パテックフィリップのエリプス Ref.3844/2J/2787417が素晴らしい腕時計だった件
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本日の記事では、『パテックフィリップのエリプス Ref.3844/2J/2787417が素晴らしい腕時計だった件』について解説して参ります。

パテックフィリップといえば、男性であればロレックスの次に有名なブランドだと思いますので、誰もが知るブランドではないでしょうか。
そんなパテックの腕時計ですが、これまでにたくさんのモデルが発売されてきましたが、今回ご紹介するのが、以前からずっと手にしたかった【エリプス】のブレスと一体型モデルです。
なかなかイエローゴールドを手にするのは、抵抗感がある男性も多いと思われますし、私もその1人でしたがやはりパテックですので、その抵抗感をほぼ0にしてくれます。
イエローってだけでねぇ・・・・・
そう思ってしまいがちですが、デザインもサイズも絶妙ですのでほとんどの方の見る目が変わると思いますので、是非とも最後までお付き合いくださいませ。
今回はパテックフィリップとは?
という内容は省略しておりますので、パテックフィリップの詳細な歴史については、別のチャンネルのヴィンテージウォッチライフで解説していますので、気になる方はこちらの動画もご覧くださいませ⬇️
かなり詳細に解説していますので、パテックフィリップという会社について90%は理解出来ると思います。
店舗は予約制で対応しておりますので、お越しになる際には予約をお願い致します。
それでは早速やってまいりましょう!
パテックフィリップのエリプス なんでYG選んだの?
今回は仕入れの時点で、WGとYGの2つがありました。
こんな感じですね。

元々の仕入れの候補はいつも通り、WGの方で確実にこっちを仕入れる予定でした。
そして、実際にWGのYGもどっちも素晴らしくどちらも100点のデザインと美しさが感じられました。
本来であれば、2本とも仕入れたいところなのですが、私はまだまだマネーパワーが弱いので、どっちかしか仕入れることが出来ないことは分かっていました。
と言うわけで、これらのどっちかしか仕入れることが出来ないのですが、結構悩むわけですよ。
WGの方は、パテックの針に良く見られる中心に黒のラインが入ってるやつで、一見するとシンプルに見えるのですが、その針がいいアクセントになっててこれまたいいんでうすよね。
落ち着いて無難な腕時計・・・って感じです。
その反面YGの方ですが、これがまた久々のYGめっちゃ良いやん!って気持ちにさせてくれる時計でした。

これがロレックスのオイスターパーペチュアルのゼファーなのですが、ケースが14Kゴールドなのですが、デザインもサイズも最高にちょうど良くて、YGを仕入れてるのはこれくらいなんですよね。
メッキは結構仕入れてきたんですけどね。
と言いますのも、YGは最近その美しさが分かってきて、まだYGに触れる機会が少なかったのでちょっと抵抗感があったわけですよ。
YG持ってない方なら分かると思いますが、成金っぽいとかいやらしさがある、とか、使いにくそう。
とかですね。
でも、それもある程度の年齢になったことと、実際に腕に乗せてみたらそんな感じじゃなくて、ただ単におしゃれなファッションアイテムなんだなぁ・・・・と実感できるようになりました。
だから私の中では、WGよりYGの方がちょっとハードルが高めに設定されてるんですよね。
これはYGを持ってない方も同じような気持ちだと思います。
そんな気持ちを持ってこれらの時計を見比べてみたのですが、YGの方も負けてないわけですよ。

多分パテックだからこう言うふうに見えるのでしょうが、いやらしくないし、この煌びやかさがあるのに、ささやかな感じもあるんですよ。
よくありがちな『俺の時計を見よ!』感がないんですよね。
薄型なので、袖の中にも隠れてしまうしちょっとした動きの時に、チラ見えするだけだろうなぁ・・・っていうこの時計がYGのハードルを超えてでもこっちを選ぶべきだ!
と思わせました。
前述した通り、どっちも100点だったのでどっちも仕入れたかったのですが、101点はどっちか?と自問自答したら、YGの方だったので今回はYGを仕入れたのですが、まぁ素晴らしいですよね。
こんなんをつけてたら、絶対際立ってしまうやん・・・・
スーツとかバシッとした服装しなくても、これがあれば自分に自信が付くし、多分姿勢もオーラも格段にアップするやん・・・・
そんな気持ちにさせてくれますね。
そんな感じで着用レビューはまた後ほどお話しするとして、それぞれの詳細を見ていきましょう。
エリプス Ref.3844/2のムーブメントなどの詳細スペックを見てみよう!
ケース径は33mm、ケース厚は6mm。

といった感じで、現代では小型に分類されるのですが、ブレスも18Kですのでこのサイズで正解です。
もちろん、人によって正解は異なりますが、サイズが大きくなれば大きくなるほど18Kで作られる時計は重くなるので、これくらいのサイズであれば全然許容できる重さですね。
これは次の着用レビューのところで詳細に話しますね。
厚さが6mmってのも良いですよね。
私は普段特に時計を見せる!
って考えがなくて、まぁ自然と顔を覗かせるくらいで良いんかなぁ・・・って考えです。
夏場は常に見えてますけどね。
といった感じで、冬場であれば袖に隠れてしまうのですが、普段は見せびらかさなけど、実はちゃんとした時計つけてるんだよ・・・・
この価値観の方には、確実にハマる時計ですね!
ではここからはムーブメントの話ですね。
パテックフィリップ Cal.215 の魅力
搭載されているのは、同社が設計製造をしたCal.215ムーブメントです。

Cal.215なんですが、約40年前の1978年に誕生し、現在もカラトラバRef.5196などに搭載されている、息の長いムーブメントです。
ではここからは気になるCal.215の基本スペックを解説します。
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外径:21.9mm
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厚さ:2.55mm
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ジャイロマックステンプ
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認定刻印:ジュネーブ・シール
基本スペックはこんな感じですね。
ジュネーブシールにもいろんな基準があるんですが、どっちかっていうとムーブメントの仕上げ(これは美しさ)ですね、を軸に置いた基準です。
よってムーブメント内部の各部品の仕上げにも厳格なルールがあります。
例えば、
- 角穴車・丸穴車:これらの円周部分が面取りされ、磨かれていること。
- 受け(ブリッジ):角がシャープに仕上げられ、手作業で磨かれていること。
- 歯車:歯の形状が精密で、バリがなく、美しく仕上げられていること。
- ネジ:頭の部分が鏡面仕上げされており、溝がシャープであること。
こんな感じで、見えないムーブメントにも手作業でしっかり作り込まれたものだけが、ジュネーブシールを獲得することができるんですね。
ちなみに、現在ではCal.215はジュネーブシールよりも厳しいパテックフィリップシールの基準で作られています。
そしてCal.215ですが小型に作ってあります。
パテックフィリップの「伝統的な10型手巻ムーブメント」の流れを受け継ぐモデルです。
10型ってなんですか?
って質問が出てくると思いますので、そのことについて解説します。
簡単に説明するとサイズですね。
パテックフィリップの手巻ムーブメントには、主に2種類のサイズが存在します。
まず1つ目が12型で
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12型は(約27mm径):標準的な紳士用ムーブメント
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10型は(約22.5mm径):小ぶりな時計用ムーブメント
この2つに分類されます。
前述した通り、今回のCal.215は10型ムーブメントで、小型のラウンドケースやスクエアケース向けに使用されました。
よって、ケース径が33mmで6mm薄型に仕上がってるんですね。
薄型化の理由ですが1970年代後半は、時計業界全体で「薄型時計」の需要が高まっていました。
その流れを受けて、パテックフィリップもCal.215を開発し、従来のムーブメントよりもスリムな設計を実現したんですね。
次の特徴ですが、パテックが特許を取得したジャイロマックステンプの採用です。
一般的には時計の時間を早くしたり、遅くしたりするのには緩急針が使われます。
こちらはヴァシュロンコンスタンタンのcal.1003/1なのですが、ピンクの長四角の枠がそれなんですよね。
ここを締めたら、早く進むようになって緩めたら遅く進むようになって。
みたいな感じで、簡単な調整で精度を整えることが出来るので、基本的にはこのやり方が採用されています。

ただし、この緩急針のやり方だと金属製の緩急針は温度によって膨張・収縮し、精度に影響を与えることがあったり、緩急針がヒゲゼンマイを押さえるため、長年の使用でヒゲゼンマイに負担がかかりやすい。などの問題があります。
まぁ、ゼンマイなんて消耗品ですから緩急針の精度調整はかなり優れているんですけどね。
じゃあジャイロマックステンプはどうなんかっていうと、このテンプの内側についている丸いやつがついてて、ここで調整をしていることなんですね。

内側についてたり、外側についてたりあるんですがやってることってのは、テンプに取り付けられた 「偏心ウェイト(慣性ネジ)」 を動かすことで、テンプの振動速度を調整するやり方です。
ちなみに、ネジが外側か内側にあるかの違いですが、前述した通り今回のCal.215は小型ムーブの10型ですので、小さいです。
よってテンプも小さくする必要があるために、ネジを内側に入れてるんですね。
話を戻しまして緩急針のデメリットを補うことが目的なので、摩耗しにくい構造であり、オーバーホールの間隔が長くなり、耐久性が向上します。
他にも偏心ウェイトを回転させることで、精密なバランス調整ができるため、より高精度な時計が作れるようになりました。
その反面デメリットは、緩急針方式よりも複雑な構造で、精密な部品加工が必要なため、高コストになってしまいます。
そのため、世界3大時計やロレックスなどの高級時計にしか採用されていません。
もうこの辺のブランドになれば、価格よりも品質ですからね。
これもデメリットとは言えないでしょうね。
このモデルは1970年代なので、採用はされていませんが現在のCal.215は温度によっての変形や磁場の影響を受けやすい金属製のゼンマイから、それらの影響を受けないシリコン製のSpiromax®ヒゲゼンマイが採用されています。
というわけで、ここからは実機の着用レビューをして参ります。
エリプス Ref.3844/2の着用レビュー
前述した通り1970年代というのは、今とは違って薄型の時計が好まれていました。
ケース径も33mmですので、イエローゴールドなのですがかなり上品に写ります。
ブレスも18Kですので、時計全体を通して見た時のデザインが最高です。
チェーン型のブレスなのですが、この隙間が空いてるじゃないですか。
ここなんですよ!
ここが良い感じで、抜きがあって主張を抑えてるんですよね。
あとこのブレス部分の作りも最高です。
確実に職人さんがブレスを作ってるんだろうなぁっていう作りになってるんですが、やはりロレックスなどの工業品とは違う工芸品と美しさを感じますね。
18Kなのですがブレスにかなり柔軟性があるので、しっとりと腕に乗っかってくれるし、腕に馴染んでくれます。
感覚的には、カルティエのパンテールに近しいものを感じますね。
気になるところが重さだと思われますが、ブレスも18Kなのでやはりケースだけの18Kよりは重いです。
ですが、ブレスも18Kでありながらも重たい!って感じはないんですよね。
貴金属のずっしりとした重さは感じられるのですが、それが程よい重さであり特段気になるようなレベルでもないのかなぁ・・・・といった感じですね。

手首周り16.5cmの私の着用で、バックル部分を最大に開いた状態で着用したらちょうどいいサイズなので、ほとんどの方はそのまま使えると思いますね。
あまりのコマが3つありますので、別途お支払い頂けましたら追加することも可能です。
そんな感じで、結構長いこと話してきましたがやっぱ作りが素晴らしい・・・・
この言葉に限りますね。
繰り返しになりますが、全てこの言葉に収まります。
イエローゴールドだけど、誰が着用してもダサくない。
それはやはりパテックフィリップがデザインして製造をしているからでしょう。