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記事: ロレックス デイトジャスト 4桁と5桁ぱっと見そっくりなこの2本は何が違うのか?

ロレックス デイトジャスト 4桁と5桁ぱっと見そっくりなこの2本は何が違うのか?

動画でご覧になる方はこちらから⬇️

今回は1603と16030が2つありますので、それらを比較しながら解説をしていくのですが、このリファレンスの数字も「1603」と「16030」で、末尾に0が一つ付いただけです。

実際、この2つの違いが分からないままこれらを手にされてる方も多いかもしれませんね。

この2本は見た目の印象こそ近いものの、中身はしっかりと世代が違う腕時計なんですよね。

今日はその違いを、ムーブメント・文字盤・選び方という視点で、丁寧に紐解いていきます。

この違いが分かると、ヴィンテージのデイトジャストを選ぶときの解像度がぐっと上がるはずなので、是非とも最後までご覧くださいませ。

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それでは話を進めて参ります。

 

 

そもそもこの2本はどういう関係にあるのか?

まず、この2本がロレックスの歴史の中でどういう位置にあるのかを掴んでおくと、違いがはっきり見えてきます。

ではこちらの画像をご覧ください⬇️

ロレックスの腕時計4桁、5桁デイトジャストの違い

ロレックスのデイトジャストには、リファレンスが4桁の世代と5桁の世代があります。

左側が古い方の4桁リファレンスで右が新しい方の5桁リファレンスですね。

4桁リファレンスの製造時期は、おおよそ1960年代から1970年代後半。

右側のRef.16030は5桁で、新しい世代であり製造時期は1977年から1988年頃なんですよね。

よって16030は、4桁の1603の後継として登場したモデルです。

ですので、系譜としてはそっくりになって当たり前なんですよね。

そっくりすぎていますが、のちのパートでそれぞれの違いを詳細に解説しますので、今はそうなんだぁ程度で聞き流してください。

ただ、ここで面白いのが、この2本が単に「古いか新しいか」という関係ではなく、直系の血筋でつながっているという点です。

実はデイトジャストの4桁世代には、ベゼルの仕様違いで複数のリファレンスが存在します。

スムースベゼルの1600、ゴールドのフルートベゼルの1601、そしてエンジンターンドベゼルの1603。

このベゼルの違いの詳細についてはこちらのヴィンテージ 【ROLEX/ロレックス】 4桁デイトジャストの歴史 Ref.1600 & 1601 & 1603 これら3つのリファレンスは何が違う?で詳しく解説しておりますので気になる方はご覧ください⬇️

話を戻しまして、この3兄弟のうち、1603の系譜をまっすぐ受け継いだのが16030であり、その次の世代の16220へと続いていきます。

1600や1601にはまた別の後継があるのですが、1603から16030へというのは、いわば「エンジンターンドベゼルの家系」が世代交代した関係といえます。

ではなぜ4桁から5桁への切り替えが起きたのか?という話ですが、これは1970年代後半に、ロレックスが腕時計のムーブメントを新しい世代へとアップデートしていったことと関係しています。

ただ、その切り替えは一夜にして起きたわけではありません。

1970年代後半から1980年代前半にかけては、古い4桁と新しい5桁が一時的に併売されていた時期もあったんですよね。

おそらくロレックスが、旧世代の在庫を売り切ってから新世代へ完全に移行しようとしていたためだと考えられます。

こういった背景があるデイトジャストですが、次は 『決定的な違いは中身のムーブメント』という内容で解説して参ります。

 

 

決定的な違いは中身のムーブメント

ここが、この2本を分ける最大のポイントです。

前述した通り、ムーブメントのアップデートによって、新世代デイトジャストに生まれ変わることとなります。

見た目がどれだけ似ていても、中身のムーブメントは明確に世代が違うんですよね。

ではこちらの画像をご覧ください⬇️

左側が4桁リファレンスに搭載されているCal.1570で、右側が5桁リファレンスに搭載されているRef.3035です。

ちなみに、4桁リファレンスには前期後期のムーブメントがありまして、前期はCal.1560が搭載されています。

この世代交代が、1603と16030の本質的な違いを生んでいます。

では具体的に何が違うのか?という話ですが、一番分かりやすいのが、クイックセット機能の有無です。

クイックセットというのは、日付を素早く単独で合わせられる機能のことです。

今のモデルは普通に搭載されてるので、そんなんあって当たり前やん!って感覚だと思われますが、この頃のロレックスはやっとこのタイミングでクイックセットが搭載されました。

1603に搭載されたCal.1570には、この機能がありません。

つまり日付を変えたいとき、竜頭を回して針をぐるぐると進め、夜の12時を何度もまたがせて、ようやく目当ての日付に合わせる必要があるんですよね。

月末の調整や、しばらく止めていた腕時計を再び使うときには、この作業がなかなか手間になります。

やったことある方なら分かると思いますが、これマジでしんどいですからね、笑

 

それに対して5桁に搭載されているCal.3035は、クイックセット機能を搭載しています。

竜頭をカチッと引いて回すだけで、時刻とは独立して日付だけを素早く送れます。

日常的に使う上での快適さは、ここで大きく変わります。

実はこのCal.3035は、ロレックスが男性用のムーブメントとして本格的に毎時28,800振動の高速テンプを採用した世代でもあります。

それ以前のCal.1570は毎時19,800振動でしたから、単にクイックセットが付いただけでなく、より現代的で精度の出やすい機械へと進化したわけです。

ここで一つ、大切なことをお伝えしておきたいんですよね。

では新しい16030のCal.3035のほうが、すべてにおいて優れているのか?というと、必ずしもそう単純な話ではないんです。

確かに実用性ではCal.3035に分があります。

けれど、Cal.1570という機械には、Cal.1570にしかない味わいがあります。

クイックセットがない不便さも含めて、針をゆっくり進めながら日付を合わせていく時間そのものを、古い機械式腕時計らしい儀式として愛おしむ方は少なくありません。

手間がかかるからこそ、腕時計と向き合っているという実感が生まれます。

そういう感覚を大切にされる方にとっては、Cal.1570の素朴さはむしろ魅力になるんですよね。

また、ロレックスの機械的な堅牢性や精度、修理のしやすさなどの総合的な評価はこの1560と1570が始祖に当たります。

このムーブメントがベースにあって、そこから改良が加えられて現代に至っているので、原点にして最強のムーブメントなんですよ。

一方で、現実的な側面も知っておく必要があります。

古いCal.1570は、ロレックスがすでにサポートを終えており、部品の入手が難しくなってきています。

そのためオーバーホールや修理に出したとき、新しい世代の機械に比べて費用が高くつく可能性があるんですよね。

長く使い続けることを考えると、この維持の手間とコストは、選ぶ前に頭に入れておきたいポイントです。

つまりムーブメントの違いは、単なるスペックの新旧ではないんですよね。

古い機械の味わいと引き換えに、多少の不便と維持コストを受け入れるか、それともヴィンテージの雰囲気を保ちつつ、日常の快適さと安心感を取るか。

この選択こそが、1603と16030を分ける一番の分岐点だといえます。

まぁ、実際のところ私もそうですし、お客様と話をするときに半分の方はデイト合わせるの面倒だから、もうズレたままですって方もいらっしゃるので、そこまでデイトって今は重要じゃないですけどね。

では次に、文字盤の形状の違い!という内容で解説して参ります。

 

 

文字盤の形状の違い

ムーブメントの違いはよく語られるのですが、もう一つ、意外と見落とされがちな違いがあるんですよね。

それが文字盤の形状です。

ロレックスを好きな方なら1発で違いが分かると思いますが、知らない方からすれば言われないと分からない部分だと思いますので、ここはしっかり聞いてくださいね。

ここを知っておくと、1603と16030を見分ける目が一段と養われます。

ではこちらの画像をご覧ください⬇️

ロレックス-デイトジャスト4桁と5桁の文字盤の違い

左が4桁で右が5桁ですね。

 

古い時代のデイトジャストには、パイパンダイヤルと呼ばれる文字盤が見られます。

パイパンというのは、英語で「皿」を意味する言葉なんですよね。

その名の通り、文字盤の中央部分が平らで、外周に向かってわずかに角度がついて立ち下がっていく、立体的な構造をしていますよね。

お皿をひっくり返したような、ゆるやかな段差のある形状をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

これは他にもステップダイヤルなんて呼ばれ方もしますね。

このパイパンダイヤルは、いろんなブランドで採用されいて、1603を含む古い世代の個体に見られる特徴です。

具体的には、おおよそ1970年代までに作られた個体に多く見られるかなぁ・・・といった所ですね。

だから、このパイパンダイヤルだったら自然とヴィンテージって分かるんですよね。

そして1979年あたりを境に、ロレックスは文字盤を縁まで平らなフラットな構造へと切り替えていきました。

つまり新しい世代である16030は、このフラットな文字盤が採用されているわけですよ。

では、この立体か平面かという違いが、実際の見え方にどう影響するのか?という話ですが、これが想像以上に大きいんです。

パイパンダイヤルは、中央から外周にかけて角度がついている分、光が当たったときに微妙な陰影が生まれます。

インデックスが立ち下がりの面に配置されることで、見る角度によって表情が変わり、文字盤全体に奥行きが感じられるんですよね。

あと小顔効果が出ます。

縁が落ちてるので、理論上文字盤の表面積が小さくなるので、すっきりした感じですよね。

平面的なフラット文字盤が端正で現代的な印象を与えるのに対して、パイパンダイヤルはどこか温かみと立体感のある、ヴィンテージならではの表情を持っています。

フラット文字盤はこれまたデザインが秀逸なんですよね。

デザインによって変わってくるんですが、縁にメモリが入れてあってそのメモリがかなり視認性がいいです。

このような感じで同じデイトジャスト、同じエンジンターンドベゼルでありながら、文字盤の構造が違うだけで、腕に乗せたときの印象はだいぶ変わります。

これはぜひ、実物を見比べていただきたいポイントなんですよね。

写真ではなかなか伝わりにくいのですが、光の下で傾けたときに初めて分かる、その奥行きの違い。

ヴィンテージウォッチの面白さが、まさにここに詰まっているといえます。

もちろん、どちらが優れているという話ではありません。

立体的なパイパンダイヤルに古い時代らしい趣を感じる方もいれば、フラットな文字盤の端正さに惹かれる方もいます。

大切なのは、こうした違いがあることを知った上で、自分はどちらの表情が好きなのかを意識して選ぶことなんですよね。

次の最後の見出しで、ここまでの違いを踏まえて、ではどちらを選ぶべきかという話に着地させていきます。

 

では次に、ブレスレットに違いはあるの?という内容で解説して参ります。

 

ブレスレットに違いはあるの?

ムーブメントや文字盤に比べると語られにくいのですが、ブレスレットも一応進化しています。4桁・5桁デイトジャスト ブレスレットの違い

ただこれ、「4桁は中空、5桁は無垢」と、きれいに分かれるわけではないんです。4桁・5桁デイトジャスト ブレスレット断面図の違い

古い時代のジュビリーは、一枚のスチール板を折り重ねて作られた、通称「巻きジュビリー」と呼ばれるブレスでした。

コマの中が空洞になっているぶん、軽やかでその分腕馴染みが良く、着け心地は抜群なんですよね。

その一方で、使ううちに伸びが出やすいという弱点も抱えていました。

そして1975年あたりを境に、両サイドのコマが無垢素材になった、頑丈な「ソリッドリンク」へと替わっていきます。

伸びという弱点を抑えながら、ジュビリーならではの着け心地はしっかり残されているのが嬉しいところですね。

ですので、1970年代後半に時計自体の進化がありましたが、ブレスはちょっと先に来てるので、大枠としては4桁は中空、5桁は無垢って認識でいいと思いますね。

よって、この切り替えは4桁の生産期間の途中で起きています。

ですので同じ1603でも、初期の個体は中空の巻きジュビリー、後期の個体は無垢のソリッドリンク、と分かれているわけです。

そして、Ref.16030の頃には、このソリッドリンクがすっかり標準的な存在になっていました。

あとは、ロレックスに修理に出された際に、伸びちゃってるから新しいのに交換しようか。って感じで、4桁の巻きジュビリーだけど5桁の無垢ジュビリーになってたりってのも普通にあります。

ですので、ブレスレットは中空か無垢か?の違いを理解しているだけで問題ないと私は考えております。

では次に、最終的にどちらを選ぶべきか?という内容で解説して参ります。

 

 

最終的にどちらを選ぶべきか?

ここまで、1603と16030の違いをムーブメントと文字盤の観点から解説してきました。

では最後に、自分が選ぶとしたらどちらなのか?、その判断軸を改めて考えてみたいと思います。

まず大前提として、前述した通りどちらが優れているという話ではないんですよね。

この2本は優劣ではなく、性格の違いで選ぶ腕時計です。

その上で、二つのタイプに分けて考えてみます。

1つ目は、古い時代の手触りそのものを味わいたい方です。

こうした方には、1603が向いていますね。

クイックセットがないCal.1570の素朴さ、針を進めて日付を合わせていくあの儀式めいた時間、そして立体的なパイパンダイヤルが生む奥行きのある表情。

これらはすべて、新しい世代には出せない、古いデイトジャストだけが持つ味わいなんですよね。

多少の不便さや維持の手間も含めて、腕時計と深く向き合いたい。

そういう方にとって、1603は何ものにも代えがたい一本になります。

2つ目は、ヴィンテージの雰囲気は欲しいけれど、日常の道具としての快適さも大切にしたい方です。

こうした方には、16030がよく合います。

4桁の系譜を受け継いでいる36mmの程よいケースサイズといったヴィンテージらしい魅力を保ちながら、クイックセット付きのCal.3035によって、日付合わせのストレスがありません。

部品の供給という面でも1603より安心感があり、長く付き合っていく上での負担が軽いんですよね。

初めてのヴィンテージデイトジャストとして選ぶなら、16030は非常にバランスの取れた選択といえます。

結局のところ、1603と16030のどちらを選ぶかは、ご自身が腕時計に何を求めるかという問いに行き着きます。

古い機械と向き合う豊かさを取るのか、それとも日々を共にする道具としての心地よさを取るのか。

どちらを選んでも、ヴィンテージのデイトジャストが持つ、あの気取らない品の良さは変わらず手に入ります。

だからこそ、この2本の違いを知った上で、ご自身の価値観に正直に選んでいただきたいんですよね。

もしどちらが自分に合うのか迷われたら、ぜひ一度ご相談ください。

実物をご覧いただきながら、視聴者様の腕元やライフスタイルに本当に馴染む一本を、一緒に見つけられればと思っています。


 

 

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