コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

記事: 手巻き式の腕時計にハマる男の心理とは

手巻き式の腕時計にハマる男の心理とは

こんにちは。ベルモントルの妹尾です。

今日は「手巻き式の腕時計にハマる男の心理とは」というテーマでお話します。

クォーツでも、自動巻きでもなく、「あえての手巻き」の話でございます。

今どきなんでそんな面倒なものを?と思う方もいるかもしれません。

でも、これが男の“こだわり”をくすぐるんです。

そして実は、手巻き式の時計って、時計の世界を一気に深くしてくれる“入り口”でもあるんですよね。

 

ベルモントルは、基本的には予約制で対応しておりますが、金曜日と日曜日はフリーでオープンしておりますので、ショップにある腕時計ちょっと気になるんだよねぇ。

って方はお気軽にお越しくださいませ。

 

手巻きにハマるのは、手間が「贅沢」だから

現代の暮らしって、とにかく「効率」が重視されていると思いませんか?

スマホをかざすだけで決済できて、AIが予定を自動で管理してくれて、ネット注文すれば翌日には荷物が届く。

とか

無駄をなくすことが“正しい”とされる時代です。

ちなみに元々は私も意識高い系の出身なので、一通りは合理化と効率化を進めてきた人間です。

そんな時代であるにもかかわらず、わざわざ毎朝リューズを巻いて動かす腕時計

これは、完全に時代の逆をいく行為です。

けれど、その“非効率さ”こそが、今では贅沢に感じられるんです。

たとえば、あなたが毎朝コーヒーを飲むとして、インスタントでも済むけど、豆を挽いてハンドドリップする。

この一手間が、忙しいはずの朝に、なぜか心を整えてくれる。

手巻きの時計も、それに似た“精神の整え方”をしてくれる存在なんです。

時計を手に取り、リューズをゆっくり巻く。

「カリカリ」とした巻き心地を指先で感じながら、「ああ、今日もこの時計が動き出すな」と思う。

ほんの20秒ほどの行為なのに、そこに“確かな時間”と“自分だけの儀式”が宿る。

この“誰かに見せるわけでもない小さな行為”が、実は男の自己満足を満たしてくれるんです。

そして不思議なことに、そうやって巻いた時計は、ただの道具ではなく、「自分の手で動かしたパートナー」に変わっていくのだと思います。

現代は、便利すぎて“手をかけること”がどんどん奪われているからこそ、自分の手で“手間”をかけるという行為が、贅沢な時間に思えるんです。

この贅沢って、お金では買えないんですよね。

だってお金を払っても、それを楽しいと思えるかどうかは本人次第なわけですから。

だから、手巻きの時計には“高級感”とはまた違う「心の豊かさ」がある。

それが、男が手巻き式にハマっていく1つの理由かもしれません。

 

手巻きは“時間”の存在を意識させてくれる

手巻き時計って、**“時間を与えられるもの”じゃなく、“時間を自分で整えるもの”**なんですよ。

なんか名言みたいなこと言ってますが、私はそう思っています。

クォーツやスマートウォッチは、バッテリーが切れるまではずっと動き続けます。

でも手巻きは、自分が巻かなければ止まる。

それってつまり、「時間が動くことに、自分が責任を持っている」という感覚なんです。

毎朝、時計を手に取って、リューズを巻く。

その瞬間に“今日一日のスイッチ”が入るような感じがします。

私はいちいちドリップはしませんが、毎朝コーヒーを飲むときにスイッチが入ります。

これが1個目のスイッチですよね。

手巻きの時計だったら、ゼンマイを巻くのが2つ目のスイッチですよね。

ちょっとした儀式だけど、その数十秒が気持ちを整えてくれますよね。

現代って、朝起きてスマホを見て、予定に追われて、あっという間に夜になる。

そんな中で、手巻きの時計を巻くという手間が、自分にとっての“心をも整える”行為になるんです。

「巻いたから、動く」

このシンプルな構造が、自分と時間と心の関係をとてもクリアにしてくれるのです。

手巻き時計って、ただの道具じゃありません。

時間との付き合い方を“再学習”させてくれる相棒のような存在なんです。

 

 

男が手巻きに惹かれるのは「自分で動かす喜び」

男って昔から、「自分で何かを動かすこと」にロマンを感じがちです。

私の息子は今8歳なのですが、ひたすらミニ四駆の改造をしてコンマ1秒の世界を追求しています。

私もそうでしたから、男の人の本能でしょうね。

他にもエンジンをかける、何かを分解したり組み立てたりする、自分で家電を修理してみる…。とかもそれの一部でしょう。

一見なんでもない行為だけど、手巻き時計も、まさにその感覚を与えてくれる存在です。

小さなリューズを指先でつまみ、「カリカリカリ…」と回していく。

中ではゼンマイが巻き上げられ、トルクが蓄えられ、やがてテンプが振動を始める。

あの「巻いた瞬間に時計が目覚める」ような感覚。

まるで、眠っていた機械に自分の手で命を吹き込むような瞬間です。

巻いた瞬間動くものもあれば、巻いてからちょっとラグを持って動き出すのもあるじゃないですか。

あのラグとか多分、中ではこの動力が伝わるまでに時間がかかったんだろうなぁ。とかって気持ちにさせてくれますからね。

しかもこの動作、ただ“動くようにする”という以上の意味があります。

手巻きって、その力の与え方が“直接的”なんですよね。

自動巻きのように、体の動きで知らないうちに巻かれているのとは違う。

「自分が巻いたから動く。自分が巻かなければ止まる」。

この明確な因果関係が、すごく気持ちいいんです。

自分が動かす=責任もある。

だからこそ、そこに愛着が生まれる。

たとえるなら、車のオートマよりもマニュアルでって感じと近いでしょうね。

ちなみに私もマニュアルの免許をとりましたが、実際には免許を取るときだけでそれ以来一度もマニュアルには乗っていません。

話を戻しまして、スイッチ一つで動くよりも、ちょっと面倒でも“操作してる感”がある方が男は好きだったりするんですよね。

それに、巻き始めの軽さ、徐々に重くなる感触、完全に巻ききったときの「止まり」。

このフィードバックのある操作感がまた気持ちいいんです。

だからこそ、手巻き時計は「ただの道具」ではなく、“操作する喜び”を通じて愛着が深まっていく存在なんです。

 

手巻きにハマると、時計の見方が変わる

手巻きの時計を使いはじめると、だんだん時計に対しての「見る目」が変わっていきます。

最初は、文字盤のデザインやブランド名、サイズ感など、“外側の魅力”ばかりに惹かれていたかもしれません。

でも、毎日手で巻いていると、「この中って、どんなふうに動いてるんだろう?」

そんなふうに、ムーブメントに対する興味が湧いてくるんです。

そこは、歯車が連動し、テンプが規則正しく振動し、香箱からほどかれたゼンマイの力が、緻密な設計で“時間”に変換されていく姿があります。

それを見た瞬間、「これはただの“時間を知るための道具”じゃない」と気づきます。

これは“時間を生み出す機械”であり、工芸であり、機械式アートなんだと。

ここがかなり大事な部分ですよね。

ブランド物の腕時計付けてるって時代遅れ・・・って言う人がたまにいるんですが、相違ことじゃなくて、工芸品としての側面が見えてないからそういった考えになってしまうんですよね。

話を戻しまして、そうなると、時計を“着ける”だけじゃ物足りなくなるわけですよ。

「このキャリバーはどうやって動いてるのか?」

「このブリッジの面取りは手仕上げか?」

とかですね。

そうやって、構造や仕上げ、歴史、職人の哲学にまで目が向いていくこととなります。

そして面白いことに、それまで“高級時計かどうか”で見ていた価値基準が、変わってくるんです。

・「どんなムーブメントを積んでいるか」

・「どの時代の技術か」

・「手で巻いたときの感触はどうか」

そうした“目に見えない価値”を自然と重視するようになっていくようになります。

つまり、手巻き時計にハマるというのは、時計の“内面”に惹かれていくプロセスでもあるんです。

 

 

手巻き時計には「静寂」と「緊張感」がある

手巻き時計を使っていると、まず感じるのは**“音が静か”**だということ。

自動巻きにはローターがあって、動かすたびに「シャッ」という回転音がかすかに耳に届きます。

時計によっては、ゴリゴリゴリってのもあって、自動巻きには自動巻の巻かれてる感覚があって楽しいですよね。

ですが、今回の動画は手巻きを持ち上げる動画なので、手巻きについて言及していきます。

話を戻しまして、でも手巻きにはそれがありません。

静かに時を刻む“チチチチ…”という繊細な音。

たったそれだけの音が、なぜか心を落ち着かせてくれる。

この“静寂”の中に、自分だけの時間があるような感覚になるんです。

時計って、「時間を見る道具」であると同時に、「時間の音を聴く道具」でもあります。

忙しない現代において、この“静かな時の音”と過ごす時間は、ちょっとした瞑想のようです。

そしてもう一つ、手巻き時計には緊張感があります。

リューズを巻くとき、少しずつ巻き上げていく力の感触。

そして「巻きすぎたらゼンマイが切れる」という知識が、ほんのわずかなプレッシャーを伴わせます。

これが、ちょうど良い“手の集中”を生むんですよね。

「あと何回巻けばフルか」

「今日はどのくらい巻いておこうか」

この“判断”を毎日しているうちに、いつしか時計と自分の間に、言葉のいらない会話のようなものが生まれてきます。

しかも手巻きの時計は、構造的にパーツの“無駄”が少ないです。

だからこそ、薄型でエレガントなモデルが多く、そのぶん“精密さ”と“繊細さ”に対しても、より強い気配りが求められます。

そしてそれが、単なる便利さを超えた、“付き合う緊張感のある道具”としての魅力を放っているのです。

 

最終的にはロマンがあるから

とまぁ、これまで色々とお話しして参りましたが、これらの内容を全部まとめてしまうとロマンがあるかないかです。

昔の私みたいに、ブランドものを身に付けてるやつなんてバカ!とかロマンなんてどうでもいい・・・・

みたいな考え方だと、そもそも人生の質を向上させたり、彩りのある日々を送ることは出来ません。

要約すると、効率化と合理化を追求しても人生が面白くないってことですよ。

もちろん、腕時計があれば全部満たされるわけではありませんが、人によってはそれが切手とか茶碗とか花瓶とか、ブリキのおもちゃなのですが、それを手にすることによって幸福になれるから、みんなそれらを手にするのです。

そして、そこに到達しなくても自分の人生で楽しみを見つけていれば、それが素晴らしい人生ということですよね。

時計って、ただの時間を知る道具じゃないですよね。

特に便利な世の中になればなるほど、その影響度は大きくなります。

ただ時間を計測するためのツールではなく、その人の「生き方」や「こだわり」「価値観」がにじみ出るものです。

だからこそ、「あえて手巻き」を選ぶ男は、“時計を通じて自分と向き合う”時間を大切にしている人だと思います。

その他の記事

裏蓋の内側から読み取るパテックフィリップのケースメーカー【アトリエレユニ】

ここでは、裏蓋の内側から見るパテックフィリップのケースメーカーという内容を解説して参ります。 現在のパテックフィリップはケースも自社で作られていますが、昔は別の工房に製造を依頼して、自社の哲学に即したケースを採用してきた歴史があります。 そして、それは1つの工房ではなく複数の工房からケースを調達していました。 それらの公房は表面上では分かりませんが、時計の裏蓋の内側を見れば分かります。  ...

もっと見る

「似合うじゃなく、“私らしい”。カルティエを選ぶ女性が増えている理由」

「似合うじゃなく、“私らしい”。カルティエを選ぶ女性が増えている理由」をご覧になる方はこちらから⬇️ この記事では「似合うじゃなく、“私らしい”。カルティエを選ぶ女性が増えている理由」というテーマで、私なりの視点からお話しします。 今回の動画は、これから“本当に自分に合う一本”を探したいと考えている女性の方に向けての内容です。 久しぶりの女性に向けての動画なのですが、レディースウォッチにも...

もっと見る