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記事: なぜオメガじゃなくてロレックスが、世界最大の腕時計ブランドになれたのか?

なぜオメガじゃなくてロレックスが、世界最大の腕時計ブランドになれたのか?

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。

本日の動画では「なぜオメガじゃなくてロレックスが、世界最大の腕時計ブランドになれたのか?」という内容で解説して参ります。

「腕時計といえばロレックス」。

今やそれが世界共通の認識になっているんですよね。

腕時計に詳しくない方でも、ロレックスという名前は知ってるし、それほどまでにロレックスというブランドは、腕時計の代名詞として世界中に浸透しています。

ところが、腕時計を購入しようと思ったら、ほぼ同じくらいの印象としてオメガも出てきますよね。

そこでふと思うわけです。

なんでオメガじゃなくて、ロレックスなんだろう・・・・とですね。

歴史を紐解けば、ロレックスが最初からその地位にいたわけではないんです。

かつてはオメガの方が格上とされていた時代がありました。

販売数でも、技術でも、歴史の長さでも、オメガはロレックスを上回っていた時期があったんです。

では、なぜロレックスがオメガを抜き去り、世界最大の腕時計ブランドになれたのか?

今日はその理由を、歴史・戦略・ブランドの哲学という三つの軸から丁寧に紐解いていきます。

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それでは話を進めて参ります。

 

 

かつてはオメガの方が格上だった

まず、多くの方が意外に思うかもしれない事実からお伝えします。

ロレックスが最初から腕時計業界の王者だったというのは、正確ではないんですよね。

歴史を丁寧に紐解いていくと、かつてはオメガの方がロレックスよりも格上とされていた時代が確かに存在していたんです。

まず創業年から見ていきます。

オメガの前身となる会社は1848年に創業しています。

一方ロレックスは1905年の創業です。

オメガはロレックスより57年も歴史が長いんですよね。

腕時計の世界において、歴史の長さはブランドの信頼性と直結します。

創業当初、ロレックスはオメガという先輩ブランドの背中をずっと追いかける立場にありました。

技術的な面でも、オメガはロレックスより先を行く場面が多くありました。

オメガは腕時計業界で最初期に標準化された大量生産を導入したブランドの一つで、精度の高いムーブメント開発においても先駆者的な役割を果たしていたんですよね。

1894年に開発したオメガ・キャリバーは、当時の腕時計技術の水準を大きく引き上げた機械として高く評価されていました。

そして販売数という観点でも、長い間オメガがロレックスを上回っていました。

クォーツショックが訪れる1970年頃まで、オメガはロレックスよりも多くのクロノメーター認定腕時計を販売し続けていたんですよね。

世界各国の軍や政府機関への納入実績も豊富で、オメガは「信頼できる精密腕時計」として世界中でその名を知られていました。

さらに文化的な文脈でも、オメガはロレックスを凌ぐ存在感を持っていた時代がありました。

1932年にはオリンピックの公式計時を担当し始め、その後数十年にわたってスポーツの世界における精度の象徴として君臨してきました。

そして1969年、アポロ11号の月面着陸において、バズ・オルドリンの手首に着けられていたのがオメガのスピードマスターでした。

「月に行った腕時計」という事実は、どんなブランドストーリーにも負けない圧倒的な文脈です。

これだけを見ると、オメガがロレックスを追い越せなかったことの方が不思議に見えてくるのではないでしょうか。

歴史・技術・販売数・文化的な文脈、すべての面でオメガはロレックスに引けを取らない、あるいは上回る要素を持っていた。

それにもかかわらず、現在の腕時計市場においてロレックスが圧倒的な王者の地位にいる。

では、その差はどこで生まれたのか。

次の見出しでは、ロレックスが下した三つの決断に迫っていきます。

 

 

ロレックスが差をつけた三つの決断

ロレックスがオメガを引き離した理由は、技術力でも歴史の長さでもありませんでした。

ロレックスが下した、いくつかの戦略的な決断が、2社の差を生み出したんですよね。

その中でも特に重要な3つを、順に紐解いていきます。

一つ目の決断:独立の維持

ロレックスとオメガの最も根本的な違いは、会社の所有構造にあります。

ロレックスの創業者ハンス・ウィルズドルフは、1960年に亡くなる前に、会社をハンス・ウィルズドルフ財団に移譲するという決断をしました。

これは非常に重要な意味を持つんですよね。

財団化することで、ロレックスは株主への配当や親会社の経営方針に縛られることなく、純粋にブランドの長期的な価値のみを追求できる組織になったんです。

利益を株主に還元する必要がないため、その分をブランド強化・品質向上・マーケティングへと集中的に投じることができます。

短期的な利益よりも、ブランドの100年先を見据えた判断ができる構造を、ウィルズドルフは自分の死後に遺したんですよね。

一方オメガは1983年、クォーツショックの打撃から回復するために、ニコラス・G・ハイエクが主導するスウォッチグループの傘下に入りました。

これはオメガが生き残るために必要な決断であり、スウォッチグループの財務基盤に支えられてオメガが復活できたことは事実です。

このことについては、オメガだけではなく各社がどのように立ち振る舞ったのか?を【スイス時計産業がクォーツショックから生き延びた本当の理由】の動画の中で詳細に解説しておりますので、気になる方はこちらもご覧ください⬇️

話を戻しまして、ただスウォッチに種族したのと同時に、オメガはグループ戦略の中での「役割」を担うブランドになったんですよね。

要するに、グループ全体の利益を考えながらブランドを運営するという制約が生まれました。

本来であれば、ロンジンも技術力とかは最強だったんですが、スウォッチに入ったことでミドルレンジブランドに降格されましたよね。

オメガはトップに据え置かれてるだけ、ブランドパワーを維持出来ていると言えるかもしれません。

こういった背景からロレックスのように、ブランドのためだけに全力を注ぐという純粋さを、オメガは少し手放すことになったともいえます。

 

 

 

二つ目の決断:モデルの徹底的な絞り込み

ロレックスのラインナップを見ると、非常に少数のモデルに集中していることが分かります。

・サブマリーナ

・デイトナ

・GMTマスター

・デイトジャスト

・エクスプローラー

・シードゥエラー

これらのモデルはいずれも、数十年にわたってほぼ同じデザインを維持しながら作り続けられてきました。

モデルを増やさず、既存のアイコンを磨き続けるという方針を、ロレックスは一貫して守ってきたんですよね。

この絞り込みが生む効果は絶大です。

「ロレックスといえばサブマリーナ」「ロレックスといえばデイトナ」という強固な認知が、何十年もかけて世界中の人々の頭の中に刷り込まれていきます。

モデルが少ないぶん、需要が特定のモデルに集中します。

需要が集中すれば入手困難になります。

入手困難になれば憧れが強まります。

この好循環が、ロレックスの希少性と価値を支え続けているんですよね。

一方オメガはどうだったかというと、スピードマスター・シーマスター・コンステレーション・デヴィルという複数のコレクションを展開し、それぞれの中にさらに多くのバリエーションを持っています。

選択肢の幅広さはオメガの強みでもありますが、裏を返せばブランドとしての焦点が分散しやすいんですよね。

「オメガといえばこれ」という一本のアイコンが、ロレックスほど鮮明に刷り込まれにくくなります。

希少性という観点でも、モデルが多いぶん供給が分散し、入手困難という状況が生まれにくかったんです。

 

三つ目の決断:一本の物語への集中

ロレックスが世界中の人々の心に刻み込んだのは、「挑戦と達成の象徴」という一本の強いブランドストーリーです。

1953年のエベレスト初登頂にロレックスが帯同したこと。

深海探査艇にロレックスが搭載されたこと。

世界中のプロフェッショナルや成功者がロレックスを選んできたこと。

こうした物語を一貫して積み重ねることで、ロレックスは「人生の頂点に立つ方が選ぶ腕時計」というイメージを確立していったんですよね。

腕時計としての性能を語るのではなく、その腕時計を持つことの意味を語る。

この語り方が、ロレックスをただの腕時計ではなく、「成功の証」という文化的な象徴に押し上げたんです。

オメガも月面着陸・007・オリンピックという、それぞれ素晴らしい物語を持っています。

ただ、これら三つの物語は方向性がバラバラなんですよね。

宇宙探査・スパイ映画・スポーツ競技。

それぞれの文脈が独立していて、一本の強いイメージとして結びつきにくい構造になっています。

ロレックスが「挑戦と達成」という一つのテーマに絞り込んだのに対して、オメガは複数の素晴らしい物語を持ちながらも、それらを一つの強いメッセージとして束ねることが難しかったんですよね。

この三つの決断、つまり独立の維持・モデルの絞り込み・物語の集中が、ロレックスとオメガの差を生み出した本質だったといえます。

そしてこの差が決定的なものになったのが、次の見出しでは「今もオメガがロレックスに追いつけない本質的な理由」という内容で解説して参ります。

 

 

今もオメガがロレックスに追いつけない本質的な理由

前述した通り、クォーツショックを経て確立されたロレックスの優位は、今日においてさらに強固なものになっています。

なぜオメガはロレックスに追いつけないのか?

その本質的な理由を掘り下げていきます。

まず、ブランド認知という観点から見てみます。

ロレックスは現在、世界で唯一100%の国際的なブランド認知を持つ腕時計ブランドとされています。

腕時計に興味がない方でも、ロレックスという名前は知っている。

これはオメガを含む他のすべての腕時計ブランドが達成できていない水準なんですよね。

この認知の差は、一朝一夕に生まれたものではなく、何十年もかけて積み上げてきた一貫したブランドストーリーの結果です。

そしてこれほど深く世界中の人々の意識に刷り込まれたブランドイメージは、後から追いつこうとしても、容易には覆せないんですよね。

次に、二次市場における価格の差があります。

オメガの現行モデルは中古市場で平均30〜50%の価格下落が見られる一方で、ロレックスは需要の高さと供給の少なさによって、中古市場でも価格が維持され、人気モデルは定価を大きく上回る水準で取引されることも珍しくありません。

この差は技術の差ではなく、ブランドが作り上げた希少性と物語の差なんですよね。

リセールという言葉をベルモントルではあまり使いたくないのですが、この数字は「どちらのブランドが市場から信頼されているか」を如実に示しているといえます。

ではなぜこれほどの差が生まれるのか?という話ですが、本質的な理由は「希少性の設計」にあります。

ロレックスは意図的に供給を絞り続けています。

周知の事実ではございますが、正規店での入手困難という状況は、偶然ではなくロレックスが戦略的に作り出しているものなんですよね。

欲しいと思っても簡単には手に入らない。

その体験が憧れをさらに強め、ブランドへの執着を深めていく。

この構造を何十年も維持し続けてきたことが、ロレックスの価格と希少性を支えているんです。

一方オメガは、より多くの方に届けるという方向を選んできました。

正規店で比較的入手しやすく、価格帯もロレックスより手が届きやすい。

これはオメガの強みであり、腕時計入門層への訴求という観点では優れた戦略です。

ただ同時に、入手しやすさは希少性と相反するんですよね。

手に入りやすいものへの憧れは、手に入りにくいものへの憧れほど強くはなりにくい。

この構造的な差が、二次市場の価格差として数字に表れているんです。

ここで一つ、正直にお伝えしたいことがあります。

この話をすると「ロレックスの売り方はずるい」「わざと買えない状況を作っているのはおかしい」という声が出ることがあるんですよね。

その感覚は理解できますし、ごもっともです。

ただ、これはロレックスが悪いということではなく、ブランドとしての哲学の違いなんですよね。

オメガは「本当に欲しいと思っている方に、きちんと手が渡るように売る」という哲学を持っています。

正規店で比較的入手しやすく、価格帯もロレックスより手が届きやすい。

これはオメガが多くの方に自分たちの腕時計を届けたいという、非常に誠実な姿勢の表れなんですよね。

腕時計入門層への訴求という観点でも、オメガのこの姿勢は優れた選択です。

だから、2次流通市場で価格が落ちるのも仕方のないことです、裏を返せばユーザーに寄り添っていると言えます。

その反面、ロレックスは「欲しい人全員には届けない」という哲学を持っています。

これは入手困難という体験そのものをブランド体験の一部として設計しているからです。

手に入らないからこそ憧れが強まり、手に入ったときの喜びが増す。

これはロレックスが意図的に作り出しているブランド体験なんですよね。

手にすることが出来た人は、いいブランドに移りますし、マラソンしてても購入できない方には悪いブランドに映ります。

これが良い悪いではなく、ロレックスはそういう哲学でブランドを運営しているということであり、ブランドの知名度やリセールバリューなどなど、全てをひっくるめてロレックスを1位にしているのは我々ユーザーなのです。

つまりオメガとロレックスは、腕時計の届け方という観点においても、根本的に異なる哲学を持っているんですよね。

どちらが正しいかではなく、どちらの哲学に共感するか。

そしてどちらの腕時計に惹かれるか。

それが、この2つのブランドを選ぶときの本当の軸になるのではないでしょうか。

そしてもう一点、ロレックスが持つ決定的な強みがあります。

それは、モデルの変わらなさが生む「安心感」です。

エアキングはだいぶ変わっちゃいましたが、代表モデルであるサブマリーナ・デイトジャスト・GMTマスターは、数十年前とほぼ同じデザインを保ちながら今も作られています。

これは一見すると革新性がないように見えるかもしれません。

ただ、腕時計を長く大切にしたいという方にとっては、「このモデルは10年後も20年後も価値が変わらない」という確信につながるんですよね。

デザインが変わらないということは、自分の選択が時代遅れにならないという保証でもある。

この安心感がロレックスへの信頼を支え、世代を超えた支持につながっているんです。

これらの要因が複合的に絡み合いながら、ロレックスとオメガの差は今も広がり続けています。

技術・歴史・文化的な文脈においてオメガは決してロレックスに劣っていない。

それでも追いつけない。

その理由は、ブランドの設計思想そのものの違いにあるんですよね。

 

 

ではオメガは格下なのか!?ベルモントルの視点

ここまで、なぜロレックスがオメガを引き離したのかという話を掘り下げてきました。

最後に、ベルモントルとして一番お伝えしたいことをお話しします。

ロレックスが世界最大のブランドになったという事実は、オメガがロレックスより劣っているということを意味しないんですよね。

これは非常に大切な視点なんです。

市場規模・二次市場の価格・ブランド認知という軸で見れば、確かにロレックスがオメガを大きく上回っています。

ただ、これらはすべて「市場がどう評価しているか」という外側の基準なんですよね。

ベルモントルが大切にしているのは、その腕時計が持つ固有の価値・物語・審美性という内側の基準です。

その観点から見ると、オメガには、ロレックスとはまったく異なる、他のどのブランドにも代替できない魅力があります。

スピードマスターを例にとると、この腕時計が持つ物語は唯一無二なんですよね。

1969年、人類が初めて月面に降り立ったその瞬間、バズ・オルドリンの手首に着けられていた腕時計。

これはどれだけお金を積んでも、どれだけブランド戦略を練っても、後から作り出せる物語ではありません。

歴史の中で一度だけ起きた出来事と結びついた腕時計というのは、ロレックスのサブマリーナやデイトナが持つ物語とはまったく異なる種類の価値を持っているんですよね。

ヴィンテージのオメガ スピードマスターが今もコレクターの間で高く評価され続けているのは、こうした物語の力があるからです。

市場規模やブランド認知ではなく、その腕時計が歩んできた時間と、結びついている歴史の重さで選ぶ。

これがヴィンテージウォッチの世界における本質的な価値の測り方なんですよね。

ロレックスとオメガを「どちらが上か」という軸で語ることは、実はあまり意味がないんです。

ロレックスにはロレックスにしかない物語があり、オメガにはオメガにしかない物語がある。

二次市場の価格や入手困難さという外側の基準ではなく、その腕時計が持つ固有の文脈と、自分がその文脈に何を感じるかという内側の基準で選ぶ。

これがベルモントルが一貫してお伝えしてきた、腕時計との向き合い方なんですよね。

ロレックスが世界最大のブランドになった理由を知ることは、腕時計というものの価値の本質を理解する上で非常に大切なことです。

ただ同時に、市場が最も高く評価しているものが、自分にとって最も価値があるものとは限らないことはこれまでの動画で何度もお伝えしてきました。

自分が何に惹かれ、何の物語に心が動くのか?

その感覚を大切にしながら一本を選んでいただけたら、腕時計との関係はより豊かになっていくはずです。

ぜひ一度ベルモントルへお越しいただき、視聴者様だけの一本を一緒に探していきましょう。それでは、今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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