なぜ時計好きは新品ではなくヴィンテージウォッチを選ぶのか?
こんにちは、ベルモントルの妹尾です😊
今日は「なぜヴィンテージウォッチは現行時計より魅力的なのか?」というテーマでお話ししてみたいと思います。
最近は時計の性能もどんどん良くなっていますし、素材や精度という意味では、現行の時計の方が優れている部分も多いと思います。
それでも時計好きの方の中には、新しい時計ではなく、あえて何十年も前に作られたヴィンテージ時計を選ぶ方が少なくありません。
ではなぜ、多くの人が古い時計に惹かれるのでしょうか。
今日は、時計屋の視点から、ヴィンテージ時計ならではの魅力について、いくつかの視点でお話しして参ります。
この動画はですね、これからヴィンテージウォッチを購入しようかなと考えている方でも、難しい内容ではございませんので、すんなり入ってくると思います。
ぜひとも最後までご視聴くださいませ。
そもそもヴィンテージ時計とは何か?
まず最初に、「そもそもヴィンテージ時計とは何か」という点からお話ししてみたいと思います。
ヴィンテージ時計という言葉はよく聞きますが、実ははっきりとした定義が決まっているわけではありません。
一般的には、20年から30年以上前に作られた時計をヴィンテージと呼ぶことが多いですが、人やお店によってはもう少し古い年代のものだけを指す場合もあるし、10年前でもvヴィンテージっていう場合もあります。
弊社では30年以上前のものをヴィンテージって言ってますね。
ただ大切なのは年数そのものよりも、その時計が作られた時代の背景や価値観が残っているかどうかだと思いますね。
例えば1970年代や1980年代の時計には、その時代ならではのサイズ感やデザインがあります。
今の時計とは少し違った雰囲気があり、それが魅力になっていることも多いです。
またヴィンテージ時計は、すでに生産が終わっているものがほとんどです。
同じモデルであっても、新しく作られることはありません。
そのため、現行の時計とは違い、時間が経つほど数が増えることはなく、むしろ少しずつ減っていく存在でもあります。
このようにヴィンテージ時計というのは、単に「古い時計」というだけではなく、その時代に作られ、今も残り続けている時計を指す言葉でもあります。
まずはこの点を理解しておくと、ヴィンテージ時計の魅力が少し見えてくるのではないかと思います。
なぜ新品ではなく古い時計を選ぶ人がいるのか
一般的に考えると、時計は新しいものの方が良さそうに感じると思います。
精度も高くなっていますし、素材や防水性能なども進化しています。
機能だけで比べれば、現行の時計の方が優れている部分は多いと言えると思います。
それでも、あえてヴィンテージ時計を選ぶ人がいるのはなぜなのでしょうか。
ここには、単なる性能とは違う価値が関係しているように思います。
例えば時計をファッションとして考えると、必ずしも新しいものが一番魅力的とは限りません。
洋服でも、デニムやレザージャケットのように、長い時間を経て独特の雰囲気が生まれるものがあります。
時計もそれと少し似ていて、長い年月を経たことで生まれる雰囲気や存在感があります。
またヴィンテージ時計には、その時代にしか作られていないデザインがあります。
現在では作られなくなったサイズやバランス、文字盤の雰囲気など、現行時計とは少し違った魅力を持っているものも多いです。
こうした理由から、時計を単なる道具としてではなく、身につけるものや文化として楽しむ人にとっては、新しい時計よりもヴィンテージ時計の方が魅力的に感じられることもあるのではないかと思います。
現行時計にはないサイズ感の魅力
ヴィンテージ時計の魅力を語るとき、よく話題になるのがサイズ感です。
現在販売されている時計は、ケース径が40mm前後のものが多く、大きめのサイズが主流になっています。
視認性も良く、存在感もありますので、現代のスタイルには合っている部分もあります。
一方でヴィンテージウォッチを見ると、ケース径が34mmや36mmといった、今の基準からすると少し小さめのサイズの時計が多く見られます。
私の出自は骨董品屋さんなので、そもそも最初は腕時計には興味がありませんでした。
ですが、骨董品屋さんだから古い腕時計も扱いたいなぁ。ってことでヴィンテージと呼ばれるものから入っています。
要するに、腕時計の入り方が新品からじゃなかったんですよね。
となると新品を見た時にどう感じるかというと、まぁデカいね。ってなるわけですよ。
だから仕入れに行く時も、目に入る場所に新品の腕時計ってたくさんあるんですが、もうそのサイズ感を手で触れて持った時点で、そこから先をしっかり確認したい!って気持ちにはなりませんね。
いつも聞いてる方なら、何回も聞いてる話ですが、私の動画を初めて見る方もたくさんいらっしゃるので、補足しておきますが大きい時計も凄くかっこいいし、無骨で男らしいです。
私が身長180cmあれば、おっきい時計が良いですよ。って言ってるはずですからね。
話を戻しまして、その反面、このヴィンテージのサイズ感には、派手さとは違う落ち着いた魅力があります。
時計が主張しすぎることなく、さりげなく手元に収まるので、服装にも合わせやすいですし、長く使いやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。
また昔の時計は、サイズが小さくても文字盤のデザインやバランスがよく考えられているものが多く、全体としてとても美しく見えるものも少なくありません。
というか、今時、時間はスマホで見るのでそこまで視認性って必要ではないと考えております。
それよりも、デザイン性とか個性を表すアイテムとしての側面の方が強いと思いますね。
このように、現行時計とは少し違うサイズ感も、ヴィンテージ時計ならではの魅力の一つと言えると思います。
ヴィンテージ時計のデザインが特別な理由
ヴィンテージ時計を見ていると、現行時計とは少し違う雰囲気を感じることがあります。
もちろんブランドごとに特徴はありますが、全体としてデザインのバランスがとても美しいと感じる時計が多いように思います。
これは、当時の時計の作り方にも関係しているのではないかと思います。
現在の時計は、防水性能や耐久性、機能性など、さまざまな要素を考えながら設計されています。
その結果、ケースが少し厚くなったり、サイズが大きくなったりすることがほとんどです。
一方で昔の時計は、今ほど多くの機能を求められていないこともあり、ケースの厚みが薄かったり、全体のバランスがとてもシンプルにまとまっているものが多く見られます。
それぞれのパーツが小さいし、無駄な装飾が少なく、文字盤の配置や針の形なども含めて、全体のデザインがとても整っている時計もたくさんあります。
またヴィンテージ時計には、その時代ならではのデザインも多く残っています。
文字盤の色味やインデックスの形、針のデザインなど、現在ではあまり見かけないような個性的な要素が取り入れられていることもあります。
これらのデザインについては、ベルモントルの過去動画でたくさん腕時計を紹介しておりますので、是非とも他のもご覧くださいませ。
話を戻しまして、こうしたデザインの魅力も、ヴィンテージ時計が今でも多くの人に選ばれている理由の一つなのではないかと思います。
なぜ同じモデルなのに大きく価格差が開いてるの?
現行時計の場合、同じモデルであれば基本的には同じ仕様で作られています。
新品の状態では、どの時計もほとんど同じ見た目で、同じコンディションです。
もちろん、それは品質としてはとても良いことですが、ある意味では個体ごとの違いはあまりありません。
一方でヴィンテージウォッチは、長い時間を経てきた中で、それぞれ違う状態になっています。
使われ方も違いますし、保管されてきた環境も違います。
文字盤の色の変化やケースの状態なども、個体ごとに少しずつ違ってくることがあります。
また同じモデルであっても、年代によって細かな仕様が違うこともあります。
インデックスの形や文字盤のロゴ、針のデザインなど、よく見ると少しずつ違う場合もあります。
こうした違いを見つけていくのも、ヴィンテージ時計の面白さの一つです。
つまりヴィンテージウォッチは、「同じモデル」であっても、実際には一つ一つに個性があると言えるかもしれません。
よって、同じリファレンスの同じ型番の時計であっても、コンディションによって価格は平気で倍くらい違うことも普通にあり得ます。
なぜなら、40年経過しているのであれば、基本的には劣化しているのが当たり前だからです。
でも、時々ニューオールドストックでとても綺麗な状態で市場に出てくることがあります。
そうなると、一般的な価格の倍になったりするんですよね。
だから、ヴィンテージウォッチはコンディションと価格はトレードオフだというのを、頭の片隅にでも置かれててくださいね。
そして、その中から自分が気に入った一本を見つけるという楽しさも、ヴィンテージ時計ならではの魅力なのではないかと思います。
修理しながら使い続ける文化
ヴィンテージ時計の魅力を語るうえで、修理やメンテナンスの存在はとても大きなものだと思います。
今の多くの製品は、壊れたら買い替えることが前提になっているものも少なくありません。
スマートフォンや家電製品などは、数年使ったら新しいものに買い替えるという感覚の方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、現行型の腕時計も半分はそんな感じになっています。
ほとんどの部分を機械が作ってるので、故障した時にはパーツの交換をするとかではなくムーブメントをまるっと交換・・・・みたいな感じですね。
一方でヴィンテージの機械式時計は、考え方が違います。
内部には歯車やゼンマイなどの部品が組み合わさっており、定期的に整備を行うことで、長く動き続けるように作られています。
ロレックスやETAのムーブメントは、修理しながら使うことを目的に設計されているので、それぞれのパーツがとても堅牢に作られています。
特に、ロレックスはETAと比較してパーツがデカいし、厚く作られていますからね。
このように、腕時計の中のムーブメントがどういう風になっているのか、気になっている方もたくさんいらっしゃると思います。
弊社では、販売する前の腕時計のオーバーホールの映像を公開しております。そういった仕組みに興味のある方は、動画自体は1時間ほどありますが、非常にお勉強になる内容だと思いますのでぜひこれらの動画もご覧ください。
話を戻しまして、オーバーホールを行い、必要な部分を整備しながら使い続けることで、さらに長い時間を刻み続けることができます。
この「修理しながら使う」という考え方は、現代では少し珍しくなってきているかもしれません。
だからこそ、ヴィンテージ時計には独特の魅力があります。
時計をメンテナンスしながら使い続けていくという行為には、単に物を使うという以上の楽しさがあります。
長い時間をかけて付き合っていく道具としての魅力が、そこにはあるのではないかと思います。
ちなみに、愛着のある腕時計ほどオーバーホールから帰ってきた時には、とても感動する物ですよ。
現行時計とヴィンテージ時計は何が違うのか
ここまでヴィンテージ時計の魅力についてお話ししてきましたが、もちろん現行時計にも現行時計の良さがあります。
精度や防水性能、耐久性などを考えると、現在の技術で作られている時計の方が優れている部分も多いです。
日常的に安心して使えるという点では、現行時計はとても優れた道具だと思います。
一方でヴィンテージ時計は、性能だけを見れば現行時計にかなわない部分もあります。
しかしその代わりに、長い時間の中で生まれた雰囲気や、当時のデザイン、そしてその時計が持つ歴史といった、別の魅力を持っています。
要するに、アートと機能を天秤にかけた時に、ヴィンテージはアートの方が比重が重くなり、新品は機能の方の比重が重くなるかなぁ。と考えております。
つまり現行時計とヴィンテージ時計は、どちらが上かという関係ではなく、それぞれ違った魅力を持つ存在と言えるのではないでしょうか。
新しい時計には新しい時計の魅力があり、ヴィンテージ時計にはヴィンテージ時計ならではの魅力があります。
その違いを理解していくと、自分にとってどちらの時計が合っているのかも見えてくるのではないかと思います。
ヴィンテージ時計の魅力について、いくつかの視点からお話ししてきました。
精度や性能という意味では、現行の時計の方が優れている部分も多いと思います。
しかし時計の魅力というのは、必ずしも性能だけで決まるものではありません。
長い年月を経て生まれる雰囲気や、その時代ならではのデザイン、そして一つ一つ違う個体の表情など、ヴィンテージ時計には現行時計とは違った魅力があります。
また修理やメンテナンスをしながら長く使い続けるという文化も、ヴィンテージ時計ならではの楽しみ方と言えるのではないでしょうか。