「もう着けていない腕時計」が引き出しに眠っている全ての人たちへ
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日は『「「もう着けていない腕時計」が引き出しに眠っている全ての人たちへ』という内容でお話しして参ります。
一度は気に入って選んだはずなのに、いつの間にか出番が減り、引き出しやケースの奥にしまわれたままになっている腕時計、お持ちではないでしょうか。
買った当初は毎日のように着けていたのに、気づけば別の一本ばかり選ぶようになっていたり、ライフスタイルの変化とともに、そもそも着ける機会自体が減っていたり。
理由は人によってさまざまだと思いますが、この「眠ってしまう」という現象自体は、決して珍しいことではないんですよね。
今回は、なぜそうなってしまうのか?そのままにしていて本当にいいのか?そしてどう向き合っていけばいいのかを、一緒に考えていきます。
腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。
その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて『これだ』と思える自分の一本に出会えるんですよね。
そういった自分だけの1本をお探しの方は、是非とも青山にある店舗までお越し下さい。
またベルモントルでは、そうした背景や佇まいも含めて腕時計を選びたい方に向けて、公式LINEで一般公開前の新着商品や入荷予定品をご案内しています。
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それでは話を進めて参ります。
なぜ気に入って購入した腕時計を着用しなくなるのか?
まず、なぜ気に入って選んだはずの腕時計が、いつの間にか着けなくなってしまうのか、その可能性が高そうな理由を見ていきましょう。
一つ目は、体型やライフスタイルの変化です。
加齢によって筋力が落ち、それまで問題なく着用できていた大きな時計が、ある時期から重たく感じられるようになったりすることがあります。
他にも転職や引っ越しをきっかけに、そもそも愛着のない腕時計だった場合は、開けてない段ボールの中に入ったままってのもあります。
二つ目は、新しい一本を迎えたことによる相対的な出番の減少です。
複数本を持つようになると、どうしても「今の気分に一番合う一本」ばかりを選ぶようになりがちで、以前のお気に入りが、自然と後回しにされていくんですよね。
これは決してその腕時計の価値が下がったわけではなく、単に選択肢が増えたことによる、ごく自然な結果だといえます。
要するに、当たり前ですが新メンバーの方がその新鮮さが維持されてるので、購入が近いものほど大切にしてあげたくなるはずです。
トイストーリーで置き換えるのであれば、元々はウッディが大好きだったのがバズが来たことでバズの方の出番が増えるような感じですよね。
三つ目は、購入した当時の状況や気持ちとの結びつきです。
就職祝いや結婚記念といった、特定の出来事と強く結びついて購入した一本は、その出来事から時間が経つにつれて、日常の中での役割を終えたように感じられることがあります。
四つ目は、単純にコンディションの問題です。
電池切れや動作不良、ベルトの傷みといった不具合をそのままにしてしまい、直すタイミングを逃したまま、着けない期間だけが延びていくというケースも少なくありません。
このように、着けなくなる理由は一つではなく、体の変化、選択肢の増加、気持ちの変化、そして物理的な不具合という、いくつもの要因が重なり合って起きているんですよね。
どの理由にも共通しているのは、その腕時計自体に問題があったわけではなく、あくまで時間の経過とともに、本人と腕時計との関係性が自然に変化していったということなんです。
他にもあるかもしれませんが、大体の場合でこの4つのどれかに当てはまるんじゃないかなぁと思いますね。
着けなくなった理由がはっきりしている場合は、実はその後の向き合い方も考えやすいものなんですよね。
では次に、ここをもうちょっと深ぼって『眠らせたままにする「もったいなさ」に気が付けるか?』という内容で解説します。
眠らせたままにする「もったいなさ」に気が付けるか?
一度買ってしまえば、そのあとは本人がどう扱おうと自由なのですが、腕時計という道具そのものが持つ性質に関わるもったいなさが潜んでいます。
いつもお話ししていますが、腕時計は本来、身につけられて初めて、その役割を果たすものです。
誰の手首でも動くことなく、暗い引き出しの中で時間だけが過ぎていくというのは、道具としての本来の在り方から、大きく離れてしまっている状態だといえます。
特別なムーブメントも、そのモデルにしかない意匠も、誰かの日常の中で息づいて初めて、本来の輝きを放つものなんですよね。
どれだけ優れた一本であっても、着けられなければ、その価値は誰にも届きません。
要するに、本当にもったいないのは、その一本が「使われないまま」どこかに放置され続けていること自体なんです。
当店でも、以前父親からお譲りになられた方の長年眠っていたデイトジャストをオーバーホールしましたが、「もっと早く見てもらえばよかった」とおっしゃっていました。
その言葉の裏にあるのは、金銭的な後悔だけでなく、もっと長くその一本を楽しめたはずだったのに、という気持ちなんですよね。
8年くらい放置されてて、やっとの思いでオーバーホールを依頼してくださったそうなんですよね。
まぁ、お父様とその方のそのデイトジャストに対する思い入れは違うので、放置されることは仕方ないことですし、なんならオーバーホールに持ち込まれてるだけでも素晴らしいことです。
ほとんどの場合は、もう修理されることもなく質屋行きでしょうからね。
一本の腕時計が刻める時間には限りがあります。
その限られた時間を、着けられないまま過ごしてしまうことこそが、もったいなさの根本的な問題なんですよね。
だからこそ、今すぐ結論を出せなくても構いませんので、まずは現状を知ることから始めていただきたいと考えています。
サイズが合わなくなっていたのか、単に他の一本に気持ちが移っていたのか、その理由が分かるだけでも、次にどう向き合うべきかが見えやすくなるんですよね。
その小さな気づきが、次の一歩を後押ししてくれるはずです。
ここまで動画をご覧になってるってのは、何かの巡り合わせかもしれませんので、もったいないことしてるなぁ・・・って実感が出た方は是非とも明日から着用してあげてくださいね。
ではこのまま視聴を続けてくれる方は次に、「手放す」か「使い方を変える」か、という選択肢!という内容で解説して参ります。
「手放す」か「使い方を変える」か、という選択肢
着けなくなった1本と、これからどう向き合っていくか。
選択肢は大きく分けて、2つあります。
一つは、手放すという選択です。
使わないまま持ち続けるより、その一本を必要としてくれる次の方のもとへ送り出すことで、腕時計自体は本来の役割を取り戻すことができます。
売却であれば、その時点での市場価値を活かすこともできますし、ご家族やご友人への譲渡であれば、金銭以上の形で気持ちごと引き継いでいただくこともできるんですよね。
もう一つは、使い方を見直すという選択です。
必ずしも手放す必要はなく、たとえばベルトを気分に合わせて交換してみたり、普段のシーンとは違う場面(特別な日や、あえてカジュアルな装いの日など)専用の一本として位置づけ直してみたりすることで、また新しい形で着ける機会が生まれることもあります。
サイズが合わなくなっていたのであれば、ベルトやブレスレットの調整だけで、また日常的に着けられるようになるケースもありますが、やはり譲渡か売却の方が現実的なはずです。
というのも、もう着用しなくなってるってことは、その個体への愛着が0になっていることがほとんどだからです。
なんなら、もうその処分を考えるのが面倒になって、でも罪悪感もあるし、みたいな感じで見たくもないって方もいらっしゃることでしょうからね。
再度着用を試みるのも、売却もどちらが正解ということはなく、大切なのは「なんとなく引き出しにしまったまま」という状態から、一歩踏み出して、どちらかを選んでみるということです。
選ばずに放置し続けることこそが、実はもっとも「もったいない」選択なんですよね。
前回の動画でも話しましたが、この『決断』に強烈なエネルギーを使いますよね。
でもここでエネルギーを使うことは、悪いことだけではないじゃないですか。
なぜなら、次の大切に扱ってくれるオーナーに受け継がせることができますし、その資金を元に次の新しい相棒に出会えるかもしれませんからね。
当店でも、下取りのご相談は受け付けておりますので、お気軽にお申し付け頂ければ幸いです。
単純に別の一本に気持ちが移った。ってのはごくごく自然現象なんですよね。
だからそこに引け目を感じる必要もありませんし、実際にお客様とそんな話になった時には、無理に着用を続ける必要はないというお話をすることもあります。
その方にとって本当に必要な選択肢は、実際にお話を伺ってみないと分からないことが多いんですよね。
迷われた際は、一人で結論を出そうとせず、専門家に現状を見てもらうというのも、有効な選択肢の一つだといえます。
手放すことに、少し寂しさや罪悪感を覚える方もいらっしゃいますが、それは決して悪いことではありません。
むしろ、それだけその一本を大切に思っていた証拠だといえます。
その気持ちを大切にしながらも、今のご自身にとって本当に必要な選択は何かを、少しずつ見つめ直していただければと考えています。
では最後に、『眠らせたままにしている方へ店長からの提言』という内容で解説します。
眠らせたままにしている方へ店長からの提言
最後に、今まさに引き出しの奥に眠っている一本がある方に、一つだけ問いかけしてみるのを提案します。
それは「その一本を、もし今日また新しく出会ったとしたら、もう一度選びますか?」
という質問です。
この問いに、迷わず「はい」と答えられるのであれば、それはまだ、その方にとって大切な一本であり続けている証拠なんですよね。
何本も腕時計をお持ちの方であれば、この問いを、手持ちの一本一本に順番に投げかけてみるのもおすすめです。
迷わず「はい」と答えられる一本と、そうでない一本が、意外とはっきり分かれることに気づかれるかもしれません。
着ける機会が減っていたとしても、この問いへの答えが「はい」であるなら、それはまだあなたにとって現役の一本なんですよね。
お客様と話しているときに、聞くんですが一度手放して、また何年後かに倍の値段で買い戻したんですよぉ・・・・・って方はまぁまぁいらっしゃいます。
だから、その時の瞬間的な気持ちとか、一時的な気持ちである可能性もあるんですよ。
ここが難しいところなので、さっきの質問をして欲しいわけですよ。
逆に「いいえ」に近い感覚を持った一本は、次の方のもとで、新しい役割を果たす時期に来ているのかもしれません。
少し考えて、「今ならたぶん選ばない」と感じたりしたのであれば、それも一つの大切なサインです。
その一本への気持ちが、既に別の形へと変わっているということなんですよね。
その場合は、無理に着け続けようとするのではなく、次の方のもとへ送り出すという選択肢を、前向きに検討してみてもいいのかもしれません。
この問いかけに、正しい答えというものはありません。
ただ、この問いに向き合うことで、なんとなく引き出しにしまったままだった一本との関係性が、はっきりと見えてくるはずです。
見えてきた答えに従って、次の一歩を踏み出していただければと考えています。