新品と比較してヴィンテージウォッチの精度と保証。新品にはない歴史を見る
こんにちは、ベルモントルの妹尾です😊
本日の動画では、『新品と比較してヴィンテージウォッチの精度と保証。新品にはない歴史を見る』ということについて解説して参ります。
新品と比べると精度や保証が不安でヴィンテージに踏み出せない。
そんな声をよく聞きます。
しかし実は「何をどう比べるか」を整理すれば、その不安の多くは解決出来ます。
この動画では、初めての方でも安心して選べるヴィンテージウォッチの1本を導きます。
「最初に一言だけご連絡させて下さい。この動画が少しでも役に立ったら、次の一本はベルモントルでご検討して頂けると幸いです。
ご相談やご購入が、発信を続ける力になります。もちろん見に来るだけでも大歓迎です。
では話を進めて参ります。
ヴィンテージウォッチの不安はどこにある?
新品の腕時計は、その通り傷一つなく輝いています。
何より、最新技術が詰まったムーブメントは驚くほど正確で、購入から数年間はメーカー保証という名の安心がついてきます。
精度はもちろん、もしものトラブルにも対応してもらえるという絶対的な信頼感は、新品ならではの魅力です。
特に、何十万円、何百万円もする高級時計であれば、その安心感は何物にも代えがたいでしょう。
その一方で、新品の時計は発売されたばかりのモデルであれば、誰もが持っている可能性があります。
人と被ることを嫌う個性派のあなた様にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。
そこで、選択肢に上がってくるのがヴィンテージウォッチです。
長い年月を経てきたヴィンテージウォッチには、それぞれに物語があり、同じものは2つとありません。
しかし、その魅力と引き換えに、新品とは異なる不安がつきまといます。
その最大の不安要素は、やはり「精度」と「保証」でしょう。
新品の時計であれば、日差数秒という高い精度が保証されていますが、ヴィンテージウォッチの場合、その個体差は大きく、日差が数十秒、古いモデルであれば1分ずれることも珍しくありません。
もちろん、熟練の時計職人によるオーバーホールで精度を上げることは可能ですが、新品と同等の精度を維持するのは非常に困難です。
さらに、メーカーの保証はとうに切れており、万が一の故障や不具合は全て自己負担となります。
修理に必要な部品がすでに製造中止になっていることも多く、時間と費用がかかるだけでなく、最悪の場合、修理不能となる可能性もゼロではありません。
また、前オーナーがどのように使っていたか、どのような環境に置かれていたかなど、見えない履歴も不安要素の一つです。
適切なメンテナンスがされていなかったり、無理な力が加わっていたりすると、内部にダメージが蓄積している可能性もあります。
ヴィンテージウォッチは、その個性を愛でるためのものです。
新品のような完璧な精度や安心感を求めるのであれば、正直なところ、不向きと言わざるを得ません。
しかし、これらの不安要素を理解し、受け入れた上で、その歴史や唯一無二の存在感を楽しむことができれば、ヴィンテージウォッチはあなたの人生を豊かにしてくれる最高のパートナーとなるでしょう。
では次のマートでは、その最も心配事を与える修理について解説して参りますね。
ヴィンテージウォッチの修理の心配
ヴィンテージウォッチに興味を持った方が、購入をためらう最大の理由の一つが「修理の心配」ではないでしょうか。
新品の時計であれば、購入から数年間はメーカー保証が付いており、万が一の故障でも無償または安価に修理してもらえます。
また、メーカーの修理体制が整っているため、部品の供給も安定しており、安心して使い続けることができます。
しかし、ヴィンテージウォッチの場合、メーカーの保証はとうに切れています。
そして、何十年も前に製造された時計となると、その修理に必要な純正部品はすでに製造中止となっていることがほとんどです。
では、ヴィンテージウォッチは修理ができないのかというと、決してそんなことはありません。
ヴィンテージウォッチであっても、正しいサイクルで修理を行っていれば一生使い続けることが出来ます。
ここまでで、まずヴィンテージウォッチは修理は可能だし、正しく使っていればしっかりと動き続けてくれるというのをご理解下さい。
しかし、それと同時に大切なことがあります。
ヴィンテージウォッチを手にする時に重要になるのが、**「信頼できる修理工房や時計師との出会い」**です。
多くのヴィンテージウォッチは、メーカーに頼らずとも、優れた技術を持つ時計師によって修理・メンテナンスされています。
そして、ヴィンテージウォッチというのは、現行型の様にムーブメントの構造が複雑ではなく、簡単な設計になっていますので、先ほど説明した町の時計屋さんでもほとんどの場合で修理可能なのです。
また、修理費もメーカーに出すよりは基本的には安いです。
これは車と同じで、トヨタのディーラーに出せば車検代は高くなりますが、町の車屋さんに出せばかなり安く仕上がりますよね。
ヴィンテージウォッチは、ブランドによってかなりの差が出るのですが、例えばカルティエやIWCなどのリシュモングループはヴィンテージウォッチでも修理対応してくれます。
しかし、ロレックスなどはパーツがない場合は対応してくれませんので、こうなった場合は町の時計屋さんでやってもらうことになります。
時計が壊れたときに、どこに出したらいいのか?
それが分かっているだけで、ヴィンテージウォッチを手にすることのハードルは大きく下がると思いますね。
もちろん、弊社でも修理の部分まで含めてサポートしておりますし、弊社でご購入頂いた時計はその後の修理対応も致しております。
ヴィンテージウォッチは、決して「買って終わり」の存在ではありません。
定期的なオーバーホールや、必要に応じた修理を通じて、販売店との信頼関係を築き、共に時を刻んでいくことで起きる、「深い愛着」があるのです。
次の章では、そんなヴィンテージウォッチの最大の魅力である「歴史」について、さらに深く掘り下げていきたいと思います。
ヴィンテージの魅力は「歴史」にあり
新品の時計が持つ、絶対的な精度と保証。
それは、多くの人にとって、時計選びの重要な基準となるでしょう。
しかし、それだけでは語りきれないのが時計の深い魅力です。
そしてそれを実現できるのが、ヴィンテージウォッチの持つ歴史です。
ヴィンテージウォッチは、ただ古いだけの時計ではありません。
そこには、何十年、時には百年以上もの時を超えてきた、唯一無二の物語が刻まれています。
例えば、1960年代に作られたある時計。
それは、もしかしたら、ある会社の創業者が成功を祝ってオーダーで注文した時計かもしれません。
あるいは、戦後の混乱期を乗り越え、新しい時代を築こうと奮闘した、あるエンジニアの相棒だったのかもしれません。
そして、その時計は様々な人の手に渡り、それぞれの人生の節目を静かに見つめてきたのです。
そう考えると、ただ時間を計測する「ツール」が、まるで息を吹き込まれたかのように、生きた「存在」として感じられませんか?
現代の最新技術では決して再現できない、経年変化による風合いも、ヴィンテージウォッチの大きな魅力です。
例えば、文字盤が紫外線によってほんのり焼けた「トロピカルダイヤル」。
あるいは、夜光塗料がクリーム色に変化した「エイジング」。
当時の塗装が経年変化によって蜘蛛の巣状のクラックが入るスパイダーダイヤル。
これらは、その時計が辿ってきた時間を物語る、個性の証です。
新品の時計は、誰が身につけても同じように輝きを放ちますが、ヴィンテージウォッチは、身につける人のスタイルや価値観を映し出します。
その時計が持つ歴史と、これからあなたが作り上げていく歴史が重なり合うことで、あなただけの特別なストーリーが生まれるのです。
では次はもう少し深ぼって、このエイジングを見ていきましょう。
新品にはない体験:経年変化(スパイダーダイヤル、焼け)
新品の時計は、完璧な状態で購入し、その輝きを長く保つことが喜びの一つでしょう。
しかし、ヴィンテージウォッチがもたらす喜びは、それとはまったく異なります。
それは、まさに「時の流れが刻んだ美しさ」を愛でる体験です。
この部分を劣化と捉えるか、美しいと捉えることが出来るのか。
ここがその人の価値観によって変わってくるところですが、人間というのは遠いものほど儚く美しく感じるように出来ています。
昭和に生まれた方はあの頃は良かったなぁ。と感じ、平成元年に生まれた私は旧裏のポケモンカードを見て懐かしい気持ちになるものです。
よって、ほとんどの人は潜在的にアンティークやヴィンテージを受け入れることが出来る素質があるはずなのですが、それを言語化出来ている人がいないからヴィンテージに手が伸びないのだと考えております。
ヴィンテージウォッチの世界では、「経年変化」こそが最大の魅力の一つです。
言い方を変えると、『完璧ではない不完全さ』に大きな価値があるのです。
新品では決して味わうことのできない、一つとして同じものがない唯一無二の表情を作り出します。
代表的な経年変化の一つに「スパイダーダイヤル」があります。
これは、文字盤の表面に無数の細かいひび割れがクモの巣状に入った現象です。
製造時に使用された塗料や、保管環境の温度変化などが原因とされています。
一見するとダメージのように思えますが、このひび割れこそがヴィンテージウォッチの持つ歴史を物語る個性なのです。
光の当たり方によって表情を変え、見る人を楽しませてくれます。この独特な風合いを求めて、あえてスパイダーダイヤルを持つ個体を探し求める愛好家も少なくありません。
また、「文字盤の焼け」もヴィンテージウォッチならではの醍醐味です。
長年の紫外線や湿気の影響を受け、文字盤がほんのりと焼けたような色合いに変化します。
この焼け具合は個体によって千差万別で、しっかり焼けているものもあれば、ほんのちょっとだけ焼けたクリーム色など、その時計が辿ってきた時間を雄弁に物語ります。
まるで南国の陽光を浴びたかのような温かみと奥行きを文字盤全体に与え、ヴィンテージらしい風格を醸し出します。
この「焼け」の美しさを求めて、特定の年代のモデルを探し求める愛好家も少なくありません。
これらの経年変化は、新品の時計には決して与えられない、時が育んだアート作品のような美しさです。
ヴィンテージウォッチは、これらの変化を欠点としてではなく、その時計が持つ個性、そして味わいとして楽しむためのものなのです。
ヴィンテージウォッチの日差の目安と“実用許容範囲”
新品の時計が日差数秒という高精度を誇る一方で、ヴィンテージウォッチの精度は、個体差が非常に大きいのが実情です。
ヴィンテージウォッチの日差(24時間でどれだけ時間がずれるか)は、一般的に**-15秒から+45秒程度が、メンテナンスが行き届いた個体の許容範囲**とされています。
しかし、これはあくまで目安であり、モデルやムーブメントの状態によって大きく異なります。
中には日差が数十秒で収まるものもあれば、分単位でずれるものも珍しくありません。
新品の時計のように、完璧な精度を求めるのは現実的ではありませんが、ヴィンテージウォッチの魅力は、その「不完全さ」を愛でることにあります。
では、ヴィンテージウォッチにおける**“実用許容範囲”**とは、どこにあるのでしょうか?
それは、**「自分で時間を修正するのが苦にならない範囲」**と言えるかもしれません。
日差が数十秒であれば、数日おきに時間を合わせるだけで済みます。
しかし、もし日差が数分単位にまでずれるようであれば、オーバーホールが必要なサインかもしれません。
ヴィンテージウォッチは、オーナーがその状態を把握し、必要に応じてメンテナンスを行うことで、長く愛用できるものです。
日々の生活の中で、どれだけ時間がずれたかを確認し、時々時間を合わせるという手間も、時計との対話を楽しむ大切な時間だと捉えることができれば、ヴィンテージウォッチはあなたの人生を豊かにしてくれるでしょう。
日々の時間を合わせるという行為は、まるで愛着のある相棒の調子を確かめるようなものです。
そのわずかな手間さえも、ヴィンテージウォッチを愛する人にとっては、特別な体験となるのです。
そして、これは私の考えなのですが腕時計に精度を求める時代は、ガラケーが誕生したことによってもう終了しています。
腕時計の役割は、その人の人物像を語ったり、人によっては分かりやすいステータス性であったり、多くの人にとってはおしゃれのアイテムになっていると言えるでしょう。
よって、精度が超重要かというと私はそうは思いませんし、なんなら私はアンディウォーホルの着用の仕方と同じで、常に10時8分で時計が止まっています。
新品の時計には新品の時計らしい輝きがありますし、何より自分がファーストオーナーである所有者としての満足感を得られます。
その反面、ヴィンテージウォッチは新品の時の輝きはなく、古傷が入りそれが落ち着いた印象になります。
そしてそこには、歴史が宿っており新品とは違った深い歴史を感じる事が出来るのです。
どっちが良いか悪いかではありません。
それぞれの特徴と魅力を理解して選んで頂くことが、自分の価値観にマッチし、それがあなた様を形作るのです。
新品の時計ばっかり選んできたけど、最近高いなぁ・・・
そう感じてある方は、是非ともヴィンテージウォッチも視野に入れられてはいかがでしょうか。
ベルモントルでも、お客様の最高の一本を一緒に探していきたいと考えておりますので、是非ともお問い合わせくださいませ。