腕時計は『単体の格好良さ』より『着けた時の格好良さ』が大事な理由
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日の動画では「腕時計は『単体の格好良さ』より『着けた時の格好良さ』が大事な理由」という内容で解説して参ります。
腕時計を選ぶ時、多くの方が最初に見るのは、その腕時計単体の格好良さだと思います。
特に腕時計をこれから買いたい!って方ほどこの表面のかっこよさに惹かれてしまうはずです。
SNSを見てる時に、時々流れてくる商品映像や写真を見て、
現代的で洗練されててかっこいい。
ブレスレットにも存在感がある。
そうやって気になる一本を探していきます。
もちろん、それ自体はまったく間違っていません。
ただ、実際に腕時計を何年も使っていくことを考えると、それ以上に大切なのが「自分が着けた時にどう見えるか」です。
腕時計はショーケースの中で使う物ではありません。
腕に着けて、服装の中に入り、自分の体格や雰囲気と一緒になって初めて完成します。
だから、腕時計単体ではものすごく格好いいのに、自分が着けると何となくしっくりこないこともあります。
逆に、単体で見た時には少し地味だった腕時計が、腕に載せた瞬間に驚くほど格好よく見えることもあります。
今回は、この「腕時計単体の格好良さ」と「着けた時の格好良さ」の違いについて、ベルモントルの妹尾さんと一緒に考えていきましょう。
それでは話を進めて参ります。
腕時計単体で見ると「強いデザイン」が魅力的に見えやすい
まず、腕時計を商品として見る時のことを考えてみます。
要するに腕時計という物体を見るということです。
それはどんな感じかと言いますと、
ショーケースの中に並んでいる腕時計を見る。
インターネットで商品写真を見る。
YouTubeの動画で腕時計だけが大きく映っている。
こういう状態では、どうしてもデザインの強い腕時計に目が行きやすくなります。
それは
ケースが大きい。
ベゼルに存在感がある。
文字盤に立体感がある。
ブレスレットが太い。
金無垢で華やか。
こういった腕時計は、単体で見た時に非常に分かりやすい魅力があります。
特にスマートフォンの画面では、実物よりも腕時計が大きく、煌びやかにデフォルメされて表示されます。
そこで見ているのは、基本的には腕時計だけです。
いや、腕時計しか見えてない!と表現した方がいいかもしれませんね。
どういうことかと言いますと、6枚目くらいに外人が着用している写真が入っていますが、それらはどっちかっていうとおまけで、ほとんどの人はそれは目に入ってないと思います。
というか、他人が着用している姿を見てもなかなか自分が着用しているイメージを作ることは難しいですからね。
そうすると、まずはそこは置いといて、腕時計そのもののデザインが強いほど「格好いい」と感じやすくなります。
ただ、実際に購入した後は、その腕時計だけを眺めて生活するわけではありません。
腕に着けて、Tシャツを着て、ニットやジャケットを着る場合もあります。
そして腕時計は、自分の体の中ではかなり小さな面積しかありません。
ここで初めて、商品写真では見えていなかった部分が出てきます。
腕時計単体では完璧に見えたのに、着けてみると腕元だけが強く感じるとか、逆に、ショーケースでは少し物足りなく見えた腕時計が、実際には非常に自分にフィットしている!などなど。
こういうことは普通にあります。
特に高級腕時計を選ぶ時は、商品そのものの完成度が高いので、「腕時計が格好いいかどうか」だけで判断しやすいんですよね。
でも本当に長く使うのであれば、その次の段階まで見た方がいいと思います。
大切なのは、
「この腕時計は格好いいか」ではなく、「この腕時計を着けた自分が格好よく見えるか」
ということです。
この2つは似ているようで、かなり違います。
ではここをもうちょっとしっかりと理解するために、次に着けた瞬間に重要になるのは、ケース径より「自分との比率」!という内容で解説して参ります。
着けた瞬間に重要になるのは、ケース径より「自分との比率」
では実際に、自分の腕にはどのくらいの大きさが合うのか?という話をしていくのですが、一般的には、日本人男性の標準的な手首周りとして、だいたい16〜17cm前後が一つの目安として使われています。
このくらいの手首であれば、ケース径はおおよそ36〜40mm前後が自然に収まりやすいサイズとして紹介されることが多いです。
もちろん、これは絶対的な正解ではありません。
手首の形も違いますし、同じ40mmでもラグの長さやケースの厚み、文字盤の大きさによって見え方は変わります。
ただ、一つの基準として考えると、日本人男性の体格に対して34mmや36mmというサイズは、決して小さいわけではないんですよね。
なんなら、昔の欧米の人たちは30mm代前半の腕時計を着用していたわけで、私もそれくらいでも全然いいと思っています。
それでも実際に腕時計を選ぶ場面では、
「男は黙って40mm以上でしょう」
とか、
「周りも大きな腕時計を着けているから、俺もそのサイズが似合うはず」
と考える方は、まぁまぁいると思います。
だから、その腕時計を見て「これくらい存在感があった方が格好いい」と思うのは自然なことです。
ただ、そこで一度考えてみてほしいんですよね。
その腕時計単体が格好いいことと、自分が着けた時に格好いいことは、本当に同じなのか。
ということをですね。
例えば手首周りが16cmくらいの方が、かなり大きく厚みのある腕時計を着ければ、当然腕時計の存在感は強くなります。
でも、それが自分の体格の中に自然に収まっているかというと、また別の話です。
腕時計だけが先に目に入ってしまうこともあります。
逆に36mmや38mmくらいの腕時計を着けてみると、単体では少し小さく感じたのに、実際には腕元にきれいに収まることがあります。
だからいつも話していますが私は、「男性だから何mm以上」という決め方よりも、まず自分の手首や体格に対してどう見えるか?を一度確認した方がいいと思います。
周りの人が大きな腕時計を着けているから、自分も同じ大きさを選ぶ必要はありません。
ただし、最後はここが一番大切です。
自分でデカ厚腕時計を着けてみて、
「やっぱりこの存在感が好きだ」
「多少大きく見えても、この腕時計を着けたい」
と思うのであれば、それでいいと思います。
腕時計に絶対的な正解があるわけではありませんし、答えを持ってるのは自分だけですからね。
それを選んだ理由がしっかりしていればしているほど、購入後はかなり長く愛用していけると思いますね。
では次に、本当に格好いい腕時計は、服装の中に入った時に完成する!という内容で解説して参ります。
本当に格好いい腕時計は、服装の中に入った時に完成する
これまでの話を踏まえて、私の考えをお話しします。
腕時計には2つの考え方があると思っています。
1. さっきも言った通り、腕時計を主張させるのか?
2. 服装や自分の中に入り込んで、トータルで完成するものか?
私の考え方は、後者の「服装や自分の中に入り込んで、トータルで完成するもの」という捉え方です。
腕時計だけ見ている時と、実際に服を着ている時では、見え方がかなり違います。
例えばヴィンテージのカルティエです。
サントスなどをショーケースの中だけで見ると、非常にシンプルです。
それは
小さい。
薄い。
文字盤も白を基調とした物が多い。
派手な装飾もほとんどありません。
このように、腕時計単体で強いインパクトを出すタイプではないんですよね。
ところが、白いシャツの袖口から少し見えた瞬間に、かなり印象が変わります。
ニットの袖から少しケースが見える。とか
ジャケットの袖口から角形ケースが見える。とか
そうすると、腕時計単体で見ていた時には分からなかった良さが出てきます。
これは、腕時計が服装と一緒になったことで初めて見えてくる魅力です。
反対に、単体ではものすごく格好いい腕時計でも、服装とのバランスによっては腕元だけが強くなりすぎることがあります。
もちろん、それが好きな方もいます。
大きな腕時計や存在感の強い腕時計には、それにしかない魅力があります。
ただ、ここで言いたいのは、大きいか小さいかという話ではありません。
腕時計の魅力が、服装全体の中でどう働くかを見る必要があるということです。
腕時計が主役になる服装もあります。
逆に腕時計が少し引いた位置にいることで、全体が格好よくなる服装もあります。
これは靴や眼鏡と少し似ています。
靴単体で見た時にものすごく目立つ物が、必ずしもその方の服装を一番格好よく見せるとは限りません。
眼鏡も同じです。
フレーム単体の格好良さより、自分の顔に掛けた時にどう見えるかの方が重要ですよね。
腕時計も同じだと思います。
だから「この腕時計、格好いいな」と思った時に、そこで終わらず、
「これを自分が着けた時、どう見えるんだろう」
まで考えてみる。
そうすると、自分に合う腕時計がかなり見つけやすくなります。
だから、ここで話したらなが〜くなってしまうので、割愛しますがやはり普段、自分がどんな格好をしてるかを理解しておくことが大事だと思うんですよね。
そして、その内側にある価値観が自分の格好を作っています。
だから、主張したいという気持ちであれば、そういった腕時計を選べばいいし、馴染ませたいのであればそう言った腕時計を選んだらいいんです。
こう言うと、ブレスまで金無垢の腕時計は選択肢に入れれないようなニュアンスに聞こえるかもしれませんが、それは全然違います。
あんなのもしっかり合わせれば綺麗に収まりますからね。
腕時計が格好いいことも大切です。
でも最終的には、
その腕時計によって、自分全体がどう見えるか。
ここまで見た方が、長く使える一本に出会いやすいと思いますね。
では次に、腕時計を選ぶ時は、手首ではなく「鏡の中の自分」を見る!と言う内容で解説して参ります。
腕時計を選ぶ時は、手首ではなく「鏡の中の自分」を見る
最後に、私が店頭で腕時計を選ぶ時にかなり重要だと思っていることがあります。
それが、腕時計を着けたら手首だけを見ないことです。
腕時計を試着すると、多くの方がこうやって腕を顔の近くまで持ってきて見ます。
文字盤を見る。
ケースを見る。
ブレスレットを見る。
もちろん、それも必要です。
でも、その距離で腕時計を見ているのは自分くらいなんですよね。
周りの方から腕時計が見える距離は、もっと遠いです。
ですので、私は一度腕に載せたら、鏡で全体を見た方がいいと思っています。
腕時計を着けた状態で少し離れる。
普通に立つ。
腕を自然に下ろす。
その状態で、自分全体の中に腕時計がどう入っているかを見る。
これをやると、手首だけを見ていた時とは印象がだいぶ変わります。
例えば、
「少し小さいかな」
と思っていた腕時計が、鏡で見ると非常に自然だったり逆に、「このくらい存在感があった方がいい」と思っていた腕時計が、全身で見るとかなり腕元だけ強く見えることもあります。
特に小径腕時計に慣れていない方には、一度これをやってみてほしいです。
手首へ載せて至近距離で見ると、小ささが気になります。
でも鏡で2メートル、3メートル離れて見ると、
「あれ、全然小さくないな」
となることがあります。
なぜなら、普段ほかの方から見られているのはこちらの距離だからです。
腕時計選びでは、どうしてもスペックを見ます。
ケース径。
厚さ。
ムーブメント。
素材。
価格。
もちろんこれらは全部大切です。
ただ、最終的に毎日見るのはスペック表ではありません。
鏡に映った自分です。
シャツを着ている自分。
仕事をしている自分。
食事へ出掛ける自分。
その中に腕時計があります。
だから最後に見るべきなのは、
「良い腕時計を着けているか」ではなく、「その腕時計を着けた自分が自然に格好よく見えるか」
だと思います。
逆説的になりますが、その腕時計を良い腕時計にするかどうかは自分次第ということです。
良い腕時計というのはありますよ!
ただ、その良い腕時計の定義はスペックとしての良い腕時計であって、今回のテーマである『着けた時の格好良さ』の軸で見るのあれば、どんな高級時計を着用していようが間違いということになりますよね。
だから、みんなが良いって言ってるデイトナ、ノーチラス、ロイヤルオークが必ずしも自分に似合うかは分からないし、それを似合ってると言い聞かせることも大切ですが、そんなことより自分の基準を持ってその本能通りに身につけて頂くのが本質だと思いますね。
腕時計は、映像や写真、ショーケースの中で完成している商品ではありません。
最後に自分の腕に載って初めて、その一本の見え方が決まります。
ですので次に腕時計を選ぶ時には、商品だけを見るのではなく、一度鏡の中の自分まで見てみてください。
そこで自然に見える腕時計が、もしかすると自分にとって一番格好いい一本なのかもしれません。
腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。
その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。
店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。
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