腕時計を何本も購入する方が、本当に増やしているものは何なのか?
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日の動画では「腕時計を何本も購入する方が、本当に増やしているものは何なのか?」という内容で解説して参ります。
腕時計が好きになると、不思議なもので一本買って終わりという方ばかりではありません。
最初は「一本あれば十分」と思っていたのに、しばらくすると二本目が欲しくなるもんなんですよ。
そして、2本目を買ったらもう終わりで、今度はまったく違う腕時計が気になって来て、気づけば何本も所有している・・・・という沼にハマってる状態になってしまいます。
もちろん、単純に腕時計が好きだから増えていくという部分もありますし、趣味で購入してるんだから全然それは問題ないんですよ。
そして、今日の話というのは何本も腕時計を購入していく中で増えているのは、単純な所有本数だけではありません。
見るところが増える。とか
比較できるものが増える。とか
自分が気になるポイントも増えていく。などなど
そして最終的には、誰かに教えてもらった基準ではなく、自分自身の腕時計を見る基準ができてくるんですよね。
といった感じで、今回は腕時計を何本も購入される方が、本当は何を増やしているのかというところをベルモントルの妹尾さんと一緒に見ていきましょう。
それでは早速やって参ります。
本数が増えるほど、「比較する基準」が増えていく
最初に高級腕時計を一本買った時というのは、その腕時計が自分にとって一つの基準になります。
例えば初めて買った腕時計が40mmだったら、しばらくは40mmが自分の中で普通になります。
初めて買った腕時計が自動巻きだったら、機械式腕時計というのはこういうものなんだと感じると思います。
ところが二本目、三本目と所有していくと、少しずつ見方が変わってきます。
同じ36mmでも、ベゼルが細いだけで文字盤が広く見える。とか
同じ金無垢でも、ケースが薄いと見え方がまったく違う。とか
同じ手巻きでも、リューズを巻いた時の感触が違う。とか
同じ革ベルトの腕時計でも、ラグの長さによってケースを大きく見せてるみたいだ。などなど
こういったことが、実際に比べることで分かってきます。
つまり一本増えるたびに、その腕時計だけが増えているのではなく、比較対象が一つ増えているんですよね。
例えばパテック フィリップのカラトラバしか見たことがなければ、それが自分の中でパテックの基準になります。
でもゴールデンエリプスを所有すると、「パテックは丸形だけではない」という見方が加わります。
カルティエでも、タンクだけを持っている時と、サントスまで所有した時では、ブランドそのものの見え方が変わってきます。
これは知識とは少し違います。
そもそもサイズを調べることはできますし、カラトラバを買う前にはエリプスも比較対象に入ってたはずなので存在自体は知ってたはずです。
ムーブメントの型番も調べられます。
でも、2本を実際に所有して比べた時に感じる違いは、スペック表だけではなかなか分かりません。
だから腕時計が増えていくと、単純にコレクションが増えるだけではなく、所有することで得られるのは腕時計を見る時の「物差し」が増えていくことなんですね。
私はここが、何本も腕時計を所有する面白さの一つだと思っています。
では次に、腕時計を買うたびに、「好きなもの」より「違和感」が分かってくる!という内容で解説して参ります。
腕時計を買うたびに、「好きなもの」より「違和感」が分かってくる
腕時計を買う前は、「自分はこういう腕時計が好きなんだ」と考えると思います。
それってのは分かりやすいところで言うと
スポーツモデルが好き。とか
大きい腕時計が好き。とか
金無垢が好き。とか
ヴィンテージが好き。などなど
ただ、実際に所有してみると、購入する前には気づかなかったことがかなり出てきます。
例えば、見た瞬間はものすごく格好いいと思った腕時計なのに、所有してみると何となく手に取らなかったり、逆に、購入する時には少し地味に感じていた腕時計を、なぜか頻繁に使っているとかですね。
こういうことが結構あります。
ここで重要なのは、「好き」という感情だけでは自分の好みを完全には説明できないということです。
実際に所有すると、
「この厚さがなんかしっくりこない」とか
「このブレスレットの重さは自分には重いなぁ」とか
「デイトがある方が便利だと思っていたけれど、実際にはそこまで見ていないな」とか
「文字盤は派手な方が好きだと思っていたけれど、結局シンプルなものばかり残っているな」などなど
自分が理想としてたものを買ってきたはずなので、実態としては合格してるのはおそらく半分程度ではないでしょうか。
つまり、腕時計を買うことで分かるのは、「何が好きか」だけではありません。
自分が何に違和感を持つのかが分かるようになります。
大事なことなので、繰り返しになりますが自分が不快に感じる部分も理解できるようになります。
これはかなり大きいと思います。
では次に、本数が増えるほど、「知識」ではなく「経験値」が増えていく!と言う内容で解説して参ります。
本数が増えるほど、「知識」ではなく「経験値」が増えていく
腕時計というのは、調べようと思えば本当に多くの情報が出てきます。
ケース径。
厚さ。
ムーブメント。
製造年代。
素材。
リファレンス。
市場価格。
他にもたくさんありますが、現在では購入する前にかなりのことを調べられます。
ただ、腕時計に関しては、知っていることと経験したことが同じではありません。
例えば手巻きの腕時計について調べれば、「毎日リューズを巻く必要があります」と書いてあります。
これは知識です。
でも実際に半年間所有して、毎朝リューズを巻いてみないと、それが面倒なのか、それとも楽しいのかは分かりません。
金無垢の腕時計も同じです。
「ステンレスより重い」と文章で読むことはできます。
でも実際に自分で何か月も使ってみると、購入前に想像していたほど重さが気にならない方もいますし、逆に思っていた以上に気になる方もいます。
ヴィンテージもそうです。
傷があったり文字盤が経年変化して、製造当時から少し色が変わっているなどなど記載されています。
現行モデルほど防水性能を期待できないと記載されています。
こういうことは購入前から分かります。
でも、それを実際に所有した時に、自分がどこまで気になるのかは別の話です。
こういったものは、いくら動画を見ても完全には分かりません。
だから腕時計を何本も所有している方ほど、単純に知識が多いというより、「自分の場合はどうだったか」という経験が増えていきます。
この差はかなり大きいです。
例えば同じ腕時計を見ても、初めて高級腕時計を見る方は、ブランド名や価格に目が行くかもしれません。
一方、いろいろ所有してきた方は、
ケースのエッジ。とか
ラグの形。とか
横から見た時の美しさ。とか
針の形と文字盤のバランス。とか
リューズを巻いた時の感触。などなど
そういうところを見ることがあります。
これは勉強したからというより、過去に所有した腕時計との比較が頭の中にあるからです。
つまり、腕時計を何本も購入される方が増やしているものの一つは、腕時計に対する経験値なんですよね。
そして経験値が増えるほど、次に欲しくなる腕時計が必ずしも高価になるとは限りません。
むしろ逆に、有名ではないモデルや、非常にシンプルなモデルに興味が向くこともあります。
なぜなら、そんな場所に自分の知らない世界があるからですね。
他にも「価格が高いから良い物」という見方だけではなく、別のところに魅力を感じられるようになるからです。
ここが腕時計を何本も所有していく面白さだと思いますね。
最後に増えているのは、「自分だけの基準」
では結局、腕時計を何本も購入される方が本当に増やしているものは何なのでしょうか。
私は最終的には、
「自分だけの判断基準」
だと思っています。
腕時計をまだほとんど所有したことがない時は、どうしても正解を外に探します。
まぁ、分かりやすいところでいえば
人気ランキング。とか
中古価格。とか
有名なモデルかどうか。とか
ウェブでの評価。とか
SNSでよく見る腕時計。とか
もちろん、こういった情報も腕時計を選ぶ上では重要です。
大体の場合はこういった指標から入ってくるものなので、自然な流れなんですよね。
ただ何本も所有していくと、少しずつ外側の評価と自分の評価が分かれてきます。
世間では非常に人気があるけれど、自分はそこまで欲しくないんだよねぇ。とか
逆に市場ではそれほど注目されていないけれど、自分はこのケースがすごく好き。とか
他の方から見れば普通の腕時計でも、自分にはこの文字盤のバランスが面白く見える。とか
こういう判断ができるようになってきます。
ここまで来ると、腕時計選びは自分の中で極みに到着しつつあります。
「何を買えば間違いないのか」ではなく、「自分は何を魅力的に捉える傾向にあるのか?」ここで見られるからです。
そして、その基準は誰かから教えてもらうものではありません。
実際に買って、使って、比べて、時には手放して、その積み重ねの中で作られていきます。
だからここの判断基準や審美眼は完全にパーソナライズ化されており、自分だけのオリジナルです。
変えが効かないんですよ。
そして、そう言う方って周りの評価でそれを判断しないので、とても深くて人としても魅力的に見えますよね。
そして面白いのは、基準ができてくると、本数を増やすこと自体が目的ではなくなることです。
10本持っていた方が5本に減らすこともあります。
お客様と話ししてても、まぁまぁこの話は出てくるので、実際に視聴者様の中にも一定数同じ流れを辿ってる方はいらっしゃるんじゃないでしょうか。
それは
有名モデルを手放して、無名のヴィンテージを残すこともあります。
価格が高い腕時計ではなく、自分が本当に面白いと思う腕時計を残すこともあります。
つまりコレクションが成熟していくというのは、本数が増え続けることではなく、「自分は何を残したいのか」が分かってくることなのかもしれませんね。
腕時計というのは本来、値段やブランド名だけでは、その一本が本当に納得できるかどうかは、決まらないんですよね。
その一本が持つ背景まで見えてきたときに、初めて「これだ」と思える自分の一本に出会えるんですよね。
店舗は表参道駅から徒歩2分の場所にあるので、雨の日でもほとんど濡れずにお越し頂けます。
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