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記事: カルティエ屋さんのオーナーが考える『サントス』の選び方!サントスガルベとサントスデュモンの違い

カルティエ屋さんのオーナーが考える『サントス』の選び方!サントスガルベとサントスデュモンの違い

こんにちは、ベルモントルの妹尾です😊

本日の動画では、カルティエ屋さんのオーナーが考える『サントス』の選び方!サントスガルベとサントスデュモンの違い。

という内容で解説して参ります。

 

今回出てくるメインの時計は、現行品ではなくヴィンテージのサントスの比較になりますが、現行品との比較もしています。

ですので、現行品も良いと思うんだけど、ヴィンテージのサントスも気になってるんだよねぇ。

って方はきっと参考になると思いますので、是非とも最後までお付き合いくださいませ。

インスタも頑張っておりますので、そちらもフォローしていただけると嬉しいです!

それでは早速やってまいりましょう。

 

 

サントスシリーズの簡単な歴史『サントスデュモン』

簡単にサントスのシリーズの歴史を解説します。

始まりは1904年に製造されたサントスデュモンであり、こちらは飛行士であるサントス・デュモンという人物に向けて作られたものです。

3代目ルイカルティエとサントスデュモン

そして、これが世界で初めての男性用腕時計と言われています。

その前にも、ボーア戦争で腕時計がつけられていましたが、こちらはまだラグの定義が曖昧で、明確にラグがある腕時計を製作したのはこのサントスデュモンが初めてだったんですね。

サントスデュモンの要望としては、機能的な腕時計を作って欲しいというものでした。

それまではご存じの通り、懐中時計がメインであり操縦桿を握ったままポケットから時間を確認することがわずらしいということで、3代目のルイカルティエに話が持ちかけられたのでした。

そこで生み出されたのが、サントスデュモンでありポケットから時計を取り出さないで時間を確認出来るようにと、腕に着用するタイプが作られたのです。

サントスデュモンは、この時計を大変気に入り社交パーティなどでも積極的に着用されていたと言われています。

このように、サントスの歴史を振り返るとその原型というのはサントスデュモンの方なんですね。

ちなみに現行品のサントスデュモンは、こんな感じに進化しています。

ヴィンテージと現行型のサントスデュモンの違い

 

左が1970年代製で右が現行型ですね。

今となっては、カルティエは常時腕時計を製造していますが、このようなスタイルになったのも1970年代からでありそれまでは一部の富裕層にだけ時計を製造していました。

およそ100年の歴史があるサントスデュモンには、この他にもいろんなスタイルが存在します。

いろんなスタイルが存在するのですが、大まかな括りとしては手巻きを乗せたモデルのことを指し、現代のカルティエ社の考え方としては、ドレスウォッチラインとして分類しています。

 

では次にサントスガルベについて話をしていきます。

 

 

サントスガルベの簡単な歴史 

前述した通りサントスが世界初の腕時計として認識されていますが、富裕層にだけ商品を提供するスタイルを崩していなかったカルティエは、1970年代初頭までそのようなやり方で販売していました。

しかし、この頃に大きく流れが変わるのですが、それはCEOが変わったことです。

カルティエの新CEOアランドミニクぺラン

カルティエ社CEOアラン・ドミニクぺラン

この方が新しいCEOになったことで、サントスを現代的なスタイルにアレンジしよう!

ということで誕生したのが、『サントスガルベ』だったんですね。

ですので、サントスガルベのベースにはサントスデュモンがあるというわけです。

この頃の時代背景ってのは、一部の富裕層がそういった嗜好品を購入するのではなく、中産階級の人々これは当時無敵状態だった日本人も含むのですが、これらの層をターゲットにすることこそが、ブランドをより強固にすると考えられていたんですね。

実際にそうなんですけどね。

そういった背景から、1個1個の時計はめちゃくちゃ高いわけではないけど、しっかりと作り込んであり、ブランドの認知度の向上を目的に誕生したモデルです。

この時のそれぞれのサントスの立ち位置なのですが、デュモンは高級ラインとしてルイ カルティエ コレクションの中に入っています。

今はほぼ同じような立ち位置ですが、一昔前はデュモンの方が上だったんですね。

ルイ カルティエ コレクションに分類されているサントスデュモン

ちなみに同時期に生まれたのがマストタンクで、こちらも認知の向上を目的に作られています。

そして、ラグスポ時代が終わった後にデカアツ時計の時代が来て、サントス100が誕生し、それがちょっと落ち着いた現代はサントスドゥカルティエに進化していったということなんですね。

では簡単にこれらの2つのモデルの違いを見てみましょう。

サントスガルベとサントス ドゥ カルティエの違い

 

左がサントスガルベで右が現行型ですね。

基本スタイルは同じなのですが、ガルべはベゼルが正方形であるのに対して、現行型はベルトに繋がるようにベゼルが湾曲していますよね。

デザインの一番大きな違いはここですね。

あとは、触った時にすぐに分かるのがガルべはケース径29mmであるのに対して、現行型はMMサイズで35mm、LMサイズで39.8mmですので根本的な大きさが違います。

このサントスの正常進化の歴史はこちらの動画で詳しく解説していますので、気になる方はこちらの動画もご覧ください⬇️

 

そして、これら2つのサントスを大まかに分類した表がこちらです⬇️

サントスガルベとサントスデュモンの大まかな分類

サイズ感のところでは、サントスガルベは大きめと記載していますが、これはデュモンと比較した場合ってことですね。

前述した通り、現行のサントス ドゥ カルティエと比較すれば、サントスガルベは小さいです。

適したシーンもそれぞれのポジションを分かりやすいようにするために、このように記載していますが実際のところ、それぞれどっちのシーンで着用しても綺麗に整えてくれます。

 

というわけで、ここからはそれぞれを並べた時のデザインの違いについてお話しします。

 

 

 

サントスデュモンとサントスガルベのデザインの違い 

サントスデュモンとサントスガルベのデザインの違い

こうやって並べてみると、もう一目で分かりますがサントスガルベの方が大きいです。

サントスガルベが29mmでデュモンは25mmですね。

縦もガルべが40mmであるのに対して、デュモンは36mmなので全体を通してデュモンが一回り小さいですね。

しっかりとポジションを区分けしてあり、デュモンは革ベルトだけで秒針は入りません。

忠実なドレスウォッチのスタイルです。

ガルべの方は、当時のモデルでも革ベルトの選択が可能でしたが、基本スタイルはこのステンレスのブレスレットであり、秒針も入るしデイトも入る忠実なラグスポスタイルです。

ただし、意外なのはこれって文字盤の大きさは同じ18mmなんですよ。

ですので、このケースのデザインによって雰囲気が変わっているんですね。

横幅を比較してみるとだいぶ分かりやすくなります。

まずベゼルはデュモンの方が、ガルべと比べて半分くらいで、その周りのケースも半分くらいに収められています。

よってその空間には、ビスの装飾が入らずリベット止めになっています。

ガルべは全体を通して、ビスの装飾が入っていますので、サントスらしいデザインになっていますね。

これら2本を比べてみると、やはりドレスとスポーツが明確に分類してあるのが分かりますし、普段あまり着用しないこのデュモンのスタイルはいいなぁ・・・って気持ちになりますね。

 

ではここからはですね、実際に着用した時の感想をお話しして参ります。

 

 

それぞれのサントスを着用しての感想

サントスガルベ着用レビュー

これらはもう好みによる影響が一番大きいのですが、まずはガルべの方からのレビューですね。

ガルべの方は、一目でそれがなんなのかが分かります。

これはサントスガルベから始まったサントスの印象が、世の中の人々の頭の中にありますし、誕生してから50年以上経過してるので現行型は少し形が変わっていますが、それが原因でしょう。

着用してる感想ですが、裏蓋側がボコッと出てるので結構厚く見えますが実際に手首に乗せれば、全然それは気になりませんしそもそもケース自体が小さいので、袖口が引っかかることもありません。

多分ですが、誰が見ても『おしゃれな時計着けてますねぇ・・・』この言葉で締めくくられると思いますね。

何よりこのモデルの良い所が着用感が抜群です。

私はこんな感じで、基本的には小さい時計を扱っていますのでフィット感とかをあんまり考えないんですよね。

でかい時計になれば、やはりその大きさと重量のバランスを取らないといけないので、フィット感が大事なのですが、小さい時計って時計の位置がずれたとしてもバランスをとる必要はありません。

ストレスがない、って言った方がいいかもしれませんがそんな感じでフィット感をあんまり考えることはありません。

じゃあ私の言ってる着用感とは何かといいますと、言い換えると重さですね。

現行のドゥ カルティエも結構薄型に作ってありますし、サントス100と比べたら軽くなってるんですが、それよりも軽いです。

ケースが大きければその分全体が重くなるのですが、そこだけならまだいいのですがブレスタイプになるともっと重くなるんですよね。

ただし、ガルべの魅力ってのはそりゃあタンクなどの革ベルトタイプと比べれば重いですが、それでも全然許容出来る重さです。

この前サントス100のステンレスベルト付きモデルが珍しく出てたので、着用してみたのですが、結構重くて感覚的にはガルべの倍くらいの重さを感じましたね。

よって、それが何の時計かはすぐ分かるしおしゃれな時計だけど、重くない方がいいんだよなぁ・・・・

って方におすすめ出来ますね。

 

では次にデュモンの方ですね。

サントスデュモン着用レビュー

デュモンの方は前述した通り、メインのラインではなくどちらかというと特別なラインに分類されているので、視聴者のほとんどの方がそんなサントスもあったんだぁ・・・くらいな感じだと思うんですよね。

ですので、この時計をつけててもおそらくその時計が何なのかは分かって貰えないでしょうし、カルティエが好きな人でないとこの時計がサントスかどうかってのは分からないはずです。

また現行型のサイズに慣れている人は、これはちっさいなぁ・・・・って感じると思います。

当時のメンズに分類されているのですが、 現行型のドゥ カルティエと比較して小さいガルべよりも一回り小さいですからね。

小さい時計に慣れてる方でないと、やはり魅力は伝わりづらいかなぁ・・・

というのが正直な感想ですね。

ただしですね、このモデルなのですが去年代官山で期間限定のイベントで展示してあったのですが、スタイルはめっちゃかっこいいんですよね。

カルティエのイベントで飾ってあったサントスデュモン

 

こちらがその時の写真なのですが、触ることができなくてもそのカッコ良さってのは伝わってたんですよ。

それでいつかは扱いたいなぁ・・・ってずっと思っててやっと仕入れることが出来た!って感じなんですよね。

実際に着用しての感想ですが、やっぱりいいですね。

このモデルの良い所って、この極細のラグだと思うんですよね。

ここが細いことによって、文字盤もベゼルも正方形なのですが実際には縦長に見えます。

ガルべと同様にラグ幅は17mmなのですが、ケースの幅がベルトの幅とほとんど変わりがないので、このデザインのバランスがちょうどいいんですよね。

人に見せるとか気がついてもらうよりも、自分が見てこれいいよねぇ・・・ って浸ることが出来るサントスだと言えるでしょうね。

 

こんな感じで、2本のサントスを紹介したのですがどっちもいいですよね。

ほとんどの方は、スポーツモデルのサントスの方を好まれると思いますが、デュモンってそんな歴史があってそんな特徴があるんだねぇ・・・みたいな感じでそれぞれのポジションについて参考にして頂けたのであれば幸いです。

 

最後に告知なのですが、12/14〜15日(土日)で中目黒駅と祐天寺駅の近くでポップアップストアを開きます。

住所はこちらですね。

 

アクセスが気になる方は、アクセスの動画も概要欄に入れておりますので、そちらも一緒にご覧くださいませ。

現在私のところで並べている時計は全部持っていきますので、気になる商品がございましたら、お気軽にお越しください。

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