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ヴァンドーム(マスト ヴァンドーム)

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カルティエの時計は、歴代にたくさんのモデルが生み出されてきましたが、年月が絶とうとも私たちを魅了してやまないモデルがたくさん存在するのも事実です。

そのモデルの中の1つに『ヴァンドーム』というモデルが存在します。

ここでは、そんな今となっては廃盤となってしまった『ヴァンドーム』というモデルに、その魅力を解説させて参ります。

 

カルティエの腕時計『ヴァンドーム』の魅力

フランスのパリにある一頭地『ヴァンドーム』は皆様ご存知かと思います。

このモデルはその『ヴァンドーム広場』からとられています。

1920年代のある晩に、馬車の繋具の形に目をとめたルイ・カルティエはそこから新しい腕時計を生み出す創造的なインスピレーションを受け、この時計をデザインしました。

ヴァンドーム広場は、パリ1区にある広場で、世界中の上流階級、ファッションデザイナー、セレブリティが集う場所です。

パリのエレガンスを象徴するこの場所には、カルティエの本店があります。

カルティエのヴァンドームというモデルは、そんな世界中からパリを訪れる顧客を相手に出来るくらいの品質を提供する、ということで1930年に『ヴァンドーム ルイ カルティエ』が誕生したのです。

 

1973年にルイ カルティエ コレクションで復活

年月が空いて、1973年になると3代目であるルイ・カルティエがデザインしていたコレクションを復活させるという触れ込みで『ルイ・カルティエ・コレクション』が誕生します。

その中に12個のモデルが展開されたのですが、その中にヴァンドームがありました。

ルイ・カルティエ・コレクションの中のヴァンドーム・ルイ・カルティエ

ルイ・カルティエ・コレクションの中で作られたヴァンドームの特徴は、ケースの側面に装飾が入っていることです。

ケースも18Kイエローゴールドが使用され、メンズは自動巻ムーブメント、レディースは手巻きムーブメントが搭載されています。

現代では見られることのない、カルティエらしいバランスの取れた独創的なデザインに仕上がっていますよね。

 

 

1970年代後半に2種類のヴァンドームを展開

1930年代といえば、まだまだ時計は高級品であり富裕層しか持つことが出来なかったのですが、1980年代に入りクオーツの技術も確立していたことで、同じデザインでありながらも価格を抑えた『マスト ドゥ ヴァンドーム』を発売したのです。

カルティエのレディースウォッチ ヴァンドーム2種類の違い

左側が高級ラインのVLC(ヴァンドーム ルイ カルティエ)で、右側が安価なモデルの『マストドゥ ヴァンドーム』ですね。

ぱっと見では、ほとんどその違いを確認出来ないと思いますが『ロゴ』をご覧下さい。

左側のVLCは『CARTIER』だけなのに対して、右側のマストの方は『must de Cartier』となっていますよね。

素材も違います。

VLCは18Kゴールドを使用しているのに対して、マストの方は純銀にヴェルメイユという金メッキを施したものになっています。

カルティエの腕時計 2種類のヴァンドームの裏蓋の違い

よって、一見同じに見える2つのモデルなのですが、細部を見ていくと大きな違いがあるんですね。

シンプルでありながらも、洗練されたカルティエらしい装飾を外したデザインは、当時かなりファッショナブルな時計として認識され、80年代の世界中の女性を虜にしたのです。

マストヴァンドームのコンセプトは、1973年カルティエを復活させるために、2人の男が協力したことから生まれました。

その2人とは、ロバート・ホックとアラン=ドミニク・ペランです。


ホックは、「レ・マスト・ドゥ・カルティエ」という言葉を作り、「誰もが持っていなければならない製品ライン」を作りたいと考えました。

そして、ペランをレ・マスト・ドゥ・カルティエの新CEOに任命し、カルティエの廉価版スピンオフラインとしたのです。


マスト ドゥ ヴァンドームは、オリジナルの「ヴァンドーム ルイ カルティエにオマージュを捧げつつ、ダークブルー、ワインレッド、ブラック、さらにはストライプのスリートーンゴールドなど、さまざまな文字盤でリリースされました。

カルティエが、これほどの規模の時計を大量生産したのは初めてのことです。

また、カルティエがクオーツウォッチを発売したのも初めてでした。

しかし、この時計は大ヒットを記録したのです。

それまでは年間3,000本を販売していたカルティエの時計は、1970年代末には16万本の大台を突破したのです。


その後も、男性用、女性用、サイズ、形、文字盤の色、仕上げの異なる様々なマスト ドゥ ヴァンドームの時計は数え切れないほど登場しました。

そんなマスト ドゥ ヴァンドームですが、2000年代半ばにその役目を果たし製造中止となります。

要するに、クオーツウォッチであったとしてもカルティエの時計というのは、世界中の皆んなに愛されたということなのです。


マスト ドゥ ヴァンドームは、カルティエの歴史の中で重要な位置を占めており、ブランドが生き残るのに困難な時代でしたが、それを克服する為の工夫が反映されています。

安価な時計と宝飾ブランドというのは、イメージに合わないように思われましたがカルティエというブランドの、伝統と独自性を維持することに成功したのです。

また、この時計は現代を生きる私たちが見ても、流行に流されないファッション性のある時計のひとつであると私は考えています。

どのモデルもそうである通り、カルティエの時計は決して時代遅れとは言えません。

なぜなら、シンプルさを追求しているために流行に流されないからですね。

 

カルティエが様々なラインを展開している背景

最後に補足説明なのですが、今、カルティエはフレグランスや財布などのジュエリーや時計以外の展開があります。

これは先ほど紹介したホックが、ライターのビジネス出身であり、1960年代末から1970年代にかけて、ライターをカルティエの提供するコレクションの1つにすることに成功しました。

これにより、カルティエはジュエリーにとどまらず、レザーグッズ、ペン、フレグランスなど、手頃な価格で日常的に使用でき、かつカルティエの魔法のオーラを放つ商品を開発する機会を得ることになったのです。