カルティエ トリニティリングの秘められた歴史

バランスの取れたデザインと無駄のないラインは、カルティエのジュエラーだけが実現できる意匠を体現しています。

カルティエのトリニティ リングは、その誕生以来、ジュエリーと彫刻の境界を行き来しながら、男女を問わずセレブリティに愛されるアクセサリーとして君臨してきました。

グレース・ケリー、アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、ゲイリー・クーパーといったハリウッドスターたちは、カルティエのトリニティリングを大変気に入り、必要不可欠なアイテムとしていました。

ここからは、そんなカルティエの不滅の名作であるトリニティリングについて、その魅力や誕生秘話、歴史を詳しく解説して参ります。

カルティエ　トリニティリングの魅力と歴史

創業から約80年後、創業者の孫に当たるルイ・カルティエは、フランスの詩人であり劇作家でもあるジャン・コクトーのために、絡み合うリングをデザインしました。

※ジャン・コクトー

 

友人のイマジネーションを出発点として、ルイはイエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドという異なる貴金属の3つのリングを使い、連動するリングを形作りました。

それぞれのリングには下記の意味が含まれています。

 

『ピンクゴールドは愛』

『ホワイトゴールドは友情』

『イエローゴールドは忠誠』

 

作品の美しさだけでなく、そこに意味が含まれることによって私たちはより一層、その作品に深い魅力を感じるのかもしれませんね。

※1924に作られた最初のトリニティリング

 ※画像提供：カルティエ『トリニティリングのデッサン画』

 

1930年代に入ると、トリニティ・リングから派生したブレスレットも大成功を収め、フレンチエレガンス（フランス特有のエレガントで、洗練されたスタイルやライフスタイルを指す表現です。）のシンボルとなりました。

外側は丸く、内側は滑らかな可動式リングの流動性のおかげで、このリングは偉大な俳優やおしゃれに敏感な人たちを魅了してやみませんでした。

※カルティエのトリニティ リングを着けたグレース・ケリーの写真

 

またグレース・ケリーやゲーリー・クーパーのようなハリウッドスターがこのリングを身につけたことで、このリングはより世界的に認知されるようになっていきました。

 

トリニティリングとして確立

それまでは、明確にトリニティリングというペットネームは与えられておらず、カルティエの作品の中の１つとして展開されていました。

しかし、先ほど説明したような出来事が起きたことによって、1981年になるとこの3連リングは正式に "トリニティ "と呼ばれるようになったのです。

時が経つにつれ、そのスタイルは他の形やスタイルへと変化していきました。

1990年代には、宝石をデザインに取り入れる場合もあれば、流行に合わせて形やスタイルを変える場合もあり、大きくデザインされるようになりました。

 

 

2014年から新しいトリニティへ

2014年、カルティエはその革新的なデザインが時の試練に改めて挑むことを証明し、トリニティ リュバン ソリティア（ソリティアとはダイヤモンドが１つはめられたという意味を持ちます）を発表しました。

この作品は、2つの魂が1つに結ばれるという結婚の儀式にインスパイアされたもので、トリニティの名を冠したリングとしては初めて、1つの繋がったリングとしてデザインされています。