高級腕時計は「使う資産」なのか「守る資産」なのか!?
こんにちは、ベルモントルの妹尾です。
本日は高級腕時計は『使う資産』なのか『守る資産』なのか?という内容で解説して参ります。
高級腕時計を購入すると、「せっかく買ったのだから使いたい」という気持ちと、「できるだけ傷をつけず、価値も守りたい」という気持ちの両方が出てきます。
特にロレックスやカルティエ、パテック フィリップ、オーデマ ピゲのように中古市場でも高い価格で取引されるブランドでは、腕時計を資産として見る方も少なくありません。
ただ、高級腕時計は株や不動産とは違い、実際に腕へ着けて楽しめる物なんですよね。
使えば傷はつきますし、状態によっては売却価格に影響することもあります。
一方で、価値を守ることだけを考えてほとんど使わないのであれば、腕時計を所有する意味はどこにあるのかという疑問も出てきます。
今回は、高級腕時計は本当に資産と呼べるのかというところから、使う価値と守る価値の両方を私なりに掘り下げて参ります。
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高級腕時計は、そもそも「資産」と呼べるのか!?
話を進める前に、私の考えを先にお話しします。
私の考えでは、腕時計は完全に資産になるとは考えていませんし、それを目的に購入すれば、ほぼ確実に外すはずです。
また、腕時計は金庫や倉庫で眠らせておくものではなく、実用として使ってあげることが本来の目的です。
ですので、腕時計は愉しむことを第一優先として、20〜30年使用したのちに売却するときに、少し上がった、もしくはトントンで終わった。
程度の距離感が望ましいと考えております。
では本題に入りまして、高級腕時計を資産として見る方は増えていますが、まず押さえておきたいのは、株や不動産とまったく同じ性質ではないということです。
腕時計には明確な市場価格があり、モデルや状態によっては購入時に近い金額、あるいはそれ以上で売却できることもあります。
特に流通量が多く、相場が形成されているブランドやモデルであれば、現在どのくらいの価格で取引されているのかも比較しやすいですよね。
この点だけを見ると、高級腕時計を資産と呼ぶこと自体は不自然ではありません。
ただし、腕時計に限らず他のカテゴリーでも同じですが、の価値は常に一定ではなく、時計の場合であれば人気や為替、ブランドの方針、市場に出回る本数などによって変動します。
同じモデルでも、文字盤やケースの状態、付属品の有無、年代によって価格差が出ることもあります。
ですので、「高級腕時計を買えば必ず資産になる」と考えるのは少し違います。
購入価格がそのまま将来の売却価格になるわけではありませんし、どのブランドでも同じように価値が残るわけでもありません。
逆に、購入した当時はそれほど注目されていなかったモデルが、数年後に評価されることもあります。
つまり、高級腕時計の資産性には、ある程度の不確実さがあるんですよね。
むしろ、現金化できる価値を持ちながら、自分で使うこともできる特殊カテゴリー、と捉える方が分かりやすいです。
ここが株や金、預金との大きな違いになります。
株は持っていても身につけることはできませんし、不動産も日常的に持ち歩くことはできません。
ワインも同じようなカテゴリーですが、飲めば減っていきますよね。
その反面、高級腕時計の場合は、仕事や会食、休日の外出など、日常の中で実際に使いながら所有できます。
つまり、価格が残る可能性があることと、使うことで満足感を得られることが同時に存在しています。
だからこそ、高級腕時計は「資産かどうか」という二択で考えるよりも、『売却できる価値を持つ実用品』として見る方が実態には近いです。
そして、この特徴があるからこそ、使うべきなのか、守るべきなのかという悩みが生まれてくるんですよね。
では次に、「使う資産」としての高級腕時計!という内容で解説して参ります。
「使う資産」としての高級腕時計
高級腕時計を「使う資産」として見る場合、一番の特徴は、所有している間にも価値を受け取れることです。
この時計を着用してる時に、気分が良くなる、とか、元気になる、とか、少しにやけるなどの所有している喜びですね。
株や預金であれば、価値は数字として確認することが中心になりますが、腕時計は日常の中で実際に身につけることができます。
仕事の日に着けたり、会食の場で使ったり、休日にお気に入りの一本を選んだりと、所有している時間そのものに満足感が生まれるんですよね。
そして、この「使える」という点は、高級腕時計の資産性を考えるうえでかなり重要です。
たとえば100万円で購入した腕時計を10年間所有したとして、その間に何度も着用し、さまざまな場面で楽しんだのであれば、仮に売却時の価格が購入時より下がっていたとしても、単純に損をしたとは言い切れません。
その10年間で得た使用体験も、購入した価値の一部だからです。
合コンに行く時に、その腕時計を着用していつもり自分をかっこよくしてくれたその腕時計は、自分自身の精神を支えるという価格では代替え出来ないパワーを与えてくれたはずです。
もちろん、資産性だけを重視するのであれば、なるべく使わずに状態を保った方が有利な場合もあります。
ただ、高級腕時計はもともと身につけるために作られた物でもあります。
リューズを巻く感触や、ブレスレットの装着感、文字盤が光の当たり方によって表情を変えることなど、実際に使わなければ分からない魅力が数多くあるんですよね。
ヴィンテージ腕時計であれば、さらにその傾向は強くなります。
ケースの薄さやサイズ感、ブレスレットの軽さ、現行品にはない文字盤の雰囲気などは、写真だけでは伝わりにくく、腕に載せて初めて良さが分かることがあります。
つまり、「使う資産」としての高級腕時計は、価格を維持することだけではなく、使いながら価値を受け取るという考え方なんです。
売却するまで一度も使わずに保管する方法もありますが、それでは腕時計としての魅力を十分に味わえない可能性があります。
たとえば一本の腕時計を長く使えば、その腕時計を見るたびに、購入した時期や仕事、旅行などの記憶と結びついていくこともあります。
こうした経験は、中古市場の価格表には表れませんが、所有する方にとっては確かな価値になります。
高級腕時計は、持っているだけでなく、実際に使うことでその価値を実感しやすい資産といえるんですよね。
とは言っても、やっぱり出口も考えちゃうのが人間というものですので、次に「守る資産」として考えた場合、何を守るべきなのか!?という内容で解説して参ります。
「守る資産」として考えた場合、何を守るべきなのか!?
高級腕時計を「守る資産」として考えた場合、単純に傷をつけないことだけが大切なわけではありません。
むしろ重要なのは、その腕時計が本来持っている価値を、大きく損なわない状態で維持することです。
特にヴィンテージ腕時計では、文字盤や針、ケース、ブレスレットといった各部分の状態が、将来的な評価に影響することがあります。
たとえば、ケースを何度も強く研磨してしまうと、本来あったエッジや厚みが失われることがあります。
見た目をきれいにするための研磨であっても、やりすぎると、そのモデルらしいケースの形が少しずつ変わってしまうんですよね。
もちろん、すべてを当時のまま残せばよいという話でもありません。
ムーブメント内部の消耗部品やパッキン、リューズなど、使用を続けるために交換が必要な部分もあります。
大切なのは、使うために必要な整備と、見た目を変えてしまう修復を分けて考えることです。
そして、箱や保証書、ブレスレットの余りコマなどの付属品も、モデルによっては将来的な評価に関係します。
普段使わないからといって捨ててしまうのではなく、購入時に付いてきた物は一緒に保管しておく方が安心です。
つまり、「守る」というのは、腕時計を金庫に入れて一度も使わないことではありません。
必要なメンテナンスを行いながら、その個体らしさを残していくことなんですよね。
冒頭で話した通り、腕時計の本来の役割は金庫に入れておくことではなく使ってあげることです。
多少の使用傷があったとしても、ケースの形や文字盤の状態が自然に保たれていれば、それだけで大きなマイナスになるとは限りません。
高級腕時計を守るというのは、無傷の状態を目指すことではなく、価値の中心となる部分を理解し、そこを不用意に変えないこと、そしてそれを出来るだけしないように、丁寧に扱ってあげることだと思います。
では次に実際のところ、そこが難しいんですよね。って話だと思うので、使えば傷がつく。でも、使わなければ意味がない?という内容で解説して参ります。
使えば傷がつく。でも、使わなければ意味がない?
高級腕時計を実際に使えば、どうしても細かな傷は増えていきます。
ブレスレット同士が擦れたり、机にケースが触れたり、バックルに線傷が入ったりすることもあります。
特に新品に近い状態で購入した腕時計ほど、最初の傷は気になるんですよね。
そのため、できるだけ傷をつけたくないと考えて、着用する機会を減らしてしまう方もいらっしゃいます。
ただ、ここで考えたいのは、その腕時計を何のために購入したのかということです。
もちろん、将来売却する可能性まで考えて状態を保つことは大切です。
しかし、傷を恐れるあまり、ほとんど身につけないのであれば、高級腕時計が持っている楽しさの多くを手放してしまうことにもなります。
腕時計は、ケースの造形や文字盤を見るだけではなく、実際に腕に載せた時のバランスや、袖口から見えた時の雰囲気まで含めて楽しむ物です。
特にヴィンテージ腕時計は、少し使い込まれたケースやブレスレットの質感が、その個体の自然な魅力になっている場合もあります。
ですので、すべての傷を同じように捉える必要はありません。
日常使用の中でつく細かな傷と、強い衝撃による打痕や、ケースの形が変わるほどの深い傷では意味が違います。
前者は使っていればある程度避けられないものですが、後者はできるだけ避けたいダメージです。
つまり、「使うか、守るか」の二択ではなく、普通に使いながら大きなダメージだけを避けるという考え方が現実的です。
たとえば、日常の仕事や食事で使うことまで避ける必要はありません。
一方で、スポーツをする時や重い荷物を運ぶ時、海やプールへ行く時などは、別の腕時計を選ぶという使い分けもできます。
高級腕時計だからといって特別扱いしすぎる必要はありませんが、何も考えずに使う必要もないんですよね。
多少の使用傷が増えたとしても、その腕時計を何年も楽しんだのであれば、それも所有した価値の一部です。
視聴者様が歳をとって、シワが増えるように腕時計だって擦り傷は入ります。
それを腕時計の理想系は傷ひとつない完品の状態である。という役割を与えてしまうと、自分も腕時計も窮屈な日常になってしまいます。
無傷の状態だけを守ることよりも、価値を大きく損なわない範囲で実際に使う。
このバランスが、高級腕時計との付き合い方として一番自然なのではないかと思います。
では次に、皆様が気になってるであろう売ることを前提に腕時計を買うべきなのか!?という内容について解説します。
売ることを前提に腕時計を買うべきなのか!?
高級腕時計を購入する際に、将来の売却価格を意識すること自体は、決して悪いことではありません。
100万円、200万円、場合によってはそれ以上の金額を使うわけですから、「もし手放すことになった時に、どれくらい価値が残るのか」を考えるのは自然なことです。
特に高級腕時計は、中古市場がしっかり形成されているモデルも多く、購入時点である程度の相場を確認することができます。
そのため、リセールバリューを購入基準の一つに入れる方がいるのも当然なんですよね。
ただし、売ることを前提にしすぎると、腕時計選びの基準がかなり狭くなってしまいます。
本当はデザインが好きでも、「このモデルは値下がりしそうだからやめておこう」と考えたり、逆にそれほど惹かれていないモデルでも、「値落ちしにくそうだからこちらにしよう」と選んでしまうことがあります。
もちろん、それで満足できるのであれば問題ありません。
ただ、高級腕時計は毎日身につけることができる物です。
使うたびに「本当は別のモデルが欲しかった」と感じるのであれば、資産価値を優先した選択が、必ずしも良い買い物だったとは言い切れません。
そしてもう一つ大切なのは、将来の価格は完全には予測できないということです。
現在人気が高いモデルでも相場が下がることはありますし、反対に、購入した当時はそれほど注目されていなかった腕時計が後から評価される場合もあります。
ブランドの人気、為替、市場に出回る本数、流行など、さまざまな要素で価格は変わります。
ですので、「絶対に値上がりする」「これなら損をしない」という前提で購入するのは危険です。
私としては、売却価格をまったく考えない必要もなければ、そこだけを基準にする必要もないと考えています。
そして、視聴者の皆様はもうだいぶ記憶から抜けてると思いますが、出口戦略だけを意識するととけマッチみたいになってしまいます。
要するに、それを金融商品と見た時点で、形を変えた次のとけマッチに出会う可能性が格段に上がります。
ほとんどの人は、とけマッチが事件になって知ったことでしょうが、それを金融商品として見ていた方は、情報の取得が早く、それが逆に取り返しのつかない事態につながっています。
まず自分が本当に使いたいと思える腕時計を選び、そのうえで中古市場ではどの程度評価されているのかを確認する。
この順番の方が、高級腕時計との付き合い方として自然です。
仮に数年後に手放すことになったとしても、その間に十分使い、楽しむことができていれば、売却価格だけでは測れない価値を受け取っているはずです。
資産性は、高級腕時計を選ぶうえで大切な要素の一つです。
ただ、それが腕時計を選ぶ目的そのものになってしまうと、本来の楽しさから少し離れてしまうんですよね。
では次に、結局、「使う資産」と「守る資産」どちらなのか!?という内容で解説して参ります。
結局、「使う資産」と「守る資産」どちらなのか!?
ここまで考えてくると、高級腕時計は「使う資産」か「守る資産」か、どちらか一方に決める必要はないということが分かります。
むしろ高級腕時計は、価値を守りながら使う物として考えるのが一番自然です。
使えば細かな傷はつきますし、状態によっては売却価格に影響することもあります。
一方で、まったく使わずに保管するだけでは、腕時計としての魅力を十分に楽しむことができません。
大切なのは、無傷の状態を維持することではなく、価値を大きく損なうような扱いを避けながら、日常の中でしっかり使うことです。
たとえば、通常の仕事や食事、休日の外出で身につけることまで避ける必要はありません。
その一方で、強い衝撃が加わる場面や、水分に触れる可能性が高い場面では、別の腕時計を選ぶという使い分けもできます。
このくらいの距離感であれば、腕時計を楽しみながら、状態も守りやすくなります。
そして、資産として考える場合でも、購入価格や将来の売却価格だけを見るのではなく、その腕時計を所有している間にどれだけ楽しめるのかという視点も必要です。
数字遊びは株やFXで出来ますが、所有する喜びやそれと一緒に出歩いた思い出は数字遊びとは別物ですし、自分だけの経験でありそれはプライスレスです。
数年後に売却して少し価格が下がっていたとしても、その間に何度も身につけ、仕事や旅行、特別な場面で使ってきたのであれば、その時間まで含めて価値を受け取っています。
数字だけでは、見えない心の充足感に大きな価値があります。
高級腕時計の面白さは、資産性と実用品としての魅力が同時に存在しているところにあります。
だからこそ、私は「使う資産」か「守る資産」かという二択ではなく、**「守りながら使う資産」**として考えるのが、一番現実的な付き合い方だと考えています。
ではいつも通りベルモントルの視点をお話しして締めくくりとさせて頂きます。
ベルモントルの視点
ベルモントルでは、腕時計を仕入れる際に、将来いくらで売れるのかという資産性だけを基準にしているわけではありません。
もちろん、市場でどのように評価されているのか、希少性があるのか、状態がどの程度保たれているのかは確認します。
ただ、それと同じくらい大切にしているのが、実際に身につけた時に魅力を感じられるかという部分です。
せっかく高級腕時計を購入しても、価値が下がることを気にして使えないのであれば、少しもったいないですよね。
特にヴィンテージ腕時計は、現行品にはないサイズ感やケースの造形、文字盤の雰囲気など、実際に腕へ載せて初めて分かる魅力があります。
ですので、ベルモントルでは「これは値上がりしそうだから」という理由だけで商品をご提案することはありません。
将来的な価値も意識しながら、その方が実際に使いたいと思える一本なのか。
そして、購入した後も長く楽しめる腕時計なのか。
この二つを大切にしています。
高級腕時計は、金庫の中で守るだけの資産ではありません。
価値を大切にしながら実際に使い、その時間まで含めて楽しめることこそ、高級腕時計ならではの魅力だと考えています。