腕時計においてクオーツウォッチという選択はアリなのか?
こんにちは、ベルモントルの妹尾です😊
本日の動画では、『腕時計においてクオーツウォッチという選択はアリなのか?』という内容でお話しして参ります。
女性の方であれば、特に何の迷いもなくクオーツを選ばれるでしょうし、抵抗感なんてないと思われます。
実際に時刻を合わせる必要もありませんからね。
ただし、男性の場合だとやはり比較対象に機械式が出て来ますので、そうなってくると機械式の方がいいかなぁ・・・って方も結構いらっしゃると思います。
というわけで今回はクオーツ時計の実際と、価値についてをメインにお話して参ります。
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それでは早速やって参りましょう。
クオーツウォッチはアリなのか?
結論から申し上げますと、クオーツウォッチはアリですね。
クオーツだからといって、時計としての役割を果たせない訳ではありませんし、機械式よりも精度は出ますからね。
ただ一言にありだとは言っても、そこにはいろんな角度から見ていく必要があります。
それらを上げていくと
1つ目は時計としての動作
2つ目は価値
3つ目は寿命
大体この3つの側面から、クオーツウォッチは微妙だと捉えられているのだと考えられます。
ではですね、それぞれを分解して見てみましょう。
まず1つ目の時計としての動作なのですが、機械式時計は一般的にはスイープ運針で動きますが、クオーツウォッチのデフォルトはステップ運針です。
私は時計として形になっていればどっちでも良いのですが、ステップ運針があんまり好きではない人も一定数いらっしゃいますよね。
これはおそらく、家のどこかにかけている大きい時計があると思うのですが、それがステップ運針で動いてるのを見て、クオーツの動きが連想されるからだと考えています。
あの家のどこかにかけてある時計が、クオーツの象徴なので腕時計でもそれと同じ動きをするのが嫌ってことでしょうね。
となるとステップ運針が苦手な方は、機械式だけになってしまいそうですが秒針がないモデルを選ばれても良いですよね。
例えば、カルティエの時計なんかは結構、秒針がないものがありますしこの秒針の動きというところにフォーカスを当てるのであれば、表面からは機械式で動いてるのか、クオーツで動いているのかは分からないでしょう。
まずこのステップ運針についての見方は、気になる方は秒針がないモデルを選ぶのが理想的という答えになりますね。
では2つ目の価値を見ていきましょう。
クオーツウォッチに価値はあるのか?
腕時計に資産も取り込んで考えてある方は、結構重要な要素だと思われますが、クオーツウォッチの価値について私なりの考えを話していきます。
一般的にはクオーツウォッチよりも、機械式時計の方が価値が高いと認識されています。
しかし、これは機械式というカテゴリーが存在するから、それとの比較によって下げられているだけであり、クオーツにも価値があり価格も上昇しています。
ロイヤルオークにも、ノーチラスにも他にもいろんな代表モデルのクオーツが存在しますが、クオーツに価値がないのであればそもそも値上がりはしていくことはありませんよね。
このチャンネルをご覧になってる方は、カルティエが好きだと思いますのでカルティエのクオーツを例に上げてみていきましょう。
例えば、現在こちらのサントスガルベLMサイズ クオーツモデルの大まかな値段は62〜70万円程度かなぁ・・・といったところです。
ちなみに、直近の仕入れ金額もまた上がってたので、その分が反映されるはずですので、70近くまで行くのではなかろうかと考えています。
ただし、8月くらいはまだ55万円程度でした。
よって、相場は上がっています。
クオーツに価値がないのであれば、普通に考えれば相場は上がっていかないはずなのですが、実際には上がっているという現実があり矛盾していますよね。
ということは、クオーツにも価値があると解釈していいと思います。
しかし、クオーツが相場を牽引するということではないです。
分かりやすく言うと、サントスガルベであればまず最初に自動巻モデルの相場が上昇し、それに引っ張れる形でクオーツの相場が上昇している・・・と考えるべきでしょう。
それを反映しているのが、クオーツと自動巻の価格差です。
先ほど8月のクオーツの値段は55万円程度でした、と話しましたがその時の自動巻モデルは75万円程度でした。
このクオーツと自動巻には、大体20万円程度の開きがあるってことですね。
この20万円が機械式とクオーツの価値の差と考えるのであれば、そこまで言うほどクオーツの価値は低くないとも考えられますよね。
これが60%ダウンくらいの差が出ていれば、クオーツは使い捨てだから仕方ない、でまとめれそうなのですがそうではないというはここからでも分かります。
このように、そのモデルの本来の価値を作り出しているのは、あくまでも機械式モデルでありますが、それをベースにクオーツの価値も引き上げられており、一定の価値を与えられていると考えるれば納得がいくのかなぁ、と言った感じですね。
では3つ目のクオーツウォッチの寿命について解説して参ります。
クオーツウォッチの寿命について
クオーツウォッチの寿命は機械式時計と比べれば、やはり短いと言わざるを得ません。
おそらく、我が家のエアコンは1970年代製のものですって方は、ほとんどいないと思います。
なぜなら、それは家電であり家電はいつか壊れるものだからです。
クオーツウォッチもそれを分解すると、ムーブメントの部分は家電であり、外装の部分が時計なので全体の50%は家電です。
いつかは壊れるし、誰もがそれを理解しているから、クオーツよりも機械式を選ぶのだと思います。
機械式であれば、ちゃんとオーバーホールをしていれば100年は使えますし、1970年代以降に作られたものであれば、100年以上使えるはずです。
そんな感じで、機械式と比較すればやはりクオーツは敵いません。
ではここで問題になってくるのは、クオーツが壊れると言うのはどんな現象のことを表すのか?
と言うことです。
先ほど家電を例えに挙げましたが、家電はクオーツウォッチとは比較にならないほどの部品で組み立てられています。
クオーツウォッチは超簡単に分類すると
・水晶管
・クオーツIC
・ コイル
この3つのパーツであり、これらのパーツが回路基板に乗っているだけです。
この辺の詳細については、こちらの動画で解説していますので、気になる方はこちらの動画もご覧ください⬇️
話を戻しまして、今まで色々とクオーツのムーブメントについて工房の方と話して来たのですが、案外これらのパーツの寿命って長いんですよね。
と言うのも、メインで動いているのは歯車であり、これらのパーツってのは電気信号を出しているだけだからです。
よって、クオーツウォッチも正しく扱っていれば、そう簡単には壊れることはありません。
ではクオーツウォッチを一番ダメにしてしまう扱い方は何かと言いますと、これが電池が切れた状態での放置ですね。
時計に関わらず、人生のうちで1度は目にしたことがあると思われますが、電池切れのまま放置しているものを久しぶりに開けたら、液漏れして粉を拭いて液が固着していますよね。
これがクオーツウォッチを壊している原因であり、逆にこれ以外の要因ではあまり考えられません。
なんとなく分かると思うのですが、液漏れしたものが回路基板に侵入し、基板の全てを破壊してしまうからです。
ですので、クオーツウォッチを正しく扱う一番の方法は、電池が切れた時にとりあえず電池を抜いておくことなんですね。
オーバーホール面倒だなぁ・・・とか、またここでお金かかるのかぁ・・・みたいな考えもよぎると思うのですが、ミスターミニッツとかに持っていって先に電池交換だけ済ませておくと、クオーツでも長持ちさせることが出来ます。
ではもう一歩、話を進めまして、とは言っても、やはり電子機器の組み合わさりなので、電気信号を送るだけの作業であってもいずれ壊れます。
クオーツウォッチというのは先ほども説明した通り、簡単な作りになっているので、壊れた時の対応もどこかのパーツを交換するとか、修理するという感じではありません。
どんなことをするかと言いますと、丸っと交換と言う作業になります。
先ほどの液漏れの時の対応と一緒になるのですが、これはもう回路基盤を全部交換しないことには、復旧できないんですよね。
そして、これがあるのであればクオーツウォッチであっても、蘇らせることが出来ます。
逆に、クオーツウォッチの本当の寿命ってのは、そのモデルに合う回路基盤がなくなった時だと言えるんです。
ただし、この回路が結構厄介なんですよね。
リシュモンの場合なのですが、メーカーがここを囲っているので、この電子機器というのは日本では供給していません。
日本ではの話なので、海外ではどうか分かりませんが、そのことによって街の時計屋さんに持っていったとしても、回路が壊れてる場合は修理してもらえないことがほとんどです。
私が依頼している工房では、それを入手するルートを持っているのでしっかり対応させて頂いておりますが、時計が壊れてしまった場合はメーカーに出すことになると思われます。
カルティエの対応としては、そういった回路が壊れている個体については、中のムーブメントを丸っと最新型に交換してくれるそうなので、クオーツであったとしてもお金を払えば蘇らせることは可能なんですね。
と言った感じで、クオーツウォッチについて色々話をして来ましたが、一番大きな引っ掛かりは、やっぱり壊れた時に使い物にならなくなったらどうしよう・・・って部分だと思うんですよね。
機械式も同じなのですが、機械式の場合はオーバーホールすれば大体は復活してくれますが、クオーツって案外そこらへんの情報って出てないじゃないですか。
そのことによって、結構不安を感じる方も多いのかなぁと考えています。
クオーツウォッチの構造を正しく認識して、本当の寿命はそのパーツ(言い換えると回路基板)のストックが入手できなくなった時である。
と分かっていれば、クオーツを持つことはそこまで不安に感じないのではないかなぁ・・・と思いますね。
最後に告知なのですが、12/14〜15日(土日)で中目黒駅と祐天寺駅の近くでポップアップストアを開きます。
住所はこちらですね。
アクセスが気になる方は、アクセスの動画も概要欄に入れておりますので、そちらも一緒にご覧くださいませ。
現在私のところで並べている時計は全部持っていきますので、気になる商品がございましたら、お気軽にお越しくださいませ。