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記事: カルティエ・ピアジェ・オーデマピゲ・パテックフィリップを徹底比較!なぜ人は「薄い腕時計」に惹かれるのか?

カルティエ・ピアジェ・オーデマピゲ・パテックフィリップを徹底比較!なぜ人は「薄い腕時計」に惹かれるのか?

こんにちは。ベルモントルの妹尾です。

本日の動画では、カルティエ・ピアジェ・オーデマピゲ・パテックフィリップを徹底比較!なぜ人は「薄い腕時計」に惹かれるのか?ということについて解説して参ります。

いずれも薄型で知られるブランドでありモデルですが、その成り立ちや価値の考え方は大きく異なります。

なぜ今、薄い時計が選ばれているのか。

そして同じ薄型でも、何が違うのか。

その背景を分かりやすくお伝えして参ります。

動画を見終わった頃には、デカアツだけしか見えて来なかった世界から、新しい価値観と美意識を手にしているはずですので、是非とも最後までご覧ください。

ベルモントルは金曜と日曜がフリーオープンで、その他の日を予約制でご対応させて頂いておりますので、気になる商品がございましたら、そちらから予約をお願い致します。

ベルモントルでは、価格だけではなく背景や佇まいも含めて腕時計やリングを選びたい方に向けて、公式LINEで一般公開前の新着商品や入荷予定品をご案内しています。

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それでは話を進めて参ります。

 

 

なぜ今、「薄い腕時計」が見直されているのか?

最近の腕時計の流れを見ていると、価値の基準が少しずつ変わってきていると感じます。

以前は、サイズの大きさや機能の多さ、分かりやすい高級感といった要素が重視されていました。

見た瞬間に「すごい!」と伝わることが価値になっていた時代です。

ただ、今はそこから少し距離を取る人が増えてきています。

その中で、改めて見直されているのが「薄い腕時計」です。

ただし、この薄さというのは単純に着けやすいというだけではありません。

もちろん装着感の軽さや、袖口に収まりやすいという実用面もありますが、本質はそこではないように感じます。

薄い時計を手に取る人は、「主張しすぎないこと」に価値を感じています。

腕に乗せたときにストレスが無いこと。

気づけばずっと着けていること。

つけていることさえも忘れてしまうくらいの軽やかさ。

そういった日常の中での馴染みが、結果として長く使い続けられる理由になります。

そしてもう一つ大きいのが、価値観の変化です。

分かりやすいスペックや価格ではなく、自分にとってしっくり来るかどうか、納得して使い続けられるかどうかを重視する人が増えてきています。

ブランド自体が、腕時計のサイズをダウンサイジングしてきているのも、そう言った背景があるからでしょう。

この流れの中で薄い腕時計は、一つの再評価の対象になっています。

ただし、ここで重要なのは「薄ければいい」という話ではないということです。

薄さは結果であって、目的ではありません。

その時計がどういう思想で作られているのか、どのような技術によってその薄さが成立しているのか。

そこまで含めて初めて価値になります。

ここからは、この「薄さ」という価値を、カルティエ、ピアジェ、オーデマピゲ、パテック フィリップという4つのブランドを通して見ていきます。

同じ薄型でも、それぞれが全く違う考え方で作られていることが分かると思います。

 

 

カルティエ薄型の哲学とサントスデュモンという選択

カルティエのサントスデュモンは、薄型時計の中でも少し特殊な立ち位置にあるモデルです。

見た目はとてもシンプルで、装飾的な要素はほとんどありません。

ローマンインデックスにスクエアケースというカルティエらしい構成ではありますが、主張はかなり抑えられています。

ただ、この時計の本質はデザインの分かりやすさではなく、「どうやってこの薄さを実現させたか」にあります。

搭載されているのは、フレデリック・ピゲ社製のCal.21をベースとしたムーブメントです。

フレデリックピゲは、ほとんど表舞台に出てきませんので、この会社についての詳細はこちらの『スウォッチグループのブランパンを甦らせる【フレデリックピゲ】の歴史と代表ムーブメント解説』の中で解説しておりますので、気になる方はご覧ください⬇️

話を戻しまして、このムーブメントは、もともと極薄を前提に設計されたもので、単に部品を削って薄くしているわけではありません。

最初から「薄いこと」を成立させるために設計されています。

つまり、この時計の薄さは見た目のデザインではなく、構造そのものによって成り立っています。

ここがとても重要なポイントです。

実際に腕に乗せてみると、その違いははっきりと分かります。

ケースが薄いだけでなく、重さやバランスも含めて非常に自然で、ほとんど着けていないような感覚になります。

袖口に引っかかることもなく、長時間着けていてもストレスが少ないです。

そしてもう一つ、この時計の特徴は「主張しすぎないこと」です。

時計としての存在感は確実にあります。

ですが、それが前に出すぎることはなく、あくまで着ける人の一部として馴染んでいくようなバランスです。

この感覚は、見た目だけではなかなか伝わらないはずです。

なぜスポーツモデルではなく、薄型のドレスラインの方が上のポジションに置かれているかというのが、これを着用すれば分かって頂けると思います。

分かりやすい魅力で選ばれるというよりも、着用したときにちゃんとしっかり納得出来るように作られているのがサントスデュモンだと思います。

このサントスデュモンについては、こちらのエクストラフラット Ref.821054の魅力解説のなかで解説しておりますので、気になる方はご覧ください⬇️

では次に、ピアジェの薄型の哲学について解説します。

 

 

ピアジェ薄型の哲学とプロトコールという選択

ピアジェは、今回紹介する4本の中でも最も「薄さ」を突き詰めたブランドと言えます。

1960年代から70年代にかけて、ピアジェが目指していたのは、単に薄い時計ではありませんでした。

機械式時計でありながら、ジュエリーのような美しさを成立させること。

そのための前提として、極薄ムーブメントの開発がありました。

その象徴がCal.9P2です。

ちなみにその後に誕生したのが自動巻Cal.12Pです。

ちなみに、この薄型ムーブメントは製造が非常に難しいために、ピアジェのムーブメントはカルティエの高級モデルにも採用されていたのは有名な話ですよね。

手巻きのCal.9P2は厚さわずか2.0mmであり、このムーブメントがあったからこそ、ピアジェは他のブランドでは成立しなかった表現に到達しています。

今回ご紹介するプロトコール Ref.9154もそうですが、この思想がより分かりやすく表れているのがこのモデルです。

プロトコールは、直線的でシャープなケースラインが特徴的なコレクションで、サイズとしては小径でありながら、非常に強い存在感を持っています。

このモデルの美しさは、ケースの薄さと面の取り方、そして全体のバランスによって成立しています。

もしここに厚みがあったとしたら、この美しい締まりのある造形は成立しません。

つまり、ピアジェにとっての薄さは「構造」でも「バランス」でもなく、「表現そのもの」です。

そして、その表現を支えているのが極薄ムーブメントです。

さらにピアジェの特徴的なアプローチが、天然石の文字盤です。

元々腕時計に天然石を取り込んだのは、1964年のピアジェが初めてでありそこからロレックスという流れで使われるようになっていきました。

今回出ているラピスラズリは、個体ごとに表情が異なり、同じものは一つとして存在しません。

その不均一さをそのまま美しさとして成立させるためには、時計全体の設計が極めてシンプルである必要があります。

だからこそ、余計な厚みや装飾を排除し、素材そのものを引き立てる構成になっています。

この考え方は、他のブランドとは明確に違います。

サントスデュモンが「構造としての薄さ」、だとすると、ピアジェは「芸術としての薄さ」です。

プロトコールのようなモデルを手に取ると、その違いははっきりと分かります。

これは単に時間を確認するための道具ではなく、手元に置かれた一つの完成された造形です。

ピアジェは、薄さを突き詰めた結果、時計という枠を超えて「宝飾美学」を成立させたブランドだと思います。

ピアジェのラピスラズリ文字盤の魅力については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので気になる方はご覧ください⬇️

では次にオーデマピゲについて解説して参ります。

 

 

オーデマピゲ薄型の哲学とレクタンギュラー型という選択

オーデマ ピゲのこのレクタンギュラーケースのモデルは、前の2つとはまた違った形で「薄さ」を表現している一本です。

サントスデュモンが構造によって薄さを成立させているのに対して、この時計は「静けさ」によってその価値を作っています。

1970年代のオーデマ ピゲは、現在のロイヤルオークようなスポーツモデルの印象とは異なり、ドレスウォッチの分野で非常に完成度の高いモデルを多く手がけていました。

この個体もその流れの中にあるもので、華やかさで惹きつけるというよりも、あくまで落ち着いた佇まいで価値を伝えてきます。

ブラックダイヤルに、3・6・9時位置のダイヤモンドインデックス。

構成としては非常にシンプルですが、その分だけ素材とバランスの良さが際立ちます。

過度に主張しないことで、逆に長く使い続けられる落ち着きがあります。

ケースは18Kホワイトゴールドのレクタンギュラー型で、直線的なフォルムが特徴です。

ただ、実際に見るとどこか柔らかさも感じられ、強すぎない存在感に仕上がっています。

そして、この時計の薄さを支えているのがCal.2001です。

これはマニュファクチュールの名門であるジャガールクルト社製のCal.818をベースに、オーデマ ピゲが調整と仕上げを加えたムーブメントで、厚さは約1.85mmとこちらも極薄です。

とはいえ、デュモンと比べると少しだけ厚く、この18Kのケースの分厚さによってずっしり感があります。

ですが、実際に腕に乗せると、軽さや装着感の良さ以上に、「違和感のなさ」が印象に残ります。

サントスデュモンが身体に馴染んでいく腕時計だとすると、このオーデマ ピゲは、貴金属の重量感を感じながらも、薄型のおかげで疲れを感じない腕時計です。

強く主張するわけではないのに、ふとした瞬間にきちんと気品を感じられる存在感があります。

この「静けさとしての薄さ」は、使い続ける中で少しずつ理解できる価値だと思います。

目立たせるためではなく、自分の中で納得して着用するオーデマ ピゲは、ヴィンテージのこのようなモデルだけが実現してくれると考えております。

オーデマピゲの18Kレクたんぎゅラー型モデルの魅力については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので気になる方はご覧ください⬇️

では4本目にパテックフィリップのエリプスですね。

 

パテック フィリップ薄型の哲学とエリプスという選択

パテック フィリップのエリプスは、サントスデュモンとは全く異なるアプローチで薄さを表現している腕時計です。

このモデルの特徴は、まずケースの形状にあります。

丸でも四角でもない、独特の楕円形です。

いわゆる「腕時計らしさ」から少し距離を置いたデザインでありながら、見た瞬間にバランスの良さを感じさせます。

ご存知の通りこの形状は、黄金比に基づいて設計されていると言われており、数値としての美しさがそのまま造形に落とし込まれています。

ただ、この時計の魅力は理論だけではありません。

実際に手に取ると、縦方向に伸びるケースのバランスによって、サイズ以上に自然な装着感があります。

数値上は小径であっても、手元ではしっかりと存在を感じさせます。

こちらも着用してみないと、魅力が分からないモデルだと思いますね。

そしてもう一つ印象的なのが、文字盤の表情です。

深みのあるブルーは、光の当たり方によって見え方が変わり、静かな中に豊かな表情を持っています。

派手な装飾はありませんが、その分だけ素材とバランスの完成度が際立ちます。

ここで重要なのは、この時計の薄さの意味です。

エリプスは「美しさを成立させるために薄い」と言えると思います。

搭載ムーブメントはパテックフィリップ社製Cal.175であり、パテックが初めて開発したジャイロマックステンプを備えている高級ムーブメントです。

もしこの時計に厚みがあったとしたら、このバランスは崩れてしまいケースのラインも、文字盤の見え方も、すべてが成立しなくなります。

つまり、この薄さは機能ではなく、造形の一部です。

主張しすぎず、それでいて確かな品格がある。

エリプスは、そういった「静かに完成された美しさ」を求める方に選ばれる時計だと思います。

パテックフィリップの青文字盤のエリプスの魅力については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので気になる方はご覧ください⬇️

では次に、同じ「薄型」でも何が違うのか?ということについて解説します。

 

 

薄型を作るには技術が必要な理由

ここまでで、「薄さ」にはそれぞれ違う意味があるという話をしてきましたが、もう一つ見落としてはいけないのが、その薄さを実現するための技術です。

薄い時計は、単に部品を小さくすれば作れるものではありません。

むしろ、厚みを削るほどに設計の難易度は上がっていきます。

例えばムーブメントの話です。

歯車やゼンマイ、テンプといった部品は、ある程度の厚みや強度が前提になっています。

それを無理に薄くすると、精度が安定しなかったり、耐久性に問題が出たりします。

そのため、極薄ムーブメントは最初からそれ専用に設計される必要があります。

フレデリック・ピゲのCal.21や、ピアジェの9P2がそうですが、これらは「薄くするために作られたムーブメント」です。

そして、さらに難しいのが、パーツ同士のクリアランスです。

厚みがある時計であれば多少の余白を作ることができるんですが、薄型になるとその余裕がほとんどありません。

ほんのわずかなズレでも動作に影響が出るため、非常に高い精度で組み上げる必要があります。

これが高級ブランドのオーバーホールの金額が高くなってしまう1つの理由なんですね。

雲上ブランドのオーバーホールは高いのは分かってても、なんでそれが高いのか?ってのはあんまり知られてないと思います。

これは前述した通り、雲上ブランドは薄型ムーブを採用しているモデルが多いために、薄型がオーバーホールに時間がかかるから高額になってしまうのです。

加えて、ケース側の設計も重要です。

薄くすればするほど、外部からの衝撃や圧力に弱くなります。

その中で日常使用に耐えられるようにするには、素材や構造のバランスを非常に繊細に取る必要があります。

つまり、薄い腕時計というのは「削ぎ落とした結果」ではなく、「成立させるために積み上げられた技術の集合体」なのです。

見た目はシンプルですが、その裏側にはかなり高度な設計と製造の積み重ねがあります。

だからこそ、薄型時計は単なるデザインではなく、一つの到達点として評価され続けています。

この前提を理解しておくと、同じ「薄い腕時計」を見たときの見え方が大きく変わってきますよね。




腕時計でありながら美学を宿している

ここまで、薄さの違いや技術についてお話ししてきましたが、最後にお伝えしたいのは、これらの腕時計が単なる道具ではないという点です。

もちろん腕時計は時間を確認するためのものです。

ただ、この4本に共通しているのは、それだけでは終わらない存在だということです。

ただ時間を表示するだけであれば、ここまでの薄さも、ここまでの完成度も必要ありません。

それでもあえてそこに挑んでいるのは、腕時計という枠の中に、美しさや思想を宿そうとしているからです。

だからこそ、これらの時計は長く評価され続けています。

一見するとシンプルですが、その裏側には明確な美学があります。

そして、その美学に共感できるかどうかが、最終的な選び方につながっていくんだと思いますね。





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