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記事: なぜ新品定価が上がると中古腕時計の価格まで上がっていくの?

なぜ新品定価が上がると中古腕時計の価格まで上がっていくの?

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。

本日の動画では「なぜ新品定価が上がると中古腕時計の価格まで上がっていくの?」という内容で解説して参ります。

腕時計を見ていると、ここ数年で新品定価は全体的にかなり上がりましたよね。

すると不思議なのが、新品だけではなく、中古市場にある同じブランドや同じモデルまで価格が上がっていくことがあるんですよね。

中古やヴィンテージ腕時計はすでに誰かが購入した商品です。

メーカーが新品価格を10万円上げたからといって、中古腕時計そのものに何か新しい変化が起きて進化するわけではありません。

それなのに、中古価格まで上がっていくんですが、なぜこういうことが起きるのでしょうか?

というわけで今回は、新品定価と中古価格がどうつながっているのか。

また、メーカーが値上げすれば中古価格も必ず上がるのか。

このあたりをベルモントルの妹尾さんと一緒に見ていきましょう。



中古腕時計の価格は新品価格と切り離されているわけではない

まず最初に、今回の話を分かりやすくするために、最初に新品・中古・ヴィンテージの違いだけ簡単に分けておきます。

ここでいう「新品」は、現在メーカーが販売している現行モデルですね。

「中古」は、その現行モデルを一度誰かが所有し、再び市場に出てきたものです。

一方の「ヴィンテージ」は、すでに生産が終了していて、現在は新品で買えない昔のモデルです。

厳密にいうと、ヴィンテージは新品定価が存在しないので、価格の決まり方が少し違いますが大枠からは外れないと思いますので、今回はその中古の中にヴィンテージも含めて説明していきますね。

ではそれを踏まえて話を進めていくんですが、中古腕時計の価格は中古市場だけを見て決まっているわけではありません。

当然、そのモデルの新品が現在いくらで販売されているのか?ということも、一つの基準になります。

例えば、新品定価が100万円の腕時計があって、中古では70万円で販売されていたとします。

この場合、新品と中古の差は30万円です。

新品には、新品であることや正規保証などのメリットがあります。

一方で中古を選べば、30万円安く購入できます。

この30万円の差をどう考えるのかというところで、新品を選ぶ方と中古を選ぶ方が分かれてきます。

ではメーカーが値上げをして、新品定価が100万円から120万円になったとします。

中古価格が70万円のままであれば、新品との価格差は50万円になります。

腕時計自体は同じモデルです。

そうなると今まで新品を考えていた方の中にも、「50万円違うなら中古でもいいんじゃないか?」

と考える方が出てきます。


前述した通り、中古腕時計そのものの品質が突然上がったわけではありません。

新品の価格が上がったことで、相対的に中古が安く見えるようになったんですね。

また中古というのは、新品より安いというだけで価値が決まっているわけではありません。

新品に対して、どれくらいの価格差で買えるのか。

ここも常に見られています。

だから新品定価が動けば、中古市場の見え方も変わります。

新品が値上がりしているのに、中古だけが何年も同じ価格で止まっていると、中古の割安感がどんどん大きくなっていきます。

そうなれば中古を買いたい方が増える可能性があります。

そして需要が増えれば、当然中古価格にも上昇する力が働きます。

つまり、

新品定価が中古価格を直接決めているわけではないけれど、中古腕時計を見る時の基準の一つにはなっている。

ここが最初に理解しておきたい部分です。

よってこれが今、2次流通市場が賑わっている背景なんですね。

では次に、新品との価格差が開くと、中古腕時計の「割安感」が強くなる!という内容で解説して参ります。



新品との価格差が開くと、中古腕時計の「割安感」が強くなる

次に考えたいのが、中古を購入する側の心理です。

例えばある腕時計が、新品150万円、中古100万円だったとします。

価格差は50万円です。

この状態で新品定価だけが200万円に値上がりしたけど、それでも中古が100万円のままだったら、価格差は100万円になります。

そうなると、中古腕時計を見る目が変わってきますよね。

「中古が安くなった」のではありません。

100万円という価格は変わっていません。

ただ、新品が200万円になったことで、中古100万円の魅力が相対的に強くなったわけです。

もちろん新品を買うことには、新品ならではの価値があります。

自分が最初の所有者になれることや保証がしっかり付く。とか

傷のない状態から使い始められる。などなど

正規店で購入する体験そのものに価値を感じる方もいます。

ただ、それに100万円の差を払うのかという話になると、中古へ動く方も当然出てきます。

ここで中古を欲しい方が増えます。

いつも話している通り、ここの層が厚くなっていくんですね。

ところが、中古市場にある腕時計の数が、欲しい人の増加と比例して急に増えるわけではありません。

むしろ人気モデルであれば、状態の良い個体は限られています。

すると、

買いたい方は増える。

でも商品数は急には増えない。

こうなると、中古価格は上がりやすくなります。

だから新品定価の上昇が中古価格へ影響する時には、

新品が値上がりしたから、中古店も自動的に同じ割合で値上げする

という単純な話ではありません。

その裏にあるロジックってのは

新品が高くなる。

次に⬇️

中古が割安に見える。

次に⬇️

中古を検討する方が増える。

次に⬇️

需要が強くなる。

次に⬇️

その結果として中古価格が上がる。

こういう流れなんですね。

特に新品価格と中古価格の差を見て購入する方が多いモデルほど、この影響は出やすくなります。

では次に、値上げは「中古を売る側」の価格感覚まで変えていく!という内容で解説して参ります。



値上げは「中古を売る側」の価格感覚まで変えていく

ここまでは、新品定価が上がることで中古腕時計の割安感が強くなり、中古を選ぶ方が増えるという話をしてきました。

では、中古を探す方が増えると、販売する側では何が起きるのかってのを説明していきますね。

時計店からすると、よく売れるモデルであれば当然その商品を仕入れたくなります。

ただ、そのモデルを欲しいのは一つの時計店だけではありません。

ほかの時計店も、

「このモデルは探している方が多いから、在庫として持っておきたい」

と考えますよね。

すると今度は、中古腕時計を仕入れる側でも競争が起きるんですね。

そうすると、以前なら70万円前後が一般的な仕入れ価格であっても、その商品を欲しい店が増えれば、

「75万円なら買います」

「うちは80万円まで出します」

というように、より高い金額を提示する店が出てきます。

そうしないと、その商品をほかの店に取られてしまいますからね。

つまり、新品定価が上がったことで中古を選ぶ方が増えると、中古の販売価格だけではなく、時計店がその商品を仕入れるために必要な金額まで上がるということです。

絶対にそうなるってわけではないんですが、特に昨今はインフレですので、値下がりするってことはあんまりないんですよ。

私の感覚では中古腕時計全体では前月比で2%程度の上昇で、人気モデルだと前月比3〜6%上昇かなぁってイメージですね。

当然、仕入れ価格が上がれば、時計店も以前と同じ販売価格では出せなくなります。

例えば以前80万円で仕入れられていたモデルを、現在は90万円出さなければ仕入れられないのであれば、その分は販売価格にも反映されていきます。

ですから、

新品が値上がりしたから、中古店がそのまま中古価格も値上げしている

という単純な話ではありません。

そうせざるを得ないというのが正確なニュアンスでしょうね。

この流れを改めて解説すると


新品定価が高くなる。

次に⬇️

中古の割安感が強くなる。

次に⬇️

中古を探す方が増える。

次に⬇️

その商品を仕入れたい時計店も増える。


そして買取価格や仕入れ価格が上がり、最終的に中古の販売価格にも影響していくっていう流れなんですね。

新品定価の値上げが、直接中古価格を決めるわけではありません。

ただ、中古を欲しい方が増えることで、中古市場全体の価格を押し上げるきっかけになることがあるということです。

では次に、メーカーが値上げすれば中古価格も上がるわけではない!という内容で解説して参ります。



メーカーが値上げすれば中古価格も上がるわけではない

ここまで聞くと、

「じゃあメーカーは定価をどんどん上げれば、中古価格も勝手についてくるのか?」

と思うかもしれません。

確かにその傾向はありますが、そんな単純な話ではありません。

ここが今回の動画で一番重要なところなんですね。

中古価格を最終的に決めるのは、メーカーではありません。

実際にその価格で買いたい方がいるかどうかです。

例えば新品定価100万円だったモデルを、メーカーが150万円に値上げしたとします。

だからといって、中古市場が

「新品が150万円になったから、中古も100万円から130万円にしましょう」

と必ず受け入れるわけではありません。

買う側が、

「いや、この腕時計に130万円までは払いたくない」

と思えば、その価格では売れませんよね。

そうなると新品価格だけが上がり、中古価格はそこまで上がりません。


だからブランドによって、新品定価と中古価格に大きな開きがあるのはそういったロジックが働いているからなんですね。

要するに、腕時計においてはそのブランドパワーが強力じゃないと、中古市場の層が薄くなって上がりずらいということですよ。

結果として、新品と中古の価格差だけが大きくなることがあります。

この状態は、かなり重要で、なぜなら新品定価というのは、最終的にはメーカーが決める価格だからです。

一方で中古価格は、実際に売り手と買い手が取引する市場の中で作られていきます。

つまり、

新品定価は「メーカーがこの価格で売りたい」という数字。

中古相場は「市場が実際にこのくらいなら買う」という数字。

と言い換えることもできます。

もちろん中古相場も完全に自由な市場価格だけで動いているわけではありませんし、状態や付属品、販売店によっても価格は違います。

ただ、新品定価を引き上げる事と、その価格に市場が納得することは別の話です。

だからこそ、前述した通り新品価格を何度上げても中古価格がほとんど追いついてこないモデルもあります。

逆に新品定価が上がるたびに中古相場までかなり強くなるモデルもあります。

この違いは何なのか。

結局は、その価格になっても欲しい方がいるかどうかです。

それをもうちょい深ぼって見てみると

人気がある。とか

ブランドへの需要が強い。とか

そのモデルを探している方が多い。とか

中古市場でも売買が活発に行われている。などなど他にもたくさんあると思いますが。


こうした需要があるからこそ、新品定価の上昇が中古価格へ波及していきます。

ですから今回の、

「なぜ新品定価が上がると中古腕時計の価格まで上がっていくの?」

という問いへの答えは、

新品定価が上がることで中古腕時計の割安感が強まり、その結果中古を欲しい方が増え、さらに売り手側の仕入れ値まで上がっていくからです。

 

 

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