『カルティエの腕時計 サントスってどんな種類があるの?』を動画でご覧になる方はこちら↓
カルティエの腕時計の中でも、人気モデルである『サントス』なのですが女性の方であれば、どちらかというと同じ形をしていて女性らしい柔らかい『パンテール』の方を好まれる方が多いと思います。
しかし、このサントスというモデルはですね、そこから派生した色々なモデルが存在します。
ここではそんなサントスから派生した、可愛らしいレディースウォッチをいくつかご紹介させて頂きます。
この記事を最後までご覧頂くことで、世間的に知られている有名なモデルだけでなく、こんな可愛らしいモデルがあったんだぁ。
と新しい発見があると共に、カルティエの腕時計の選択の幅が広がると思いますので、是非とも最後までご覧ください。
目次は概要欄に入れておりますので、気になるところがありましたらそこからご覧ください。
それでは早速やって参りましょう。
カルティエの腕時計『サントス誕生の秘話』
元々カルティエの出自は宝飾品ブランドであり、時計はその宝飾技術を応用して作られることになっていきました。
カルティエの時計はタンクが有名ですが、タンクはアールデコ時代に誕生したことによって、アールデコのデザインが取り入れられていると思われがちですが、デザインの要素は同じであるものの、カルティエのデザインの原型はルイ16世様式の影響を受けています。
ですので、1920年代のアールデコ様式がブームになる前から、カルティエは直線の美しさをジュエリーの中に収めていました。
そんなカルティエですが、当時の3代目であるルイ・カルティエが社交の場で友人となったアルベルト・サントス=デュモンという人物からある依頼を受けることとなります。
補足ですが、アルベルト・サントス=デュモンは、ブラジル出身の貴族でありつつも飛行士であり、今で言うところの芸能人みたいな感じの人ですね。
話は戻りまして、その依頼はどんなものだったかと言いますと「飛行機の走行中、操縦桿から手を放さずに時間を確認できる時計が欲しい」という依頼でした。
当時は、懐中時計がメインであり腕に付ける時計というのはありませんでした。
それ以前にも、腕時計らしきものはあったのですが(特に富裕層の女性をターゲットとした装飾がメインの時計)懐中時計にベルトをつけただけで、すぐに外れてしまったりと場当たり的なものだったのです。
そこでカルティエが、その依頼に答える形で作ったのが1904年の『サントス・デュモン』という時計だったのです。
要するに、人の名前をとって作られたモデルだったんですね。
これが世界で初めての本格的な腕時計と言われいます。
その理由なのですが、このサントス・デュモンという腕時計はベルトとストラップを接続するためのラグがあり、このことから世界初の正式な腕時計と世間的に認識されているのです。
そのデザインは、スクエアの形をしており直線的なデザインが採用されています。
アールデコのブームの頂点を極めたのが、1925年のアールデコ万博でしたが、1904年に作られたサントスという時計を見れば、カルティエという会社はかなり前から直線が芸術になり得ることを理解していた事が、ここから分かるのです。
この時計なのですが、1904年にサントスに渡したものを『サントス・デュモン』と呼びこれはサントスさん個人に向けて作られたものでした。
そして、1978年には、サントス・デュモンをベースにスポーツラグジュアリーに仕上げた『サントス』が一般に販売されるようになりました。
ではここからはですね、そんなサントスという原型の時計から派生してきた様々な時計を見ていきましょう。
サントス・デュモン
前述した通り『サントス・デュモン』はアルベルト・サントス=デュモンという人物に向けて作られた時計です。
その後に市販されたサントスが有名になったために、サントス・デュモンはかなり長い間、影に潜んでいましたが2019年にそのままのデザインを踏襲して復活させたのが、『サントス・デュモン』になります。
現行で販売されている『サントス ドゥ カルティエ』との大きな違いは3つあり、1つ目はサントスにはリューズガードがありますがデュモンの方にはそれはありません。
2つ目はリューズで、サントスの方はよりスクエアに近づけるためにサファイアがフラットにカットされていますが、デュモンはスタンダードな三角のカボションとなっております。
3つ目は、ベゼルを見てみるとデュモンには傾斜がありますが、サントスの方には傾斜がなくしっかりエッジが立っています。
サイズはレディース用のSMが(縦38mm×横27.5mm×厚さ7.3mm)メンズ用がLM(縦43.5mm×31.4mm×厚さ7.3mm)で展開されています。
腕時計を正面から見た時に、27.5mmのケースからは連想できないような、まとまりがあります。
というのも、ラグが斜めに削ってあるので全体がスタイリッシュに見えるようになっているからだと思います。
側面を見れば、ケースからラグにかけての曲線は、滑らかで女性らしい柔らかさを感じさせます。
その反面、ベゼルがスクエアでかっちりしてるので、気品を感じさせてくれることも魅力のポイントですよね。
ラインナップはステンレススチール、SS×ピンクゴールドのコンビ、ピンクゴールドの3種があります。
ケースの色に、ピンクゴールドやダイヤモンドをあしらったモデル展開があるので、女性らしい可愛らしさのある手元を演出できますよね。
サントス・ガルべ
1904年に『サントス・デュモン』が誕生し1978年にどちらかというとメンズラインの『サントス』が誕生し、そのサントスを更に進化させたのが1987年に誕生した『サントス・ガルべ』になります。
『ガルべ』とありますが、これはフランス語で『湾曲』の意味を表します。
そのモデル名通り、ラグから始まるケース全体を通して、湾曲しており腕に滑らかに馴染んでくれるのが特徴です。
ガルべはレディースラインもありますがどちらかというと、ガルべと次に紹介するサントス ドゥ モワゼルの方がレディース色が強いと思いますね。
と言いますのも、メインで作られたのはクオーツモデルであり、文字盤にはレディースを意識して作られたピンク文字盤などの展開があって、とても可愛らしいです。
ちなみに、ピンクの文字盤はアジアだけで販売された限定盤になります。
そんな『サントスガルべ』と現行でラインナップされている『サントス ドゥ カルティエ』はそっくりすぎて、多分ぱっと見ではほとんど区別がつかないと思います。
しかし、すぐに見分けがつく場所がありますのでそこを一緒に見てみましょう。
下記の画像をご覧ください。
左側が現行モデルの『サントス ドゥ カルティエ』で右側が旧モデルの『サントス ガルべ』になります。
ベゼルの形状をじっくりご覧頂くと分かる通り、サントスの方はベルト側に向かって少し出っ張りがあります。
しかし、サントスガルべの方にはその出っ張りがなく、完全にスクエアの形になっていますよね。
ここを見るのが一番分かり易いと思います。
デザインを見てみるとこちらの腕時計も、スクエアタイプでカチッとしています。
先ほど紹介したデュモンと比較すると、基本的にはブレスレットと一体型のモデルなので、連続した横方向につらなるビス留めされたブレスレットは、アールデコ時代に流行った、クラシックさや落ち着いた印象を与えてくれます。
このモデルは既に生産終了してしまったのですが、昔ながらのカルティエファンを中心に密かな人気を維持しています。
サントス・ドゥ モワゼル
「ドゥ モワゼル」は一度は聞いたことがあると思われますが、フランス語で『お嬢さん』という意味になります。
ちなみに、「ドゥ モワゼル」は、サントス開発のきっかけとなったアルベルト=サントス・デュモンが乗っていた飛行機の名前です。
サントス ドゥ モワゼルは、2005年に発売されたサントスのレディースメインモデルであり、文字盤が小さめでエレガントな作りになっているのが特徴です。
サントスとの違いなのですが、これは結構分かりやすくて本来サントスにあるビス留めされたベゼルが存在しないので、そこを見ればすぐに判断できます。
残念ながら、2017年に廃盤となってしまいましたが、こちらもカルティエの愛好家が中古品を求めており人気を維持し続けています。
シンプルなステンレスモデルから、腕もとに華やぎを与えてくれるイエローゴールドとのコンビモデル、ベゼルにダイヤモンドがあしらわれたモデルなど、美しいモデルが豊富にラインナップされていました。
またこちらも文字盤は、スタンダードなホワイトとピンクシェルが準備されていました。
ちなみに今フランスに移住してある、渡辺謙さんの娘さんの杏さんもこの『サントス ドゥ モワゼル』を腕につけていたことで有名です。
サントス100
カルティエの時計は、一般的にSM、MM、LMで展開されていますがSMがレディース、MMがユニセックス、LM以上はメンズで分類されています。
SMがレディース専用のように感じることもできますが、メンズライクなファッションが好みの女性はMMやLMを選んでおしゃれを楽しむ事が出来るのです。
そんなちょい大きめのモデルで『サントス100』があるのでご紹介します。
このモデルは、どちらかというとメンズラインの方が強くスタイルもメンズに寄せて作ってあるのですが、MMのサイズ展開もあり女性でもしっくり腕に馴染んでくれます。
このサントス100とはどんな時計かと言いますと、サントスが誕生してちょうど100周年に当たる、2004年に発売されたものになります。
こちらも、現在では生産終了してしまったのですが、カルティエ愛好家が好むモデルです。
サントスとの違いなのですが、正面からはこちらもガルべ同様にベゼルが完全なるスクエアタイプになってるので、そこを判断基準にするとすぐに分かると思います。
左側が現行モデルの『サントス ドゥ カルティエ』で右側が旧モデルの『サントス100』になります。
また側面から見た時の違いですが、サントスシリーズのケースは薄く作られており、ドレッシーであることが特徴ですが、サントス100はケースが厚くがっしりとして、立体感があります。
なぜこのようなデザインになってるかと言いますと、2000年代初頭というのはウブロやパネライといったデカくて厚い腕時計がブームとなり、そのブームにカルティエも乗っかってデザインされているからです。
それまでの繊細さとは逆行し、大きく迫力があるのですがケースサイズは33mmなので、大きすぎるというわけでもありません。
腕元に大きく存在感を演出してくれますので、ちょっと外に出るだけのラフな格好の場合は、この腕時計を付けるだけで全体の印象に締まりを与えてくれると思いますね。
まとめ
最後のまとめなのですが、スタンダードモデルのサントスは造形がカクカクしていて、かなりカチッとした印象を与えます。
しかし、サントスから派生しているそれぞれのモデルを見ていくと、微妙にデザインが違っていて選ぶ楽しさが生まれます。
サントスは一見男性をターゲットとしたモデルに見えますが、実はこうやって深ぼってみていくと、レディースにも好まれるようデザインしてあるモデルも存在するのです。
記事を通して、自分のお気に入りのサントスを見つけてたり、それをファッションの中に取り込んで頂けると私も嬉しく思います。