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記事: 世界5大時計ブランドの序列!年月が経てば更新される可能性はあるのか!?

世界5大時計ブランドの序列!年月が経てば更新される可能性はあるのか!?

動画で『世界5大時計ブランドの序列!年月が経てば更新される可能性はあるのか!?』をご覧になる方はこちらから⬇️

この記事では、【世界5大時計ブランドの序列!年月が経てば更新される可能性はあるのか!?】という内容で解説して参ります。

三大時計ブランドと五大時計ブランドは明確に決められたポジションですが、実際のところこのブランドは外れて、こっちを入れて良いんじゃない?

的な考えが出てくることも良くありますよね。

よって、今日はそのことについてデータベースと私なりの考えを交えながら解説して参ります。

 

三大の“席順”は動くのか?──序列を決める三本柱

まず先に結論ですが「五大の内の下の2つは動く」。

これが私の考えです。

おそらく、世界三大時計ブランドのパテック、オーデマ、ヴァシュロンは一生動くことはないと考えています。

その理由を解説すると、序列を固定化してきた要因は

①連続性(創業期から現在まで、最上位の時計づくりを“切れ目なく”続けてきた事実の積み重ねのことです)

②市場主導力(カテゴリーを作り、価格と需給の“物差し”になる力のことです)

③文化的記号性(遠目でも“それ”と分かる輪郭と、語りが反復されることで生まれる象徴力のことです)

現在の雲上ブランドはこれらの三本柱が同時に圧倒的に強固だからです。

ではそれぞれを深く見ていきましょう。

まず連続性ですね

超複雑機の継続製造、手仕上げ、アーカイブと修復体制、王侯・大顧客の系譜、長期のオークションの実績。

これらが創業期から現代まで切れ目なく積み上がっているか

この蓄積が「最上段に居続ける理由」を与えます。

次に市場主導力ですね

カテゴリーを作り、配分や限定で需給を支配できることです。

例えば、ロイヤルオークの年間生産数は決まっており、必然的に新品よりも中古の方が高くなるのがその現象の分かりやすい例でしょう。

ここが強いほど“みんなが追随する基準”を握れます。

最後に文化的記号性です

八角×ビス、舷窓(げんそう/船の側面(舷側)に設けられた通風用の小さな窓のことですね。)、マルタ十字などのように5mの範囲に入ればそれが何のかひと目で分かる輪郭があり、著名人や媒体の反復露出で“神話化”できているかどうかです。

雲上三大ブランドは、これらを全てクリアしています。

ゆえに三大の席順は硬いというわけです。

では五大に分類されている、ランゲぞーネとブレゲはどうかといいますと、2つのブランドともに連続性が未達成です。

残念ながらランゲは一度歴史が断絶しており、ブレゲも歴史は途絶えていませんが複数のオーナーに所有権が渡ったり、実質休眠状態になっていた歴史があります。

よって、『歴史と伝統』という言葉の重みが三大雲上には届いてない事実があります。

ブレゲのオーナーの遷移については、こちらの動画で詳しく解説しております⬇️

この五大時計ブランドの考え方については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので、気になる方はご覧ください⬇️

 

 

 

ただし、新アイコンの記号化(例えばカルティエのサントスとかですね)待機需要を厚くする供給設計(これはロレックスは実現しており、他社よりも先を行ってますよね)中古相場データの蓄積工芸・アーカイブの可視化が複合的に進めば、中期的目線では、更新は十分に起こり得ると考えています。

 

では次に五大ブランドに入れる可能性がある候補のブランドを一通り出して、連続性、市場主導力、文化的記号性の何が不足しているかを考えてみましょう。

一応補足説明なのですが、今回のブランドにはF.P.ジュルヌ、グルーベル・フォルセイなどのブランドも入れようと考えたのですが、多分視聴者様は全く知らないブランドだと思いますので、ブランドネームがある会社を選んでおります。

 

 

五大時計ブランド候補① ロレックス

連続性は半分達成できています。

1905年に創業され、実用面での革新を途切れず続けてきました。

オイスターケース(1926年)、パーペチュアル機構(1931年)、ねじ込み式リューズ/裏蓋、デイトジャスト(1945年)、プロフェッショナル系の展開(サブマリーナー/GMT/エクスプローラー/デイトナ…)と、耐久・防水・視認性を中心に実用技術を継続して積み上げてきた実績は非常に強いです。

世界規模のサービス網や部品供給も安定しており、「長く使い続けられる時計」という物語を確立しています。

課題は、雲上三大のような**超複雑機の“切れ目ない系譜”**が薄いことでしょう。

手仕上げを見せる裏スケの鑑賞要素もまだ限定的で、機械式マニアが重視する“工芸の語り”では弱さが残ります。

では次の市場主導力ですね。

これは達成していますし、雲上三大を凌ぐ実力を持っているでしょう

一次市場では指名買いと待機需要が常に圧倒的に厚く、二次市場でも回転が速く価格の安定が非常に強いです。

新作発表や価格改定が他ブランドの動きにまで波及し、ダイバー/クロノ/GMTの相場の物差しを事実上握っています。

課題としては、供給制約と過熱感により“買えないストレス”が生まれやすい点です。

短期要因で中古相場が振れやすい局面があり、それが転売ヤーの餌食になりやすく、顧客体験の設計には難しさが伴います。

せっかく並んで店頭に入ったのに、時計が1個も見れなかった・・・

という声もちらほら聞きますしね。

 

最後は文化的記号性ですね。

これは達成しています

5m判別できる形、なんなら10m離れてて大体の人は分かるでしょう。

代表モデルには、サブマリーナー/デイトナ/GMTマスター/デイトジャスト/デイデイト/エクスプローラーがあります。

映画や著名人(ボンド=サブ、ポール・ニューマン=デイトナ など)による反復露出が長年積み上がり、「実用=ステータス」の象徴として世界共通の記号になっています。

総括ですが、ロレックスは市場主導力×文化的記号性で圧倒的な強さを持つ一方、超複雑機や手仕事の物語という雲上の評価軸では相対的に弱いです。

つまり、ロレックス(オメガもですが)これらは“工芸の頂点”ではなく実用高級の頂点を制している別の山にいます

選ぶ基準が「毎日の信頼性・資産性・認知度」なら圧倒的第一候補であり、「工芸の密度や超複雑の語り」を最優先するなら雲上三大の土俵に上がれるかどうか、というニュアンスがしっくり来るはずです。


五大時計ブランド候補② カルティエ

私の好きなブランドの筆頭であるカルティエですね。

連続性は半分達成できています。

1847年に創業されており、古い歴史を持っています。

サントス(1904年)、タンク(1917年)、パンテールなどデザインDNAの連続が極めて強いです。

王侯貴族にも作品を献上して来た歴史はありますが、それはジュエリーの方ですので、今回の評価軸からは外すことにします。

ケース・文字盤の仕上げ流儀も継承出来ており、CPCPでは歴史と伝統を守りながらも再解釈を取り込み現代の最新技術も取り込んでいます

課題は雲上三大のような**超複雑機の“切れ目ない系譜”**は相対的に薄いと言わざるを得ないことです。

長期で自社複雑ムーブを主軸に据えた物語は限定的で、機械式マニア向けの“技術の継続して積み上げてきた実績”では見劣りします。

 

では次の市場主導力ですね。

これは半分達成していると言えるでしょう。

タンクが角形ドレスの規範を作り、サントスは“ビス×一体感”でラグスポとして認識されています。

レディース/ユニセックス市場での牽引力は圧倒的です。

近年はタンク、サントス、パンテールの二次需要も厚みが増しています。

しかし、これもスタンダードラインは基本的にはいつでも購入することが出来ますので、一部の限定モデルがそれを実現しているというのが現状です。

特別に製作されるコレクションであるCPCPやプリヴェコレクションについては、こちらで詳細に解説しておりますので気になる方はご覧ください⬇️

 

課題としては、メインは職人が作るモデルではないので、どちらかというと大量生産品のブランドに分類されることです。

価格弾力性に差が出やすく、“常時プレミア”で引っ張る構造は限定的になってしまいます。

 

最後は文化的記号性ですね。

これは達成しています。

5m判別できる形には、(タンク/サントス/パンテール/ベニュワール)があります。

これらのモデルはロレックスに引けを取らないくらいの実力があると言えるでしょう。

それを裏打ちするように、著名人・映画・写真史での反復露出が神話を強化していると言えるでしょう。

総括ですが、カルティエは文化的記号性×実需で雲上級の実力を持つ一方で、ロレックスと同様に超複雑機構の連続性に弱みがあります

ですが、現在ではその部分をプリヴェ・コレクションがカバーしているので、このカテゴリーであれば雲上と肩を並べる実力を有していると考えられます。

 

 

五大時計ブランド候補③ ジャガー・ルクルト

連続性は達成しています。

1833年創業の老舗マニュファクチュールであり、ムーブメントを雲上三大ブランドに納品していた逸話も有名です。

自社ムーブの技術の蓄積は業界屈指であり、レベルソ(1931年)、メモボックス、アトモスに加え、デュオメトルやジャイロトゥールビヨン、永久カレンダー、ミニッツリピーターなどの複雑機を現在まで作り続けています。

Master Control “これは1000時間テストのことですね”のように品質基準を社内で運用していますし、修復アトリエやアーカイブ体制も整備されています。

いわゆる“技術屋の本丸”としての物語は強固です。

課題は、王侯・特注史や超高額グランドコンプリケーションを核にした象徴的な物語が三大ほど強くないことです。

価格帯が広く、ハイエンド専業の印象が薄まる瞬間がある点も弱みです。

では次の市場主導力ですね。

これは半分達成していると言えるでしょう
角型ドレスの代表としてはレベルソが強く、薄型や実用複雑で“技術のベンチマーク”を提示してきました。

一方で、一次市場の待機需要や二次流通の回転・価格の安定は三大やロレックスに遠く及ばず、モデル横断で相場の物差しになる場面は限定的です。

課題としては、供給設計・限定の打ち出し・価格改定による待機需要の層づくりをもう一段磨くことにあるでしょう。


最後は文化的記号性ですね。

これは半分達成しています

5m判別できる形としては、反転ケースのレベルソが圧倒的に強いです。

ポロ起源のストーリーや周年・復刻で語り直しも続いています。

ただ、ブランド全体の“顔”がレベルソに依存しがちで、マスター/ポラリス/等は優れた製品ながら世界共通の即時判別記号としてはだまだ弱めだと言えるでしょう。

総括ですが、ジャガー・ルクルトは長く続く歴史×自社技術で雲上級の実力を備えています。

弱みは、市場主導力とブランド全体の記号性の横展開です。

デュオメトルや高音質ミニッツリピーター、ジャイロトゥールビヨンといったハイエンド工程の“見える化”、そしてレベルソ以外の輪郭を立てる供給・露出設計が整えば、十分に序列の入れ替えを出来うるブランドだと言えるでしょう。

 

五大時計ブランド候補④ ブランパン

連続性は半分達成できています。

1735年創業と最古級の歴史を持ち、1953年のフィフティ ファゾムスで近代ダイバーの基準を提示しました。

80年代の再始動以降は「機械式専業」を掲げ、いまも機械式を継続して積み上げています。

機械式にどれだけ力を入れているか?というのはこちらの動画で詳しく解説しておりますので気になる方はご覧ください⬇️

クラシック側はヴィルレで、薄型や実用複雑は(永久カレンダー、ミニッツリピーター、カルーセル等)を展開し、ダイバー側では堅牢な自社ムーブ(長時間パワーリザーブ系)で信頼を確保しています。

スウォッチグループ内のアフター体制も安定しています。

課題は、20世紀後半の活動休止→再始動により、「途切れず続いてきた物語」という意味では三大に及ばないことです。

王侯・特注の厚い顧客史やオークションでの長期データも相対的に薄く、“歴史の積み増し”で見せる力は弱めです。

では次の市場主導力ですね。

これは半分達成していると言えるでしょう

フィフティ ファゾムスは“高級ダイバー”の規範として一次需要が堅く、バチスカーフなど現代的派生も市場に浸透しています。

課題としては、二次流通の厚みと回転でロレックスや三大に及びません。

モデル横断で相場の物差しになる場面は限定的で、供給設計と中古データの“見える化”による待機需要の層づくりが今後の鍵です。

最後は文化的記号性ですね。

これは達成に近い水準です

ファズムスは5m判別できる強い輪郭(ワイドベゼル、視認性の高い夜光、ツール感のあるケース)を持ち、海軍・海洋探検の物語やOcean Commitmentなどの活動で語りを更新し続けています。

一方でブランド全体の“顔”がジャガーのレベルソ同様にフィフティ偏重になりがちで、ヴィルレは端正で良質ながら、即時判別の記号性に届きにくいのが弱点でしょう。

総括ですが、ブランパンは機械式主義×ダイバーの規範で強い説得力を持つ一方、中断のある歴史市場主導力(中古厚み・相場基準化)に伸びしろがあります。


最後にまとめですが、このように表を作ってみました。

腕時計ブランド ★ 評価

カテゴリー:永続性 / 市場でのリーダーシップ / 文化的な象徴性

ブランド 永続性 市場でのリーダーシップ 文化的な象徴性
ロレックス ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★★
カルティエ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★
ジャガー・ルクルト ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★★☆
ブランパン ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆

 

今の所、ロレックスとカルティエであれば5番の中に入れるような実力を有していると思いますが、やはりブランドの方向性は三大雲上とは違うので、このフィールドで比較するというよりは、オンリーワンのストーリーと哲学を提示し独自カテゴリーを打ち立てることが優先されるでしょう。

そもそも雲上三大に分類できる物差しの1つの指標に、歴史と伝統が含まれていますので、歴史が断絶していたり、休眠状態にあったブランドがそれを凌ぐことが不可能な状態です。

これが私が雲上三大の序列は一生変わらないだろう。と最初の方で説明した理由です。

これまで歴史が途絶えず、現在まで続いているブランドというのは、強烈なアドバンテージを持っているということですね。

 

 

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