速報2024年 SEIKOの新作腕時計~ WATCHES & WONDERS 2024 ~
さて、ウォッチズワンダー2024でSEIKOの新作が公開されましたので、ご紹介して参ります。
現代的なサイズ感のものが多く発表されていますが、その中でもドレスウォッチや細腕さんにも着用して頂けそうなモデルだけにピックアップしてご紹介して参ります。
欧州に引けと取ると思われるデザイン性、物作り大国日本の技術力の素晴らしさ、この辺にも分かり易く触れていきますので時計に深い知識がない方でも楽しんで頂けると思いますので、是非とも最後までお付き合いください。
初代グランドセイコー復刻モデル
初代のグランドセイコーのデザインをそのまま復刻させているモデルなのですが、実際に初代グランドセイコーと比較してみましょう。
左が初代で、右が復刻されたモデルですが忠実に再現出来ていますね。
素材が違うだけで、他は同じだと思われます。
初代の色味が当時っぽい配色で、復刻モデルがより現代的な雰囲気を感じます。
ネイビーの文字盤は、オーデマピゲの手巻きモデルで見てるのですがやっぱり、光り方によって濃淡が生まれ美しく輝くのがこのカラーの魅力だと思います。
そして今回のは、そこにピンクゴールドを組み合わせてきてるので、ここがどういった印象を与えてくれるかでしょうね。
テーマは、「星月夜」。(ほしづきよ)
悠久の時を経て届く星の光に思いを馳せてしまうほどの美しい星空を、ピンクゴールドのケースとネイビーカラーダイヤルで表現。
さらに、インデックスに採用された18Kゴールドが、夜空に瞬く(またたく)星のように美しい輝きを放ちます。
格調高いダイヤルと相性が良いクロコダイルストラップにはモダンな印象のネイビーカラーに加え、クラシックな印象を演出するブラウンカラーもセットバンドとしてご用意しました。
とあります。
文字盤のネイビーが夜を表現し、ピンクゴールドのインデックスで月と星を表現してるような感じでしょうね。
クラシカルな印象を与えくれていますし、テーマの通り落ち着きとか神秘的な雰囲気が動画からは感じられます。
日本ってデザイン性が欧州と比べて劣っているように感じますが、やはりこういった和テイストのデザインを取り込んでくると、かなり強みを発揮できていると思われますね。
日本らしくて、素晴らしいデザインだと言えるでしょう。
ケースサイズは38mmで、小ぶりとは言えませんが現代的なサイズ感の中ではまだ小さい方だと言えるでしょう。
価格は357万5000円で世界限定:50本(うち国内:30本)で6月に発売ですので、SEIKOマラソンしてる人しか購入出来ないでしょうね。
エボリューション9コレクション
では2本目は、エボリューション9コレクションです。
まずはSLGW002です。
ピンクゴールドのケースにシルバーの文字盤です。
文字盤のデザインが特徴的なモデルですが、おそらく時計好きの方であれば一度は見聞きしたことがあると思われる『白樺』ですね。
日本では、信州や北海道などで多く見られ 、札幌近郊の都市、小樽市などでは市の木として指定されています。
真っ白な幹が高原を明るく爽やかな印象にしてくれることから、「高原の白い貴公子」と呼ばれることもあります。
春の新緑や秋の紅葉も美しく、その見た目から住宅地や公園に植えられることも多い樹木です。
といった感じで、日本人ではありますが寒い方に自生してる木なので、見たことある人は少ないのかもしれません。
花が咲くということはないのですが、その木自体が美しいんですね。
日本人の中にある、奥ゆかしとか控え目といった芸術的価値観にマッチしている植物だと思います。
それが今回のモデルの文字盤に採用されているのですが、この前のモデルはこの白樺は縦に模様が入っていましたが今回のは横に模様が入っています。
これは好みによって分かれてくるところでしょうが、全体的な時計としてのまとまりを見た時には、横方向の方がしっくりくるかなぁと感じますね。
文字盤は、シルバーなのですが光の当たり具合によって陰影が生まれとても美しいです。
こちらチタン素材を使ったSLGW003もあるのですが、どちらかというとピンクゴールドの方が白樺の輪郭がしっかり見えるのでこちらの方が美しいと感じました。
チタンの方は、時計全体の印象で言うと白樺の色がケースのシルバーと同化してしまって、100%白樺のイメージを伝えきれてないかなぁと感じますね。
しかし、チタンの方は秒針にブルースチールの針が取り付けられてあり、全体がシルバーの中にアクセントとしてブルーが入っているのはとてもオシャレだと感じますね。
また、素材にチタンの素材を使っているのでステレンスとは違った特別感を感じられますし、値段も1,452,000 円(税込)とピンクゴールドの6,050,000 円(税込)と比較するとかなりお求めやすい価格になっているのは魅力ですよね。
ケースサイズは38.6mmと、ドレスウォッチとしてはまぁ大きいですが時代の流れなので仕方のないことでしょうね。
これらはそれぞれ8月に発売されます。
では、これらのモデルも裏蓋がスケルトンになっていますので、ムーブメントも一緒に見ていきましょう。
まず今回のムーブメントは50年ぶりに刷新された手巻きムーブメントだそうです。
搭載ムーブメントはCal.9SA4です。
公式でアナウンスされている内容をそのまま読みますね。
巻上の負担を減らすため手巻の輪列を見直し、ベースとなったキャリバー9SA5に比べ巻上回数を約15%削減した状態で、同等の巻上効果を得ることが可能になりました。
また、裏ぶた側にパワーリザーブ表示を追加したことで残りの持続時間の目安も分かるようになっています。
と記載されています。
実際のスペックを見てみての感想なのですが、まずパワーリザーブは80時間というのは凄いですね。
パワーリザーブとは、リューズを最大まで巻いた時の時計が動く時間ですね。
ですので、1日巻いていれば3日間は動き続けるということです。
そして、ここがいいなぁってのがムーブメントのここに残りのゲージが表記されているのですが、ここを目で見れることであとどれくらいのパワーが残っているのかが分かるので、とても使いやすいと思いますね。
では4本目です。
同じくエボリューション9コレクションから、Ref.SLGH021でございます。
文字盤の色がメンズとしては珍しいライトグリーンで作られているので、水色と同様になんとも爽やかな印象を与えてくれますね。
エボリューション9のモデルは、全て文字盤に凸凹の装飾が入っています。
大体は白樺のような、波波の装飾なのですがこちらのライトグリーンはモザイク模様になっており、また違った角度からグランドセイコーの魅力を感じさせてくれています。
ダイヤルについて、公式からアナウンスされている内容をそのままお話しします。
岩手県の栗駒山(くりこやま)を源(みなもと)に流れる磐井川(いわいがわ)が巨岩を侵食し、おう穴(おうけつ)・滝・深淵(しんえん)と表情を変えながら2Kmにわたって渓谷美を見せる「厳美渓」(げんびけい)。
日本の名勝(めいしょう)として名高い荘厳なこの景観を、ダイヤルに型打ち模様とライトグリーンのカラーリングで表現。
光の角度により表情が幾重にも変化する、鮮やかさと爽やかさを感じさせるダイヤルです。
と解説してあります。
実際に腕に着用してある写真があったのですが、白の長袖Yシャツに合わせて撮影してあるので、やっぱりこういった爽やかな感じで着用してください!
って時計なんでしょうね。
文字盤なのですが、美しいですよね。
文字盤がモザイク模様になっているので、光の陰影によって光り方が変わるのと同時に、明るい所ではライトグリーン、暗い所では深いグリーンにグラデーションが変化するところもまた魅力の1つでしょう。
文字盤がケースの色と違うので、やっぱりこういったメリハリがある方がグランドセイコーの文字盤の美しさが発揮されると思いますね。
ケースサイズはさらに大きくなって40mmです。
搭載ムーブメントは自動巻Cal.9SA5であり、ケース素材はエバーブリリアントスチールです。
普通のステンレスとの違いは、ステンレスの中でも最高品質に分類されており、通常のステンレスよりもより耐食性が向上したステンレスです。
世界限定:1,000本(うち国内:430本)価格は1,386,000 円(税込)で6月の発売です。
最後はKodo コンスタントフォース・トゥールビヨンRef.SLGT005でございます。
マスターピースコレクションっていって、そのブランドの技術を詰め込んだ集大成って感じのモデルですね。
こちらの時計は機械式の可能性を究める、「薄明」を表現したメカニカルコンプリ―ションウオッチだそうです。
では公式からアナウンスされている内容をそのまま読みますね。
2022年、グランドセイコーはブランド初の機械式複雑時計を生み出しました。
その腕時計は、独創的な機構が生み出す音色と表情から、心臓の鼓動を意味する「Kodo」と名付けられ、グランドセイコーの新たな領域を切り開くとともに、その年のジュネーブ時計グランプリにおいて、卓越した精度を備えた時計に贈られる「クロノメトリー」賞を受賞し、時計史に新たな1ページを刻みました。
本作に搭載されるキャリバー9ST1は、二つの複雑機構「コンスタントフォース」と「トゥールビヨン」を世界で初めて同軸に一体化して組み合わせることで、100を越える部品からなる二つの機構が効率的に機能して、新次元の安定した高精度を生み出します。
トゥールビヨンは姿勢差によって発生するズレをなくす複雑機構ですが、あと1つのコンスタントフォースについてお話しします。
コンスタントフォースとは、リューズで巻き上げたゼンマイのエネルギーを最初から最後まで均一に伝えてくれる機構のことを言います。
ゼンマイは巻き上がってる時はちゃんと動力源を歯車に伝えることが出来るんですが、ゼンマイがほどききる手前だと動力源は弱った状態で伝わりそれがヅレに繋がります。
それがなくなって、最初から最後まで同じパワーを与えてくれる機構をコンスタントフォースと言うんですね。
それだけでも凄いんですが、それがトゥールビヨンと同軸上で設計されているところが、技術的に凄いところなのだそうです。
ではケースを見てみましょう。
ケースには先ほど解説したブリリアントハードチタンとプラチナが使用されています。
ラグの部分をよくご覧頂きたいのですが、ラグの部分に隙間が空いていて、ラグの先端には2つのパーツの繋ぎ目が見えますよね。
公式からはこのようにアナウンスされています。
ケースには、プラチナ950とグランドセイコー独自の素材であるブリリアントハードチタンを採用しています。
どちらの素材も、ケース部分はザラツ研磨による鏡面仕上げとヘアライン仕上げに仕上げ分けされており、どの角度から見ても美しい調和が生まれます。
この2つの素材は、テーパーのかかったラグの先端で最も顕著に融合し、ラグの中心に作られた隙間が全体のデザインに軽快さとユニークさを添えています。
と記載されています。
ムーブメントも凄いんですが、こうやって2つの素材を使ってそれを湾曲させて腕時計の形にしているわけですから、日本のモノづくり技術がどれだけ凄いのかが伝わってきますね。
こちらのモデルは世界限定:20本(うち国内:7本) 価格は49,500,000 円(税込)で12月に発売です。
まぁ一般庶民の我々からすれば、それだったら先に家を買いますよ。
って話ですよね。笑
といった感じで、グランドセイコーの最新モデルを解説してきましたが、全体的に見て時計はシンプルな3針であり落ち着いた印象のブランドです。
なのですが、そのシンプルの中に文字盤の高度な装飾や技術力の高いムーブメントが入っていることで、日本らしい美しさとモノづくりの強みが発揮されています。
元々日本にある『美』を時計に取り込んでいるので、時計自体も美しくなり、そしてそれを現代的にアレンジしているので、これまた洗練されたイメージを与えます。
スイスやフランス、ドイツのブランドが時計市場を席巻していますが、今回のウォッチズ&ワンダーズの発表では、確実にSEIKOは日本の時計の素晴らしさを伝えることが出来たと言えるでしょう。
日本人として、SEIKOの素晴らしさが世界に伝わることはとても嬉しいことです。
今後もしっかりとSEIKOの腕時計の魅力を解説して参ります。