ドレスウォッチは必要!?どう選ぶ?冠婚葬祭でも使える腕時計
動画でドレスウォッチはどう選ぶ?冠婚葬祭でも使える腕時計をご覧になる方はこちらから↓
今日のこの動画では、おっさんだからこそ持っておきたいお勧めドレスウォッチ。
という内容でお話しさせて頂きます。
私の肌感覚なのですが、少し前まではスポーツモデルを求める方が多かったのが、ここ最近ドレスウォッチを選ぶ方もかなり多くなってきたなぁと言う印象です。
それもこれも、多様性が当たり前になり世の人々が『本当に自分の欲しい時計を選んでいる』からだと思います。
しかし、まだまだドレスウォッチはスポーツウォッチに比べて格下扱いというか、扱いが難しいが故に、楽に取り扱いが出来るスポーツモデルに流れてるのも事実です。
というわけで、今日のこの動画ではドレスウォッチの歴史からその定義、私が選ぶおっさんにおすすめのモデルをお話しして参ります。
動画を見終わった頃には、私はドレスウォッチを積極的に選ぶべきなのかも・・・と思って頂ける事でしょう。
今日のこの動画も、お勧めモデルまではラジオ感覚で聞いて頂く事をお勧めしております。
お勧めのドレスウォッチは動画の中盤からになります。
では、是非とも最後までお付き合いくださいませ。
携帯する時計というのは、最初は懐中時計から始まってそこから女性用の腕時計が誕生し、1906年に初めて正式なメンズ用腕時計としてカルティエから『サントス デュモン』が誕生します。
当たり前の話ですが、当時時計を手にする事が出来る人は貴族や富裕層だけであり、一般の人は持つことが出来ませんでした。
そんな腕時計ですので、富裕層の中だけでルールが決まっていき『小さくて薄いものが良い』とされました。
それはイギリス、フランスの貴族は基本的には普段着がタキシードですので、それに合う時計というのは、小さくて薄いものの方が理想的だったからですね。
そして、一般層は持たないか、でかい懐中時計って感じだったんですね。
当時の懐中時計はデカかったので、それをそのまま腕時計のサイズに落とし込んだら、不格好になるよね、っていう発想ですね。
それが変わり始めるのが1940年頃からで、貴族だけに一極集中していたパワーがブルジョワジー(事業を起こして成功した人々)などの出現によって、段々と富裕層の質が変わっていました。
そこで小さい時計は、視認性が劣るということで少しだけ大きくなって、32〜33mmが誕生しそこから段々と腕時計に機能が搭載されていくこととなります。
世界大戦が始まると、正確な時刻を必要とするためにそれまでもありましたが、さらにクロノグラフが発達し、暗闇でも見える夜光が誕生し、精密機械が溢れるコックピットの中でも磁気帯しないよう耐磁性の腕時計も誕生しました。
1950年代に入ると『サブマリーナ』や『フィフティファゾムス』などの防水時計が誕生し、戦争が終わるとそれらの機能を搭載した民生品が作られ、腕時計に幅が出てくることとなったんですね。
ここまでの話をまとめると、そもそもドレスウォッチが腕時計のスタートであり、途中からいろんな機能を搭載したモデルが誕生したことで、今を生きる私たちはそれらの中から選んでいる。
ということになります。
要するに、ドレスウォッチというのはさっき出てきた貴族が着用するものであり、そこには『タキシードにドンピシャでマッチする!』以外の目的はないのです。
だからその人たちは電子レンジを開けることもなければ、パソコンもほとんど開かないし、よって防水性も耐磁性も何も必要ないし、ただスーツスタイルの袖口を邪魔しないように、薄型で小さく作ってあるんですね。
そうなると、現代を生きる私たちがパソコンやスマホなどの磁気に晒されるシーンが増えているので、ドレスウォッチが使いにくいような印象になってしまうんですね。
基本的には2針が望ましいと言われていますが、3針でも問題ないと思います。
シンプルであることが望ましいとされているので、デイトの表記は無しで文字盤も抑えめが理想的だと言われています。
ベルトはブレスレットよりも、革ベルトがよく袖口にカフスを着用する際に、邪魔にならないために薄型で作られています。
これらの定義をまとめますと、シンプルでクラシカル、落ち着きがあってエレガントな印象を与える時計であれば細々としたルールは気にせず、ドレスウォッチと言って良いでしょう。
着用シーンなのですが、冠婚葬祭はもちろんのこと、結婚式やパーティなどのシーンではドレスウォッチを着用していることで、他の人よりもおしゃれに見られることでしょう。
と、ここまでだったら、そのシーン以外には着用できないのかい!
ってなっちゃいそうなのですが、全然そうではなくフォーマルスタイルにはもちろんのこと、綺麗めカジュアルの格好が多い方(分かりやすく言うとジャケットスタイル)のファッションが好みの方は、ドレスウォッチを付けやすいでしょう。
スポーツウォッチと比較すれば、耐磁性は低いし防水性もないドレスウォッチは使いにくいと言わざるを得ないでしょう。
そこはやはり、スポーツウォッチの方が部があると思います。
ただしだからと言って、ドレスウォッチが劣るかというとそうではありません。
それは与えられた役割が違うからです。
ドレスウォッチには、ドレスウォッチの良さがありスポーツウォッチにはスポーツウォッチの良さがあります。
ドレスウォッチの真髄につながってくることになるのですが、やはりドレスウォッチは手巻きや自動巻で作られていることや、シンプルなデザインなので上品さや知的なイメージを与えてくれます。
これは歳をとった男性の方にはより分かって頂けると思いますが、若い頃の勢いとかではなく落ち着きや、上品という姿勢を求めてしまうと思います。
それを実現できるのもドレスウォッチということですね。
ここまでの話だったら、それなら俺はスポーツモデルが好きだし別にわざわざ使いにくいドレスウォッチを選ぶ必要ないよ。
ってなってると思いますので、ここからはなんでおっさんにはドレスウォッチが必要なのか?
ということについて解説して参ります。
年齢とともにドレスの割合を増やす
現在私は34歳であり、もう世間的に見てもおっさんなのですが、おっさんになって気がついたことがあります。
可能な限り若くいたいし、若く見られるようにしたいし、全然興味のなかった化粧水とか歯のホワイトニングを調べています。
昔はどんな服を着ててもある程度形になってたけど、今となっては年相応の格好をしないとこれまたダサい。
どう言うことかと言いますと、やっぱりおっさんは若さが不足しているのです。
ファッションスタイリストの大山しゅんさんがおっしゃってたことなんですが、20代まではトレンドやカジュアル路線で進めて良いと。
しかし、30代半ばくらいになってくるとカジュアルの割合が高いと、無理に若作りをしてるから不恰好になってしまう。
だから、30代半ばを過ぎた辺りから、シンプルでキレイめな要素を取り入れると良いでしょう。
的なことをおっしゃってました。
これはその動画を入れておきますね。
若い時であればジーパンにちょっとゆったり目のパーカーを来てても、それは若さでカバー出来ていました。
しかし、この歳になってそんな格好をしてたら、ただのダサいおっさんです。
今回はゆったりのパーカーって話を参考にだしたので、ダサさが際立ちましたがこれをインナーをロンTにして、その上にジャケットを着るだけで見た目の印象はだいぶ違います。
そして、さらりとドレスウォッチを付けていれば、年相応というか自分が自分でいられるような気がするのです。
まさに歳を、ドレスウォッチでカバーするようなイメージでしょうね。
もはやこの歳になれば綺麗事なんて通用しないので、見た目が99%大事なのは分かります。
これは腕時計だけの影響ではありませんが、少なからず腕時計があるだけで、自分をその他大勢のおっさん達とは、別物として自分を納得させることが出来るのです。
もちろんこれは、スポーツウォッチがダメと言ってるわけではなく、ジーンズに半袖の白Tにサブマリーナとか、でかい時計を1個付けてるだけで、めっちゃかっこいいと思ってますので、使い分けを出来る状態にしておくことが、やっぱり魅力的なおっさんだと考えております。
そんな感じで、自分が納得できるドレスウォッチを1〜3本コレクションに加えて頂きたいなぁって思っています。
おすすめのドレスウォッチ
ではここからはですね、私のおすすめというか自分が欲しいドレスウォッチを5本ご紹介して参ります。
カルティエ タンク ソロ 18Kモデル
まず1本目はカルティエのタンクソロの18kモデルになります。
ドレスウォッチの王道を行く『タンク』なのですが、今回のはSMサイズの18kというところがポイントです。
今は廃盤になってて、現行のタンクマストにバトンが渡されてるんですが、タンクソロはベースのサイズが大きいので、SMサイズでもケース径が22mmあります。
LMだったら27mmなので、LMでも十分にドレスウォッチの部類に入ります。
私の現在の考えでは、18Kであったとしても小ぶりな時計であれば、いやらしさが出ないで着用しやすいと思っています。
このタンクの誕生は1917年であり、そこからほとんどスタイルを変えずに約100年たった現在の私たちに繋がっています。
それだけ誰もが美しいと感じる形状であり、それを実現できてるのもやはりカルティエだからだと思いますね。
文字盤を見てみると、貴族や富裕層向けに誕生したローマンインデックスに、シンプルな2針なので上品なイメージを与えてくれます。
画家であるアンディ・ウォーホルや、ファッション界のカリスマであるイブサン・ローランもタンクソロではありませんが、タンクを愛用していたのでいかにファッショナブルな時計なのかが分かりますよね。
ソロはSM、LMサイズだとクオーツムーブが入ってるので、完全なるドレスウォッチとは言えませんが、それでもどんなシーンでもキレイ目に引き立ててくれることでしょう。
パテックフィリップ REF. 3579/1A
このチャンネルでパテックが出てくるのは初めてなのですが、カルティエ以外のドレスウォッチも大好きです。
まずですね、このRef.3579なのですが1970年代に作られたモデルで、ケースの形状をご覧頂ければ分かる通り、Cラインで作られています。
1970年代といえば、オメガからジェンタがデザインした2代目コンステレーションが誕生したのですが、そのカッコ良さから2代目コンステが爆発的に売れたんですね。
そこから他社がCラインを時計のデザインに取り込んでいくことになるのですが、その1つがパテックのこちらのモデルになります。
ケース径が32.5mmなので、現行のサイズ感からすれば小ぶりです。
魅力のポイントなのですが、パテックも一般的にはドレスウォッチの王道だと思うんですよね。
だから、ケースも18Kとかプラチナが多いんですが、このモデルはステンレスが使われてるんです。
パテックにしては珍しい・・・・
というのが1つの魅力ポイント。
そして、先ほどお話ししたCラインのケースにシンプルなバーインデックスが備えられることで、吸い込まれるような美しさがあります。
シルバーダイヤルとブルーダイヤルが存在するのですが、今のところ私はシルバーダイヤルが欲しいです。
パテックフィリップの歴史については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので、気になる方はこちらもご覧くださいませ↓
ジャガールクルト ラウンドウォッチ
ジャガールクルトが良い!って言われた時に2つに分かれると思います。
1つはレベルソなどの外観がかっこいいよね!ってパターンとムーブメントが良いよね!ってパターンですね。
私の場合は、2つ目のパターンでこの会社のムーブメントが好きというか、凄いからこの会社が好きです。
今となっては腕時計の頂点はロレックスですが、時計の歴史を振り返ったときに設計から製造まで一貫して作れる会社(マニュファクチュール)はジャガールクルトです。
特に、ムーブメントを作れる会社というのは非常に技術力が必要であり、それを古くから実現できているのがジャガールクルトなわけですね。
そういった理由から、大体老舗ブランドの昔のモデルには、ジャガールクルトのムーブを搭載していた期間があります。
それはパテック、オーデマ、ヴァシュロンもそうですね。
あとはカルティエもIWCも搭載しています。
これはどういうことかと言いますと、それだけジャガールクルトのムーブメントの品質が良かったということです。
だからこそ、いろんな会社がルクルトのムーブメントを採用してたんですね。
そう言った背景があんまり理解されてないので、ジャガールクルトは微妙なポジションになってしまってるのですが、背景を理解するとまた違った角度からブランドを見ることが出来ます。
今回のラウンドウォッチなのですが、1940年代に作られたケース径36mmのティアドロップラグが採用されたモデルになります。
ドレスウォッチでは2針が理想的だと言われていますが、ドーフィン針が採用されており、センターセコンドであるので秒針も文字盤に馴染んでると思います。
現行品ではティアドロップのラグはありませんし、このラグがあることでドレスらしさが際立っています。
1940年代といえば、まだまだ小さい時計が主流だった時代なのですがこの時計はケース径が36mmもあり、現代でも充分に通用するところも優秀だと考えております。
ジャガールクルトの詳細な歴史をご覧になりたい方は、こちらの動画をご覧ください↓
オーデマピゲ ラウンドウォッチ
オーデマピゲといえば、やはりロイヤルオークとなるんでしょうが、ここではラウンドモデルの黒文字盤をご紹介します。
1970年代に作られたオーデマ・ピゲのホワイトゴールド製の手巻きなのですが、ケース径は33.5mmで、ヴィンテージならではのサイズ感です。
ホワイトゴールドのケースは、ステンレスとは異なる輝きと艶があります。
今回こちらのモデルを紹介させていただいた理由が、文字盤のカラーになります。
先ほど黒文字盤と説明したのですが、実際には深いネイビーでサンバースト仕上げになってるので、光の当たり具合でブラックからネイビーの範囲で美しく輝いてくれるのです。
ダイアルには細いバーハンドとバーインデックスがあり、シンプルでありながら正統派のドレスウォッチの印象を与えます。
搭載ムーブメントはCal.K2001であり、手巻きのムーブメントなのでドレスウォッチの条件を全てクリアしています。
このムーブメントなのですが、先ほど解説したジャガールクルト社が作ったCal.803の極薄ムーブメントを、オーデマピゲ社が独自にチューニングしたムーブメントなんです。
ロレックス チェリーニ キングマイダス
ロレックスが好きな方でないと、あまり知られてないモデルだと思いますが、このモデルは1950年代から1970年代にかけて作られたもです。
現行のロレックスには、チェリーニというドレスウォッチがありますがこちらも、チェリーニの中に分類されていた『キングマイダス(Ref.4017-5)』というモデルになります。
パテックフィリップのところで、ジェラルド・ジェンタの話をしましたがこちらもジェンタがデザインしたもので、ROLEXの中ではこれだけになります。
リューズが左側に配置されてることから、レフティとも呼ばれるこのモデルなのですが名前の由来は、ギリシア神話のミダス王で、触れたものを全て黄金に変える能力を持つ王にちなんでいます。
かつてはエルビス・プレスリーが愛用し、最近ではリアーナやザ・ウィークエンド(The Weeknd)が着用して話題となりました。
文字盤は光沢のある鏡面仕上げであり、角度によって雰囲気が変わります。
文字盤は、ワインレッド、ブルー、グレーがありどの文字盤の色もとても美しいのが特徴です。
ロレックスらしくない形であり、機能性を追求してないモデルがロレックスから誕生していたというところが、このモデルをどうしてもお勧めしたくなる理由ですね。
まとめ
今日の動画では、ドレスウォッチ全体像とお勧めモデルを解説させて頂きましたが、ドレスウォッチ好きの方からすれば、より知識を深めて頂けたと思います。
スポーツウォッチが好きな方は、スポーツウォッチに慣れちゃってるとどうしてもドレスウォッチは小さく感じてしまうと思います。
ですので、無理矢理ドレスウォッチを買う必要もなくそのうち、そのタイミングが来た時に、(例えば娘さんや息子さんの結婚式とかですね )じゃあ試しに1本買ってみるか。
程度でいいと考えています。
年と共に、洋服のスタイルが変わっていくように、年と共に腕時計もその時の最適を選んでいけば、楽しい人生を送っていけそうですよね✨