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Article: なぜ中古のカルティエの腕時計は値段が上がり続けるのか?

なぜ中古のカルティエの腕時計は値段が上がり続けるのか?

 

こんにちは。

ベル・モントルの妹尾です。

 

本日の動画では、中古のカルティエの腕時計はなぜ値上がりし続けるのか?

という内容でお話しします。

すでにゴールデンウィーク中ですが、土曜日以外は空けておりますのでちょっと時計見てみようかなぁ、って方はお気軽にお越しくださいませ。

今日の動画は何かの作業をしながら、ラジオ感覚でご覧くださいませ。

それでは早速やって参りましょう。

 

カルティエというブランドのポジション

私を含めほとんどの男性は、カルティエ=女性のブランド。

という認識をお持ちの方がまだまだ多いと思われます。

と言いますのも、そもそもの出自が宝飾ジュエリーブランドであるために、そちらの方を作ってきた年月が長いからですね。

英国国王のエドワード7世が「王の宝石商、宝石商の王」という言葉はどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、そのワードがよりカルティエを宝飾品ブランドとしてのイメージを強くしてます。

では、実際に今はどのようになってるかを見てみましょう。

ここからはウェブクロノスさんのコンテンツを引用する形でお話します。

2023年2月28日、モルガン・スタンレーの新しい報告が発表され、スイスの時計ブランド8社(2021年には7社)が10億ドル以上の売り上げを記録したと告げられた。ロレックスはその中でも約124万本の時計を売り上げ、売上高は100億ドル以上となり、他を大きく引き離した。中略

そしてカルティエがこれに続く。年間販売数は約66万本、売り上げは約31億ドルで、2021年にはすでにオメガ(年間販売数約57万本、売り上げ約26億ドル)のポジションを奪っていた。

オメガは長らくロレックスに次いで2位であったが、カルティエが2021年に2位の座を奪ったことで、スイスには激震が走った。カルティエはタンク、サントス、パンテールなどのアイコニックモデルの数々で成功を収め、その地位を確固たるものとした。

ここまでが、ウェブクロノスさんに記載してあった内容になります。

実際の記事は概要欄に入れておりますので、気になる方はそちらもご覧ください。

話を戻しまして、この記事に記載されてあることが、ほとんど私たちの気持ちを代弁してくれてると思います。

1位のロレックスは不動だとして2位はオメガ、というのが共通の認識だったはずです。

しかし、すでに2021年にはオメガを販売本数、売り上げ共に抜いており、宝飾品ブランドでありながらも、2位まで来るスピード感を考えると驚異的と言えるでしょう。

このレポートの他にも、他のレポートを調べてみたのですが男女比の比率を見つけることができませんでした。

これは私の推測になりますが、カルティエの腕時計を購入してるのは4割が女性で6割が男性ではないかと考えております。

腕時計に対しての熱量は、男性の方がかなり高いですし、男性のモデルの方が値段が高いです。

ただし、時計というカテゴリーの中で女性の割合が4割というのは、相当な割合だと言えます。

実際にほとんどの時計ブランドは、女性が購入する割合は1割程度でしょう。

これらのことを考えていくと、カルティエの日本でのブランドイメージとしてはまだまだレディースブランドとしての認知が続いていくのでしょうが、世界的には既にメンズにも人気があるブランドになりつつあるというのが分かってきます。

 

ではここからは、なんでカルティエの中古の腕時計が値上がりし続けていくのかを、私なりに推測していきます。

 

 

上位機種の高騰に追随して高騰する 

そもそもカルティエの中古の腕時計を見ていこうとした時に、まず見つかりやすいのは1970年代以降につくらたモデルです。

と言いますのも、1970年より前はどちらかというと富裕層がメインの顧客であり富裕層に対して、スペシャリティなものを作ったりとか超高級路線を走っていて、庶民が購入できるような時計はありませんでした。

富裕層も大量にいるわけではありませんので、作られた時計の数も多くはありません。

よって古いカルティエの時計は、なかなか見つけ出すことは出来ません。

そんな博物館級の時計がたまに市場に出てくると、ブランドの人気もありそれまで興味を示していなかった人々も、それを手にしようと躍起になりどんどん値段が上がってしまうという現象が起きます。

そうなると、あと1つ下のランクのモデルを手にしよう。

というような感じで、その下のランクのモデルも高騰し始めます。

このように、上位機種の値段が高騰するとそれに釣られて、トリクルダウン式に下のモデルもだんだんと値段が上がっていくという仕組みですね。

 

その下のモデルが、大体70〜2000年代に作られた時計です。

70年代には、サントスデュモンを現代風にアレンジした、サントス(今のサントス ドゥ カルティエのことですね)やタンクを誰もが手にすることが出来るように素材を見直した、マストタンクが誕生しました。

 アラン・ドミニク・ペランというカルティエの知名度を一気に飛躍させた社長がいたのですが、この人がこれからは高級路線だけでなく中間取得層の人々にも愛して貰えるようなブランドに持って行こうと考えたことで、上記のような代表モデルが誕生したのです。

マストタンクとサントスの歴史や詳細については、これらの動画で解説しておりますので気になる方はこちらの動画もご覧ください↓

そういった感じで、70年代以降からは誰もが購入することが出来るスタンダードラインが拡充され、その中でたくさんの人々が購入したことで、今も中古市場を見ればそれらを手にするこが出来るのです。

しかし、ヴィンテージの上位機種の上昇と、新品価格の上昇が相まって、これらの当時は安価だったモデルも高額になっています。

 

 

世界的な需要によって高騰する

先ほどもお話しした通り、世界的に人気の時計ブランドになりつつあります。

世界的に人気があると何が良いかと言いますと、換金しやすいことです。

ロレックスがなぜあそこまで人気があるかと言いますと、当たり前の話ですが誰もがロレックスを知っているし、人気があるのも知ってるしロレックスの時計であればいざという時に、すぐに換金できる事を誰もが知っているからです。

カルティエの時計は、全てではありませんが人気のモデルであれば、しっかりした値段で買い取られますし、日本の人気よりも世界の人気の方が強いので、海外の方が高いことも考えられます。

日本でもブランドの認知度がもっと広まっていけば、よりロレックスのようなポジションに近づいていくと思われますね。

また、世界の人口が増え続けていることも中古時計の相場の高騰に繋がります。

結局中古の腕時計というのは、既に廃盤になっているのでその時計が減ることはあっても、増えていくことはありません。

ということは、その限られたパイの中で取引が進んでいくのですが、人口が増えた世界の中では、人気がある中古のカルティエの腕時計は価格が上昇してしまうのです。

 

ライフスタイルの変化によって高騰する 

クオーツウォッチが誕生したことで、実質的には正確な時間を確認することが出来るようになりました。

それが1970年代のことです。

そして、2010年代になるとスマホを持つ人々が増えたことで、『腕時計で時間を確認する』という役割はほとんど終わってしまったと言えるでしょう。

さらに2015年頃からアップルウォッチを含む、スマートウォッチが誕生したことで、時計でありながら時計以外の機能を搭載した腕時計が誕生しました。

ではそんな環境であるにも関わらず、腕時計が売れ続ける理由はどこにあるのでしょうか?

それは皆様、お察しの通りステータスやファッションの側面が強いから、今も腕時計は売れ続けるんですね。

このライフスタイルの変化の中で、先ほどのステータスやファッション性を満たしてくれているのが、ロレックスとカルティエなんだと考えられます。

ステータスを見せるには、やはりロレックスに部がありますし、おしゃれとかファッショナブルというワードに相性が良いのは、やはりカルティエの時計でしょう。

このオシャレというワードに対して相性が良いカルティエの時計が、現代を生きる人々のライフスタイルにマッチしていることで、ブランドの人気もあり高騰を後押ししているのだと思います。

 

 

 

金の価格の上昇とブランド力によって高騰する

ケース素材にゴールドを使ってる素材は、時計ブランドの数と同じと言えるでしょう。

ですので、どの時計ブランドもほとんどの確率で18Kゴールドを使用しているモデルが、存在しますよね。

では、その金の価格の上昇と何が関係しているかをお話しします。

こちらの三菱マテリアルの画像をご覧ください。

三菱マテリアル1978年からのゴールドのチャート

 

チャートをご覧頂くと分かる通り、2000年頃からは常に右肩上がりで相場が上がっています。

時計のケースに18Kゴールドを使っていれば、その時計自体の値段は金の上昇分高騰します。

しかし、あるブランドのあるモデルはほとんど上昇してないのに対して、カルティエの18Kゴールドモデルは大きく高騰しています。

これは1つに、ブランドイメージとの親和性があるのではないかと考えています。

補足しておきますが、私は主要なスイスブランドが作った18Kゴールドの腕時計は、どれも美しいと感じますし、もちろん国産ブランドのゴールドモデルもかっこいいと思っています。

ただし、やはりゴールドを使うのが上手なのは、元々の出自が宝飾品ブランドのカルティエが洗練されていると感じます。

というか、そういうブランドイメージだから、よりそれを強く意識させている!と表現した方が正しいでしょうね。

腕時計を見てみれば、全体的なデザインやサイズなど、どれを含めても絶妙に調和してますし手首に乗せた時にはさらりと輝き、いやらしさのない高級感があります。

このように、ゴールドの価格の上昇とその金属の特性を理解して、上手に活かすことが出来ているカルティエの腕時計が評価され、価格が高騰しているのだと考えられます。

 

 

作りが良いから高騰する

カルティエの時計が評価されているのは、外装の作りが良いからだけではありません。

そもそも、カルティエは腕時計を製造し始めた当初から、ジャガールクルトのムーブメントを採用していましたし、アメリカ市場向けにはジャガーと共同で創業した『EWC/ヨーロピアン・ウォッチ・クロックカンパニー』のムーブメントを搭載させるなど、ムーブメントにもこだわりを持ち一級品を扱っています。

ジャガーとの契約が終了した後には、フレデリックピゲやピアジェのムーブメントを採用し、今となっては自社でムーブメントを作る事が出来る『マニュファクチュール』にもなっていますからね。

ここでは挙げませんが、他にも宝飾品ブランドが時計を作っているのは、ご存知だと思います。

もちろん、それらのブランドの腕時計も美しいのですが、なぜ評価されにくいのかと言うと、これは外装だけで中身を疎かにして作っていたからなんですね。

世界3大時計ブランドに『パテックフィリップ』『オーデマピゲ』『ヴァシュロン・コンスタンタン』がありますが、これらのブランドもどちらかというと、出自はドレスウォッチのブランドです。

外装が美しいのは共通していますが、ムーブメントは同様にジャガーなどから提供してもらい、それをしっかり手仕上げして工芸品の領域まで持っていくことで、世界的に認められました。

腕時計と一言で言っても、外装の重要性、ムーブメントの美しさでの総合評価というわけなんですね。

昔のカルティエは自社でムーブメントを作ることが出来なかったのですが、自社に合うムーブメントを見つけ出しパートナーシップを組んで、外装、ムーブメント共にしっかりした腕時計を作ったことで、中古の腕時計はしっかりと評価されているのです。 

 

 

といった感じで、カルティエの中古の時計がなぜ値上がりし続けるのか?

というのを解説しましたが、10年後は今の中古はまだまだ値上がりしているでしょうし、2000年代に作られたモデルはまた大きく評価を伸ばしていると思われます。

動画をご覧になってる方は、カルティエの時計が好きな方が多いと思いますので、自分が持ってるブランドが2位まで飛躍してるってのを知ってるだけで、とても嬉しい気持ちになりますよね。

 

 

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