金無垢腕時計が買えなくなる日
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日は「金無垢の腕時計が買えなくなる日」という内容でお話しして参ります。
金の価格が、ここ数年で驚くほど上昇しているというニュースを、耳にされた方も多いのではないでしょうか。
実はこの金価格の上昇、私たちが扱っているヴィンテージ腕時計、特に金無垢のモデルにとって、無視できない大きな影響を及ぼしているんですよね。
本日は、実際のデータをもとに、金無垢の腕時計がこれからどうなっていくのか、その現実についてお話ししていきたいと思います。
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それでは話を進めて参ります。
金価格がこの1年でどれだけ上がったのか?
まず、金価格が、長期的にどれほど大きく変化してきたのかを見ていきます。
田中貴金属工業が公表している店頭小売価格によりますと、30年前、1996年8月時点で、金の価格は1グラムあたり1,414円でした。
これが、2026年8月現在では、1グラムあたり24,821円という水準になっているんです。

つまり、30年間で金価格はおよそ17.55倍、率にして1655%もの上昇を遂げているんですよね。
この変化を、実際の金無垢腕時計に当てはめて考えてみます。
仮に、ケースとブレスレットを合わせておよそ100グラムの金無垢モデルがあったとします。
地金の価値だけで計算すると、1996年時点ではおよそ14万1,400円だったものが、2026年の現在では、なんとおよそ248万2,100円にまで膨れ上がっているんです。
その差額は、実に234万円以上にもなるんですよね。
もちろん、この30年間、金価格は一直線に上がり続けてきたわけではありません。
短期的には上がったり下がったりを繰り返しながらも、長期的なトレンドとして見れば、金価格は一貫して右肩上がりの道をたどってきたということなんです。
なぜここまで金価格が上昇し続けているのかって話ですが、いくつかの構造的な背景があります。
一つ目が、世界各国の中央銀行による継続的な金の購入です。
各国の中央銀行が、外貨準備の一部を金にシフトする動きを強めていることが、価格上昇の大きな要因になっているんですよね。
二つ目が、米ドルという通貨そのものへの信認の揺らぎです。
主要国の財政赤字や債務残高が過去最高水準に達している中、投資家や機関投資家の間で、米国債のような伝統的な安全資産だけに頼るのではなく、金という実物資産に資金を分散させる動きが強まっているんです。
三つ目が、地政学的な緊張の高まりです。
世界各地での紛争や政治的な不確実性が続く中、こうした有事の際に価値が失われにくい金という資産に、改めて注目が集まっているんですよね。
これらの要因は、いずれも短期間で解消されるようなものではなく、構造的に金価格を押し上げ続けている土台になっていると考えられます。
次の見出しでは、この30年という長い時間軸の中で、金無垢の腕時計の仕入れ環境そのものが、どう変わってきたのかを、より詳しく紐解いていきます。
金無垢腕時計の"仕入れ値"、昔と比べてどう変わったのか?
それでは、この金価格の上昇が、金無垢の腕時計の"仕入れ値"に、具体的にどう影響してきたのかを、もう少し詳しく紐解いていきます。
先ほどは1996年と現在の2点で比較しましたが、ここでは間の年代も含めて、金価格がどのような道のりをたどってきたのかを見ていきたいところです。
田中貴金属工業が公表している店頭小売価格を基に、4つの時点を比較してみます。
前述した通り1996年8月時点、金の価格は1グラムあたり1,414円でした。

2016年8月時点になると、1グラムあたり4,835円まで上昇しています。
2021年8月時点では、1グラムあたり7,103円という水準です。

そして現在、2026年8月時点では、1グラムあたり24,821円にまで到達しているんですよね。
こうして4つの時点を並べてみると、金価格の上昇ペースそのものが、年々加速してきていることが分かります。
1996年から2016年までの20年間では、価格はおよそ3.4倍でした。
ところが2016年から2026年までの、わずか10年間だけを見ても、価格はおよそ5.1倍に達しているんです。
つまり、直近10年間の上昇スピードは、それ以前の20年間よりもはるかに速いペースで進んでいるということなんですよね。
この変化を、実際の仕入れの現場に置き換えて考えてみます。
仮に、ケースとブレスレットを合わせておよそ100グラムの金無垢モデルを仕入れる場合、地金の価値だけで見ると、1996年時点ではおよそ14万1,400円、2016年時点ではおよそ48万3,500円、2021年時点ではおよそ71万300円だったものが、2026年の現在では、およそ248万2,100円まで膨れ上がっているんです。
これはあくまで地金の価値だけの試算でして、実際の販売価格には、ブランドの技術料やデザイン料、加工費なども上乗せされますので、最終的な価格差はさらに大きくなります。
つまり何が言いたいかと言いますと、30年前に無理なく仕入れることができていた金無垢モデルと、全く同じ重量・同じデザインのモデルを今仕入れようとすると、地金の部分だけで200万円以上多く支払う必要があるということなんです。
私自身、実際の仕入れの現場でも、この変化を肌で強く感じています。
以前であれば無理なく仕入れられていた価格帯の金無垢モデルが、今では去年の倍で・・・・というのが正直な実感なんですよね。
特にブレス一体は、非常に上がっていますよね。
とはいえ、なんだかんだ言ってもまた下がってくるんやない・・・って私も期待していますし、皆様もちょっとだけ期待してると思いますので、次の見出しでは、専門家たちが今後の金相場をどう見ているのか?その予測を解説して参ります。
今後の金相場、専門家はどう見ているのか!?
では、このパートの見出しの内容を進める前に、事前にお伝えしておきたいことがあります。
未来のことは誰にもわからない、というところが前提にありますよね。ですので、どんな専門家であっても予想は予想であって、金がこのように上がっていくというのは、誰にもわからないところでございます。
よって、この内容というのも真剣に受けるというよりかは、話半分で「そうなるかもしれないよね」程度の距離感で聞いてください。

まずゴールドマン・サックスです。
2026年末時点での金価格予想を、1オンスあたり5,400ドルまで引き上げています。
オンスがなかなかイメージできないと思いますので、1gバージョンに直したら27000円までいくんじゃない!って思ってるってことです。
続いてJPモルガンです。
こちらはさらに強気でして、2026年末までに1オンスあたり6,000ドル、2027年には6,300ドルに達する可能性があるという見通しを示しています。
1gバージョンに直したら3万500円までいくんじゃない!って思ってるってことです。
一方で、すべての金融機関が一様に強気というわけではありません。
JPモルガン自身も一部のレポートでは、需要の鈍化やアメリカの利上げの可能性を理由に、予想を4,500ドルまで引き下げるという、やや慎重な見方を示している場面もあるんですよね。
つまり専門家の間でも、5,000ドル台前半から6,000ドル台まで、かなり予想の幅が広いというのが実情です。
ただ、共通しているのは、多くの専門家が「金価格が今後さらに上昇する可能性が高い」という方向性そのものについては、おおむね一致しているという点なんです。
その根拠となっているのが、先ほどお伝えした中央銀行による継続的な金購入、ドルという通貨への信認の揺らぎ、そして地政学的な不確実性という、構造的な要因なんですよね。
これらの要因は、短期間で解消されるようなものではなく、むしろ数年単位で続く可能性が高いと見られています。
つまり、今回の金価格の上昇は、一時的なブームというよりも、世界の金融構造そのものが変化しつつある中で起きている、より根の深い現象だと捉えた方が実態に近いんですよね。
次の見出しでは、こうした金相場の見通しを踏まえた上で、"買えなくなる日"は本当に来るのか、それとも今こそが最後のチャンスなのか、というところまで踏み込んで紐解いていきます。
"買えなくなる日"は本当に来るのか?それとも今が最後のチャンスなのか?
結論から申し上げると、私は「完全に買えなくなる」ということはないと考えています。
ただし、「今と同じ感覚で、気軽に買えるものではなくなっていく」ということは、かなり現実味を帯びていると思うんですよね。
金価格がこのまま上昇を続けた場合、金無垢モデルの新品価格は、今後さらに引き上げられていく可能性が高いです。
実際、多くの高級ブランドは、金相場の上昇分を新作の価格に転嫁する形で、すでに値上げを繰り返しているんですよね。
こうした状況が続けば、金無垢モデルは、一部の富裕層だけが手にできる、より特別な存在になっていくと考えられます。
一方で、ここに一つ、知っておいてほしい視点もあります。
それは、ヴィンテージの金無垢モデルという選択肢です。
新品の金無垢モデルが、今後の金価格上昇分をそのまま価格に転嫁していくのに対して、すでに市場に出回っているヴィンテージの金無垢モデルは、地金としての価値の裏付けを持ちながらも、新品ほど急激には値上がりしていないケースが多いんですよね。
もちろん、ヴィンテージ市場全体としても、金相場の上昇を受けて激しく上昇している傾向はあります。
ですが、新品を今から金無垢で仕立てる場合と比較すると、すでに存在しているヴィンテージの金無垢モデルを今のうちに手に入れておく、という選択肢には、まだギリギリ相対的な割安感があると言えるかもしれません。
つまり、「買えなくなる日」が来るとすれば、それは主に新品の世界で先に起きる変化であって、ヴィンテージという選択肢は、むしろこれから見直されていく可能性があるんじゃないかと、私は考えているんですよね。
そして、すべてのモデルではありませんがその見直しが始まった時には、私たちが想像する以上のスピードで上昇していくはずです。
今はその最後の夜明けかもしれません。
ベルモントルの視点
ここまで、金価格の急激な上昇と、それが金無垢の腕時計にどのような影響を及ぼしているのかをお伝えしてきました。
この10年で5倍以上という金価格の動きは、正直なところ、私自身も日々の仕入れの中で強く実感している変化です。
ベルモントルでは、こうした金相場の動向を踏まえた上で、金無垢モデルの仕入れについても、これまで以上に慎重に、そして適切なタイミングを見極めながら進めていきたいと考えています。
新品の金無垢モデルが、今後ますます特別な存在になっていく中で、ヴィンテージという選択肢が持つ価値は、むしろこれから高まっていくのではないかと感じているんですよね。
地金としての裏付けを持ちながら、歴史や物語も併せ持つヴィンテージの金無垢モデルは、資産としても、腕時計としても、非常に魅力的な選択肢だと思います。
金相場という大きな流れの中で、今何を選ぶべきか、ベルモントルは今後もお客様に寄り添いながら、丁寧にご提案していきたいと考えています。