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記事: なぜ大人になると、新しい物より昔の物に惹かれることがあるのか?

なぜ大人になると、新しい物より昔の物に惹かれることがあるのか?

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。

本日の動画では「なぜ大人になると、新しい物より昔の物に惹かれることがあるのか?」という内容で解説して参ります。

若い頃は、とにかく新しい物に惹かれていたのに、年齢を重ねるにつれて昔の家具や車、革製品、そしてヴィンテージ腕時計などに興味を持つようになった。

そんな経験がある方もいらっしゃると思います。

もちろん、昔の物が好きだから大人で、新しい物が好きだから若いという単純な話ではありません。

ただ、色々な物を買い、使い、失敗も経験していく中で、物を見る基準そのものが少しずつ変わることはあると思います。

以前であれば「新しい」「高性能」「今流行っている」ということに魅力を感じていたのが、いつの間にか「どう作られているのか」「なぜこれに惹かれるのか」「この個体にしかない物は何なのか」という部分が気になり始める。

すると、最新の商品とは違った魅力を持つ昔の物が、急に良く見えてくるんですよね。

今回は、なぜ大人になると新しい物だけではなく、昔の物にも惹かれるようになることがあるのか。

これらを一緒に考えていきましょう。

それでは話を進めて参ります。

 

 

 若い頃は「新しい=良い」が分かりやすかった

まず最初に考えてみたいのが、新しい物には非常に分かりやすい価値があるということです。

例えばスマートフォンであれば、処理速度が上がる。

カメラの画質が良くなる。

バッテリーが長く持つ。

車であれば燃費や安全装備が進化する。

こうした進化は数字でも分かりやすいですし、買い替える理由にもなります。

新品ですから傷もなく、誰にも使われていないという安心感もあります。

若い頃は、こうした「分かりやすい良さ」が物を選ぶ大きな基準になりやすいと思います。

まだ色々な物を使った経験が少ない段階では、どの商品が自分に合っているのかも分かりません。

そうなると、新しい物、高性能な物、これらは人気のある物という基準は非常に便利です。

少なくとも大きく外しにくいですし、周囲から見ても分かりやすいですよね。

ところが何年も生きてると、その考え方が少しずつ変わってきます。

新しいスマートフォンを何度も買う。

車も買い替える。

服も鞄も買う。

家具や家電も買う。

そうした経験を繰り返していくと、「新しくなった」ということと、自分にとって魅力まで増しているとは限らないと分かってきます。

だからスペックの進化と一緒に、自分の気持ちがそれに追従してるかっていうと、必ずしもそうではないってことですよね。

これは腕時計も同じで、現行の方が精度や防水性は高くても、「見た目は昔のモデルの方が好き」ということは普通にありますよね。

若い頃には「新しいこと」が魅力そのものだったのが、年齢を重ねるにつれて、「自分が何に惹かれるのか」という基準が加わってきます。

そこから、昔の物が良く見え始めることがあるんだと思います。

では次に、色々な物を見てきたからこそ「作り方」が気になり始める!という内容で解説して参ります。

 

 

色々な物を見てきたからこそ「作り方」が気になり始める

次に大きいのが、完成した商品だけではなく、その物がどうやって作られたのか?まで気になるようになることです。

若い頃は、商品を見た時に「何ができるのか」を先に見ることが多いと思います。

車なら速いのか。

鞄なら使いやすいのか。

家具なら収納できるのか。

腕時計なら正確なのか、防水性はどうなのか。

もちろん、これは非常に大切なことです。

物というのは使うためにありますから、機能を無視することはできません。

ただ、色々な商品を見ていると、徐々に別のところにも目が行くようになります。

例えば、腕時計なら文字盤の印刷、針、ケースの形、ラグ、ブレスレット、ムーブメントといった部分を見るようになります。

そうなった時に、昔の物が良く見えてくることがあります。

ロレックスのデイトジャストを比較しても、現行モデルはインデックスの高さも高くなっていますし、太くなっていますし、結構主張が激しめです。

もちろん、どっちが良くてどっちがダメって話ではなくて、答えを持ってるのは視聴者様だけです。

そして今と昔では、生産する数量も、コストの考え方も、求められる性能、見た目も違いますからね。

そのため、昔の物を見ると、「今ならこの作り方はわざわざしないだろうな」と感じる部分に出会うことがあります。

手間がかかっている。

必要以上に厚い材料を使っている。

細かい部分まで作り込まれている。

反対に、現代の商品であればもっと合理的に作れるような部分を、昔は違う方法で作っていたりすることが結構あります。

ここに魅力を感じるようになるんですよね。

もちろん、昔の物なら何でも良いわけではありません。

昔にも安価に作られた物はありますし、現代にも非常に手間をかけて作られている物があります。

ですので、「昔の方が物作りが良かった」という単純な話ではありません。

単純な話ではありませんが、私の考えでは基本ベースは昔になればなるほど、ものづくりの軸で言うのであれば、優れていると考えています。

重要なのは、物を見る基準が「完成した商品の性能」だけではなく、「そこに至るまでの作り方」まで広がることです。

そうすると、最新の商品より性能では劣っていても、物としては非常に面白いという判断が出てきます。

若い頃には「古い腕時計」にしか見えなかった一本が、色々な腕時計を見た後で、「この時代にしか作れなかった腕時計」に見えるのは、自分の見る場所が変わることで、価値まで違って見えるんですよね。

では次に、大人になると「完璧さ」より「個体差」が面白くなる!という内容で解説します。

 

 

大人になると「完璧さ」より「個体差」が面白くなる

昔の物に惹かれる理由として、もう一つ大きいのが個体差です。

新品の商品には、新品ならではの魅力があります。

同じ型の商品であれば、基本的には同じ状態の物が手に入ります。

傷もありませんし、色も揃っています。

品質が均一であることは、工業製品として非常に大切なことです。

特に高額な商品であれば、購入した時にきれいな状態であることへ安心感を持つ方も多いと思います。

ただ、昔の物の場合は違います。

同じ商品であっても、これまでどのように使われてきたのかによって状態が変わります。

そしてヴィンテージ腕時計であれば、文字盤の色、ケースの状態、針やインデックスの雰囲気など、同じ型番でも一本ごとに違いがあります。

若い頃には、この違いを単純に「古くなっている」と感じることがあります。

新品の状態が100点で、そこから傷が増えるほど点数が下がっていくような考え方です。

もちろん、状態が悪い物を無理に評価する必要はありません。

ただ、色々な物を見てくると、全てが新品と同じ状態であることだけが魅力ではないと分かってきます。

例えば同じヴィンテージ腕時計を10本並べても、文字盤の色味が少しずつ違うし、ケースの輪郭も違います。

長く使われてきた一本と、ほとんど使われず残ってきた一本では、同じモデルでも全く違う雰囲気があります。

そうすると「どれが一番新品に近いか」だけではなく、「自分はどの個体が好きなのか」という見方ができるようになります。

これは新品を選ぶ時とはかなり違う楽しさですよね。

新品は、同じ商品をどこで買っても一定の品質で手に入れられることが当たり前になっています。

だからこそ、現代は一つ一つ違う物に今まで以上に魅力が生まれ、そこに惹かれる人が増えてるんだと思います。

こういった感覚は、古い物ならではです。

この業界でやっていると、私もよく使うワードですが『一期一会』ですからねぇ。

ってお話しします。

完全に同じ物が2つとしてなく、今、目の前にある物を逃したら、まったく同じ状態の物にはもう出会えないかもしれない。

ここが面白いところじゃないですか。

そして年齢を重ねると、自分自身も完璧ではないということがよく分かってきます。

それは成熟してるってことじゃないですか。

若い頃は欠点はあってはいけないとか、それを隠すべきだ!って考えだったものが、実際には何でも万能にこなすことはできないし、こなせる人もいません。

その結果、新品のように何も傷がない状態だけを美しいと思うのではなく、長く使われてきたことで出てくる表情にも目が向くようになります。

要するに、自分とそのものを重ね合わせられるようになるんですよ。

傷があるから良いという話ではありません。

経年変化があれば何でも価値があるわけでもありません。

先ほども言いましたが、それを綺麗と感じるか、劣化と感じるかはその人の中にしか答えはありませんからね。

では次に、昔の物に惹かれるのは「懐かしいから」だけではない!という内容で解説して参ります。

 

 

昔の物に惹かれるのは「懐かしいから」だけではない

昔の物が好きだと言うと、「歳を取って懐古趣味になったんじゃないか」と言われることがあります。

もちろん、それも一部にはあると思います。

自分が若かった時代のポケカを見る。

昔憧れていたブランドを見る。

子どもの頃に家にあった家具や家電を見る。

そうすると、その時の記憶まで一緒に思い出します。

ですので、昔の物と懐かしさは切り離せない部分があります。

ただ、それだけではないんですよね。

例えば、自分が生まれる前に作られた腕時計や車、家具に惹かれる場合があります。

その時代を経験していないのですから、これは単純な懐かしさだけでは説明できません。

では何に惹かれているのかというと、最終的には「自分の基準で物を見られるようになった」ということが大きいのではないかと思います。

だからこれは審美眼が磨かれてるから、それが良く見えるってことですよね。

若い頃は、どうしても周囲の基準が入ってきます。

今何が流行っているのか。

何を持っていれば格好良いのか。

どのブランドが人気なのか。

どの商品が最新なのか。

これは決して悪いことではありません。

むしろ、新しい物を知るうえでは非常に重要です。

ただ、何十年も色々な物を見てくると、少しずつ自分の好みが分かってきます。

人気があるから好きなのではなく、「これは自分が好きだから欲しい」と言えるようになる。

そうすると、発売されたばかりの商品も、50年前の商品も同じ土俵で見られるようになります。

新しいから評価する。

古いから評価する。

そうではなく、「今の自分がこれを見てどう感じるか?」で選べるようになるんですよね。

そして私は、ヴィンテージ腕時計を扱っている理由もここにつながっていると思っています。

単純に古い物だから価値があるわけではありません。

前述した通り、性能だけを見れば、現代の腕時計の方が優れています。

それでも、今では作られていないケースサイズやデザイン、当時ならではの物作り、一本ごとの違いを見ると、新品とは別の魅力があります。

色々な物を見た後だからこそ、そうした部分に惹かれることがあるんですよね。

ですので、大人になって昔の物が好きになるというのは、過去に戻りたいということではないのかもしれません。

むしろ、「今一番新しい物を選ぶ」とか「人が良いって言ってるから自分もそれと相性が良いだろう」という基準から離れて、自分が本当に好きな物を選べるようになった結果とも言えると思います。

そしてその中に、たまたま50年前の家具があり、30年前の車があり、昔の腕時計があるんですね。

そう考えると、新しい物より昔の物に惹かれるようになったこと自体が、物を見る楽しみ方が増えたということなのかもしれませんよね。

 

腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。

その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。

店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。

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