ヴィンテージウォッチは古臭い?その魅力を解説します。
ヴィンテージウォッチの魅力を動画でご覧になる方はこちらから↓
ヴィンテージウォッチの魅力
この動画を開いてる時点で、ヴィンテージウォッチが好きな方が大半だと思うのですが、私が思うヴィンテージウォッチの魅力は、『重厚感』と『落ち着き』です。
新品の時計は、それはそれでキラキラしてて美しいのですが、ヴィンテージウォッチは現在まで使用されてきた間に醸成された、細かな擦れ傷や文字盤のエイジングが最大の魅力です。
ワインなども醸成されている方が香りがよく、味が良いと言われますが同じような感じだと考えています。
また、1970年代までの時計は時計のベースサイズが大きくなく大体36mmで収まってたので、ちょうどよく手首に収まることも良いなぁと感じています。
私は20代の頃は、ヴィンテージウォッチって古臭いなぁ・・・・
って気持ちだったのですが、30歳過ぎたあたりくらいから段々とヴィンテージウォッチが魅力的に見えてきましたし、イエローゴールドってなんか成金みたいで嫌だなぁって思ってたのが、これまたイエローゴールドもカッコイイと思えるようになりました。
この動画をご覧になってる方も、一定数は『ゴールドの時計ってねぇ・・・・』
って方はいらっしゃると思います。
私の場合はですね、新品のイエローゴールドからではなくヴィンテージのゴールドから入ったので、そこを受け入れることが出来ました。
というのも、ヴィンテージのゴールドはギラギラ感はあまりなく、落ち着いています。
ここで『落ち着き』が出てくるのですが、やはりヴィンテージウォッチは製造されてから現代に至るまでのそれだけの年月が経過してるので、18Kであってもマットな感じになってるのが特徴です。
マットという表現が正しいかちょっと難しいですが、厳密に時計のことを言えば擦れ傷などによって光があまり反射せず、ギラギラ感が薄れてるという表現が正しいでしょう。
また、ヴィンテージウォッチには9K、10K、14Kなどがあり18Kじゃないモデルはもっとゴールドが抑えられてるものもあります。
ゴールドの入り方は人それぞれだと思いますが、このような入り方だと違和感なく自然と自分自身がゴールドを受け入れられるようになっていくと思います。
また、これはおそらく自分自身がそこまでの年齢になったことで、そういったのも合わせることが出来る渋さが出てきたからかなぁと考えています。
このように歳を重ねたことでそれまでとはまた違った魅力を発見出来たり、新しいスタイルを取り入れることが出来るというのは、素敵なことだと思いますね。
ではここからはメンテナンスについてのお話をして参ります。
メンテナンスについて
とは言ってもさぁ、ビンテージウォッチって壊れやすいでしょ?
ここがネックになってる方も多いと思います。
実際に、2024年の腕時計と比較すると当たり前の話ですが、性能は劣ります。
しかし、私の感覚的なものになるのですが1940年代まで腕時計は、ずれても仕方ない、故障しても仕方ない。
というのが、1950年代くらいからかなりしっかりとした構造になり、60年代の終わり位からはさらに作りが良くなっているので、今の私たちが使っても通常使用においては全く問題のないレベルにまで来てると思います。
もちろん、1970年代に作られた時計に防水などは求めることはできないので、あくまで時計としての役割だけの話ですね。
そう考えていくと、大体70年代から90年代の時計は92点。
90〜2010年代の時計は93点のような感じで、性能的には合格点に達してる状態だと考えております。
まずこのように、ヴィンテージウォッチと言っても、時計自体にしっかりした堅牢性や性能があり、そこからメンテナンスとかオーバーホールの話になってくるのですが、時計自体がしっかりしていればオーバーホールをすれば充分に長く愛用することが出来ます。
となるとヴィンテージウォッチを購入する際に、気を付けるべきポイントは購入したお店がアフターをちゃんとやってくれるかどうか?
というところになってきます。
かかりつけの時計屋さんを知っていれば、それで問題はないのですが都市圏に住んでらっしゃる方以外は、なかなかないと思います。
ですので、ヴィンテージウォッチを購入する時には
・その時計はメンテナンスされているのか?
・そのお店は故障した時にオーバーホールしてくれるお店なのか?
というのを事前に知っているだけで、ヴィンテージウォッチの購入までのハードルはかなり下がると思いますね。
弊社はオーバーホールの内製化までは出来てないのですが、もちろん提携している工房がありますので、そちらに依頼してアフターのサポートを行なっております。
おすすめのヴィンテージウォッチ
というわけで、ここからは『私がこんなのつけてたらかっこいいなぁ』と思えるヴィンテージウォッチをご紹介させて頂きます。
サントスガルべ コンビモデル
1970年代に入ったらラグスポって言って、ラグジュアリーなスポーツウォッチが誕生しました。
その時に、ロイヤルオークなどが誕生したのですが、ロイヤルオークは発売当初は巨大だったために、どちらかというとカルティエのサントスはラグスポブームの最初の方にヒットしたモデルだと思います。
ケース径は29mmで、薄型で作ってあるので洗練された印象を与えてくれます。
自動巻モデルは自動巻ムーブを搭載するため、少し厚みがあるんですがクオーツだったら、さらに薄いので極薄の時計として分類しても良いと思います。
今回コンビモデルを選んだ理由なのですが、さらりと手首に着用する際にゴールドが入ってることで、アクセサリーとしての役割も発揮してくれるからです。
また、ロレックスやオメガのように、根本に時計ブランドというという時計ではなく、その出自は宝飾品ブランドなのでクオーツであったとしても、アクセサリーのように付けることが出来るのも魅力ではないでしょうか。
オールステンでも良いのですが、少しゴールドが入ることでアクセサリー度がグッとアップします。
ちなみに、ステンレスとゴールドのコンビのデザインを腕時計市場初めて導入したのは、カルティエでこのサントスガルベがスタートとなります。
サントスの詳細な歴史については、こちらの動画をご覧ください↓
IWC 18Kラウンドウォッチ
IWCのイメージとしては、やはり質実剛健であり『衝撃に強い』とか『耐磁性が高い』のような機能を求めるのではないでしょうか。
実際にIWCのヴィンテージは、ステンレスモデルが人気でありそれはステンレスの持つ硬さが、質実剛健のイメージと相性が良いからでしょう。
その反面、IWCの18Kモデルはブランドイメージと相反するのか、そこまでメジャーと言えるポジションではありません。
ですが、そのイメージのままでみんなが興味を示していないために、作りは最高に素晴らしいのに、低価格で手にすることが出来るのが魅力のポイントだと言えるでしょう。
2024年3月現在では、だいたい30万円中盤から後半くらいで購入することができます。
IWCのヴィンテージウォッチのデザインは、シンプルなバーインデックスで無駄な装飾は一切ありません。
これも前回の動画で話したジャガールクルトのポジションに似てるのですが、やはりムーブメントの魅力というのはあまり知られていないのでしょう。
素晴らしいムーブメントを自社で作っていた時期もあり、その時代のことを知ってる人だけが求めるような感じですかね。
IWCのムーブメントも非常に素晴らしい作りですので、この機会に是非ともゆっくり調べて見てください。
IWCのムーブメントの魅力については、こちらに詳しくまとめておりますので気になる方はこちらの動画もご覧ください↓
カルティエ サンチュール
1970年代にルイ・カルティエ・コレクションと言って昔のカルティエのデザインを復刻させるプロジェクトの中で生まれたのが『サンチュール』です。
サンチュールはメンズモデルのLMサイズが、クオーツ、手巻き、自動巻の3パターンが存在します。
レディースのSMがクオーツで、メンズのLMが手巻きや自動巻を割り当てられることはよくありますが、メンズだけで全部のムーブメントを採用してるというのは珍しいでしょう。
ケースも18Kと純銀『925/1000』に18Kメッキの2パターンが存在し、いろんなバリエーションが存在します。
スクエア型のケースではなく、縁がカットされたオクタゴン型のケースでこのケースの形状が私たちメンズの心を揺さぶってきます。
ケース径は26mmであり、現代のサイズ感からすれば小さく感じるかもしれませんが、煌びやかでさらりと手元をオシャレにしてくれます。
サンチュールの詳細については、こちらの動画をご覧ください↓
ロレックス オイスターパーペチュアルデイト Ref.1052
今回ご紹介するモデルの中で、ゴールドの割合が1番多い時計になります。
いつも仕入れをするときに、ロレックスの時計は見るのですがこのロレックスだけ、他とは別の輝きがありました。
ゴールドなのですが、落ち着きがあって文字盤もゴールドだけど、これまたいやらしさがないんですね。
その理由なのですが、ケースが14Kで作られていることと、ケース径が34mmだからだと思います。
ケース径が1mm違うだけで、その時計の印象ってのは大きく変わってきますが、やはり34mmという絶妙なサイズ感が、私の心を掴んだのだと思います。
文字盤を見て頂きたいのですが、放射状に広がるシャンパンのサンバースト仕上げで、縦方向と横方向にクロスラインが引かれていますよね。
このクロスラインをゼファーダイヤルって言うんですが、これがあることで時計全体が締まった印象に導いてくれています。
革ベルトとの相性も非常によく、ヴィンテージのロレックスはまだまだ奥が深いと言えますね。
カルティエ タンク アメリカン18Kイエローゴールド MMサイズ
タンクアメリカンは現行でも販売されているので、ご存じの方は多いのではないでしょうか。
今回MMサイズを選んだ理由は、 手首にちょうどいいサイズだからです。
ヴィンテージのアメリカンLMサイズは、他のモデルと比較して現行と変わらないくらいの大きさで作られています。
と言いますのも、意外にもその誕生は1989年と比較的最近であり、その時にはすでに大きいサイズがブームになってる時代でした。
そのため、基本的に最初からLMサイズも大きく作られ、現代に続いています。
私がLMサイズとMMサイズをつけたときに感じたのは、LMは結構な大きさを感じたことです。
手首周り18cmとかの方が、バシッと綺麗に収まるのかなぁと思うのですが私がだいたい16cm程度なので、MMサイズが1番しっくりきましたね。
サイズは自分が気に入ったものを選べば良いのですが、ちゃんとしたサイズを選んで手首にはめていれば、タンクにはない長さがあることでより男性も女性も引き立ててくれる最高の1本だと思いますね。
タンクアメリカンの詳細については、こちらの動画をご覧ください↓
オメガ 初代コンステレーション
オメガのコンステレーションの誕生は1952年に遡ります。
すでにご存じの方は多いと思いますので、特に詳細な解説は不要だと思いますが、裏蓋のマークは当時は天文台コンクールで精度試験が行われていたのですが、その天文台と8つの星が描かれており、これはオメガが1933年から1952年の間に獲得した2つのクロノメーター記録と、6つの一等賞を表しています。
初代コンステレーションは、文字盤も特徴的で12角に分類され、インデックスの外側は一段下がるデザインになっています。
文字盤のパターンも、ラグのパターンも様々であり、一般的に出回るのがステンレスモデルですが、コンビも18Kゴールドなど様々なバリエーションで作られていました。
この初代コンステレーションが素晴らしいところは、ここまで作りが素晴らしい腕時計なのにヴィンテージであるにも関わらずステンレスモデルであれば20万円代で購入できることです。
珍しいラグや、楔インデックスのものになると値段は20万円代では収まりませんが、1番普及したドッグレッグラグとバーインデックスのモデルであれば、安価に手にする事が出来ます。
ケース径も34mmとヴィンテージウォッチらしいジャストなサイズ感で、古さを感じさせず現在でも高精度で動いてくれるところがオメガの技術力を証明していますよね。
まとめ
ヴィンテージウォッチを手にするのは、ちょっと気が引けるなぁって思ってた方でも、今回の動画でまぁまぁハードルが下がったのではないでしょうか。
ヴィンテージ=古い物というイメージは間違いではありませんが、腕時計においてはしっかりとメンテナンスをして適切に使っていけば、長期間愛用することが出来ます。
そして、その腕時計から出てくる重厚感というのは新品では再現する事は出来ませんし、それこそがヴィンテージウォッチの何よりの魅力なのではないかと思いますね。