ステンレス素材の腕時計にどのように価値を与えるべきか! 3分ショート
ステンレス素材の腕時計にどのように価値を与えるべきか!
腕時計を見ていくときにまず素材に目がいくのだが、新品の腕時計であれば、ブランド側がこの値段!
と決めていれば、それはこちら側が変更することができないために、その値段で買わざるを得ないが、ステンレスでこの価格はちょっとなぁ・・・・
と感じる方も多いだろう。
しかし、ステンレスという素材だけを見ずに、希少性と物作りの良さを追加することで、ありきたりなステンレスモデルがグッと高級モデルへと生まれ変わる。
ではこちらの画像をご頂きたい↓
マトリクス図の見方であるが、基本ベースは全て物作りのレベルは高いと考えてもらって問題ない。
上下方向が希少性、右側に行けば行くほどブランド力が高いという図である。
それぞれを簡潔に解説していく。
左側の3本であるレマニア、ユニバーサルジュネーブ、アンジェラスは、現代では全て倒産したブランドではあるが、3針時計よりも圧倒的に設計が難しいクロノグラフムーブメントを、自社で作り上げることが出来たブランドである。
ネームバリューを抜きに考えれば、確かな物作りの技術を持っているブランドだと言えるだろう。
次は3針時計のスペックを見ていく。
中央より左側がスミスW10、右下にあるのがハミルトン6B、その左上がIWC Mk11である。
これらに共通することは、イギリス国防省に認められた、ミリタリーウォッチであると言うことだぁ。
軍事というのは、一番分かりやすい物作りの品質だと言える。
なぜなら、そのツールを使用する際に動作不良が起きたり、簡単に壊れてしまう設計では、全く役に立たないからだ。
スミスは全く知られていないが、確かな技術力を持ち陸軍に採用された。
IWCのマーク11は、磁気を発するコクピット内で腕時計の精度が狂わないように、軟鉄インナーケースで囲ってあるし、後継機であるハミルトンの6Bも同じ設計になっている。
これらはただ単に、外観だけを綺麗に見せることをせずに、しっかりと内部まで徹底的に作られていることが特徴である。
特にIWCのCal.89は、ミリタリーウォッチであるにも関わらず、コートトジュネーブの装飾が入ってたりと、そこまでする必要あったのか?と思わせるほどの物作りの徹底ぶりが感じられる。
よって、ブランド力もあるIWCのミリタリーは他の2社よりも評価が高く、Mk11は150万円程度で取引されている。
次は中央左上にあるエニカである。
このブランドは、バルジューと言って、クロノグラフの汎用ムーブを作ってる会社のムーブが入っているが、そもそもバルジューの汎用ムーブの品質はめちゃくちゃ高く初代デイトナにも搭載されている。
当時はデイトナの廉価版と言われていたが、現在ではムーブメント以外にもモーターレースで使用できるほど堅牢なケースである、EPSA社のケースも採用していたことにより評価が大きく見直されている。
ここまでが物作りを優先させた、ステンレスのコスパ最強腕時計の紹介だが、ブランド力が足りないので結構安い。
安いって言ってもアンジェラス以外は100万オーバーするし、新品のステンレス100万モデルと、物作りの品質を比較した時の話である。
では右側を解説していこう。
右側だが、こっちは現代でもある程度知名度のあるブランドであり、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。
サントスガルべは、一般的にはコンビが一番多く作られており、オールステンレスの方が希少性が高い。
白文字盤のモデルで大体130万円くらいである。
そしてその右側2つだが、オーデマピゲのRef.5369とパテックの3579でありこれらも3つの要素を含んでいるモデルです。
世界3大時計ブランドは、歴史背景に王侯貴族を相手にしてきた背景がある。
そのため、ブランドの哲学に徹底した物作りの追求と、繊細さが腕時計の中に落とし込まれているのが特徴だぁ。
そこに1970年代に作られた廃盤モデル、という付加価値が乗っかってステンレスを採用していたとしても、高額で取引されている。
オーデマの方は大体100万くらいで、パテックのほうは200万円程度だろう。
このように、ステンレスモデルであっても物作りの良さや希少性という別の付加価値を与えることで、全く違った腕時計に生まれ変わっているのだぁ。
詳細については本編動画からご覧頂きたい!