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Article: 大人になると、なぜ腕時計にも『新品感』より『馴染み』を求めるのか?

大人になると、なぜ腕時計にも『新品感』より『馴染み』を求めるのか?

こんにちは、ベルモントルの妹尾です。

本日の動画では「大人になると、なぜ腕時計にも『新品感』より『馴染み』を求めるか?」という内容で解説して参ります。

以前、「なぜ大人になると、新しい物より昔の物に惹かれることがあるのか?」という動画を出したのですが、そこで的確に言い当てたコメントをいただきました。

それは

年齢を重ねていくと、自分自身の見た目も少しずつ変化していくので、若い頃に似合っていた真新しい物よりも、時間を重ねた物の方が自然に感じるようになった、という内容でした。

これは腕時計を見ていても、確かにある話なんですよね。

20代の頃には全く興味がなかったヴィンテージウォッチが、40代や50代になって急に格好よく見えたり、若い頃には派手に感じていた金無垢の腕時計が、年齢を重ねるとむしろ自然に感じたり、新品の完璧な状態だけではなく、少し時間を重ねたケースや文字盤に魅力を感じるようになる。

などなどですね。

もちろん、これは新品よりヴィンテージの方が優れているという話ではありません。

新品には新品にしかない魅力があります。

ただ、自分自身が年齢を重ねていくことで、腕時計に求める「綺麗さ」の種類まで変わっていくことがあります。

今回は、大人になると腕時計にも「新品感」より「馴染み」を求めるようになることがあるのはなぜなのか。

ここら辺を、ベルモントルの妹尾さんと一緒に見ていきましょう。

動画の中で色々質問しますので、是非コメントでそれを教えてくださいね。

それでは話を進めて参ります。

 

 

年齢を重ねると、腕時計ではなく「自分の見た目」の方が変わっていく

まず最初に考えたいのが、年齢を重ねると変わるのは腕時計ではなく、自分自身の方だということです。

例えば20歳の時と50歳の時で、同じ腕時計を着けたとしても、その一本から受ける印象は同じではありません。

服装も変わりますし、髪型や体型、仕事での立場も少しずつ変わっていきます。

つまり腕時計だけを取り出して考えるのではなく、その周りにある物が全部変わっていくわけです。

ここがかなり重要なんですよね。

例えば新品のステンレス腕時計があります。

ケースにもブレスレットにもほとんど傷がなくて、光を強く反射してくれます。

同じ腕時計でも着ける人の年齢で見え方が変わる(20代と40代・50代の比較)

20代の頃に着ければ、その新しさやシャープさがその方自身の雰囲気と自然につながることがあります。

一方で年齢を重ねてから同じような腕時計を着けると、「似合わない」ということではありませんが、腕時計の新しさが以前より強く見える場合があります。

反対に、少し時間を経た金無垢の腕時計だったり、少し柔らかな色になったヴィンテージの文字盤だったりすると、腕時計だけが前に出ず、その方の雰囲気の中に収まりやすくなることがあります。

その方の年齢との統一感が生まれるってことですよね。

これって、腕時計に限った話でもないんですよ。

新品の革靴はもちろん綺麗です。

革もピンとしていて、表面にも傷がありません。

ただ、しばらく履いていくと足の形に合わせて革が少しずつ曲がり、自分の歩き方に合わせたシワが入ってきます。

新品の時とは違うのですが、その方に馴染んで形が変わっていますし、その方の服装は背伸びをしてない自然体になります。

腕時計にも、それに近いところがあります。

新品の腕時計は誰が着けても最初は新品です。

ところが10年使えば、その一本には10年分の表情が出てきます。

そしてその10年間で、自分自身も10歳年齢を重ねます。

だから年齢を重ねることで「古い物が好きになる」というよりも、まぁこれもあると思いますが、どっちかっていうと、少し時間を重ねた物を自然に受け止められるようになってくる、という方が近いのかもしれません。

もちろん、50代だからヴィンテージを選ばなければいけないわけではありません。

新品の腕時計が非常によく似合う50代、60代の方も当然いますからね。

あと前回の動画でも話した通り、結局好みの問題なので。

今回お伝えしたいのは、年齢によって腕時計の正解が決まるということではなく、年齢を重ねることで選択肢が増えるということです。

20代の頃には「古い」としか感じなかった物を、40代になると「味がある」と感じることがあるし、若い頃には地味に見えた小さな金無垢腕時計が、ある年齢から急に格好よく見えることがあります。

その見え方の変化は、腕時計そのものが変わったのではありません。

見ている自分の方が変わったということです。


腕時計選びというと、どうしても「どのブランドが良いのか?」とか「今は何mmが人気なのか?」と腕時計側の表面ばかり見てしまいます。

でも実際には、自分自身の変化もかなり大きいんですよね。

昔は似合わなかった物が、今は似合う。

逆に昔はよく着けていた物が、今は少し違って見える。

大人になってからの腕時計選びは、こういった自分自身の変化まで含めて見ていくと、かなり面白くなりますよね。

では次に、少し時間を重ねた腕時計には「自分だけ新品」という違和感が少ない!という内容で解説して参ります。

 

 

大人になると「傷がないこと」だけが美しさではなくなってくる

若い頃に腕時計を見ると、まず気になるのは状態だったりします。

傷がない。

文字盤が綺麗。

ケースがピカッとしている。

ブレスレットにも使用感がない。

などなどですね。

新品に近ければ近いほど「良い物」に見えやすいんですよね。

もちろん、腕時計の状態が良いことは大切ですし、ヴィンテージでも大きなダメージがある個体を積極的に選ぶ必要はありません。

ただ、いろいろな物を長く使っていくと、「傷がない=一番格好いい」とは限らないことが少しずつ分かってきます。

例えば車でもそうですよね。

完全に新車の状態を保つことだけが、その車を楽しむ方法ではありません。

実際に乗って、使って、自分の生活の中に入っていくことで、その物との関係ができていきます。

腕時計も同じだと思います。

例えば金無垢のケースに細かな傷が入っていたとしても、それがケースの形を壊すような大きなダメージでなければ、私生活の中でも充分に使えます。

むしろ少し使用感があることで、金無垢特有の華やかさが柔らかく見えることもあります。

文字盤についても、真っ白な状態だけが魅力ではありません。

少しアイボリーに変化した文字盤や、均一に色が変わった夜光など、その一本が過ごしてきた時間が見えることで魅力を感じる方もいます。

ただし、ここはかなり重要ですが、

「経年変化」と「ダメージ」は別です。

経年変化とダメージは別 OK例とNG例

これも前回の動画でコメントを頂いてる内容で、ここもまた人によって味と捉えるか劣化と捉えるかの境界線が曖昧ですが、明らかにダメなのが

水が入って文字盤が腐食している。

ケースが過度な研磨によって形を失っている。

ムーブメントが錆びている。などなどですね。

こういった状態まで「味がある」で済ませる話ではありません。

経年変化とダメージの違い(文字盤・ムーブメント・ケースの比較)

そうではなくて、

新品の状態から少し変化していること自体が「価値」として捉えれるようになる。

ここが年齢を重ねた時の物の見方の変化として素晴らしいことだと思います。

若い頃は「いかに綺麗か」で見ていた物を、年齢を重ねると「どういう時間を過ごしてきたのか」まで含めて見れるようになります。

だからヴィンテージ腕時計を見ても、

「傷があるから嫌だ」

だけではなく、

「この程度の使用感なら、この腕時計にはむしろ自然だな」

という見方ができるようになるんですよね。

そして、そういうのを許容できる心を持てるようになっていることも、大人になった証なのかもしれませんよね。

これは審美眼という言葉だけではなく、自分自身が物を長く使ってきた経験も大きいと思います。

では次に、本当に魅力のあるものは「古い腕時計」ではなく、自分と一緒に時間を重ねた腕時計

 

本当に魅力のあるもの「古い腕時計」ではなく、自分と一緒に時間を重ねた腕時計

ここまではヴィンテージ腕時計を中心に話してきました。

ただ、今回の話で一番お伝えしたいのは、必ずしもヴィンテージを買う必要はないというところです。

新品で買った腕時計でも、長く使えば当然ヴィンテージに近づいていきます。

例えば30歳の時に新品の腕時計を買ったとします。

最初はケースに傷一つありません。

ブレスレットも綺麗です。

革ベルトなら、まだ少し硬さがあるかもしれません。

そこから5年使う。

10年使う。

20年使う。

当然、腕時計には少しずつ変化が出てきます。

ケースには小さな傷が入るし、ブレスレットにも使用感が出てくるし、革ベルトなら何度か交換することになります。

機械式腕時計であれば、途中でオーバーホールもするでしょうし、ないと思いますが場合によっては部品を交換することもあります。

腕時計だけを見ると、それは新品から少しずつ遠ざかっていく過程です。

ただ、同じ時間を持ち主も過ごしています。

30歳で買った腕時計を50歳で着けているのであれば、その一本には腕時計側の20年だけではなく、その方自身の20年も重なっています。

仕事が変わったかもしれませんし、結婚したかもしれませんし、子供が生まれたかもしれません。

転職したり、独立したり、環境が大きく変わった方もいるでしょう。

そういう時間をずっと同じ腕時計と過ごしていると、単純な中古品とは少し違う存在になっていきます。

ケースに入った小さな傷も、その瞬間は結構ガッカリしますし1ヶ月くらいは引きづりますよね。

しかし10年後になると、その傷を一つ一つ気にしなくなっていることがあります。

むしろあの時のガッカリは強烈な記憶として残ってるので、10年後に振り返れば懐かしいなぁ・・・みたいな、その個体との良い思い出になってるものです。

長年同じ腕時計を着用し続けるというのは、なかなか難しいものですが、そんな中でも結果的に10年、20年と手元に残った一本には、買った時には存在しなかった価値が出てきます。

それは相場が上がったという意味ではありません。

自分との関係ができているという意味です。

新品の腕時計は、購入した瞬間にはまだ誰の腕にも馴染んでいません。

そこから自分が使って、自分の服装に合わせて、自分の生活の中へ入れていく。

それによって少しずつ「自分の腕時計」になっていきます。

新品から自分の物になっていく腕時計と革靴の変化

ですので「新品感より馴染み」というテーマは、新品を否定する話ではないんですよね。

むしろ新品から始めて、自分で馴染ませていく楽しみもあります。

ヴィンテージなら、最初から時間を重ねた表情を楽しめますが、新品なら、自分自身がその時間を作っていけます。

入口が違うだけで、どちらも長く使っていけば「馴染む」というところへ近づいていきますよね。

これが、新品、ヴィンテージ関わらず腕時計を長く所有する魅力だと思います。

では次に、大人になると求めるのは「綺麗さ」より、自分との違和感のなさなのかもしれない!という内容で解説して参ります。

 

 

大人になると求めるのは「綺麗さ」より、自分との違和感のなさなのかもしれない

最後に、腕時計を選ぶ時の「綺麗さ」について考えてみましょう。

腕時計店に並んでいる新品を見ると、非常に綺麗です。

もちろん、自分が最初の所有者になります。

これは新品にしかない魅力です。

特に高級腕時計を初めて購入するのであれば、新品の箱を開けて、自分が最初にその腕時計を使い始めるという体験そのものに価値を感じる方も多いと思います。

一方でヴィンテージ腕時計の場合、その完璧さはありません。

ケースに細かな使用感があることもあります。

文字盤にも一本ずつ違いがあります。

全く同じモデルを2本並べても、見え方が少し違うことがあります。

若い頃であれば、この違いを「新品の方が綺麗じゃないか」と考えることもあると思います。

それは当然の感覚です。

しかし年齢を重ね、色々な物を所有するようになると、「綺麗」という言葉の意味が少し広がってくることがあります。

新品だから綺麗。

傷がないから綺麗。

というだけではなく、

製造年代に対してこのコンディションは綺麗。

エイジングに統一感があって綺麗。

などなどですね。

なんなら、時間を重ねた表情の方が美しいって気持ちになる方だって結構いますよね。

ここで大切なのは、「新品かヴィンテージか」という2択にしないことです。

新品のカルティエが似合う方もいますし、ヴィンテージのカルティエが似合う方もいます。

新品のロレックスが似合う方もいますし、40年前のロレックスが非常に自然に見える方もいます。

金無垢が似合う方もいれば、ステンレスの方がその方らしい場合もあります。

ですので最終的に見るべきなのは、腕時計単体がどれくらい綺麗なのかではなく、その腕時計を自分が着けた時に違和感がないかということだと思います。

これは年齢を重ねるほど分かりやすくなってきます。

若い頃は、腕時計そのものの格好良さを見て選ぶことがあります。

ショーケースの中で格好いい。

写真で格好いい。

有名なモデルだから格好いい。

もちろん、それも一つの選び方です。

ただ、色々な腕時計を着けてきたり、服装の好みが固まってきたりすると、少しずつ、

「この腕時計は格好いいけど、自分には違うな」

という感覚が出てきます。

これは分かる方多いと思うんですよね。

お客様の中でも、「これは凄く良いけど、僕のキャラじゃないよなぁ」って結構出てきますからね。

逆に、

「単体では何もないように見えるけど、自分が着けると妙にしっくりくる」

という腕時計にも出会うようになります。

私は、この「しっくりくる」という感覚が、今回の「馴染み」という言葉にかなり近いと思っています。

「一番綺麗な物を選ぶ」という基準に加えて、

「自分に一番自然な物を選ぶ」

という基準が増えてくるのだと思います。

「綺麗」から「しっくりくる」へ、腕時計の選び方が増える

若い頃には新品の輝きに惹かれていた方が、年齢を重ねると少し時間を経た腕時計を格好いいと感じるようになるのは、腕時計を見る目だけが変わったのではなく、自分自身も同じように時間を重ねてきたからなのかもしれません。

そして腕時計というのは、自分が歳を取れば似合わなくなる物だけではありません。

むしろ自分が歳を重ねたことで、初めて似合うようになる一本もあります。

そう考えると、昔は全く興味がなかった腕時計を、今改めて見てみると、当時とはまた違った見え方ができるかもしれませんよね。

 

腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。

その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。

店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。

ベルモントルでは、そうした背景や佇まいも含めて腕時計を選びたい方に向けて、公式LINEで一般公開前の新着商品や入荷予定品をご案内しています。

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