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Article: 世界雲上腕時計ブランド5選|パテック・フィリップ・オーデマピゲ・ヴァシュロン・ランゲ・ブレゲ!なぜ残りの2社は三大時計に入れないのか?

世界雲上腕時計ブランド5選|パテック・フィリップ・オーデマピゲ・ヴァシュロン・ランゲ・ブレゲ!なぜ残りの2社は三大時計に入れないのか?

動画で【世界雲上腕時計ブランド|パテック・フィリップ・オーデマピゲ・ヴァシュロン・ランゲ・ブレゲ!なぜ残りの2社は三大時計に入れないのか?】をご覧になる方はこちらから⬇️

時計好きなら一度は耳にしたことがある「雲上ブランド」とか「世界三大時計ブランド」です。

雲上ブランドとは、腕時計ブランドの中でもさらに別格とされる存在であり、世界的に見ても限られたブランドしかその称号を得ていません。

しかし、そこには明確な線引きをされており、実際には世界三大時計ブランドと世界五大時計ブランドに分類されます。

ではなんで残りの2社は三大に入れないのか?

この高い壁はどこにあるのか?

その辺を、私なりの考えを交えながら分かりやすく解説して参りますね。

 

 

【第1章:雲上ブランドとは】

「雲上ブランド」とは、日本の時計愛好家が用いる俗称で、雲の上=“別格”の存在を指します。

『日本の』と説明した理由は、実は海外では世界五大時計ブランドという概念がないからです。

三大時計ブランドは『Holy Trinity』と表現され、五大を無理やり作ろうとしたら

Trinity + A. Lange & Söhne

とか

Trinity + Breguet

みたいな表現方法であり、五大という枠組みは日本人が作った俗称なんですね。

では話を戻しまして、これには公式な認定やランキングがあるわけではなく、長い歴史の中で築かれた“総合力”への評価が積み重なって生まれた呼び名です。

しかし、基準みたいなのがあってそれを説明すると

・歴史と伝統(この歴史というのが今回の話の重要なワードなので、覚えておいてください)

・技術力(これは複雑機構に対してでであり、・トゥールビヨン・ミニッツリピーター・パーペチュアルカレンダーのことですね

・美意識

・希少性

・アフターケアまで、時計を取り巻く体験のすべてが突出していること

その総体が「雲上」です。

共通する要素を整理すると、まず強固な歴史と物語があります。

創業以来の美学や設計思想が長きに渡って受け継がれ、ひと目で“そのブランドらしさ”が分かるデザインDNAを持つことです。

次に仕上げとそれを実現する職人技です

ムーブメントや外装の細部にまで人の手が入り、見えない箇所まで徹底して美しいこと。

さらに高度な複雑機構を自社で統合できる設計力年産の抑制による希少性修理体制・アーカイブ管理の充実など、製造から将来のメンテナンスまで一貫して責任を負う姿勢が不可欠です。

市場面では、短期的な相場に左右されにくい文化的価値と資産性を併せ持つ点も特徴です。

とはいえ投機目的で語られるものではなく、長く使い、世代を超えて託すに値する質が評価の中心にあります。

ロレックスやオメガなど他の名門が劣るという意味では全くなく、雲上は“高級のさらに上にある理念型”と捉えるのが近いでしょう。

 

というわけで、そもそも何で一部では雲上ブランドより知名度のある『ロレックス』や『オメガ』が雲上に入れてないのかを簡単に解説しますね。

 

なんでロレックスとオメガは雲上ブランドに入れないの?

なんで知名度やブランドのイメージが圧倒的に強いロレックスやオメガが雲上ブランドに入ってないのか、と言いますと先に結論から言うと、評価軸が違うからです。

雲上は「手仕上げの徹底」「高度複雑機構を自社で統合」「少量生産による希少性」「歴史様式の継承」という“工芸的頂点”を重視します。

一方、ロレックスとオメガの強みは実用性・工業精度・耐久性・大量供給出来るかどうかにあります。

具体的には、雲上はミニッツリピーターや永久カレンダー、トゥールビヨン等を継続的に展開し、ムーブメントの面取りや鏡面仕上げなど見えない箇所まで手作業で仕上げます。

しかし、それらを実現するのは職人技という人の手であり、それは必然的に生産数は少量になります。

一方ロレックスはクロノメーター精度、防水・耐磁・堅牢性、長期メンテの容易さを最優先しています。

オメガはコーアクシャルとMETAS認証、耐磁1.5万ガウス級など実用技術の最前線が核で、トゥールビヨン等は存在してもブランドの主軸ではないのです

重要なのは、価格や人気・ブランドネーム=雲上ではないということですね。

ロレックスは工業製品で世界最強クラスですが、雲上の基準は“工芸としての到達度”です。

要するに、雲上ブランドかどうかという分かりやすい基準は、それが工芸品に分類出来るかどうか!?といった所でしょうね。

つまり、ロレックス/オメガは実用高級の王者、雲上は工芸高級の頂点というわけです

このロレックスがなんで世界三大時計ブランドに入れないのか?という詳細はこちらの動画で詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください⬇️

話を戻しまして、この違いを理解すると、あなたが選ぶべき一本が明確になります。

 

というわけで、ここからはそれぞれのブランドの歴史や特徴が分かってないと話が繋がりませんので、それらを簡潔にまとめて解説して参りますね。


 

 

【パテック・フィリップ(Patek Philippe)】

まずは“時計界の頂点”と称されるパテック・フィリップ

1839年創業、スイス・ジュネーブに本拠を構える世界最高峰のマニュファクチュールです。

パテックが別格とされる最大の理由は、「伝統と革新のバランス」です。

カラトラバやエリプスのような普遍的なデザインを持ちながら、永久カレンダーやスプリットセコンド・クロノグラフなど、複雑機構を極めたモデルを数多く生み出しています。

さらに、資産価値の高さも大きな魅力ですよね。

例えば、ノーチラス5711は発売当初約300万円でしたが、一時はプレミア価格で1,000万円を超えることもありました。

他にもカラトラバもエリプスも圧倒的な人気に支えられて、デザイン性があり作りも丁寧なことから人気も資産性もあるモデルです。

また、海外オークションでは過去最高額で、約38億円の落札記録を持つモデルも存在します。

 

代表モデル

・ノーチラス

・アクアノート

・カラトラバ 

・エリプス 

などなどですね。

パテックは、「親から子へ、そして孫へ受け継がれる時計」というブランド哲学を掲げています。

このようなことから、単なる時計以上の存在であり、資産であり、家族の歴史を紡ぐものなのです。

 

 

【オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)】

次は、オーデマピゲです。

創業は1875年、スイスのル・ブラッシュで誕生したマニュファクチュールです。

1972年に発表したロイヤルオークで時計界を一変させ、ラグスポという新しいジャンルを生み出したことも、歴史に残る偉業だと言えるでしょう。

ロイヤルオークは当時としては異例のステンレス製スポーツウォッチで、当時の定価はロレックスのサブマリーナの約10倍でした。

よって、ステンレスなのに金額が高いことや、当時としては異例の大きいサイズで発表されたので、市場では全然受け入れられませんでした。

しかし、デザインは素晴らしく八角形ベゼルと一体型ブレスレットという斬新なデザインが大ヒットし、いまや高級スポーツウォッチの代名詞となりました。

オーデマ・ピゲの特徴は

  • 複雑時計の技術力も極めて高い

  • 伝統的な仕上げと現代的なデザインを融合

  • コレクター人気が非常に高い

最近では新コレクション「Code 11.59」を投入し、より現代的で立体感のあるデザインに挑戦しています。

ロイヤルオークに次ぐ“第二の柱”を育てようという戦略です。

現代のロイヤルオークについては、こちらの動画で詳しく解説していますので気になる方はご覧くださいませ⬇️

 

 

 

【ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron Constantin)】

続いて紹介するのは、1755年創業、現存する世界最古の時計マニュファクチュール、ヴァシュロン・コンスタンタンです

雲上ブランドの中では1番古い歴史を持ちます。

ちなみにその次がパテックフィリップの1839年で、その次がオーデマピゲの1875年です。

「芸術的な時計作り」と「複雑機構」の両立で知られるブランドです。

ヴァシュロンの強みは、手仕上げによる美しさです。

「ジュネーブシール」という最高級の品質認定を取得するモデルも多く、ケースやムーブメントの仕上げはまさに芸術作品です。

代表モデル

  • オーヴァーシーズ(スポーツウォッチ)

  • パトリモニー(クラシックドレス)

  • ヒストリーク(歴史的復刻シリーズ)

などが有名ですよね。

他の2社に比べると知名度はやや低いですが、時計愛好家の間では“通好み”の存在だと言えます。

最近ではオーヴァーシーズが再評価され、中古市場でも人気が急上昇していることも見逃せないポイントでしょう。

 

というわけで、ここまでが世界三大時計ブランドに分類される3社の紹介でした。

ではここからは、プラス2の五大時計ブランドに分類されるランゲとブレゲを見ていきましょう。

 

 

 

【A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)】

4つ目はドイツ・グラスヒュッテ発の名門、A.ランゲ&ゾーネです

1845年創業ですが、戦後一度消滅し、1994年に復活したドラマチックな歴史を持つブランドです。

ランゲの特徴は、圧倒的なムーブメントの美しさだと言えます。

「ランゲ1」や「ダトグラフ」「グランドアーケード」などの代表モデルは、裏蓋から見えるムーブメントの緻密さ(ちみつさ)に惹かれるファンが多いです。

スイス勢とは違い、ドイツらしい精密な設計と職人技の手仕上げ、そこに追加して堅牢性を感じさせるのが魅力です。

また、年産はわずか数千本と極めて少なく、希少性が高いのもポイントです。

 

 

【ブレゲ(Breguet)】

最後は、時計史に革命を起こしたブランド、ブレゲです

1775年創業、創業者アブラアン=ルイ・ブレゲは「時計の天才」と呼ばれています。

日本では時計に関しての技術を「200年早めた人物」という表現がよく使われており、いかに凄い人物だったのかが分かりますよね。

ブレゲが発明した技術は数多くあり、トゥールビヨン、ブレゲ針やブレゲインデックス、ブレゲひげ、パーペチュアルカレンダーなどなどが有名どころでしょう。

よって現代の時計技術の多くが、ブレゲの発明をベースに作られています。

代表モデルは

  • ブレゲ クラシック

  • マリーン

  • トラディション

  • Type XX(タイプダブル10)

などなどですね。

デザインも独特で、ギョーシェ彫り文字盤やブレゲ針やブレゲ数字など、クラシックで気品ある美しさを備えています。

時計愛好家にとっては“原点にして頂点”ともいえる存在です。

ブレゲの詳細な歴史については、こちらの動画で詳しく解説していますので、気になる方はこちらもご覧ください⬇️

というわけで、次になんでランゲとブレゲは世界三大時計ブランドに含まれずプラス2のポジションとして語られているのかを解説して参ります。

 

なぜランゲとブレゲは三大時計ブランドより下に分類されているのか?

まず大前提として、ここでいう「下」は品質や技術が劣るという意味ではありません。

雲上ブランドとは世界中の「みんながそう呼び、そう扱ってきた」結果、慣用的に固定した枠組みです。

分かりやすく言うと、日本円のお札は紙切れですが、みんながそれを1000円の価値がある!って考え、そう扱ってきた結果、あの紙切れは1000円の価値がありますよね。

そんな感じですよね。

話を雲上ブランドに戻しまして、雲上が雲上であると認識されることにはちゃんと理由があります。

これは20世紀を通じて、王侯や要人顧客を背景に、超複雑機構の継続生産、徹底した手仕上げ、しっかりとしたアフターサービス、そしてオークションでの長期的な価格実績を切れ目なく積み上げてきた三社への評価が固定化した結果なのです。

いわば「スイス高級時計の主役を世代を超えて担い続けた連続ドラマ」に対する称号と捉えるとわかりやすいでしょう。

その文脈で見ると、A.ランゲ&ゾーネが三大に含まれない最大の要因は、歴史の断絶です。

ランゲは1845年創業の名門ですが、戦後のドイツ東側で国有化され一度消滅しています。

1994年の復活以降はランゲ1、サクソニア、ダトグラフ、ツァイトヴェルクと、傑作を連発し、仕上げやムーブメント設計は世界最高水準にあります。

しかし、三大の概念がすでに固まった後に復活したため、ヴィンテージ市場の層の厚さや、100年以上連続するオークションの長期データ、王侯・大資産家との特注品などの物語の積み増しは、どうしても相対的に時間が足りないと言うことになります。

さらに産地がグラスヒュッテというドイツ圏で、スイス本流のネットワークや顧客リストの継承という点でも「スイス三強」という括りに地理的・文化的に入りづらかった、という事情もあります。

とはいえ、現代の実力評価ではランゲはほぼ同列です。

3/4プレート、ゴールドシャトン、スワンネックといったグラスヒュッテ流儀の美観、鏡面と面取りの切り替え、段差の出し方、ブリッジの彫金や青焼きの統一感など、裏スケルトンで語れる情報量は圧倒的ですよね。

ダトグラフの水平クラッチと大径コラムホイールのレイアウトは“見てわかる機械美”の代表例です。

評価軸を「工芸密度」「可視化された設計思想」に置けば、ランゲはむしろ三大の中でもトップ争いをする場面が多いです。

要するに、ランゲが三大から外されているのは、歴史の連続年数語りの定着の問題であって、現在の完成度が劣るからではありません。

では次にブレゲの理由ですね。

創業者アブラアン=ルイ・ブレゲはトゥールビヨン、パーペチュアル、ブレゲひげなど時計史の基礎発明を多数遺した“原点”です。

にもかかわらず三大に含まれにくいのは、20世紀におけるオーナーシップや体制の変遷、パリ由来からスイス移行までのブランド連続性の揺らぎが背景にあります。

現行ブレゲはギョーシェ彫りの神業やブレゲ針、コインエッジのケースといった工芸美で雲上級ですが、商品ラインナップは比較的幅広く、マリーンのように現代スポーツ寄りの展開も大きな柱です。

三大が“超高級専心”を硬く貫いてきた印象に対し、ブレゲは「歴史的威光 × 現代の幅広いポートフォリオ」という性格が強く、収斂(しゅうれん)したピュアな雲上像としてはややフォーカスが散って見えた、という評価が働いています。

これはマリーンがあるからって話ではありません。

パテックにはノーチラス、オーデマにはロイヤルオーク、ヴァシュロンにはオーヴァーシーズがありますからね。

ただ、これら3モデルと比較するとブレゲはClassique/Tradition/Type XX/Marine複数柱に分散しており、今のところマリーンType XXがブランド像を単独で規定出来ていない。

「散って見える」の正体はここにあるんですね。

また、アーカイブと顧客史の語り口も異なります。

三大は、王侯貴族や世界的実業家への特注、博物館級ピースの継続的な製造、メゾン主導の修復・文書化までを一本の線で見せるのが上手いです。

ブレゲもルーヴル級の物語を持っていますが、近代以降の“切れ目ない物語”では三大のほうが市場の記憶を強く握ってきたというのは変えられない真実でしょう。

その結果、オークションや二次流通市場での長期の相場データや、コレクター間の“語りの定番化”では三大が優位に立ってしまうというわけです。

ここまでを整理すると、雲上三大はスイス三社の途切れない歴史と市場主導力(市場主導力とは分かりやすくいうと、モデル名を言われただけでそれがどこのブランドか分かる状態ですね)の象徴です。

それと比較をすると、ランゲは「復活後の時間軸が短い」、ブレゲは「20世紀の体制変遷が足を引っ張っていることとと圧倒的最強モデル不在」。

ここが雲上三大と比較して、低くなってしまうポイントでしょう。

では最後のパートでは、これらをどう考えるのか?

ということについて、私になりの考えをお話ししますね。

 

 

棲み分けが理解出来ればそれで良い!

雲上三大プラス2。

このプラス2に分類されるのは、『雲上三大の物差し』で測った時に比較したときの話です。

どちらのブランドも現在の工芸水準は雲上級で、モデル単位では三大とほぼ同列、あるいは今後は凌駕する領域すらあります。

実用的な視点での使い分けも有益です。

資産性と市場の厚みで選ぶなら、今も三大は鉄板ですが、見て語れるムーブメントの密度やドイツ流の設計思想に惹かれるならランゲ、伝統美術としての意匠やギョーシェの手仕事、独自の針や数字書体に価値を置くならブレゲが刺さります。

つまり“上下”ではなく、あなた様が何を最高とみなすかの軸の違いなのです。

分類は地図、選択は美学です。

雲上を理解する最短ルートは、歴史の連続性とブランド哲学、市場の語りの3点を同時に見ることです。

そうすれば、三大プラス・ランゲ・ブレゲの立ち位置がクリアになり、あなたの最高の一本が自然と定まっていきますよね。

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