売り抜けないほぼ未使用品の腕時計がなぜ中古市場に出てくるのか?
こんにちは。
ベル・モントルの妹尾です。
本日の動画では、売り抜けないほぼ未使用品の腕時計がなぜ中古市場に出てくるのか?
ということについて解説して参ります。
こちらの動画は映像がメインではありませんので、何かしらの作業をしながらラジオ感覚でご視聴くださいませ。
それでは早速やって参りましょう。
なぜ未使用品の腕時計が市場に出てくるのか?
つい3ヶ月前の動画で、カルティエの日本限定フランセーズが発売されました!
めちゃくちゃかっこいいですよね!
という動画を公開しました。
こちらまだご覧になってない方は、概要欄に入れておりますので気になる方はご覧ください。
そこからなんと2ヶ月が経過した5月には、その日本限定フランセーズを仕入れることが出来る状態にありました。
実際に手に取って見てみたのですが、すごくカッコよかったです。
これは私がこの前作った動画で分かりやすいお手本があったので、フランセーズを出しましたが、他のブランドでも出たばかりの新作が中古市場に出てくる事が良くあります。
じゃあなんでこんな事が起こるのでしょうか?
その原因を色々と解説して参ります。
まず1つ目に『思ってたんと違う』
というのがあります。
他の動画でも話しているのですが、腕時計は実際に腕に乗せてみての感じを見てから購入した方が、長く愛用することが出来ます。
お越しになるお客様も、これを目当てに来たんです!
っておっしゃってたのでが、実際の他の商品を見てみると『これもネットで見てたんですが、実際の時計は凄く良いですねぇ』
みたいな感じで、心変わりしてそのまま最初に思ってたのとは違う方をご購入される方は、結構な割合でいます。
これは私自身も強く感じる部分なのですが、画像で見てるだけではこれは仕入れることはないよねぇ。
でも、一応見ておくか。
って時計があるんですが、その中の50%で『これめっちゃ良いやん!』ってのに出くわします。
データとか数値では出てこない、アナログな部分なんだと思いますね。
話を戻しまして私も動画や写真で、こちらのモデルのサイズ感はこれくらいですよぉ。
的な話をして、出来るだけ動画と写真で魅力を伝えるよう努めているのですが、やはりそれだけでは限界があります。
どれだけそれらを見ていても、その時計の質感とか、表現できない色とか、腕に載せた時の雰囲気までは、分かりませんのでやはり実際に見た時にときめきを感じるのが腕時計だと思いますね。
そういった腕時計なので、ネットでの写真や動画を見て実機を見ずに購入したら、届いて開け見た時に『あれ。思ってたんと違う』となってしまうんですよね。
一回そうなってしまったら、そもそもその時計を手元に置いててもなんかモヤモヤするし、出来ることなら早く次の時計の購入資金として現金に変えておきたい。
そういった感じで、時計が実際に販売される前に予約してしまったりや、実際の商品を見ないで購入してしまった場合に、すぐに中古市場に時計が出てくるという現象が起きます。
では2つ目の原因を見てみましょう。
2つ目はマラソン疲れです。
誰もが一度は、ロレックスマラソンという言葉を聞いたことがあると思いますが、要するにロレックスのブティックに何度も何度も通い、スタッフと親密な関係を築いて信頼を得た時に、裏からロレックスの腕時計をこっそりと紹介して貰えるというアレですね。
そもそもなんでみんながマラソンするのかと言いますと、その欲しい時計を購入するためには、スタッフと仲良くなるのが1つの目的ではあるものの、優良顧客になりたい!
というのがあるからです。
優良顧客として認識してもらうために、1番手っ取り早い方法はみなさま既にご察しの通り、時計を買うことです。
例えば、1番欲しい時計があったとして、でもそれは誰もが欲しいモデルであって、自分が買えるかどうか分からない。
そんな時に、この時計を買ってこの時計も買って、こっちの時計まで購入すれば、優先してご希望の時計を回しますね。
って感じで、自分が欲しいわけでもない時計を買いまくって、やっと購入できる権利をもらえるって感じなんですね。
ここで面白いのが、購入できるかもしれない権限ってところです。
売り手が、もうちょっと抜けそうだと思えば
『実はほぼ別のお客様にお譲りするのが決まっていたのですが、こちらの超高額モデルをご購入されましたら、確実に〇〇様に購入権を譲渡できます』
みたいな感じで、もうここまで来てしまったら、引き返そうにも引き返せないところまで来てるので、仕方なく購入してしまうパターンも多いと思われます。
こういった感じで、どんどん優良顧客になっていくことで、その時計を購入できるようになります。
これはスタッフの方から言われることもあれば、自発的に優良顧客になる場合の2パターンがあり、やはり最初は自発的に優良顧客になって、優良顧客ランキングベスト3くらいに入った時に、スタッフから声がかかるって感じでしょう。
これはロレックスだけではなく、他のお高い時計ブランドであれば大体同じような現象が起こっています。
令和において、この販売が通用してること自体が凄すぎますが、要するに売り手が超絶有利な立場にあるんですね。
そのような感じで、1番欲しい時計を購入するまでに購入してきた、それまでの欲しくない3本はどうなるかというと、売ってしまおう。
となるわけです。
ただしですね、これを誰もがやればどんどん中古市場にそれらの時計が溢れてしまいます。
そうならないために、ブランド側も十分に理解しているので、
『時計を売ったら、優先してお譲りできないかもしれません。』
的な話になります。
となると買った方も、そう簡単には売れないので手元に置いておくことになります。
それでも中古市場に、ほぼ未使用品が出てくるのは、マラソンに疲れる人が一定数出てくるからです。
誰もが約束を守れるくらい最強のお金持ちだったら、別にタンスの中に眠ったままでもなんとも思わないでしょうが、ギリギリ頑張って購入した人たちもいます。
ギリギリで購入されてる方々は、急な出費が発生した時にはそれらの時計を手放して、現金に変えないといけません。
そもそも時計を買って売るというのは自然な流れであり、売ってはいけないといけないというのはブランドとの約束であって、別に犯罪でもなんでもありません。
そうなった時に、時計じゃなくて生活のほうが大切だ!
と気がついて、時計を売るという流れになり、新しい時計であっても中古市場に流れてくるんですね。
もう中古として売ってしまっているので、いずれはブティックにもバレて優良顧客ではなくなってしまうのでしょうが、そうなってる時点でマラソンに疲れてるはずですし、次を買う必要もないから売ったのだと思いますので、それはそれで肩の荷が降りたって感じではないでしょうかね。
この裏事情については、ひろゆきさんという漫画家の方が全く腕時計に興味がない状態から、超高級腕時計を購入するまでの話をまとめてあるこちらの
で詳細に解説してありますので、こちらを一読して頂ければと思います。
実際の経験則に基づいてのことを小説にして記載されておりますので、非常にリアルな描写ですし、小説とはいっても全部で1時間くらいで読み終わるので、とても話が入りやすいですのでおすすめです。
ではこのことについて私はどう思うかと言いますと、売り手も買い手もそういうもんだろうなぁ。
ってなんとなく分かっていれば、問題ないと考えています。
売り手が超絶有利に働いていて、それを利用してどんどん買わせていく方法は私の価値観にはあってませんし、それはいずれ自然消滅すると考えているのですがそれは私の個人的な考えであって、買い手がそれを了承して買っているのであれば他人がどうこう言う問題でもないと思います。
凄く大変そうな世界のように見えてしまいますが、本人がマラソンやってる時を楽しんでいたり、自分のステータスが上がって行ってることに満足してるのであれば、それはそれで腕時計を通した楽しい人生だと言えるでしょう。
その反面、マラソンしんどいなぁ、とかなんで俺こんなことやってんだろう・・・みたいな感情が湧いてるのであれば、それは腕時計を通して充実した人生を送れてないと言うことになります。
腕時計もですね、低価格から高価価格、マイナーブランドから有名ブランド、ヴィンテージから、ネオヴィンテージから、最新モデルなどなど星の数ほどあるのに、ほんの一部のカテゴリーしか見えてないことが良くあります。
高い時計が良い!とか人がこう言ってるからこの時計が良い!
って判断基準だと、自分が本当に欲しい時計とか、自分と相性の良い時計に出会いにくくなってしまいます。
腕時計というジャンルを一歩引いて見てみて、ここのカテゴリーが自分の好みや価格と相性が良さそうだなぁ。
そう思えるカテゴリーに出会えることが、大切なのかなぁと考えています。
誤解が出ないようにお伝えしておくと、新品の売り方にちょっと問題があるのかなぁと思いますが、ロレックスもパテックなどの世界3大時計ブランドも大好きです。
全てが正しく、全てが平等であれば良いのでしょうが、この動画をご覧になってる方はもう人生経験が長いと思われますので、理想通りにいかないことくらい充分ご存じだと思います。
最新の情報を取得したり、裏をかいたり、根回しをしたりして自分の求める理想を手にすると言うのは、現実社会では一般的なことです。
たかが時計、されど時計ではありませんが、時計に対して熱量が高い人は、その時計に対して時間も労力もおしまいでしょうし、それをモチベーションとして頑張ってあるのかもしれませんね。
と言った感じで、ほぼ使用されていない腕時計が中古市場に流れてくる理由について解説致しましたが、今日のこの動画が・・・