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記事: ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニーRef.33060

ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニーRef.33060

 

こんにちは。

ベル・モントルの妹尾です。

本日は新商品入荷のご連絡になります。

時計の魅力や仕入れた理由などを解説して参りますね。

 

今回の腕時計は、【オリジナルケース/ボックス付】ヴァシュロン・コンスタンタンWG パトリモニー 1980年代モデル エクストラシン REF.33060でございます。

そもそも、ヴァシュロンのパトリモニーとは、完璧なラウンドシェイプ、無駄のない美しさ、調和の取れたプロポーション。

この無駄のないラウンドスタイルの形状を『パトリモニー』というんですね。

パテックのカラトラバ、ヴァシュロンのパトリモニーはラウンド型の頂点であり、それゆえに完璧に計算され尽くされた設計で作られています。

 

ではデザインを見てみましょう。

まずケース径は33mmであり、現行モデルのメンズが1番小さくて39mm、レディースが36mmなので、レディースよりも小さいサイズです。

その理由は、作られた年代が1980年代中頃だったからなんですね。

この年代の時計の流行は大きいものではなく、小さくて薄い時計が人気でした。

こちらのパトリモニーは、その流行に乗ったものではないのですが、ケースのサイズはメンズでも35か36mm前後が主流だったんですね。

そのような時代背景を理解して、ドレスウォッチに分類されるこちらのモデルは少し小さくデザインされ、33mmで作られたのでしょう。

スポーツウォッチよりも、ドレスウォッチの方が小さいですからね。

そして、このモデルの特筆すべきは『薄さ』です。

時計の厚さはなんと4.5mmであり、激薄に仕上げられています。

薄い時計の魅力は、腕への馴染みがいいことです。

厚さがある時計は、1つの動きに対して同じように時計も動くので、ブレ幅が大きく厚くなればなるほど馴染みが落ちてしまいます。

その反面、薄い時計であれば腕への一体感が素晴らしく、また軽いので腕への負担も少なく取り回しが良いのが特徴です。

この薄さなので、スーツやジャケットスタイルであれば、余裕で袖の中に入りますし、相手に見せないという選択も出来るのでいらしさも全くありません。

そして、このケースなのですがWGで作られていることも魅力のポイントでしょう。

ステンレスと比較してホワイトゴールドは、1.5倍の重さがあるのですがケースが薄型に作ってあるので、実際にはその重さはほとんど感じられません。

ですが、ホワイトゴールドの輝きを感じることが出来るのは、ヴァシュロンが目指した調和の取れたプロポーションから、生まれてくるところなのでしょう。

控え目な時計なのですが、奥深い魅力が詰まっています。

しかし、ここまでを薄さを実現できたのには理由があります。

こちらの画像をご覧ください↓

ジャガールクルト社製Cal.839とヴァシュロン・コンスタンタン社製Cal.1003のムーブメントの比較

左側がジャガールクルト社製Cal.849で右側がヴァシュロン社製Cal.1003/1です。

 

このモデルに搭載されているのは、ジャガールクルト社製Cal.849をヴァシュロン社が自社でチューニングを行なって仕上げをしたCal.1003/1なのです。

ケースも薄いですが、それを裏で実現しているのがこのムーブメントであり、このムーブメントの薄さはなんと1.64mmです。

これは、おそらく超薄型の伝統的な手巻き機械式ムーブメントの実用的な限界に近いものでしょう。

このように、ジャガールクルトの高精度なムーブメントを採用し、薄型を実現させたんですね。

ちなみにこちらのムーブメントは、ジャガールクルトではマスターウルトラスリムで採用されています。

 

では次に、このモデルを仕入れた理由について話していきます。

こちらのモデルですが、1番惹かれた部分は文字盤です。

文字盤は透き通るように真っ白な文字盤であり、その上からシルバーのインデックスが配置されていますが、12時位置と6時位置だけローマンインデックスであり、その他は両方向楔インデックスになっています。

このインデックスに惚れたのが1番大きいところですね。

こちらのモデルは、他にも複数のバリエーションがあるのですが、1番多く出回ってるのが18Kイエローゴールドの黒のプリントのインデックスバージョンです。

(1番多く出回ってるって言っても、このモデルはあんまり生産されてないみたいで、見かけることも多くはないんですけどね)

話を戻しまして、その反面ですねこちらのモデルのインデックスは、立体的に浮かび上がっていますし、12時位置と6時位置のインデックスだけローマンになってるのがおしゃれじゃないですか。

あと、それ以外のインデックスも普通のバーじゃなくて楔を合体させたような両方向楔インデックスになっているのですよ。

この独自性のあるインデックスが物凄くオシャレだなぁって思って仕入れたんですね。

またインデックスにもこだわって作ってあるんですよ。

6時位置の製造国を表すSWISSの両端に『σ/σ』シグマのマークがあります。

 この表記は、1973年頃から2000年頃までの時計に見られるもので、APRIOR(アプリオー)という団体に所属していたメーカーが使用していました。

1973年にスイス時計協会が作った品質基準なのですが、「時計のパーツ(インデックスや文字盤)にゴールドなどの貴金属が使われた際に、このマークを付けることで、スイス製の高級で高品質な時計であることを示す」ということでこのマークがあるんですね。

時代背景的に、クオーツが猛威を振るっていた時代なので、それに対抗するためにより高級な作りであることを示すために、σマークが誕生したのではないかと考えています。

この仕様は、ヴァシュロンの同じRef.33060でもマークがないものがほとんどであることと、WGが珍しいので希少性が高いのも魅力のポイントだと思います。

シンプルではありますが、しっかり作り込まれていて素材も18KWGが使われていることで、奥深い魅力のある時計です。

 価格は純正のケースとケースの箱、純正の尾錠も含めて税込105万円です。

ジャケットスタイルが多いジェントルマンの方にこそ、手にして頂きたい素敵な1本ですね。

 

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