コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

記事: ロレックスのベゼルはなぜこんなに変わった?エンジンターンドが消えた理由

ロレックスのベゼルはなぜこんなに変わった?エンジンターンドが消えた理由

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。

本日の動画では「ロレックスのベゼルはなぜこんなに変わった?エンジンターンドが消えた理由」という内容で解説して参ります。

ロレックスのデイトジャストを見る時、文字盤やブレスレットに目が行く方は多いと思います。

ところがヴィンテージのデイトジャストを見ていると、それと同じくらい魅力的なのがベゼルなんですよね。

現在のデイトジャストでは、代表的なのがフルーテッドベゼルとスムースベゼルです。

ところが昔のデイトジャストには、現在ではなくなってしまった「エンジンターンドベゼル」という選択肢がありました。

例えばヴィンテージではRef.1603。

その後継のRef.16030。

その後継のRef.16220まで、このデザインは長い期間使われています。

つまり一時的に作られた珍しい仕様というより、ロレックスが長期間ラインナップしていたベゼルなんです。

Ref.1600がスムース、Ref.1601がフルーテッド、Ref.1603がエンジンターンドという3つの代表的な選択肢があり、その構成は次の5桁世代にも引き継がれました。 

では、これだけ長く作られていたエンジンターンドベゼルが、なぜ現在のロレックスから消えてしまったのでしょうか。

今回は、そもそもエンジンターンドとは何だったのか。

フルーテッドやスムースと何が違うのか。

そして、なぜ現在では見ることがなくなったのか。

最後に、だからこそ今ヴィンテージで見ると面白い理由をベルモントルの妹尾さんと一緒に見ていきましょう。

それでは話を進めて参ります。



そもそもエンジンターンドベゼルとは何だったのか?

まず最初に、エンジンターンドベゼルそのものから見ていきます。

現在のロレックスだけを見ている方だと、そもそもエンジンターンドという言葉を聞いたことがない方もいるかもしれません。

簡単に言えば、金属の表面へ規則的な模様を機械的に刻んだベゼルです。

パッと見た時にはフルーテッドベゼルに少し似ています。

ただ、実際に比べてみるとかなり違います。

フルーテッドベゼルは、深い山と谷が連続しているので、光をかなり強く反射します。

腕を動かすたびにキラキラと表情が変わります。

一方、エンジンターンドはもっと平面的です。

模様は入っていますが、フルーテッドほど立体的に光りません。

そのため、装飾があるのに華やかすぎないんですね。


特に代表的なのが、4桁デイトジャストのRef.1603です。

当時のデイトジャストには、スムースベゼルのRef.1600、フルーテッドベゼルのRef.1601、そしてエンジンターンドのRef.1603という選択肢がありました。

Ref.1603のエンジンターンドベゼルは、ステンレス製で作られています。

一方、フルーテッドベゼルは18Kで作られていました。 

ここが印象を大きく左右するポイントで、デイトジャストという同じモデルの中でも、ベゼルを変えることで腕時計の雰囲気をかなり変えられたんですね。

スムースなら非常にシンプル。

フルーテッドなら少し華やか。

そしてエンジンターンドは、機械的な印象を与えます。

少しデザインは入っているんだけど、ホワイトゴールドのフルーテッドほどドレス感は強くないって感じですね。

同じ素材同士なので、ステンレスケースとのつながりも自然です。

この立ち位置が、エンジンターンドの魅力だったと思います。

そしてエンジンターンドはRef.1603だけで終わりません。

1977年頃から登場した5桁世代では、Ref.1603の後継としてRef.16030が登場します。

ここではCal.3035が搭載され、デイトを単独で変更できるクイックセットが使えるようになります。

文字盤も、それまでのいわゆるパイパンダイヤルからフラットな文字盤へ変わりました。

ただしエンジンターンドベゼルそのものは残されました。

さらに1988年頃からのRef.16220にもエンジンターンドは引き継がれ、このモデルが2005年ごろに終了するんですが、ここでエンジンターンドも一緒に終わることになりました。

つまりエンジンターンドは、少なくともデイトジャストでは数世代にわたって続いたデザインなんですね。

現在から見ると少し珍しく感じますが、当時のロレックスではちゃんと定番の一つだったということです。

ちなみにデイトジャストだけではなく、過去のエアキングなどにもエンジンターンドベゼルは使われています。

では次に、なぜエンジンターンドは消えてしまったのか?という内容で解説して参ります。


 

では、なぜエンジンターンドは消えてしまったのか?

ここが今回、一番気になるところだと思います。

まず最初にお伝えしておきたいのですが、ロレックスが「この理由でエンジンターンドを廃止しました」と公式に説明しているわけではありません。

ですので、ここからは確認できる事実と、そこから考えられることを分けて話します。

事実としては、エンジンターンドはRef.1603からRef.16030へ続き、さらにサファイアクリスタル世代のRef.16220にも残りました。

前述した通りRef.16220は1980年代末から2005年頃まで生産され、その世代を最後にデイトジャストのエンジンターンドベゼルは姿を消していきます。 

ここから見えてくるのが、ロレックスのデザインが徐々に「分かりやすくなった」ということです。

フルーテッドベゼルは、現在ロレックス自身がブランドを象徴する意匠として扱っています。

そしてスムースベゼルは、装飾を抑えた非常に明快な選択肢です。

つまり、

華やかなロレックスらしさならフルーテッド。

シンプルに見せるならスムース。

この2つは役割が非常に分かりやすいんですよね。

その間にあるエンジンターンドは魅力的ではありますが、逆に言えば「中間」です。

ここからは私の見方になりますが、ロレックスの各モデルや仕様が現在のように整理されていく中で、その中間的な役割が必要なくなっていった可能性があると思います。

 

もう一つの考察が、ブランドのアイコン化です。

フルーテッドベゼルは、遠くから見てもロレックスだと分かりやすいです。

光を反射しますし、デイトジャストやデイデイトのイメージとも強く結びついています。

それに対してエンジンターンドは、近くで見ないと細かな加工が分かりにくいです。

腕時計好きからすれば、分かるしそこが良いのですが、ブランドを象徴するデザインとして考えると、フルーテッドの方が圧倒的に分かりやすいはずなんですよね。

そして現在のデイトジャストを見ると、フルーテッドベゼルはホワイトゴールドやイエローゴールドなどの貴金属と結びつき、ロレックス自身も「mark of distinction(マーク・オブ・ディスティンクション/ブランドを象徴する特徴)」として打ち出しています。

一方、ステンレスでシンプルに仕上げるならスムースという選択肢があります。

結果として、「装飾のあるスチールベゼル」というエンジンターンド独自のポジションがなくなっていったのではなかろうかと・・・・。

私はこう見ると、現在のラインナップとのつながりが分かりやすいと思います。

ですので、

「人気がなかったから消えた」

わけじゃないと思います。

長期間作られていましたからね。

前述した通り、ブランドの戦略上で意図的に役割を終わらせられた!というニュアンスが近いのかなぁ・・・と考えております。

では次に、消えたからこそ、今のエンジンターンドが面白い!という内容で解説して参ります。

 

 

消えたからこそ、今のエンジンターンドが面白い!

そして最後は、現在ヴィンテージとしてエンジンターンドを見る意味です。

私は、エンジンターンドが今、魅力的に見える最大の理由は、現在のロレックスにはない表情だから

だと思います。

例えば現行のデイトジャストを見てからRef.16030を見ると、最初は少し不思議に感じるかもしれません。

フルーテッドでもないし、スムースでもないし、細かな溝が入っているし、素材はステンレスですからね。

現在のロレックスを基準にすると、どのカテゴリーに入れていいのか迷います。

ただ、この今にない仕様がいいじゃないですか。

Ref.16030の場合、エンジンターンドベゼルにアクリル風防が組み合わされます。

そしてCal.3035によるクイックセットデイトも使えるので、見た目はしっかりヴィンテージ感があるのに、日常で使う上では古すぎないんですよ。

もう少し新しいRef.16220になるとサファイアクリスタルの世代になります。

それでもエンジンターンドベゼルが残っています。

そのため、

「ヴィンテージらしい見た目は欲しいけれど、少し現代に近いロレックスがいい」

という方には、こういう世代もありですよね。

そして何より、エンジンターンドはフルーテッドほど分かりやすくありません。

また現行モデルみたいにギラつきがありません。

これが今のベルモントルの考え方とも少し合うところがあります。

一目で、

「ロレックスです!」

と強く見せるというよりも、近くで見た時に、

「このベゼル、なんか普通のロレックスと違うなぁ」と気づくけどよく見たらデイトジャストなんだぁ。

こういう流れがいいじゃないですか。

腕時計好きの方ならすぐ分かるかもしれません。

でもロレックスにそれほど詳しくない方なら、普通のデイトジャストに見える可能性もあります。

それくらいの違いです。

ただ、自分が毎日腕時計を見る時には、その小さな違いが結構効いてきます。

今となっては無くなってしまった、エンジンターンドのこのヴィンテージ感がいいんだよねぇ・・・って気持ちにさせてくれますよね。

フルーテッドもとてもかっこいいんですが、貴金属のような強い華やかさとは違う楽しみがあります。

そして、ここが重要ですがもう新品では選べません。

エンジンターンドベゼルを現在手に入れようと思えば、基本的には中古・ヴィンテージ市場から探すことになります。 

これもヴィンテージ腕時計の面白いところですよね。

昔の商品だから古い、というだけではありません。

現在は作られていないデザインを選べる。

これはヴィンテージを選ぶ大きな意味の一つです。

特にデイトジャストは現行にも存在していて、基本的なデザインも長く続いています。

だからこそ、過去のモデルを見ると細かな違いが際立ちます。

一見すると今のデイトジャストと大きく変わりません。

でもベゼルを見ると、今は存在しない選択肢がある。

こういうところから、ヴィンテージロレックスに入っていくのも面白いと思います。

ロレックスというと、どうしてもサブマリーナー、GMTマスター、デイトナといったスポーツモデルへ目が行きます。

しかしデイトジャストのように長く続いているモデルこそ、年代ごとの差を見ると非常に面白いです。

「昔のロレックスには、こんな選択肢もあったんだ」と分かる。

そこにエンジンターンドベゼルの面白さがあると思いますね。

今回の話をまとめると、エンジンターンドベゼルは決して短期間だけ存在した特殊仕様ではありません。

Ref.1603、Ref.16030、Ref.16220と、長い期間デイトジャストの一つの選択肢として残ってきました。

ただ、現在はフルーテッドとスムースという、より役割の分かりやすいデザインが中心になっています。

ロレックスが廃止理由を公式に説明しているわけではありませんが、現在のラインナップを見ると、フルーテッドがロレックスを象徴するデザインとして強く残り、スムースがシンプルな選択肢として残ったことは確認できます。

その結果、両者の間にいたエンジンターンドは過去のデザインになりました。

でも、それが今見ると逆に新鮮なんですよね。

 

腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。

その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。

店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。

ベルモントルでは、そうした背景や佇まいも含めて腕時計を選びたい方に向けて、公式LINEで一般公開前の新着商品や入荷予定品をご案内しています。

概要欄から公式LINEのお友達登録をよろしくお願い致します。

その他の記事

30代で一生使える腕時計を探す必要はあるのか?

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。 本日の動画では「30代で一生使える腕時計を探す必要はあるのか?」という内容で解説して参ります。 30代になって高級腕時計を探し始めると、よく出てくるのが「どうせ買うなら一生使える一本が欲しい」という考え方です。 100万円、200万円という金額を出すのであれば、数年で使わなくなる物より、できるだけ長く使える物を選びたいと考えるのは、これは当然だと思います...

もっと見る

ヴァシュロンやIWC/ジャガールクルトはカルティエを筆頭としたリシュモンに所属するメリットが本当にあるのか?

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。 本日の動画では「ヴァシュロンやIWCは、大きなグループに所属するメリットが本当にあるのか?」という内容で解説して参ります。 今回取り上げるのは、海外時計業界メディアのWATCHPROが掲載した記事です。 記事のタイトルは「リシュモンは今でもスイスの専門時計メゾンにとって適切な居場所なのか?」というものです。  リシュモンというグループには、カルティエやヴ...

もっと見る