腕時計の購買は夏に鈍る?実際のデータを調べてみたらこうなってた
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こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
今回はですね、
「腕時計の購買は夏に鈍る?実際のデータを調べてみたらこうなってた」
という内容で解説して参ります。
時計屋をやっていると、こういう季節に関する話って結構あるんですよ。
夏は時計が売れないとか、
ボーナスが出る時期は売れるとか、
年末は高級時計が動くとか、
逆に1月、2月は動きが悪いとか。
実際にお店をやっている側からすると、月によってお問い合わせの数が違ったり、お客様の動きが違ったりする感覚は確かにあります。
この前の動画でもお話ししましたが、9月は確かに1本も売れなかったですからね。
なので、
「夏はみんな旅行とかレジャーにお金を使うから、とか、暑いから外に出たくなくてお店にも行かないから、売れないのかなぁ・・・・」
と言われたら、なんとなくそんな気もしますよね。
私自身も今回調べる前は、多少はそういう季節性があるんじゃないかなと思っていました。
ところが海外の中古時計市場のデータを見てみると、どうやらそんな簡単な話ではなかったんですよね。
今日は海外の中古時計市場を分析しているWatchChartsのデータを見ながら、
「腕時計の売れ行きは本当に季節性はあるのか?」
という話をしていきたいと思います。
実際に夏になると腕時計は売れにくくなるのか?
まず最初に、
「そもそも本当に夏になると時計は売れにくくなるのか?」
というところから見ていきます。
これは時計屋をやっていると結構気になるところなんですよ。
それで実際にこの感覚ってあるんですよ。
たまたま自分のお店だけ今月動きが悪いのか。
それとも、時計市場全体で人の動きが鈍くなっているのか。
ここは全然意味が違います。
そこで海外の中古時計市場を分析しているWatchChartsの過去のデータを見てみると、
どうやら腕時計にも、ある程度季節による動きの違いはあるようなんです。
特に過去数年間を見ると、
年末頃から翌年のウォッチズアンドワンダーズが開催される春頃にかけては市場の動きが比較的活発で、それに対して夏から秋にかけては少し落ち着く傾向が見られるとあります。
要するに、
一年中まったく同じペースで時計が売れているわけではないんですね。

これ、考えてみるとまぁ確かにそうかなぁって気持ちにもなるんですよ。
腕時計って、
夏になったら使えなくなる商品ではありません。
冬物のコートみたいに季節が終わったら必要なくなるわけでもないですからね。
むしろ夏なんて半袖になるので、腕時計が一番目立つ季節とも言えます。
それなのに、市場全体で見ると夏場は時計を買う人の動きが少し落ち着くことがある。ということは、「夏だから時計そのものが必要なくなる」という話ではないわけです。
さらに面白いのが、時計が欲しくなくなったというより、「今すぐ買う必要はないかな」と考える人が増えている可能性があることです。
例えば、普段なら今月時計を買おうと思っていた人が、夏休みだから旅行に行こう。とか
家族で出かけよう。とか
お盆に帰省しよう。とか
海外旅行に行こう。といった気持ちになるわけですよ。

時計が欲しいという気持ちは残っている。
でも、
「時計は旅行が終わってからでいいか」
となるわけですよ。
これだけでも、
購入するタイミングは1か月、2か月ずれますよね。
腕時計って、基本的には生活必需品じゃないですよね。
エアコンが壊れたら「夏だから秋まで待とう」とならないと思います。
すぐ買いますよね。
でも腕時計の場合は、
今持っている時計もあるし、スマートフォンを見れば時間も分かし、というか大体どこかに時計ってありますからね。
なので、欲しくても後回しにできてしまう商品なんです。
例えば、普段なら一か月で10人買っていたものが、夏になると7人になるとかですね。
別に誰も買わなくなったわけではありません。
7人は普通に買っているんですね。
ただ残りの3人が、「今月じゃなくてもいいか」とか
「旅行が終わってからでいいか」とか
「涼しくなってから見に行こう」などなどこんな感じで購入を少し先に延ばす感じですね。
これが一店舗だけなら、そこだけなんだろうなぁ・・・・って話ですよね。
でも、世界中で同じようなことが起きれば、中古時計市場全体としては、「あれ、少し売れるスピードが落ちているな」という動きになるわけです。
そして過去の市場データを見ても、年末から春にかけてと比べて、夏から秋にかけては市場の動きが少し落ち着く傾向があります。
なので、「夏は時計が売れない」とまで言い切ってしまうと少し大げさなんですけど、「夏になると、時計を買う人の購入スピードが少し鈍る」というのは、実際にそうなんですよね。
では、
なぜ夏になると、
時計が欲しい人まで購入を後回しにするのか。
ここからは、その理由をもう少し詳しく考えていきましょう。
なぜ夏になると時計を買う人の動きが鈍くなるのか?
ここからは海外のデータを見ながら、私自身時計屋をやっていて感じることも含めてお話しして参ります。
まず一つあると思うのが、「時計以外のことに意識が向きやすい」ということです。
夏って結構特殊な季節なんですよね。
前述した旅行に行くとかもそうですが、それ以外にも考えられるのが
車で遠出する。とか
子供が夏休みに入る。とか
よって孫が長期間自宅にいるから孫の遊ぶ場所にいく。とか
海外旅行をする。などなど
当然、そういうことにお金も使います。
例えば200万円の時計を買おうかなと思っている人がいたとして、その人が200万円を払えなくなったわけではないですよね。
でも、
「今月時計を買おう!」
という優先順位が下がるはずです。
これだけでも、高級品の売れ行きには結構影響すると思うんですよ。
そして2つ目ですが、これは個人的にはかなり大きいと思うんですけど、夏って買い物そのものよりも、
「体験」にお金を使いやすい季節なんですよね。
例えば100万円自由に使えるお金があったとして、冬なら、「今年頑張ったし時計を買おうかな」となる人がいますよね。
自分へのご褒美という大義名分を作りやすいのはなんとなく分かって頂けると思うんですよ。
年末という区切りもありますし、クリスマスもありますし、何よりボーナスもあることでかなり背中を押してくれます。
他にも年が開ければ新年を迎えることで高揚感が生まれて、気持ちが浮ついて財布の紐は緩みやすいですし、何か物を買う理由が結構あるんですね。
一方で夏はと言いますと、
北海道に行こう。とか
沖縄に行こう。とか
あそこの日陰のイベントに行こう。とか
家族で旅行しよう。とか
ゴルフに行こう。と言った感じで、同じ100万円でも「物」ではなく「体験」に向かいやすいはずです。

これは別に時計に興味がなくなったわけじゃないですよね。
秋になればまた思い出して、欲しくなってくるかもしれません。
でも7月、8月、9月のその瞬間だけを見ると、時計を買うことより、他に優先したいことがあるというわけですよね。
よって、高級時計って100万円、200万円、300万円する商品ですから、少し購入を後ろ倒しにされるだけでも、販売する側から見ると、
「今月全然動かないなぁ」
となるわけです。
そして3つ目が、イベントですよね。
時計業界では毎年Watches and Wondersがあります。
毎年4月前後になると、ロレックスやカルティエやパテックの新作が発表されますよね。
まぁ全てのブランドですが。
するとSNSでもYouTubeでも時計の話が一気に増えるんですよ。
普段時計をそこまで検索していなかった人まで、「今年のロレックス何が出たんだろう!」と見始めます。
すると中古市場にも影響します。
例えば新しいカルティエが発表されて、「あれ、昔のモデルも格好いいな」となる。
そこから中古品を探す。みたな流れですね。
つまり、新作発表そのものが時計を買うきっかけになるわけです。
実際2026年には、Watches and Wondersでカルティエがロードスターを復活させましたよね。
ロードスターは長い間中古市場に存在していた時計です。
昨日突然生まれたモデルではありません。
それなのに新型が発表されると、昔のロードスターまで売れ行きが一気に伸びるわけですよ。
WatchChartsによると、復活発表後の3か月間で旧型ロードスターの販売が急増して、中古市場での需要は過去最高水準まで上がっています。
これ、かなり分かりやすいですよね。
これって廃盤になったロードスターは当たり前ですが何も変わってないじゃないですか。
半年前から2時流通市場に出ていたロードスターと、新作発表後に売られているロードスター、商品そのものは何も変わっていないんですよ。
変わったのは、私たちの意識です。
「ロードスター」という名前を久しぶりに聞いて、思い出して、検索して、昔のモデルがあったことを認識して、思っていたより格好いいって気持ちになって、しかも新型よりも安くて、じゃあ買おうかなぁ・・・・
こういう順番だと思うんですね。
つまり腕時計って、
欲しい人が常に一定数いて、その人たちが機械的に買っている商品ではないんですね。
「何かをきっかけに急に欲しくなる商品」なんだと思います。

逆に夏というのは、時計業界にとって大きなイベントが比較的少ないです。
確かにそう言われてみたらそうですよね。
Watches and Wondersは終わってるし、新年度も終わってるし、年末でもないし、って感じでそこで時計への注目が一度落ち着くわけですよ。
これも売れ行きが鈍くなる理由の一つなのかなと思いますね。
あともう一つ、これは店舗をやっていると特に感じる部分なんですが、高級時計って、画面だけ見てそのまま買う商品でもないんですよね。
もちろんオンラインだけで購入する方もいます。
でも100万円、200万円を超えてくると、
一度実物を見たい。とか
腕に乗せてみたい。とか
サイズを確認したい。とか
状態を確認したい。とか
店員と話してみたい。などなど
そういう方がかなり多いです。
というか、普段から私も話している通り画像や映像ではそれはカッコよく見えると思いますが、自分に馴染むかどうかは身につけてみないと分かりませんからね。
となると、「店に行く」という行動が必要になります。
ここで問題になるのが気温35度ですよ。
外に出るだけで汗だくです。
電車に乗って、駅から歩いて、時計屋を何店舗も回る。

これ、結構な意思がないとだるいですよね。
もちろんこれだけで、「夏に時計が売れなくなる原因は暑さです」
とは言えません。
そこまで単純ではないと思います。
ただ、時計が「今絶対に必要な商品」ではないからこそ、こういう小さな面倒くささも、
「今日はいいか」につながりやすいわけですよ。
そして時計の場合、この「今日はいいか」が、「来週でいいか」になって、「旅行が終わってからでいいか」
になって、結果として、10月まで購入が延びて、じゃあここからが本番か!って流れなんかなぁって思いますね。
腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。
その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。
店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。
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