同じ金無垢でも、派手に見える腕時計と上品に見える腕時計の違い
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日の動画では「同じ金無垢でも、派手に見える腕時計と上品に見える腕時計の違い」という内容で解説して参ります。
金無垢の腕時計というと、どうしても「派手」「目立つ」という印象を持つ方もいらっしゃると思います。
確かにステンレスと比べれば色がありますし、光を受けた時の存在感も強くなります。
ただ、実際にいろんな金無垢腕時計を見ていると、同じイエローゴールドでもかなり印象が違います。
ケースサイズ、厚み、仕上げ、文字盤、ブレスレット、そして腕時計全体のデザインによって、金無垢の見え方は大きく変わります。
では、金という同じ素材を使いながら、なぜここまで雰囲気に差が出るのでしょうか。
今回は金無垢腕時計の高級感を考えるうえで重要なポイントを、4つの視点から掘り下げて参ります。
それでは話を進めて参ります。
金無垢の印象を大きく左右するのは「金色が見える面積」
まず最初に見ておきたいのが、腕元でどれだけ金色が見えているかです。
金無垢腕時計の印象を大きく左右するのが、腕元にどれだけ金色が見えるかです。
分かりやすいのがケースサイズです。
ケース径が大きくなれば、当然正面から見える金の面積も増えていきます。
さらにこれは案外見逃されがちですが、ケースに厚みがあれば、横から見た時にも金色がしっかり見えるため、腕元での存在感はさらに強くなります。
反対に、ヴィンテージの金無垢腕時計には30mm前後の小さなケースや、非常に薄いケースが一般的です。
素材としては18Kイエローゴールドをしっかり使っていても、腕元に占める面積そのものが小さいので、金無垢特有の強さが自然に抑えられます。
カルティエのタンクルイカルティエなどは分かりやすいですよね。
イエローゴールドのケースであっても、ケース自体が薄く、正面から見ると文字盤の白が大きな割合を占めています。
そのため「金色の塊」という見え方にはなりにくく、最初に目に入ってくるのは金そのものよりも、角形ケースの輪郭や文字盤のデザインです。
ここが非常に重要なんです。
上品に見える金無垢腕時計では、金という素材が最初に主張するのではなく、まず腕時計としての形が見えて、その後から素材の良さに気付くことがあります。
一方で、ケース径が大きく、ベゼルも太く、ブレスレットまで全面的に金無垢となれば、腕元に占める金色の割合は一気に増えます。
これは決して悪いことではなく、華やかさを求めるのであれば大きな魅力です。
ただし、「控えめな金無垢」を求める場合には、素材だけではなく金色がどこまで露出しているかを見る必要があります。
もう一つ影響するのがベゼルの幅です。
同じケース径でも、文字盤が大きくベゼルが細いモデルと、幅のある金無垢ベゼルを持つモデルでは、正面から見た印象がかなり変わります。
ブレスレットについても同様ですよね。
金無垢ケースに革ベルトを合わせると、金色は基本的に手首の中央だけに集中します。
一方で金無垢ブレスレットの場合には、手首の左右まで金色が続いていきます。
もちろん、金無垢ブレスはダメって言ってるわけではないですし、私はいつか金無垢ブレスの個体を欲しいと考えています。
何が言いたいかというと、同じ18Kイエローゴールドでも、腕元全体に占める金の割合が違えば、当然見え方も変わるということです。
ですので、金無垢腕時計を見た時には、単純に「金だから派手」と判断するのではなく、一度腕に載せてみるのが一番分かりやすいと思いますね。
ケース径、厚み、ベゼル、ベルトまで含めて、腕元にどれくらい金色が見えているのか。
自分がどこまで許容できるのか。
ここを見るだけでも、派手に見える金無垢と上品に見える金無垢の違いがかなり見えてくるはずですね。
では次に、同じ金でも「光らせ方」で雰囲気は大きく変わる!という内容で解説して参ります。
同じ金でも「光らせ方」「光り方」で雰囲気は大きく変わる
二つ目は、金の表面をどのように仕上げているかです。
ここはもう腕時計をコレクションしてある方なら、とっくに知ってる話だと思いますが、そんな方は色の部分をメインに聞いて頂きたいです。
金無垢腕時計の印象は、色だけで決まっているわけではありません。
実際には、その金属が光をどのように反射するかによって、かなり見え方が変わります。
分かりやすいのが鏡面仕上げです。
きれいにポリッシュされた金は、光を受けると強く反射します。
金そのものに色がありますから、ステンレスの鏡面仕上げよりもさらに華やかな印象になります。
そのため、ケースだけでなくベゼルやブレスレットまで広い面積が鏡面仕上げになっていると、腕を少し動かしただけでも金色の光が大きく動きます。
これは金無垢ならではの魅力でもあります。
ただ、高級感という観点では、必ずしも全部を光らせれば良いわけではありません。
むしろ上品に見える金無垢腕時計では、光を強く返す部分と、少し抑える部分が使い分けられていることがあります。
たとえばケース側面は鏡面でも、文字盤側から見える面積は抑えられていたり、ブレスレットに細かなヘアラインが入っていたりしたり、文字盤そのものに梨地のような細かな質感を持たせることで、ケースの光沢とのコントラストを作る場合もあります。
こうすると、腕時計全体が一度に光るのではなく、角度によって一部分だけが光ります。
結果として金無垢でありながら、少し静かな見え方になります。
ヴィンテージ腕時計では、この光の違いがさらに魅力が深まります。
長い年月を経た金無垢ケースには、新品の鏡面仕上げとは違う柔らかな光り方が出ている個体があります。
新品のサテン仕上げのマットな感じではなく、ヴィンテージならではの色味が入ります。
18Kのイエローゴールドはその名の通り、イエローゴールドです。
ですがヴィンテージの18Kモデルは、全部が全部そうではありませんが、ブロンズ色です。
ここでとっくに知ってるよ!の方々に共感して欲しいのですが、18Kイエローゴールドのヴィンテージの魅力ってブロンズ色じゃないですか。
ご存知の通り、金という素材は錆びません。
ですが18Kはその他にも、割り金(わりがね)として銀と銅が含まれています。
そしてこれらの素材は、酸化します。
24Kのうちの6が酸化することで、ベースの18Kイエローゴールドの色味は残しながら、少しだけ燻し(いぶし)が入ることで、重厚感と芸術性がグッと深まります。
元々主張の強い18Kイエローゴールドが、燻されることでブロンズ色に代わり、さらにそこから経年の擦り傷が入ることで、かなりの落ち着きが生まれるんですよね。
ここがヴィンテージの最大の魅力だと思います。
もちろん傷が多ければ多いほど良いという意味ではありません。
細かな使用感によって光の反射が少し穏やかになり、新品とは違った雰囲気になるということをご理解して頂くのがこのパートでの1番の目的になりますね。
では次に、金無垢を上品に見せるのは、文字盤とのバランス!という内容で解説して参ります。
金無垢を上品に見せるのは、文字盤とのバランス
三つ目は文字盤です。
ここは金無垢腕時計を考えるうえで非常に重要だと思います。
なぜならケースが同じイエローゴールドでも、文字盤が変わるだけで腕時計全体の印象がかなり変わるからです。
たとえば金無垢ケースにシャンパン系の文字盤を合わせると、ケースから文字盤まで金色のトーンが続きます。
さらに金色のインデックスや針を組み合わせれば、腕時計全体に統一感が生まれます。
これは金無垢らしい華やかさを強く楽しめる組み合わせです。
そして男性が1番好きな組み合わせが、黒文字盤でしょう。
黒文字盤とイエローゴールドでは、煌めきと引き締め効果の色味であるために、相乗効果が生まれ互いが互いを引き立ててくれますよね。
一方で、最も組み合わせが多いように感じられるのが、白文字盤やシルバーであり、これらが組み合わさると、爽やかな印象を作り出しながら、金色の面積が視覚的に分断されますので、嫌味も出ません。
文字盤という大きな面が明るい無彩色に近くなることで、金がケースの輪郭として見えるようになります。
結果として、同じイエローゴールドでも少し軽く見えるんですよね。
ヴィンテージカルティエが上品に見える理由の一つも、ここにあると思います。
白系の文字盤に黒いローマ数字、ブルースチール系の針、そしてその周囲をイエローゴールドのケースが囲む。
金色だけで構成しているわけではなく、白、黒、青、金という複数の要素が組み合わされています。
そのため、最初に「金無垢」という情報だけが飛び込んでくるわけではありません。
文字盤のデザインがしっかり存在しているからこそ、金はその輪郭として機能します。
さらに、インデックスや針の太さも関係します。
金無垢ケースに太いゴールドインデックス、太いゴールド針、太いベゼルまで組み合わせると、当然ながら金の印象は強くなります。
反対に細いインデックスや針を合わせれば、金色を使っていても視覚的な重量感は抑えられます。
つまり、上品に見える金無垢腕時計というのは、金を減らしているというより、金以外の要素とのバランスを取っている場合が多いんです。
これはサイズにもつながります。
小さなケースに細い針、余白のある文字盤を合わせると、金無垢であっても全体に余裕が生まれます。
反対に、大きなケースの中に太いインデックスや複数の表示が詰め込まれていると、情報量そのものが増えるため、金無垢の存在感と重なってより強い印象になります。
どちらが優れているという話ではありませんよね。
華やかさを楽しみたい方もいれば、金無垢だけれど日常で自然に着けたい方もいらっしゃいます。
重要なのは「18Kだからどう見えるか?」ではなく、ケースと文字盤も含めて一つのデザインとして見ることだと思います。
金無垢腕時計を選ぶ時には、ケースの素材表記だけを見るのではなく、文字盤を含めた正面全体を少し離れて見てみる。
そうすると、自分が金無垢を強く楽しみたいのか、それとも腕時計全体の中に自然に金が入っている方が好きなのかが、かなり分かりやすくなると考えております。
では次に、金無垢は、腕に着けた瞬間に印象が変わる!という内容で解説して参ります。
金無垢は、腕に着けた瞬間に印象が変わる
店頭でお客様とお話ししていると、金無垢の腕時計に興味を持っていても、「自分には少し主張が強すぎる気がします」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。
それも20代の方だけではなく、40代、50代のお客様から言われることもあります。
ただ、私は40代くらいになってくると、むしろ男性は金無垢の腕時計が自然に似合いやすくなってくると思っています。
もちろん年齢だけで決まるものではありませんが、若い頃と比べて服装も少し落ち着きますし、顔つきや雰囲気にも年齢なりの深みが出てきます。
そうした中に金無垢の腕時計を一本入れても、腕時計だけが極端に浮くということは意外と少ないんですよね。
ですので、「金無垢は派手だから自分には無理」とおっしゃるお客様には、私はまず一度腕に載せてみてくださいとお伝えしています。
実際に着けていただくと、「やっぱり私には主張が強い気がします」って方もいらっしゃれば、「思っていたより普通ですね」と言われることもあります。
なぜこうなるかというと、金無垢の腕時計をショーケースの中で単体で見ている時と、自分の腕に着けた時では、見ている環境がまったく違うからです。
ショーケースの中では、周囲に肌も服もありません。
腕時計だけを見ていますから、当然金色が強く目に入ります。
特に照明の下では金がきれいに反射するので、余計に「これは自分には派手かもしれない」と感じやすくなります。
ところが腕に載せると、そこに肌の色が入り、シャツやジャケットなども一緒に視界に入ってきます。
そうすると金無垢も単体の金色ではなく、その方の服装や雰囲気の中の一要素として見えるようになります。
さらに普段、腕時計というのは真正面からずっと眺めているわけではありません。
腕を下ろしていれば斜めから見えますし、長袖であれば袖口から少しだけ見える時間の方が長くなります。
この状態になると、ショーケースで感じた「金無垢の強さ」はかなり和らぎます。
ここで一つおすすめしたいのが、腕に着けた後に腕時計だけを見るのではなく、鏡で全身を見てみることです。
いつもの時間を確認するポーズのような感じで、腕元を30センチくらいの距離で見ると、どうしても金色が強く見えます。
しかし鏡越しに少し距離を取ると、「意外とこれくらいでちょうどいい」と感じることがあります。
特に40代以降の男性の場合、私は金無垢を必要以上に怖がらなくてもいいと思っています。
むしろステンレスでは少し物足りなく感じる服装の時に、金無垢が入ることで腕元にちょうど良いアクセントが加わることもありますからね。
もちろん、金無垢だから40代になったら着けるべきだという話ではありません。
ただ、「金無垢は派手な方が着ける物」「自分にはまだ早い」というイメージだけで選択肢から外してしまうのは、少しもったいないんですよね。
おそらく多くの場合、その印象は実際に着けた経験ではなく、金無垢という言葉から作られたイメージです。
昔の成金が金無垢を使ってたことによる、なんとなく嫌だなぁ・・・・・ってイメージです。
ですので、少しでも気になる一本があれば、まず腕に載せてみる。
そこで初めて、その金無垢が本当に自分には強すぎるのか、それとも意外なほど自然に馴染むのかが分かります。
金無垢という素材は、眺めて判断する物と、実際に身に着けて判断する物で、かなり印象が変わる素材だと思いますよ。
腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。
その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。
店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。
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