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トーチュ

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動画で『トーチュ』についてご覧になる方はこちらから↓

この記事ですね、カルティエのあまり知られていないモデルである『トーチュ/Tortue』について解説させて頂きます。

カルティエのラインナップに入ってくることもあまりありませんので、知っている人も多くないと思います。

しかしですね、やはりカルティエがデザインしているだけあってラウンド型でもなく、スクエア型でもない独特な魅力があるのがトーチュの魅力なのではないかと思います。

 

この記事を見終わった頃には、『トーチュ』ってモデルもありだね!

と思って頂けるはずなので、是非とも最後までお付き合いください。

 

トーチュとはどんなモデル?魅力と歴史

カルティエ 腕時計のモデル 誕生の歴史

カルティエがデザインした時計のモデルの順番は、1番目に1904年のサントスデュモン・2番目に1906年のトノー・そして3番目に入ってくるのが1912年のトーチュになります。

サントス・デュモンとトノーについては、こちらの動画で詳しく解説しておりますのでお時間のある際にご覧ください↓

トーチュの語源は、フランス語で「亀」を意味し「tortue」の発音に由来しています。

そのデザインが亀の甲羅に似ていることから、そのようなネーミングが与えられラウンド型でもなく、スクエア型でもない微妙な曲線美が美しいモデルになっています。

元々は男性専用として生まれたトーチュですが、途中からレディースモデルも誕生しカルティエ愛好家にとっては、人気のモデルになっています。

カルティエのトーチュ初期モデル

こちらは、1919年製のトーチュなのですが特筆すべきは、プラチナの素材でケースが作られているということです。

プラチナの素材を宝飾品に取り入れたのは、カルティエ社が初めてだったのですが宝飾品に取り入れ始めて、まだ間も無い頃に時計にも使っているというのが、カルティエ社の時計に対しての力の入れ具合が分かります。

これは男性用の腕時計が、流行し始めた時代と重なっていることと、その人気はラグジュアリーな時計だったので素材にも拘って製作されたのでした。

もちろん、この頃のカルティエ社の時計は1つ1つ丁寧に作られており、製造数はかなり少なく、購入できる人もブルジョワジーなどの富裕層に限定されていたために、富裕層の間でのブームだったと言えるでしょう。

当時からラウンド型の時計は存在していたのですが、このようにカルティエ社も独自デザインのトーチュを販売し、大成功を納めるのでした。

 

1928年に再登場 

トーチュは大きく生産されていた訳ではなく、常に少量で生産されていたためにどの年代も数が少ないのが特徴です。

しかしその人気から1928年に、トーチュの生産数を増やしさらにラインナップも増やすことになります。

通常のトーチュの販売もありましたが、ここで注目すべきは『モノプソワール/Monopoussoir』です。

当時のモノプソワールのイメージ

モノプソワールとは、トーチュにクロノグラフ機能を搭載させたモデルのことを言います。

通常の3針時計と比較して、これらの動作をさせるために部品点数は3倍になります。

元々が宝飾品ブランドの会社であるために、当時は時計のムーブメントの技術力はなく他社に資金提供してムーブメントを作ったり、他社から購入したものを搭載させていました。

そして、当時のカルティエ社とかなり深い関係を築いていたのが、ジャガールクルト社(当時はルクルト社)でした。

元々ジャガールクルト社は、エボーシュメーカーとして他のブランドにも多くのムーブメントを提供しており、代表的なブランドで言えば世界3大時計会社のパテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンもジャガールクルト社のムーブメントを採用しているほどムーブメントにおいて、信頼性のある会社なのです。

そのようなことから、ムーブメントも精度が高くより高級ラインとして誕生したモノプソワールは、また富裕層を中心に人気のモデルとなっていくのでした。

補足なのですが、カルティエ社で使用されているデプロワイヤントバックルも、ジャガールクルト社と共同で作ったものになりますので、興味のある方はこちらの動画もご覧ください↓

 

 2006年にトーチュの復活

それ以降も、少数で作られていたものの公にコレクションが発表されることはなく、次に大々的に発表されたのが2006年のCPCPコレクションでした。

CPCPを簡単に説明すると、『Collection Privee Cartier Paris』の略であり、プリヴェは英語で『プライベート』の意味を持ち、カルティエの最も歴史的なモデルを復活させたコレクションのことを指します。

トーチュだけでなく、他のモデルも復刻されそれらの時計は職人が1つ1つ丁寧に製作し個数が決められた、限定生産されているのが特徴です。

CPCPについては、こちらの動画で詳しく解説しておりますので、気になる方はご覧ください↓

トーチュも他のコレクション同様に、高級な素材だけで製造されていました。

カルティエ CPCPコレクション トーチュXLサイズ ピンクゴールドとホワイトゴールド

時間測定だけのモデルは、プラチナとピンクゴールドのXLで発表され、この時にもジャガー・ルクルトがカルティエのために製作した、機械式キャリバー9601MCを搭載していました。

ジャガールクルト社がカルティエ社に制作したCal.9601MC

この時にジャガールクルト社からムーブメントを提供して貰えた理由は、同じリシュモングループに種族していたからになります。

よって、その他にもピアジェ、ジラール・ペルゴなどからもムーブメントに対して技術提供をされています。

この「カルティエ トーチュ」は100本未満しか生産されず、当時瞬く間に完売したそうです。

では次に、モノプソワールの詳細を見てみましょう。

モノプソワールもトーチュ同様に、XLサイズで展開され18kのホワイトゴールドとイエローゴールドで展開されました。

「モノプソワール」のムーブメントは、複雑機構を専門的に開発するフランソワ=ポール・ジュルヌ氏に依頼され、手巻きムーブメントのCal.045MCが搭載されています。

複雑機構を専門的に開発するフランソワ=ポール・ジュルヌ氏※フランソワ=ポール・ジュルヌ氏

カルティエ CPCPコレクション モノプソワール ホワイトゴールド製とCal.045MC

カルティエ CPCPコレクション モノプソワール イエローゴールド製とCal.045MC

CPCPコレクションで復活したモノプソワールは、1928年に誕生したモノプソワールをほぼ完全に再現してあります。

ワンプッシュクロノグラフであり、リューズ部分はプッシャーの役割も果たしています。

ボタンを押してスタート、もう一度ボタンを押してストップ、再度ボタンを押すとリセットされるようになっています。

20世紀半ばまで、カルティエはリューズで操作するクロノグラフを好んでいましたが、これは洗練された外観を実現するためであり、商品は出来るだけシンプルなデザインで作るという経営理念に由来しているからです。

CPCPコレクションの「トーチュ モノプソワール」も、同じ理由からこのデザインが採用されています。

しかしその後、2つのボタンを備えたデザインも開発されました。


キャリバー045MCを見てみると、クロノグラフを動作させる方式にはコラムホイールが用いられています。

カルティエ腕時計 モノプソワール Cal.045MC コラムホイールの説明

1970年代に入り、人件費の高騰でコラムホイール式からプレスで製造できるカム式に変わったのですが、人の手を必要とするコラムホイールが採用されている部分を見るだけでもいかにこの時計が、力を入れて作られているかが分かります。

ムーブメント自体も美しく、完璧な仕上げが施されておりこの複雑機構のムーブメントを、サファイアクリスタルガラス越しに見ることが出来ます。

そもそもなぜここまでに生産数が少ないかと言いますと、文字盤のギョーシェ彫やムーブメントのダブルCの装飾を職人が1つ1つ手作業で行っているからです。

それらの作業に費やす時間は、実に40時間と言われています。

このような理由から、大量生産は出来ずCPCPコレクションでは、少数高品質の生産スタイルで作られていったのです。


 

2011年にトーチュ レディースモデルを発表

2011年 プリヴェ・コレクションから誕生したレディース専用トーチュ

2011年になると、プリヴェ・コレクションとしてそれまで展開されていなかった、レディースのSM,MMサイズのトーチュが誕生します。

CPCPとプリヴェ・コレクションの違いが分かりにくいと思うので、簡単に解説するとCPCPの方は全部のモデルではありませんが、文字盤にPARISが入ることとムーブメントは他社が提供してくれたものであるということです。

プリヴェ・コレクションは文字盤からPARISがなくなり、ムーブメントも自社製ムーブメントを搭載しているということです。

よって、今回のモデルのトーチュは外観はCPCP時代のトーチュと似ていますが、よくよく見たら微妙に違ってて特にムーブメントは別のものが入ってるのが特徴です。

では、レディースのMMサイズのムーブメントを見てみましょう。

 プリヴェ・コレクション『トーチュ』ダイヤモンドモデルとCal.430MC

 CPCP時代に様々な会社から、技術を提供してもらったことによって、カルティエ社は自社でムーブメントを作れるようになりました。

ムーブメントを見てみると、CPCP同様にダブルCの装飾が施されていますがこれらもまた、職人が丁寧に施したものになります。

レディースウォッチとしては、珍しく手巻きであり裏蓋もシースルーになっていますが表面からは見えないところまでこだわりを持ってる、大人な女性のための腕時計と言えるでしょう。

 

 

まとめ 

最後にまとめなのですが、時計に関して言えば、カルティエは純粋な時計製造ブランドというよりも、むしろ「デザイン」ブランドとして知られてきた歴史があります。

それを象徴するのは、他社では真似のできない独特なフォルムをした『トーチュ』もその代表モデルと言えるでしょう。

そんなデザインブランドとして、認知されて来たカルティエですがCPCPを経て「オートオルロジェリー」ラインを展開した後から、自社製ムーブメントを搭載するようになり現代では真から時計ブランドとしての実力を備えてきています。

このような時計が存在することも、日本ではほとんど知られていませんがその時計の実力もしっかり見ていけば、選ぶ時計はロレックスやオメガだけではないというのが分かってくると思います。