バーガンディ文字盤×ゴドロンブレスxオールステンレスのサントスカレはなぜここまで希少なのか?
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日は「バーガンディ文字盤×ゴドロンブレスxオールステンレスのサントスカレはなぜここまで希少なのか?」という内容で解説して参ります。
カルティエ サントスカレというモデルは、それ自体すでに人気の高い一本ですよね。
スクエアに近いケースフォルムと、ベゼルに配置された8本のビスが特徴の1980年代を代表するラグスポの代表格です。
ですが今回ご紹介する個体は、そのサントスカレの中でも、かなり特殊な条件が重なった、極めて出会いにくい一本なんですよね。
オールステンレスのケース、バーガンディという珍しい文字盤の色、そしてゴドロンブレスという希少なブレスレット。
この3つが同時に揃っている個体は、なかなか市場に出てくることがありません。
さらに、この個体には保証書と修理明細書という、当時の記録まで現存しているんですよね。
30年近く前に作られた個体で、これほどの条件が重なりながら、書類まで揃っているというのは、実はかなり珍しいことなんですよ。
今回は、この一本がなぜここまで希少なのか、その理由と魅力を、一つひとつ丁寧に解説して参ります。
それでは話を進めて参ります。
オールステンレスというだけでそもそも希少なサントスカレ

サントスカレには、大きく分けて2つのリファレンスが存在します。
Ref.2961がイエローゴールド×ステンレスのコンビモデル、そしてRef.2960がオールステンレスモデルです。
ちなみに金無垢モデルも2960に分類されています。
カルティエがサントスカレを展開していた当時、コンビモデルの方が標準的な仕様でした。
ゴールドとステンレスを組み合わせたコンビというスタイルは、1980年代のラグスポを象徴する仕様のひとつで、カルティエもこの流れに乗る形で、サントスカレを展開していました。
実際に当時の販売実績としても、コンビの方が人気だったとされています。
つまりオールステンレスのRef.2960は、企画の段階から、コンビに対する"もう一つの選択肢"という位置づけだった可能性が高く、もともとの製造数自体が、コンビと比べてかなり少なかったと考えられるんですよね。
サントスカレというモデルは、ベゼルを8本のネジで固定することで、高い防水性能を実現している構造を持っています。
このネジ留めのデザインは、現行にまで続いてる仕様なんですが、ケース全体がステンレスだけで構成されるオールステンレスモデルは、コンビモデルに比べて、より無骨でツール感を強く打ち出された仕上がりになっています。
白文字盤でもコンビかオールステンでだいぶ雰囲気は違うんですが、バーガンディになると色味も入ってくるし、リューズもレッドのスピネルのになるので、より雰囲気が出てくれていると思いますね。
このオールステンレスという条件だけでも、すでに希少性の土台ができあがっているのですが、今回ご紹介する個体は、この上にさらに2つの希少な条件が重なっています。
それが、次にお話しするバーガンディという文字盤の色と、ゴドロンブレスというブレスレットの仕様なんです。
条件がひとつ重なるごとに、市場に出てくる可能性は、かけ算のように小さくなっていきます。
まずはその1つ目、バーガンディという色の希少性から見ていきましょう。
この掛け合わせの構造こそが、サントスカレというモデルの奥深さでもあり、今回の個体を特別なものにしている理由でもあるんですよね。
バーガンディという色がなぜここまで見つからないのか?
「バーガンディ」と聞くと、多くの方は単純に赤い文字盤を思い浮かべるのではないでしょうか。
ですが実際に手に取ってみると、その印象は大きく変わります。
バーガンディという色は、単なる赤でも、単純なワインレッドでもなく、光の当たり方によってまったく違う色味を見せる色なんですよね。
明るい光の下では、透明感のある明るいワインカラーとして輝き、光が弱くなったり角度が変わったりすると、今度はほぼ黒に近いワインへと変化していきます。
条件によってこれほど幅のある変化を見せるというのは、静的な美しさというより、動的な美しさだといえるでしょう。
そしてもうひとつ、この個体で注目していただきたいのが、インデックスが存在しないという点ですよね。
通常のサントスカレといえば、ローマンインデックスが配置された文字盤を思い浮かべる方が多いと思いますが、この個体は違います。
インデックスを極限まで削ぎ落とし、文字盤上にあるのは「CARTIER」のロゴと日付表示窓のみです。
サントスカレの中で、いつも対比されるのがゴースト文字盤の方じゃないですか。
それでゴーストも最高にかっこいいですよ。
じゃあゴーストと何が違うかと言いますと、光沢感ですね。
バーガンディはラッカー塗料っていって、表面に光沢のある塗料を吹き付けてバーガンディの色が鮮やかに発色します。
ゴーストはサテン仕上げのように仕上げてあるので、光沢はなくステンレスに溶け込みますが、バーガンディはどっちかっていうと、色こそ違いますが雰囲気はオニキスに近いですね。
さらに、リューズに取り付けられた石もいいんですよ。
カルティエの腕時計には、リューズにカボションと呼ばれる石が取り付けられていますが、通常のサントスカレはカットされたブルーの石が使われています。
ですがバーガンディ文字盤の個体には、文字盤の色に合わせて、レッドのスピネルが取り付けられているんです。
しかもこの個体のスピネルは、通常の平らにカットされた形状ではなく、"とんがりスピネル"が採用されてて、尖った形状のものが使われています。
なんでか、このバーガンディだけこのとんがりスピネルが採用されてるのですが、おそらくですがレッドのスピネルをいつも通りカットしたら光の透過によって、色が薄くなってしまうからじゃないかなぁと考えております。
バーガンディの文字盤、レッドのスピネル、ゴールドのロゴ、そしてオールステンレスのケースとブレスレット。
この一本には、シルバーとゴールドとワインという、3色しか存在しません。
この色数の少なさが生む統一感こそが、他のサントスカレにはない、独自の世界観を作り出しているといえるでしょう。
では次に、ゴドロンブレスという、もう一つの希少要素!という内容で解説して参ります。
ゴドロンブレスという、もう一つの希少要素
サントスカレのブレスレットには、大きく分けて2種類の仕様があります。
ひとつがビス装飾、そしてもうひとつが、今回の個体に採用されているゴドロンです。
多くの方がサントスと聞いてイメージするのは、おそらくビス装飾の方ではないでしょうか。
ビスが等間隔に並び、ベゼルのスクリューと呼応するようなデザインは、いかにもサントスカレらしい、代表的な仕様です。
一方でゴドロンという言葉は、聞き慣れない方も多いと思います。
フランス語で「リブ」や「溝」を意味する言葉で、中央に3本の山が連続するラインが特徴的なブレスレットなんですよね。
装飾的なネジが並ぶビスリンクとは違い、細かなリブのラインが連続していて、全体として非常に繊細な表情を持っています。
一説によると、このゴドロンブレスは、エッフェル塔の建築構造からインスピレーションを受けたデザインとされており、1980年代中盤の限られた期間だけ、スペシャルオーダーとして存在していたともいわれています。
真偽については確定的な資料が見つかっていませんが、いずれにせよ、ビスに比べて市場で見かける機会が圧倒的に少ないブレスレットであることは間違いありません。
それでですね、このゴドロンのオールステンレスが多分一番少ないんですよね。
前述した通り、そもそもオールステン自体がかなり激レアなのですが、そこからさらにゴドロンとかになってくると、もう激減してしまいます。
そしてそれが、バーガンディとかゴースト文字盤である場合には、おそらくほとんど市場に出てくることはありませんね。
それくらいオールステンレスのブレスにゴーストとバーガンディの組み合わせは、希少中の希少なんですよ。
今のカルティエだったら、全体こんなデザインのブレスって作ることが出来ないじゃないですか。
でも、この頃のカルティエってまだまだデザインに遊びがありましたし、ヴィンテージならではの魅力あふれる個体だと思いますね。
これの組み合わせが、嫌味のない高級感を作り出しているのではないかと感じています。
では次に、保証書と修理明細が揃っているという奇跡!という内容で解説します。
保証書と修理明細が揃っているという奇跡
ここまでオールステンレス、バーガンディ文字盤、ゴドロンブレスという3つの希少条件についてお話ししてきましたが、今回の個体には、もう一つお伝えしたいポイントがあります。
それが、保証書と修理明細書が、両方とも現存しているという事実なんですよね。
先ほどお話しした通り、この3条件が重なった個体自体、市場にほとんど出てこないレベルの希少性です。
そういう個体というのは、腕時計が超高額品として認識される前の時代のものなので、特別に大切に扱われてるってわけでなく、当時の保証書が途中でなくなってしまっているケースが大半なんですよね。
持ち主が変わったり、保管の過程でどこかに紛れてしまったり。などなどですよね。
だから正直、この組み合わせで保証書まで残っているというのは、もう奇跡と言っていいレベルだと思っています。
しかも今回は、保証書だけではありません。
修理明細書も一緒に残っているんです。
これがどういうことかと言いますと、ケースに刻印されているシリアルナンバー、保証書に記載されているナンバー、そして修理明細書に書かれているナンバー、この3つがすべて一致しているということなんですよね。
つまり、この個体が「本当にこの保証書・この修理履歴を持つ、その一本である」ということが、書類の上でも裏付けられているわけです。
真贋という部分に不安を感じやすいヴィンテージ腕時計の世界において、これはかなり大きな安心材料になります。
さらに興味深いのが、修理明細書の中身なんですよね。
明細を見ると、そもそもこの個体がゴドロンブレスであったことが、当時の記録としてしっかり記載されています。
つまり、後からブレスレットだけ社外品に交換された、というような話ではなく、正規の記録として、最初からゴドロンブレスだったことが証明されているんです。
そしてこの修理明細書によると、カルティエ社にて2025年1月22日にオーバーホールが完了しているんですよね。
文字盤と針も、カルティエ社によって交換されています。
つまりこの個体は、40年近く前に作られたものでありながら、直近でメーカー自身の手による、正規のメンテナンスを受けているということなんです。
ちなみに針なんですが、このオールステンにバーガンディ文字盤の場合は、シルバーの針が取り付けられている個体を多く目にしてきました。
ですが、稀にゴールドの針を取り付けられていたのも存在するみたいで、この個体はそれに当たりますよね。
前述した通り、カルティエで修理し、針も交換されてるものですが、カルティエとしてもゴールドの針で製造していた!という履歴をちゃんと残していたのが驚きますよね。
こういう背景があるからこそ、弊社ではあらためてオーバーホールは行っておりません。
もちろん、動作確認はしっかりと行った上でのご紹介です。
希少な組み合わせであることに加えて、その希少性を裏付ける書類が揃っていて、なおかつメーカー自身の手によるメンテナンス履歴まである。
このレベルまで条件が揃った個体は、本当に稀だと思っています。
ベルモントルの視点
バーガンディ文字盤×ゴドロンブレスのサントスカレ、なぜここまで希少なのか。
その答えは、オールステンレスというケース素材、バーガンディという文字盤の色、そしてゴドロンブレスという仕様、この3つの希少な条件が同時に重なっているという、掛け算のような構造にありました。
さらに今回の個体には、その希少性を裏付ける保証書と修理明細書までもが現存しており、シリアルナンバーの一致という形で、真正性まで確認できるという、極めて稀な状態が揃っています。
視聴者様がこうした一本と向き合う際には、見た目の希少性だけでなく、こうした書類まで含めた背景に、ぜひ目を向けていただければと思います。
腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。
その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。
店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。
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