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記事: ヴィンテージロレックスの腕時計はなぜ壊れにくいのか!?

ヴィンテージロレックスの腕時計はなぜ壊れにくいのか!?

動画でヴィンテージロレックスはなぜ壊れにくいのか?をご覧になる方はこちらから⬇️

ロレックスと聞くと、「丈夫」「長く使える」といったイメージを持たれている方は多いと思います。

あとは資産性ってのもここ最近は言われるようになりましたよね。

実際に、何十年も前の個体が今でも普通に動いているというケースも珍しくありません。ただ、その理由をきちんと説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。

単に高級だから壊れにくいというわけではなく、そこにはしっかりとした設計思想と構造的な理由があります。

今日はそのあたりを、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。

 

 

ロレックスの腕時計は本当に壊れにくいのか?

今回はですね機械の話になるので、弊社が実際にオーバーホールをお願いしている森さんが、ロレックスの修理を行なっている映像とともにお届けして参りますね。

ロレックスのオーバーホールの工程は、これらの動画の中で詳しく解説しておりますので、気になる方はご覧くださいませ⬇️

まず最初に、「ロレックスは本当に壊れにくいのか?」という点について話していきます。

結論から言うと、ロレックスは壊れにくい時計だと言えます。

ただしそれは、「絶対に壊れない」という意味ではなく、「壊れにくく設計されている」という表現の方が正確です。

実際にヴィンテージロレックスを見ていると、10年、20年とオーバーホールをしていない状態でも動いている個体に出会うことがあります。

しかも、そんな状況でも関わらずしっかり精度が出てしまってる個体だって存在します。

本来であれば定期的なメンテナンスが必要な精密機械であるにもかかわらず、それでも動き続けているというのは、一つの特徴だと言えます。

なぜこのようなことが起きるのかというと、ロレックスはもともとの哲学に「日常的に使う道具」として設計されているからです。

装飾品というよりも、過酷な環境でも使える実用時計としての思想が強く、その考え方が現在まで引き継がれています。

例えば、防水性能を高めるためのケース構造や、衝撃に耐えやすいムーブメント設計など、外部からの影響を受けにくい仕組みが随所に取り入れられています。

その結果として、しっかりと腕時計として扱われたとしても、致命的な故障につながりにくい構造になっています。

また、内部のパーツも比較的しっかりとした作りになっており、極端に繊細な構造ではない点も、耐久性が向上する理由です。

パーツが小さく複雑になればなるほど精度は上げやすくなったり、薄く作ることが出来るようになりますが、その分、衝撃に弱くなったりパーツの耐久性が弱くなります。

ロレックスはそのバランスを取りながら、「長く動き続けること」を優先した設計になっています。

ただし、ここで誤解してほしくないのは、「壊れにくいから何もしなくていい」というわけではないという点です。

実際には、オイルの劣化や内部の摩耗は確実に進んでいくため、適切なタイミングでのメンテナンスは必要になります。

それでもなお、多くの個体が長期間動き続けているという事実を見ると、ロレックスが単なる高級品ではなく、「実用性を前提とした腕時計」であるということが分かってくるんですね。

では次に、なぜロレックスが「壊れにくい設計」になっているのか?その考え方の部分についてお話ししていきます。

 

 

なぜ「壊れにくい設計」になっているのか!?

ロレックスの特徴は、単純にスペックが高いというよりも、「どう使われるか」を前提に設計されている点にあります。

つまり、机の上で大事に扱う時計ではなく、日常生活の中で当たり前に使われることを想定して作られています。

この考え方はブランドの成り立ちとも関係しています。

ロレックスはもともと、過酷な環境でも使える時計を目指して開発されてきました。

防水性、耐久性、視認性といった要素を高いレベルで満たすことが求められており、その結果として「壊れにくさ」という特性が生まれています。

例えば、外部からの衝撃や湿気、ホコリといった要因は、時計にとって大きな負担になります。

ロレックスはそういった影響をできるだけ内部に伝えないようにするために、ケースやリューズ、ガラスといった外装部分からしっかりと設計されています。

また、内部の構造についても同様です。

極端に複雑な機構を追い求めるのではなく、安定して動き続けることを優先した設計がされています。

パーツ一つ一つも、耐久性を重視したサイズや構造になっており、長期間の使用に耐えられるように作られています。

実際にこれらのパーツがどうなってるのか?と言うのを見ている私の視点なのですが、同年代のETAのパーツと比較して大きく作られています。

もちろん設計思想が根本から異なりますので、単純比較をしてはいけませんがロレックスのパーツは一言で言うと、頑丈で大きく、そして緻密です。

緻密と言うのは、組み立ての再現性が高いと言うことです。

昔のロレックスは、街の時計屋さんで修理が出来るように設計されているのは皆様ご存知だと思われます。

そんなロレックスのムーブですが、森さんがおっしゃるにはムーブメントの土台プレートに歯車を乗せやすいし、その上からブリッジを乗せて固定する作業も、他のブランドと比べてかなりやりやすいとおっしゃっています。

緻密と大きいと言うのは、相反する(あいはんする)表現ではありますが、ムーブメントというそもそもが小さい空間の中で組み立てられている領域においては、大きいというのが逆に作業のやりやすさに繋がっていると言えるのです。

しかもそれが、誰がやってもある程度ちゃんと組み立てられるように設計してあるとのことなので、設計段階から緻密に計算されているのが伺えます。

もちろん、私はそういった作業は出来ないので時計修理師の中での誰がやってもって意味ですね。

ここで重要なのは、「壊れにくさは偶然ではなく設計段階から決まっている」という点です。

長く使われてきた中で自然とそうなったのではなく、最初からそうなるように作られているということです。

さらに言うと、この設計思想はヴィンテージから現行まで一貫しています。

細かい仕様や素材は時代によって変わっていますが、「実用時計としての強さ」を重視する姿勢は大きく変わっていません。

つまりロレックスは、見た目やブランド性だけで評価されているのではなく、「長く使える道具」としての完成度が積み重なった結果として、現在の評価につながっていると言えるのではないでしょうか。

では次に、ロレックスの「壊れにくさ」を語るうえで欠かせない存在である、オイスターケースについてお話ししていきます。

 

オイスターケースがもたらしたもの

ロレックスの時計が長く使われる理由の一つに、このケース構造の完成度の高さがあります。

オイスターケースは1926年に開発されたもので、リューズ・ケースバックをすべてねじ込み式にすることで、内部を密閉する構造になっています。

これによって水やホコリの侵入を防ぎ、内部のムーブメントを外部環境から守ることができるようになりました。

この「外から守る」という考え方が、壊れにくさに直結しています。

時計が故障する原因の多くは、水分やホコリの侵入、オイルの乾燥などそれによる内部の劣化です。

オイスターケースはその入り口をしっかりと塞ぐことで、トラブルの原因そのものを減らす設計になっています。

腕時計を語る上で、外からの侵入がどれだけ優れているか?という外部環境の強さにフォーカスを当てられますが、外部は当たり前ですが、内部からの劣化のことも同じくらいの熱量で考えないといけません。

なぜスナップバックではなく、スクリューバックなのかというと、内部のオイルが乾きにくくなるからです。

内部のオイルが乾きにくいということは、それだけ長い間パーツ同士の直接干渉を防いでくれます。

これがロレックスのオイスターケースの本当の素晴らしさです。

この機密性があるからこそ、冒頭で話した10年20年オーバーホールしてないであろう個体でも、しっかり動き続けてくれる、というのに繋がっているんですね。

要するに、ロレックスのオイスターケースは外部からも内部からもムーブメントを守っているというのは、今回の動画でしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

もちろん本来は定期的なメンテナンスが必要ですが、それでも動いてしまうという点は、この構造の強さを物語っています。

また、オイスターケースは単に防水性を高めるだけでなく、ケース自体の剛性も高くなっています。

1世代前は、316Lというステンレスを使っていましたし、現行のロレックスに使われている「904Lステンレス」は、航空宇宙産業や化学工業でも採用されるほど耐食性・耐久性に優れた素材で、ロレックスが1985年に時計業界で初めて採用しています。

しっかりとした厚みと構造によって、外部からの衝撃にも強く、日常使用の中でのダメージを受けにくい設計です。

そして重要なのは、この構造がヴィンテージにも受け継がれているという点です。

例えば1970年代のデイトジャストであっても、基本的な構造は現代と大きく変わっていません。

長い年月を経てもなお機能しているという事実が、この設計の完成度を示しています。

ロレックスの壊れにくさは、単に内部の精度やパーツの強さだけでなく、こうした「外から守る構造」によって支えられています。

オイスターケースは、その基盤となる存在だと言えるでしょう。

では次に、ロレックスの壊れにくさを支えているもう一つの要素である、ムーブメントの構造について詳しくお話ししていきます。

 

 

ムーブメントの構造は何が違うのか?

まず前提として、ロレックスのムーブメントは「精度を極限まで追い込む設計」というよりも、「長く安定して動き続ける設計」が優先されています。

この考え方の違いが、壊れにくさに大きく関係しています。

もちろん、精度面においても現行品はズレがほぼないんですけどね。

ではなんでこれを実現できているかというと、前述した通り、ロレックスのムーブメントはパーツ一つ一つが比較的しっかりとしたサイズで作られています。

時計の世界では、パーツを小さくすればするほど精度を高めることができる一方で、衝撃や摩耗に対しては弱くなる傾向があります。

ロレックスはそのバランスの中で、ある程度の精度を確保しながらも、耐久性を優先した設計を採用しています。

また、自動巻き機構の部分も特徴的です。

ローターの回転によってゼンマイを巻き上げる構造になっていますが、この部分は日常的に最も動く箇所でもあります。

ロレックスはこうした負荷のかかりやすいパーツに対して、耐久性を高めるための工夫が施されています。

皆様も一度は聞いたことがあると思いますが、リバーサーって言って自動巻モジュール部分に備えられている赤紫のパーツはより硬度を高めるためのアルマイト処理が施されていますよね。

結果として、長期間使用しても致命的な故障につながりにくくなっています。

さらに、ムーブメント全体としても非常にシンプルで合理的な構造になっています。

複雑な機構を詰め込むのではなく、必要な機能を確実に動かすことを重視しているため、トラブルの発生リスクが抑えられています。

この「シンプルさ」も、壊れにくさの一つの理由です。

シンプルよりは、複雑でメカニック的なムーブメントの方が男心をくすぐりますが、実際にはシンプルであればあるほど壊れにくいし、オーバーホールもしやすいのが現状なんですね。

そしてもう一つ重要なのが、パーツの精度と組み付けの安定性です。

ロレックスは、長年にわたって量産体制の中で精度を高めてきたブランドであり、パーツ同士の噛み合わせや動作の安定性が非常に高いレベルで維持されています。

この積み重ねが、長期間の使用に耐えるムーブメントにつながっています。

ロレックスの外装パーツである風防の割れとか、チューブやリューズのネジ山の舐めなどの外装パーツの破損は見たことあっても、ムーブメントの故障というのは、滅多なことがない限り発生しません。

つまりロレックスのムーブメントは、単に性能が高いというよりも、「壊れにくく、長く使えること」を前提に作られているという点に特徴があります。

見えない部分ではありますが、この設計思想が時計全体の信頼性を支えていると言えるのです。

では最後に、「壊れにくい=壊れないではない」という内容で解説して参ります。

 

 

壊れにくい=壊れないではない理由

ここまで動画を視聴されてる方は少ないと思いますので、もっと早く伝えるべきだったのですが、ロレックスは当たり前ですが壊れないということではありません。

ここは誤解されやすい部分ですが、どれだけ丈夫に作られているロレックスであっても、あくまで精密機械であることに変わりはありません。

日常的な使用に耐えられるよう設計されているとはいえ、内部では確実に摩耗や劣化が進んでいます。

例えば、ムーブメントの中では金属同士が常に接触して動いています。

その動きをスムーズにするために潤滑油が使われていますが、この油は時間とともに劣化し、少しずつ性能が落ちていきます。

油が乾いてしまうと、パーツ同士が直接擦れ合う状態になり、摩耗が進んでしまいます。

ロレックスの場合は、オイスターケースによる密閉性の高さやムーブメントの設計によって、この劣化の進行が緩やかになるため、前述した通り長期間メンテナンスをしていなくても動き続けてくれます。

しかしそれは、内部が無傷であるという意味ではありません。

あくまで「動けてしまっている状態」です。

この状態で使い続けると、やがてパーツの摩耗が限界に達し、部品交換が必要になるケースも出てきます。

本来であればオーバーホールで済むはずだったものが、結果としてより大きな修理につながる可能性もあります。

つまりロレックスは「壊れにくい時計」ではありますが、「放置しても問題ない腕時計」ではありません。

むしろ、壊れにくいからこそ無理が効いてしまい、メンテナンスのタイミングを逃しやすいという側面もあります。

もっと言ってしまえば、ヴィンテージロレックスである場合は、製造からかなりの時間が経過しているので、購入先でオーバーホールが実施されてるか分からない場合は、まず最初にオーバーホールを優先させた方が長く使っていく上では安心です。

ロレックスの本当の価値は、ただ丈夫であることではなく、「適切にメンテナンスをしながら長く使い続けられる設計」にあります。

その前提を理解した上で付き合っていくことで、初めて「長く使える腕時計」としての魅力を実感できるのだと思いますね。

 

ここまで色々とお話ししてきましたが、ロレックスの壊れにくさというのは、スペックだけで理解するよりも、実物を見ながら感じていただいた方が伝わりやすい部分でもあります。

特にヴィンテージの個体は、状態や作りの違いによって印象が大きく変わりますし、同じモデルでもまったく別物に感じられることもあります。

流石に内部までをもご覧頂くことは出来ないんですが、このように修理工程を映像に収めておりますので、弊社のロレックスはご購入頂いた後も安心して使って頂けることをお約束しております。

ベルモントルでは、こういった個体差も含めて実際に見比べていただける環境をご用意しています。気になる方は、ぜひ一度店頭でご覧いただければと思います。

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