統的なブランドのイメージを守っていると言えるでしょう。
こちらのブランドも新品価格で購入しようとすると、もう価格を見るだけでやる気がなくなってしまうので、中古やヴィンテージ市場で探されることをお勧めします。
こんな感じで、今回6個のブランドを紹介してきましたが時計屋さん私から見て、腕時計とは駅伝だと考えています。
ここ何年かは青山学院大学が常に優勝していますが、その前は東洋大学であり、その前は駒沢大学でした。
そして、常に同じ大学が優勝し続けるわけでもないし、区間記録を出す選手が常に1つの大学からではないように、腕時計もそのブランドのパワーというのは年代によって違いますし、そのブランドからからキラリとひかる素晴らしいモデルが生み出されてます。
例えば、1940年代から70年代にかけて作られたIWCの腕時計は、どれも素晴らしいですし、今のオメガくらいのポジションだったと言えるでしょう。
よって、時計のブランドというのは初めのきっかけとして捉えて、そのブランドの哲学に共感できたのであれば、もっと深ぼって見ていくともっと楽しめるはずです。
今回紹介したブランドは、たくさんある時計ブランドの中のたったの6個であり、それぞれのブランドから誕生した歴代モデルを全部見て行こうとすると星の数ほど存在します。
あれも良い、これも良いと考えながらいろんな時計を見ていくことで、きっと自分に合った腕時計と出会えると思いますね。