同じ150万円ならステンレスの人気モデルか金無垢のヴィンテージか?
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日の動画では「同じ150万円ならステンレスの人気モデルか金無垢のヴィンテージか?」という内容で解説して参ります。
150万円という予算で腕時計を探すとなれば、現行モデルでもロレックスのデイトジャスト36mmが視野に入ってきます。
このように150万円という金額は、人気ブランドのステンレスモデルが現実的に狙える価格帯です。
その反面、同じ150万円をヴィンテージ市場へ持っていくと、18金無垢腕時計まで候補に入ってきます。
ここで最初にお伝えしておきたいのが、今回なぜ「現行ステンレス」と「ヴィンテージ金無垢」を比べるのかということです。
現行新品の金無垢腕時計まで比較対象に入れると、余裕で150万円という予算をオーバーします。
そうなると同じ予算での比較にはなりません。
というわけで今回は、同じ150万円を使った時に実際に迷う可能性がある2つの方向性として、「現行ステンレス」と「ヴィンテージ金無垢」を比べることにしました。
今回は、現行ステンレスの完成度、ヴィンテージ金無垢ならではの魅力、購入後の付き合い方、そして10年後に何が残るのかという視点から掘り下げて参ります。
それでは話を進めて参ります。
現行ステンレスに150万円払うのは素材ではなく「完成度と安心感」
まず、150万円前後の現行ステンレスモデルについて考えてみます。
ステンレスという素材の強さを見ると、金やプラチナのような貴金属程のパワーがありません。
そのため、腕時計に詳しくない方からすると、「ステンレスなのに150万円もするのか?」と感じることもあると思います。
ただ、現行の高級腕時計に払っている150万円は、ステンレスそのものに払っている金額ではないんですよね。
ケースの仕上げ、文字盤、ムーブメント、ブレスレット、クラスプ、防水性、そしてメーカーのアフターサービスまで含めて、一つの商品として高い完成度でまとめられていることにお金を払っています。
要するに、それをしようし続けることの安心感にお金を払ってると言い換えることもできますよね。
最低でも日常生活防水は保証されていますし、昔のものに比べて耐久性でもステンレスの質も上がっており、ある程度しっかり動きがあったとしてもちゃんと動作するのを前提に設計されています。
天候が少し変わったとしても、ヴィンテージほど神経質にならずに着用し続けていても問題はありませんよね。
よって数十年前のヴィンテージ腕時計と比較した場合、現代の生活環境を前提に作られているという安心感はかなり大きいです。
もう一つ大きいのが、「商品としての状態を理解しやすい」ということです。
新品であれば、誰かが何十年も使ってきた状態から所有が始まるわけではありません。
ムーブメントの整備履歴や、過去にどのような使われ方をしてきたのか?を細かく気にする必要も少なくなります。
さらに現行の人気モデルであれば、同じモデルが市場に複数存在しています。
価格も比較しやすいですし、そのモデルが市場でどのように評価されているのかも把握しやすいです。
つまり150万円を払った時に、「自分は何を買ったのか?」が非常に分かりやすいんですよね。
ここは現行腕時計の大きな魅力だと思います。
150万円の現行ステンレスを買うということは、「150万円分のステンレスを買う」という話ではありません。
日常で使える性能や仕上げ、ブランドのサービスまで含めて、現代の高級腕時計として完成された一本を手に入れる!
そこに150万円を払っていると考えると、価格の見え方もかなり変わってきますよね。
では次に、ヴィンテージ金無垢に150万円払うと、素材だけではない価値が見えてくる!
という内容で解説して参ります。
ヴィンテージ金無垢に150万円払うと素材だけではない価値が見えてくる
同じ150万円をヴィンテージ市場へ持っていくと、選択肢が大きく変わります。
現行新品では予算的に難しかった18Kの金無垢腕時計が、現実的な候補として見えてくるからです。
イエローゴールドやホワイトゴールドなど、ステンレスとは明らかに違う質感がありますし、腕に載せた時の印象も変わります。
ステンレスモデルと比較して、ゴールドモデルの方が少ないので、少しだけ優越感を感じられるというのも貴金属モデルの魅力ですよね。
もちろん、ステンレスのシルバーの方が合わせやすいし、パテックやロレックスなどのブランドであればステンレスの方が評価されていますので、ここは視聴者様の価値観次第だと思います。
ただ、ヴィンテージ金無垢の面白さを「金無垢が選択肢に入る」っていう点だけで考えるのは、少しもったいないんですよね。
私がヴィンテージの金無垢が美しいと感じるのは、金無垢という素材と一緒に、今とは違う時代の腕時計そのものを手に入れられるところです。
例えば30mm台前半から半ばほどの小径ケースで作られていたり、独特なケース形状を採用していたり、今回の候補から外れてしまいますがブレス一体型などなど、今ではみられない魅力的なものがたくさんあります。
こうした腕時計は、現在の大型スポーツモデルとは、高級感の作り方そのものが違います。
ケースを大きくして存在感を出すのではなく、小さなケースの中に金無垢を使い、ケースの造形や文字盤の作り込みで腕時計としての「品」を表現しています。
150万円をヴィンテージの金無垢に使うと、こうした別の世界観の腕時計を手にする子がとが出来ます。
そしてヴィンテージには、現行新品にはない「個体を選ぶ」という面白さがあります。
現行であれば、同じリファレンスなら基本的には同じ仕様の商品が並びます。
ところがヴィンテージは違います。
同じモデルであっても、何十年という時間をそれぞれ別の環境で過ごしています。
文字盤の色味、ケースの状態、金属の質感、細かな使用感など、製造当時は同じリファレンスで製造されてても、30年以上経過している時点で、一つとして完全に同じではありません。
よって自分だけのオンリーワンになりやすいんですよ。
ここが150万円の使い方として、現行ステンレスとは大きく違う部分です。
ただし、ここで「金無垢なのだからヴィンテージの方が得」と考えるのは違います。
まぁ、損得でそれを購入する方はほとんどいないと思われますが、1番大きいのはブランドの力でそこからそのモデルの人気がのっかかって、といった感じでいろんな要因を含んで今の評価になっていますからね。
自分が惹かれたものを手にするのが1番だと思います。
同じ150万円でも、現行では「完成された商品」を買う感覚が強く、ヴィンテージでは「今にはない自分だけの一本を選ぶ」という感覚が強くなる傾向にあると考えております。
では次に同じ150万円でも、「買った後の使い方」はかなり違う!という内容で解説して参ります。
同じ150万円でも、「買った後の使い方」はかなり違う
ここまで、現行ステンレスとヴィンテージ金無垢に、それぞれ何の価値が含まれているのかを見てきました。
ただ、腕時計は購入した瞬間で終わる物ではありません。
それより購入してからの方が圧倒的に長いです。
そして私は、現行ステンレスとヴィンテージ金無垢では、この購入後の付き合い方にかなり違いが出ると思っています。
現行ステンレスモデルの場合は、一本を幅広い場面で使いたい方との相性が良いです。
いろんなシーンで、そこまで深く考えずに腕へ着ける。
仕事でも使う。
休日もそのまま使う。
一本の高級腕時計を購入して、できるだけ多くの時間をその腕時計と過ごしたい方にとって、この使いやすさはかなり大きな価値です。
一方で、ヴィンテージ金無垢の場合は、現行ステンレスとは少し違った魅力があります。
もちろん古い腕時計ですので、防水性などは現行と同じ感覚で考えない方がいいですし、状態に応じた扱いは必要です。
ただ、それを「気を遣う腕時計」と捉える必要はないと思います。
むしろヴィンテージ金無垢は、実用性だけで選ぶというより、その腕時計が持つ雰囲気や造形まで含めて楽しむ物なんですよね。
例えば同じ金無垢でも、黒い革ベルトを合わせれば少し引き締まって見えますし、ブラウンに替えれば柔らかい印象になります。
ジャケットに合わせてもいいですし、ニットやシャツに合わせても意外と自然に馴染みます。
現行ステンレスは、一本で幅広い場面をこなせるという分かりやすい強さがあります。
ですがヴィンテージの金無垢は、同じ一本でもベルトや服装によって見え方が変わり、その時々で違った楽しみ方ができますよね。
何より金無垢は扱いやすいステンレスと比べて、それを着用してるだけで華やぎが出ますし、おしゃれになります。
つまり、現行ステンレスが「使いやすさの幅」を持っているとすれば、ヴィンテージ金無垢は「一歩踏み込んだおしゃれ」を持っている腕時計とも言えると思います。
どちらも日常で使える腕時計ですが、楽しみ方の方向が少し違うんですよね。
そして、ここで150万円という金額の捉え方も変わります。
現行ステンレスであれば、「150万円払ったのだから毎日使いたい」という考え方も自然です。
ヴィンテージ金無垢であれば、週に何度かしか着けなかったとしても、「今日はこれを着けたい」と思える日に使うことで満足できる方もいらっしゃいます。
もちろん、その金無垢を毎日着用することも正解です。
つまり、同じ150万円だからといって、同じ頻度で使う必要はないんですよね。
購入前にはどうしても価格や素材を比較します。
しかし購入した後の満足度は、自分の生活の中でその腕時計をどのように使いたかったのかによって大きく変わります。
150万円で毎日の相棒を買うのか。
それとも、着ける日そのものが少し楽しみになる一本を買うのか。
ここまで考えて選ぶと、自分に合う方向がかなり見えやすくなりますよね。
では最後に、10年後、その150万円に何が残っているのか?という内容について解説して参ります。
10年後、その150万円に何が残っているのか?
最後は、購入した瞬間ではなく、10年後という時間軸から考えてみたいと思います。
150万円は腕時計として決して小さな金額ではありません。
ですので購入する時には、
「どちらがお得なのか」
「どちらが価値を維持しやすいのか」
と考える方もごく自然です。
ただ、その150万円に本当に満足できたかどうかは、いつもお話ししてる通り、買った瞬間よりも、何年か所有してから分かることの方が多いです。
例えば現行ステンレスモデルを購入して、10年間かなり頻繁に使ったとします。
仕事へ行く時も着けた。
旅行にも持っていった。
休日にも使った。
子供とサッカーの練習したり公園で遊んだりしたときも着用した。
その間に細かな傷も増えたかもしれません。
それでも10年間、自分の生活のかなり多くの場面にその腕時計があったのであれば、その150万円は単純に一本の腕時計を買った金額ではなくなっています。
10年間使った道具としての価値が残っています。
これは金額では買えない、視聴者様だけの見えない体験価値です。
一方で、ヴィンテージ金無垢の場合には、少し違う時間の積み重なり方があります。
購入した時点ですでに何十年という時間を経ている一本です。
例えば1970年代の腕時計を購入したのであれば、その時点で50年前後の時間を過ごしてきています。
そこに自分の10年が加わります。
最初は特別な時だけ着けていた一本が、年齢を重ねるにつれて自分に馴染んでくることもあります。
そうすると、その腕時計を見る時の感覚も購入した頃とは変わってきます。
もちろん、資産価値を重視する方であれば、10年後の相場も気になると思います。
現行の人気モデルがどの程度評価されているのか。
ヴィンテージ金無垢がどのような価格になっているのか。
ただ、これは今の時点で完全に答えを出すことはできません。
腕時計市場はブランド人気、モデル人気、供給量、為替、世界経済など、さまざまな要素で変化します。
ですので、「10年後に高く売れそうなのはどちらか?」だけで150万円の使い方を決めるのは、『長くそれを愛用したい』という軸で見るのであればおすすめできません。
それよりも考えて欲しいのは、10年後にその腕時計を見た時に、「150万円払って良かった」と思える理由が残っているかどうかです。
そりゃ、10年後に買値の2倍になりました。の方がいいですよ。
でも、それが目的ならNISAでいいじゃないですか。
せっかく腕時計という形として、それが存在しているのであれば使ってあげた方がいいはずだと思うんですよ。
現行ステンレスなら、
「10年間これ一本でかなり楽しめた。息子が5歳の時に買って今は15歳だから、息子と遊んでいる時にいつもこれがいてくれたなぁ」
と思うかもしれません。
ヴィンテージ金無垢なら、
「この一本を10年間持ち続けて、自分の腕時計になった。久しぶりに鏡を見てですね、俺も渋くなったなぁとか言ってですね」
どちらも満足ですが、満足の中身が少し違うんですよね。
だから今回の「同じ150万円ならどちらを選ぶか」という問いに、一つの正解はありません。
同じ150万円でも、現行ステンレスとヴィンテージ金無垢では、買っている物も、使い方も、時間が経った後に感じる価値も違います。
「150万円なら、どちらの方が得なのか」だけではなく、
「自分は150万円で、どんな腕時計との時間を買いたいのか」
そこまで考えてみると、腕時計選びはもっと面白くなってくると思いますね。