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Article: オーバーホール動画を20本以上撮ってきて、初めて見えてきたこと

オーバーホール動画を20本以上撮ってきて、初めて見えてきたこと

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。

本日は「オーバーホール動画を20本以上撮ってきて、初めて見えてきたこと」という内容でお話しして参ります。

これまでベルモントルのチャンネルでは、実際に弊社で販売する腕時計のオーバーホール工程を、そのまま動画としてご紹介して参りました。

本数を重ねていく中で、視聴者様から自分の時計もオーバーホールお願いします。

とお問い合わせを頂くことも増えてきました。

そこで今日は、これまで手がけてきたオーバーホールを一度振り返りながら、ブランドごとに見えてきた特徴や、共通して言えることをお話しして参ります。

弊社でご購入して頂いた時計であれば、もちろんご対応致しますが、他社様のであれば対応が出来ないこともありますので、その辺りは公式ラインからお問い合わせ頂ければ幸いです。

また、新しい青山の店舗も少しずつ設備が整ってきたので、オーバーホールとは別料金で職人の森さんのオーバーホール風景を一緒にご覧頂きながら、実際にどのように修理されていくのかをご覧頂くプランを考えております。

こちらは予約制のみの対応で、オーバーホール金額とは別に2時間の66,000円を予定しております。

まだ確定事項ではありませんので、またしっかり決まった時に再度ご連絡致しますね。

今日の動画は、その個体の話が出てきた時にその動画のサムネを挟むようにしていますので、気になるオーバーホールの動画がありましたら、概要欄に入れておりますので、そちらからご覧下さい。

また、オーバーホールの基本料金も入れておりますので、こちも合わせてご覧下さいませ。

それでは本題に入ります。

 

 

これまで手がけてきた本数とブランドの内訳

ベルモントルではこれまで、実際に仕入れた腕時計のオーバーホール工程そのものを、動画としてそのまま公開して参りました。

改めて数えてみますと、その本数はすでに20本を超えているんですよね。

内訳を見てみますと、一番多いのはカルティエの腕時計なんです。

マストタンク、プレマストタンクといった定番のタンクシリーズから、木製のケースを持つオーガニックタンク、そしてステップドタンクのような珍しい形状のモデルまで、幅広いラインナップを修理して参りました。

サントスに関しても、白文字盤のコンビモデルや、ゴーストやバーガンディの文字盤を持つ特殊なサントスカレなど、色々と扱ってきております。

そして後1つの大きな柱がロレックスといえます。

デイトジャストだけを見ても、Ref.1600、Ref.1601、Ref.1603といった型番の違いがあり、さらに同じ4桁でもキャリバー1560・1570といったムーブメントの違いまで存在するんですよね。

アルファハンドを備えた初期のデイトジャストや、トロピカルダイヤルへと変色したギャラクシーモデル、そして市場でもなかなか見かけないラベンダー文字盤の個体まで、1個1個まったく状態が異なる腕時計と向き合ってきました。

そのほかにも、オメガのジュネーブといった手巻き式のドレスウォッチやSEIKO、IWCもオーバーホールしております。

IWCは撮影してませんが、SEIKOはヴィンテージウォッチライフに入れてますので、気になる方はそちらもご覧ください。

森さんは他にも国産、オメガ、IWCも得意としておりますので。

製造年で見てみますと、1960年代に作られた個体から、1990年代に登場した比較的新しいヴィンテージまで、時代の幅も広いんですよね。

こうして振り返ってみますと、単に本数をこなしてきたというよりも、ブランドやリファレンスごとに異なる構造や劣化のクセと、一つひとつ向き合ってきた時間だったといえます。

特にこれからヴィンテージの腕時計を初めて持つ方にとっては、参考になる部分が多いはずです。

一台一台にこれだけの時間をかけてきたからこそ、ブランドごと、リファレンスごとの特徴や、共通して見られる劣化のクセが、経験としてしっかりと蓄積されてきているんですよね。

では次にですね、カルティエのオーバーホールだから見えてきた共通点!という内容で解説して参ります。

 

 

 

カルティエのオーバーホールだから見えてきた共通点

カルティエのオーバーホールを重ねてきた中で、一番強く感じるのは、このブランドが「見た目の美しさ」と「衣装を崩さない誠実さ」を、両方とも決して手放さないブランドだということなんですよね。

いつも小さい時計がいいですよねぇ・・・って話をしているんですが、ケースが小さいということはムーブメントも小さいです。

そして、マストタンクやプレマストタンクを分解してみますと、ケースの薄さに対して、限られた空間に、丁寧にムーブメントが収められていることに気づかされます。

ETA社製ではあるものの、このサイズのムーブメントを作ってくれたことは本当にありがたいことだと思いますね。

オーガニックタンクのような木製ケースのモデルでは、割れに気を配る必要があり、通常のオーバーホールとは異なる繊細さが求められる場面もありました。

あのような特殊文字盤というのは、針を抜く時と入れるときに文字盤にも触れる可能性がありますし、そこで力がかかったら割れてしまいますからね。

同じようにサントスは、バーガンディとゴースト文字盤というのは、そもそもの数が少なすぎるので、通常の白文字盤と比較してかなり慎重にならざるを得ません。

特に印象的なのが、アメリカンなのですが、本来であればここは一体パーツとして作った方が安価に出来るだろうなぁってパーツをそれぞれ独立させて、組み立てるように作ってあることでした。

風防も本来であれば、ケースに接着させた方が簡単なはずですが、風防は独立しわざわざ風防を載せる土台まで準備してありましたからね。

だからこういった内部の仕組みというのも、分解してみないことには分かりませんよね。

こうした構造を見るということを意識しながら、オーバーホールに向き合うと、単に「動くようにする」だけでなく、「このブランドが本来持っている美しさや、なんでこんな設計にしてるのか!」という理解が、より深まります。

こうした1個1個を分析してるからこそ、カルティエの腕時計を安心してお預けいただける体制が、当店には整っているつもりです。

特にタンク系のモデルは、薄型であるがゆえに構造がシンプルに見えて、実は非常に緻密な調整が求められるという、良い意味でのギャップがあるブランドなんですよね。

まだ、弊社のオーバーホールの映像をご覧になられてない方は、是非ともこちらカルティエ/CARTIER【ヴィンテージ マストタンク マルチカラー】を修理する映像をご覧下さい⬇️

43分の動画なのですが、これでも短い方です。

もっと簡潔にみたいという方は、ショートでも分割しておりますので、調べられてみてくださいね。

でもテレビでロングの動画を見た方が、しっかり理解できると思いますね。

そして、いつもお伝えしてますが、ヴィンテージウォッチなのでその劣化具合というのは分かりません。

例えば、オーバーホールした時にはゼンマイは問題なく動いてたけど、納品してから少し時間が経って切れることだってあります。

それは、その劣化を人の目で確認できないからです。

ですので弊社では、そう言ったことも含めて1年の保証をしておりますので、そう言った不具合が発生した場合には、お気軽にお申し付けくださいませ。

では次に、ブランドを問わず見えてきた、ヴィンテージ腕時計に共通する劣化のパターンという内容で解説して参ります。

 

 

ブランドを問わず見えてきた、ヴィンテージ腕時計に共通する劣化のパターン

カルティエ、ロレックス、オメガ、SEIKO、IWCと、ブランドを問わず数多くの腕時計を分解してきた中で、実はブランドの違いを超えて、共通して見られる劣化のパターンがいくつかあることに気づかされます。

一つ目は、オイルの劣化です。

長年使い続けられた腕時計は、内部に塗布されているオイルが酸化したり、乾燥して固まったりすることで、本来なめらかに動くはずの歯車の動きが重くなっていきます。

これはブランドを問わず、ヴィンテージ腕時計であれば必ずと言っていいほど直面する現象なんですよね。

二つ目は、防水パッキンの劣化です。

ゴム製のパッキンは、着けているかどうかに関わらず、経年によって弾力を失っていきます。

ロレックスは結構この傾向が多いのですが、しばらくオーバーホールしてなくても問題なく動いてくれるので、長年放置された個体ほど、このパッキンの硬化が進んでいることが多く、分解して初めて劣化の度合いに驚かされることも少なくありません。

当たり前ですが、元々はゴムパッキンだったのに、そう言ったのはもうプラスチックみたいにカチカチになってますからね。

三つ目は、サビです。

サビってのは、生え出してから一定期間であれば、それは除去して綺麗な状態にすることはできるんですよね。

ただ、一定期間を過ぎてしまうとサビが腐食に変わって、ステンレスの原型を崩してしまいまいます。

なので、パッキンもそうですし錆もそうなのですが、しばらくオーバーホールしてなくても、見た目からは何も変化はないはずなんですよね。

でも、それらは見えないところで侵食が進んでいるので、大切な時計ですのでやはり定期的にオーバーホールをして、それらを未然に防いで欲しいなぁと思いますね。

 

こうした共通のパターンを、これまで数多くの実例を通じて体感してきたからこそ、ブランドの垣根を越えて、どの腕時計に対しても丁寧に向き合わせて頂いております。

特に印象的なのは、ブランドや価格帯が違っても、時間の経過という条件のもとでは、腕時計という機械が抱える課題には共通点が多いということです。

逆に言えば、この共通のパターンを熟知していることが、初めて扱うブランドや型番に対しても、落ち着いて対応できる土台になっているんですよね。

では次に、分解して初めて気づいた、印象に残っている発見!という内容で解説して参ります。

 

 

分解して初めて気づいた、印象に残っている発見

色々な個体を撮影して、それらを残していますが、特に印象に残っている発見をいくつかご紹介します。

一つ目は、ロレックスのラベンダー文字盤を分解した際の出来事です。

市場でもなかなか出会うことのない、この珍しい色合いの文字盤を裏返してみたところ、そこには「BEYELER/ベイラー」という刻印が入っていたんですよね。

これは当時のロレックスがベイラー社に依頼して文字盤を作って貰ってた事が分かる重要な証拠ですし、特定の正規販売店を通じて世に出た個体である証であり、文字盤の表側からは決してわからない、その一本だけが持つ背景に触れられた瞬間でした。

この今では絶対にやらないであろうことを、昔のロレックスがやってたというのを実際に見つけるのが面白いですよね。

今は全てのパーツを自社で作ってますからね。

二つ目は、1964年のオイパペを分解したときのことですね。

購入してから1回くらいしかオーバーホールされてないであろう個体だったので、油は固まってるし、固着してるし、本来であれば1回の洗浄で終わらせるところを3回くらいやった記憶があります。

それでもそれだけ洗浄させれば、綺麗になりますし、しっかり精度も出してくれるので、やはりロレックスだなぁと感心させられましたよね。

三つ目は、私の私物であるステップドタンクを分解した際です。

これは発見というか気づきなのですが、ただ単に自分がこれから着用する腕時計が目の前でオーバーホールされていくその姿に、嬉しかった。

ただそれだけですね。

なんかやっぱりですね、これからも大切に扱っていこう・・・・って気持ちになりますよね。

どのエピソードにも共通しているのは、腕時計を分解するという行為が、単なる修理作業ではなく、その一本が歩んできた歴史そのものと向き合う時間になっているということなんですよね。

文字盤の裏側や、ケースの内側といった、普段は決して目にすることのない部分にこそ、その腕時計だけが持つ物語が刻まれているんです。

特にヴィンテージだからこそ、こう言った発見が生まれやすいです。

そしてこれらの一つ一つの発見が、次に別の腕時計と向き合うときの、新たな視点にもつながっているんですよね。

こうした一つひとつの積み重ねこそが、当店で腕時計をお預かりする意味そのものだと感じています。

では次に、だからこそ言える、オーバーホールに出すべき正しいタイミング!という内容で解説します。

 

 

だからこそ言える、オーバーホールに出すべき正しいタイミング

これまで20本以上の実例と向き合ってきたからこそ、改めてお伝えできることがあります。

当店では、お預かりした腕時計について、3年に1回のオーバーホールをお願いしているんですよね。

これは決して根拠のない数字ではなく、実際にこれまで分解してきた個体を見ていく中で、この周期を超えて放置された腕時計ほど、オイルの固着やパッキンの劣化が明らかに進んでいるという実感に基づいたものです。

例外で言えば、ロレックスでこれは機密性がかなり高いので、3年経過してても意外に油は残ってるます。

ですがやはりパッキンは、硬化気味なのとサビは生えてないけど、綺麗に洗浄することで未然にそれを防止できるので、やはり3年に1度は出して頂きたいなぁと考えております。

今回ご紹介したオイパペやギャラクシー文字盤のように、長期間放置されていた個体ほど、いざ分解してみると、想定以上に内部の状態が進行しているケースを、数多く目の当たりにしてきました。

一方で、日頃から3年周期を守って修理を行ってきた個体は、分解した際の内部の状態そのものが、明らかに良好なんですよね。

特にヴィンテージ腕時計の場合、年代が古くなるほど純正部品の入手も難しくなっていきますので、この周期を守ることが、その一本を長く使い続けるための鍵になってくるんですよね。

腕時計は、日々の暮らしの中で身につけられて初めて、本来の役割を果たすものです。

だからこそ、3年という目安を一つの基準にしていただきながら、少しでも気になる一本があれば、ぜひ一度、当店までご相談ください。

これまで積み重ねてきた経験を活かして、大切な一本と長く向き合っていくお手伝いをさせていただきます。

これからも、皆様の大切な一本と、丁寧に向き合わせていただきますね。

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