1980年代のカルティエの腕時計が、今また若者の心を掴む理由
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
最近、結構ですね20代〜30代前半の若い方に来店頂くことが多くなりました。
タンクやサントスを着用されてるお客様が多いんですが、持ってない片方のモデルをお探しになられる方が多い気がしますね。
まぁ、片方を持ったらやっぱり片方のモデルも欲しくなってしまうんですよね💦
と言った感じで、今の若い方には1980年代のヴィンテージ・カルティエがおすすめです。
かつての「デカ厚」ブームを経て、なぜ今、あえてこの小ぶりなサイズが選ばれているのか。
実はそこには、カルティエが本気で時計作りに挑んだ激動の歴史と、現代の「控えめなラグジュアリー」に通じる究極の美学が隠されています。
今日は、サントスカレやマストタンクが、なぜ40年経っても色褪せない「最強のデザイン」なのか、その正体を深掘りしていきます。
この動画を見終わる頃には、あなたの時計選びの「知覚」が、きっと180度変わっているはずです。
ベルモントルはこんな感じで、小さい時計を身につけていきましょう。ってのを発信しております。
大きいのより、小さい方がいいんだよねぇ・・・って方は是非とも最後まで動画をご覧くださいませ。
また、公式ラインではショップに掲載するより前に新着商品をご案内しておりますので、いち早く新着を知りたいという方は、概要欄からラインの登録をお願いします。
それでは話を進めて参ります。
デカ厚の反動? 今、小ぶりな時計が選ばれる本当の理由
2000年代から長く続いた「デカ厚」ブーム。
パネライやウブロに代表されるような、圧倒的な存在感で「俺じゃなくて俺の時計を見よ!」と主張するスタイルが正解だった時代がありました。
しかし今、その反動は確実に来ています。
街中を見渡せば、お洒落に敏感な人ほど、あえて33mmや34mmといった小ぶりなヴィンテージを選んでいることに気づくはずです。
なぜ、今このサイズが選ばれるのか。
最大の理由は、私たちの「感性」の変化です。
かつて大きい時計は「強さ」や「成功」の直球な象徴でした。
しかし、情報が溢れ、価値観が多様化した現代において、過度な主張は時に「余裕のなさ」として映ってしまうことがあります。
そこで見直されているのが、時計が主役になるのではなく、あくまで着用者のスタイルを完成させる「名脇役」に徹するサイズ感です。
このサイズ感の魅力は、圧倒的な「収まりの良さ」にあります。
重くないし、そのことによって取り回しが良いし、上品です。
この控えめな佇まいこそが、今の時代に求められる「知的」の正体ではないでしょうか。
また、実用面でのメリットも無視できません。
一度この軽快さと、鏡に映った時の全身のバランスの良さを知ってしまうと、これまでの「デカ厚」に対して持っていた気持ちが180度ひっくり返るはずです。
ベルモントルの店舗では、全体像が見えるように姿見を準備してるのですが、全体像としてご覧になったときに、しっかりと馴染んでくれるのが実感して頂けるはずですね。
「小さい時計は男らしくない」という古い固定観念を捨てた時、(繰り返し言いますが、この考え方はオールドメディアの偏向報道くらいに古いですからね。今日から小さい時計は男らしくないって考えは無くしてください)ヴィンテージ・カルティエやヴィンテージロレックスの4桁モデルが持つ、凝縮された美学の虜になるはずです。
今、小ぶりな時計を選ぶということは、単なる流行を追うことではありません。
自分にとっての「最適解」を正しく理解し、自分自身の品格を時計に委ねるのではなく、自らの手で引き出すという、大人の余裕の現れなのです。
80年代に入って カルティエが本気で時計を作り出した背景
1980年代という時代は、カルティエにとって単なる「好景気」以上の意味がありました。
それは「王の宝石商」という看板に甘んじるのをやめ、世界中の憧れを一身に背負う「真の時計ブランド」へと脱皮を図った、まさに覚悟の10年間だったのです。
それまでのカルティエ(大体65年頃くらい)にとって、時計はあくまで「ジュエリーの延長線」に過ぎませんでした。
顧客はごく一部の王族や大富豪。
素材は金やプラチナが当たり前で、一般人には縁のない「雲の上の存在」だったわけです。
しかし、70年代に吹き荒れたクォーツショックによってスイスの時計産業が存亡の機に立たされた時、カルティエは驚くべき攻めの姿勢を見せます。
まず、バラバラだったパリ、ロンドン、ニューヨークの拠点を一つに統合し、世界戦略を一本化します。
ここで生まれたのが、誰もが憧れるけれど、頑張れば手が届く「ラグジュアリーの民主化」という画期的なコンセプトでした。
その象徴が1973年にスタートした「マスト・ドゥ・カルティエ」ラインですが、80年代に向けて彼らが本気で取り組んだのは、単なる低価格化ではなく、「カルティエの気品を、現代のライフスタイルにどう適応させるか」というデザインの再構築でした。
1978年に発表され、80年代のラグスポーブーム時に爆発的に売れた「サントスカレ」のコンビモデルの投入などは、まさにその象徴です。
宝石商としてのプライドを捨てたのではなく、むしろその美学を「実用」という新たな戦場に持ち込んだ。
この時期のカルティエには、今の時計にはない「ブランドの歴史を次世代へ繋ぐための熱量」と、徹底的に計算し尽くされた造形美が同居しています。
私たちが今、80年代のヴィンテージを手に取って「何か違うな」と感じる圧倒的なオーラを感じるはずです。
これについては、のちのパートで詳しく解説しますね。
話を戻しまして、それはカルティエが守りに入らず、本気で世界中の腕元を獲りにいった、あの時代の「野心」と「品格」が色濃く反映されているからなのです。
1978年、サントスカレの衝撃: 今の「ラグスポ」のルーツはここにある
1978年、カルティエの歴史において、そして世界の時計史において決定的な「エース」が生まれました。
それがサントスカレ(Santos Carrée)の誕生です。
「カレ」とはフランス語で「正方形」を意味しますが、このモデルこそが、現代の時計界を席巻(せっけん)している「ラグジュアリー・スポーツ」、いわゆる「ラグスポ」というジャンルの真の先駆者と言っても過言ではありません。
最大の衝撃は、カルティエが初めて「ステンレススチール」をメイン素材に採用したことです。
それまで「王の宝石商」にとって、時計は貴金属で作られるのが当たり前の常識でした。
そこに、堅牢なスチールと18Kゴールドを組み合わせた「コンビモデル」を投入したのです。
これは、ラグジュアリーを「鑑賞するもの」から「日常を共に生きるもの」へと、カルティエが再定義した瞬間でした。
デザインも革新的でした。
ベゼルやブレスレットに打ち込まれた「ビス(ネジ)」をあえて露出させるという手法は、本来隠すべき工業的なパーツを、唯一無二の装飾へと昇華させました。
次期型の「ガルベ」のような曲線美ではなく、エッジの効いたフラットな造形を持つ「カレ」は、腕に乗せた瞬間に、今の時計にはない工業的でありながらも、洗練された色気を放ちます。
昨今の派手すぎるスポーツウォッチに興味をそそられない方が、最終的にこのカレに辿り着く理由は明確です。
それは、機能性とエレガンスがこれ以上ないバランスで同居しているからですね。
単にタフなだけでなく、ジャケットの袖口から覗いた時の品格が、他のスポーツモデルとは一線を画しているのです。
サントス・カレを身につけるということは、その歴史の原点を所有するという、最も知的な選択なのです。
このサントスカレから現行型までの歴史については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので、気になる方はご覧ください⬇️
2人目のエース「マスト タンク」 手頃なのに圧倒的にコスパが良い時計
1970年代から80年代にかけて、カルティエが放った最大の発明、それが「マスト・ドゥ・カルティエ(Must de Cartier)」、通称「マスト タンク」です。
このモデルの登場は、それまでの「高級時計は一部の富裕層だけのもの」という常識を鮮やかに塗り替えました。
しかし、ここで特筆すべきは、カルティエが単なる「安価な普及版」を作ったのではない、という点です。
その秘密は、**「ヴェルメイユ(Vermeil)」**という素材にあります。これは、純度の高いシルバー925をベースに、厚い20ミクロンの金を貼り付ける、フランスの伝統的な技法です。
単なるメッキとは一線を画す、手に取った時のしっとりとした重み、そして使い込むほどにヴィンテージらしい深みを増していく独特の質感。
この「銀と金の共演」こそが、マストタンクが手頃な価格帯でありながら、圧倒的な気品を失わなかった最大の理由です。
さらに、80年代のマストタンクには、今の現行モデルにはない「遊び心」が溢れていました。
ラピスラズリやブラウンを模した鮮やかなカラーダイヤル、スリーゴールドの意匠を取り入れたトリニティなど、宝石商としての創造性を爆発させたようなバリエーションが次々と生み出されたのです。
今のタンクマストと違って、文字盤のバリエーションは20種類位ありますからね。
「高級品を所有する喜び」を、多くの人が手に取れる形に変えたこの魔法は、今の時代にこそ強く響きます。
なぜなら、マストタンクは「安いから選ぶもの」ではなく、そのデザインの完成度ゆえに「あえてこれを選ぶ」という、意志のある選択肢になり得るからです。
「マスト(Must)=持つべきもの」というネーミングセンス抜群のこの時計は、誕生から40年が経った今でも、袖口から覗くたびに持ち主の知性を引き立ててくれます。
手の届きやすさと妥協なき美学。
この矛盾する二つを成立させた、マストタンクこそがヴィンテージ市場で不動の地位を築いている正体なのです。
マストタンクについての詳細はこちらの動画で詳しく解説しておりますので、気になる方はこちらもご覧ください。
40年経っても古くない: カルティエのデザインが「最強」である決定的な証拠。
40年という月日は、通常、流行を「過去の遺物」に変えるのに十分すぎる時間です。
しかし、80年代のカルティエを今手に取ってみてください。
古さを感じるどころか、むしろ現代のどの時計よりも新しく、洗練されているように見えませんか?
これこそが、カルティエのデザインが「最強」と呼ばれる決定的な証拠です。
その理由は、カルティエが時計を単なる「時刻を知る機械」としてではなく、究極の「造形物」として捉えていることにあります。
彼らのデザインの根幹にあるのは、一時的なトレンドではなく、普遍的な幾何学です。
タンクなら戦車の平面図、サントスなら飛行機のパーツといった、時代を超えて変わることのない機能的なフォルムを、徹底的にエレガントな「黄金比」へと落とし込んでいるのです。
文字盤のディテールを見ても、その一貫性は驚異的です。
端正なローマ数字、正確に時を刻むミニッツトラック、そしてリューズに輝くブルーのカボション。
これらのデザインは、普遍です。
つまり、デザインを変える必要がないほど、最初から「完成」されていたのです。
多くのブランドが目新しさを求めて奇抜な形状に走る中、カルティエは「変わらないことの価値」を証明し続けています。
40年前の個体が今のファッションに完璧に溶け込むのは、そのデザインが時代という枠を超えた、普遍的な「美のインフラ」になっているからに他なりません。
時計が主張しすぎるのではなく、どんな時代の、どんなスタイルにも寄り添い、持ち主の品格を底上げしてくれる。
この懐の深さこそが、私たちが時を超えてカルティエに惹かれ続ける最大の理由なのです。
時計に負けない。歴史をさらりと自分のモノにする、最高の贅沢。
ここまで1980年代のカルティエが持つ魅力についてお話ししてきましたが、結局のところ、私たちがヴィンテージウォッチに惹かれる理由は、その「サイズ感」や「素材」だけではないと思うんですね。
それは、時計が放つ「歴史」や「物語」を、今の自分のスタイルにどう取り込むか、というプロセスそのものにあるのではないでしょうか。
現代の大きな時計は確かに立派で力強いですが、時計の存在感が勝ちすぎて、着けている本人が脇役になってしまうことがあります。
しかし、ベルモントルが大切にしているのはその逆です。
時計に「着せられる」のではなく、あくまで自分を主役にする時計選びです。
コンパクトな空間に凝縮された美学を持つ80年代のカルティエは、まさにそのためにあるような時計です。
40年という時間を経て、なお輝きを失わない完成された造形を、今の自分が日常の中でさらりと使いこなす。
これは、最新モデルを追いかけることでは決して得られない、最高に知的で、豊かな贅沢です。
誰に見せびらかすためでもなく、自分自身の審美眼を信じて、納得の一本を腕に乗せる。
その瞬間、時計は単なる「中古品」から、あなた様の人生を共に歩む「パートナー」へと変わります。
そして、特に若い方は無駄な思い込みがない分、ストレートに取り入れることが出来ると思います。
もし、「今の自分に馴染む、本当に良い時計」を探しているなら、ぜひ一度、この時代のカルティエに触れてみてください。
そこには、流行に左右されない、自分だけの「黄金比」が必ず隠されていますし、1ランクアップした自分になっ時できるはずです。
これからも、そんな視聴者様の感性を揺さぶるような、本物のヴィンテージの世界をこのチャンネルで共有していきたいと思います。
